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bamboo さんのレビュー一覧
bambooさんのページへレビュー数42件
全42件 41~42 3/3ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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学生時代以来、2度目の再読をしました。
本格ミステリで第1位だっただけあり、とても面白かったです。意外と展開やら結末やら忘れていたので、初読のときと同じ新鮮な気持ちで楽しめました。 まず、四重交換殺人という発想に敬服します。私は実験的なミステリが好きなので、誰も書いたことのないアイデアを起点に進行していく話に評価が高くなります。そして、物語は予定調和で終わりません。序盤から少し物語が進行したベージで、犯人側にとって不測の事態が起こります。その、本流を裏切る流れは、東野圭吾氏の疾風ロンドを思い起こさせました。 私は、今回再読したとき、犯人のハンドルネーム4つと、殺すターゲット、殺す順番を、それぞれメモしていました。未読の方にもお勧めです。そうすることで、次に(♡◯)、誰が、どのターゲットを(♤◯)殺すか流れを追えるだけでなく、自然と作者の術中に嵌まってしまうのです。 途中、カードの引く順番と、自分が殺したいターゲットを自分が殺せない問題について、作者が探偵法月氏の口を借りて(作者も本書の探偵と同名なので紛らわしい)講釈する場面があります。その思考は、まさしく四重殺人という特殊ケース故に発生しうる問題で、若干小難しくなっているきらいがあります。まさしく論理的思考の極地に感じられました。 さて、最後にタイトルにも書いたカードマジックについて。本書がカードを用いているからだけでなく、結末で明かされる真相が、たしかになるほどと唸らせられるのですが、どうしても、他のレビュアーさんが評価しているように小粒に思えて仕方ありません。冒頭の伏線が回収され、終盤、罪が軽くなるよう弄した犯人の一人の策略など、なるほどと思わせられますが、いかんせんパンチが弱い。もう少し話を壮大にできる余地はありそうです。 なので例えれば、大脱出マジックではなく、マジシャンの手元で驚かされるカードマジックという表現が相応しいです。 けれど、読み応え抜群、ミステリ好きにお薦めできる一級品でした。 |
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初めてレビューをします。
本書は、見出しのとおり13個の話を収録した短編集です。13個も収めてあるので豪華と感じる人もいれば、その分、1話あたりの話が短く、物足りなく思う人もいるでしょう。 私は本書を読み終え、ドイルのホームズを思いだしました。本書における探偵、ミス・マープルが、火曜クラブに集った面々からの話を聞き終え、すぐに真相を見抜くのです。超人といってよいでしょう。私はホームズシリーズを齧ったほどしか読んでいませんが、謎が提示され、すぐに解決してしまうのですから、読者に推理させる暇がありません。なので、推理するよりかはマープルの推理のキレの良さを楽しむことに力点を置いて読むほうがよいかもしれません。 13個の話を平均して星4つとしましたが、際立っておもしろいと思ったものもありました。『聖ペテロの指のあと』は、英語ならではのアイデアが活かされていると思いましたし、『溺死』は、より一層、マープルの慧眼に畏れ入りました。 ところで、作中に『卵の黄身"が"白いか、それとも、卵の黄身"は"白いか』と問う文章が気になりました。いわゆる助詞にスポットを当てていると思いますが、英語圏に助詞など関係あるのでしょうか。いずれもisで表せそうですが、、、。原文が気になるところです。 |
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