彼は残業だったので
【この小説が収録されている参考書籍】 |
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 | 2000年05月31日 彼は残業だったので (カッパ・ノベルス) 情報処理会社に勤める中井は、残業中、魔術の本を読みふけっていたら、オフィスのオートロックがかかり、閉じ込められてしまった。時間をもてあました彼は、“憎い相手を呪い殺す”呪術を試してみることに…。日頃、憎らしく思っている同僚野村裕美子と佐藤輝明の人形を厚紙でつくり、火をつけた!二人は前日から無断欠勤していたが、はたして三日後、佐藤の部屋から男女の焼死体が発見された。二つの死体は、バラバラに切断され、あやつり人形のように木の枝で連結されていた。犯人は何のために、死体にこのような細工をしたのか。 (「BOOK」データベースより) |
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彼は残業だったのでの総合評価:
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| 主人公と思っていた人物が全く事件と関係なかった……犯人は登場してすぐに分かる。 島田荘司先生の「占星術殺人事件」のオマージュというかパロディ（苦笑） あまりミステリとしては評価出来ませんが、一冊の本としては面白かったです。おわり。 | ||||
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| 島田氏の占星術殺人事件に影響を受けた・・・・というよりトリックを流用したフォロワー作としてはメフィスト賞作の蘇部健一の六枚のとんかつに続くリスペクト作品。しかし、フォロワー作品２作ともいずれもトホホな出来なのはどうしたものなのか・・・・。否、まだ六枚のとんかつの方がトリックを時間という別媒体に置き換えたいただけ上出来である。本作は占星術のあの死体トリックをほぼそのまま継承している。 コンピューター会社での残業中に呪いを冗談でかけたら、その呪いの状況のままの同僚の死体が発見される。一方の呪いをかけた男はビルが自動施錠されて会社内に閉じ込められていた・・・・という粗筋だけ読むと非常に不可能トリック満載の面そうな話に思えるのだが、実はこの粗筋に書かれていることは全く事件の真相とは関係ない。途中から別に主人公が割り込み、占星術殺人事件そのままの探偵旅行が繰り広げられる。 文章も人物造形も冒頓で小説的な読み応えはほぼなく、死体取り換えのバラバラトリックのみで引っ張る一発トリック系の作品だが、この死体トリック、占星術殺人事件を読んでいればもちろんの事、読んでなくても出てきた瞬間にトリックが１００％分かる！ まさか、こんなトリックじゃないよなと否定して最後まで読むと、最初に誰もが思い浮かんだトリックそのまま！の真相が明かされる。ここまでバレバレのトリック一本で引っ張りまくったミステリーは他にないだろう。読んだ後は脱力感が・・・・・・。 まさに、中学生が占星術殺人事件に感銘受けて、書き上げたような稚拙な作品ながら、その春水さにはちょっと微笑しさがあり、作品の質とは別に好感は抱かせる作品でもある。 裏表紙のたむらけんじみたいなルックスの挑発的な著者の近影も妙に味わいがある。 さらに、こんな作品に島田荘司先生が歴代の著名推理作家の名を挙げて、本書をその歴史の系譜につながる大型本格推理の登場と絶賛されているのが凄い。とてもこの著者、以前に島田氏が推薦した歌野晶吾や我孫子武丸のようにその後の躍進が期待できるようには思えないのだが・・・。 まあ、作品の質は別にして、ネタとしては結構楽しめる作品である。 | ||||
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| 島田荘司が推薦文を書いている。 ”占星術殺人事件”をリスペクトしてこの作品がかかれたからだそうだ。 でもそういう点では蘇部健一の”六枚のとんかつ”のほうが先だと 思ったけど。あっちのほうはスルーするのはなんでですかね？ こちらのほうはトリックは元と大して変わらないし、探偵役もちゃちい 人生論をとうとうとのべるし。。。 ただひとつ、数学に関するくだりの”日本人はすべてを笑いにかえてしまう。 その狭量さに腹が立つ”のくだりはなるほどと思った。 文章は面白い。トリックは亜流。んで星３つ。 | ||||
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| とにかく話のテンポがよく、登場人物の（心の声の）毒舌ぶりとユニークさに、笑わせながら、話に引き込まれました。 現代の働く人のストレス過多ぶりもよく現れています。 とても面白かったです。 | ||||
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