覘き小平次

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

覘き小平次の評価:

4.29/5点 レビュー 28件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.29pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全56件 41〜56 3/3ページ
No.16
(5pt)

最後の2ページが怖い

京極シリーズはほぼ読んでいますが、読み落としていた本書をようやく手に取りました。「嗤う伊右衛門」に続く、非常に哀しいお話でした。前半部は、登場人物のそれぞれについて、一見無意味とも思われるストーリが、だらだらと続く印象でしたが、小平次が死ぬ(?)場面から、それらが一挙にリンクし始めます。小平次自身の前半部での読者さえもいらいらさせる存在も、そこを機に反転します。京極夏彦さんお得意のパターンですが、この爽快感がたまりません。最後のドタバタ劇はないほうが好みだったかなとも思いますが、そのドタバタがあったからこそ最終章の静けさが際立ったようにも思えます。まさに、「嗤う伊右衛門」の方法ですし、この後に発刊された「数えずの井戸」も全く同じ形式をとっていますね。最後の2ページは、怖くて鳥肌が立ちました。この最後の2ページで読者をゾワッとのために、ここまでのすべてがあったのかとも思えるほどです。
覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125008892
No.15
(5pt)

最後の2ページが怖い

京極シリーズはほぼ読んでいますが、読み落としていた本書をようやく手に取りました。「嗤う伊右衛門」に続く、非常に哀しいお話でした。前半部は、登場人物のそれぞれについて、一見無意味とも思われるストーリが、だらだらと続く印象でしたが、小平次が死ぬ(?)場面から、それらが一挙にリンクし始めます。小平次自身の前半部での読者さえもいらいらさせる存在も、そこを機に反転します。京極夏彦さんお得意のパターンですが、この爽快感がたまりません。最後のドタバタ劇はないほうが好みだったかなとも思いますが、そのドタバタがあったからこそ最終章の静けさが際立ったようにも思えます。まさに、「嗤う伊右衛門」の方法ですし、この後に発刊された「数えずの井戸」も全く同じ形式をとっていますね。最後の2ページは、怖くて鳥肌が立ちました。この最後の2ページで読者をゾワッとのために、ここまでのすべてがあったのかとも思えるほどです。
覘き小平次 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 覘き小平次 (角川文庫)より
4043620063
No.14
(4pt)

巷説百物語と地味にリンクしています

幽霊芝居をさせたら超一流、それ以外はへっぽこ役者、常に押入れに閉じこもって覘いて、人に嫌悪感を抱かせる小平次。
だが、嫌悪や侮蔑を感じながら、周囲の人々は彼を無視はしていない。どころか逆に強い感情を抱いている。
それも強いマイナス感情であるところが興味深い。
ただ、彼に対して悪感情を持つ者は、ある意味心の持ちようが安定していない人間であるように思われる。
つまり、小平次は心に濁りを持っている者の心の鏡のような存在であるのだろうか。
自身は心の内を覘かせなかった小平次が、(彼にとっては)通りすがりのことぶれの治平に対して内心を吐露していたのは面白かった。
人は、時に自分の事を全く知らない人間に対しての方が己の事を語れる場合もあるという事かもしれない。
ラストも決してハッピーエンドではない。
それでも互いが互いに関心を失っている者達よりも、ある意味非常に密度が濃い人間関係ではないかと思った。
こういう不思議な主人公像をテーマに一つの物語に出来る京極さんは、やはり凄いです。
覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125008892
No.13
(4pt)

巷説百物語と地味にリンクしています

幽霊芝居をさせたら超一流、それ以外はへっぽこ役者、常に押入れに閉じこもって覘いて、人に嫌悪感を抱かせる小平次。
だが、嫌悪や侮蔑を感じながら、周囲の人々は彼を無視はしていない。どころか逆に強い感情を抱いている。
それも強いマイナス感情であるところが興味深い。
ただ、彼に対して悪感情を持つ者は、ある意味心の持ちようが安定していない人間であるように思われる。
つまり、小平次は心に濁りを持っている者の心の鏡のような存在であるのだろうか。
自身は心の内を覘かせなかった小平次が、(彼にとっては)通りすがりのことぶれの治平に対して内心を吐露していたのは面白かった。
人は、時に自分の事を全く知らない人間に対しての方が己の事を語れる場合もあるという事かもしれない。
ラストも決してハッピーエンドではない。
それでも互いが互いに関心を失っている者達よりも、ある意味非常に密度が濃い人間関係ではないかと思った。
こういう不思議な主人公像をテーマに一つの物語に出来る京極さんは、やはり凄いです。
覘き小平次 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 覘き小平次 (角川文庫)より
4043620063
No.12
(4pt)

巷説百物語と地味にリンクしています

幽霊芝居をさせたら超一流、それ以外はへっぽこ役者、常に押入れに閉じこもって覘いて、人に嫌悪感を抱かせる小平次。
だが、嫌悪や侮蔑を感じながら、周囲の人々は彼を無視はしていない。どころか逆に強い感情を抱いている。
それも強いマイナス感情であるところが興味深い。
ただ、彼に対して悪感情を持つ者は、ある意味心の持ちようが安定していない人間であるように思われる。
つまり、小平次は心に濁りを持っている者の心の鏡のような存在であるのだろうか。
自身は心の内を覘かせなかった小平次が、(彼にとっては)通りすがりのことぶれの治平に対して内心を吐露していたのは面白かった。
人は、時に自分の事を全く知らない人間に対しての方が己の事を語れる場合もあるという事かもしれない。
ラストも決してハッピーエンドではない。
それでも互いが互いに関心を失っている者達よりも、ある意味非常に密度が濃い人間関係ではないかと思った。
こういう不思議な主人公像をテーマに一つの物語に出来る京極さんは、やはり凄いです。
覘き小平次 Amazon書評・レビュー: 覘き小平次より
4120033082
No.11
(4pt)

京極ワールド

主人公の気の弱さと生き方に自分の心の深遠を覗いたようで、悪酔いしそうになりました。京極氏代表作の「巷説百物語」と比べて筆致は近いが、何とも陰鬱な影を放ちます。
しかし同じく京極ファンの知り合いの女性はぜんぜん平気だそうで。
どうやら酔い加減は個人差が大きいようです。おそらく、主人公を通して自分の深遠を覗かずにすむ人は平気なのでしょう。
幽霊なぞより人間のほうがぜんぜん怖いことを改めて感じます。
覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125008892
No.10
(4pt)

京極ワールド

主人公の気の弱さと生き方に自分の心の深遠を覗いたようで、悪酔いしそうになりました。京極氏代表作の「巷説百物語」と比べて筆致は近いが、何とも陰鬱な影を放ちます。
しかし同じく京極ファンの知り合いの女性はぜんぜん平気だそうで。
どうやら酔い加減は個人差が大きいようです。おそらく、主人公を通して自分の深遠を覗かずにすむ人は平気なのでしょう。
幽霊なぞより人間のほうがぜんぜん怖いことを改めて感じます。
覘き小平次 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 覘き小平次 (角川文庫)より
4043620063
No.9
(5pt)

小平次の幽霊という妖怪

小平次という男は極端に存在感の無い男として描かれており、たしかに幽霊のようにも思える。夜道に立つ小平次や、舞台に立った姿は幽霊そのものである。
しかし、小平次に対するお塚の感情は嫌悪であり、多九郎は苛立ちのようなものを覚えている。幽霊に対して嫌悪するのは分からなくもないが、苛立つのは少々おかしい。そもそも同居しているお塚が心底怖がっていないところが、幽霊としては間抜けである。
私は小平次は幽霊ではなく、感情を喚起させ、時に独り語りさせる妖怪ではないかと思っている。
お塚はお塚に嫌悪し、多九郎は多九郎に苛立っているのではないか。
治平は小平次に対して、厚みこそが大事だ、自分を騙せと云う。これは治平自身がポリシーを確認しているに過ぎないように思える。
小平次に殺意を持つ人間は、統べからず自分の境遇を嘆き、今の自分を変えたいと願っている人間なのではないだろうか。
私たちは小平次にこそなれないが、小平次の幽霊という妖怪は私たちの中に棲んでいる。
知らず知らずのうちに、人の恨みを買ったり、羨望を受けたり、また逆に他人に自分を投影してみて卑屈になったり。
おそらく覗き小平次は、いつでも私たちを見ているに違いないのだ。
覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125008892
No.8
(5pt)

ドタバタ劇と見物人の主人公

ご存じ、御行の又市と事触れの治平が登場する物語。時代は傑作「巷説百物語」より早く、治平が又市を知った直後、であるらしい。又市は実際には、会話上の人物としてのみの出演であるが、治平はちょっとした狂言回しの役割を貰っている。
作品は江戸期の名作に取材し、作者なりに大幅に換骨奪胎したものらしい。毎度のとおり導入部で作品に入り込むのが多少難儀であるが、作品の空気を理解してしまえば、あとは作者の語り口に乗って進めば問題なく読了できる。せっかくの因果話なのに、幾重にも重なった偶然の再会があまり意味づけられず、物語世界としての完結性に難があるとはいえるが、「読んで面白い」という意味では文句はない。
それにしても、なくもがなの解説。「ただそこにあるだけ」の恐怖が一番恐ろしい、という強引で好都合な結論に私はまったく賛成できない。延々と続く蛇口からの水音、といった「無意味な反復」への恐怖も、これに属するのだろうか。しかし、ここで言う「そこにあるだけ」とは、そういうことではないだろう。私にとっては、「悪意がもたらす恐怖」「狂気がもたらす恐怖」など、自分に直接害をなす対象への恐怖の方が、通常は大きい。実際、小平次は、作中の多くの登場人物にとって「恐怖」の対象だったのではない。女房のお塚にしても、彼への感情は恐怖ではなく、常人には理解できない人格・行動に対する嫌悪感である。彼に恐怖を感じたのは、己への恐怖を彼に投影した者のみではなかったか。だからこの小説は、「ただそこにいる恐怖」を描いたものなどではなく、私から見れば単に、小平次を取り巻く悪人たちのドタバタ劇、なのである(小平次はただそれを「見ている」だけ)。このほか、霊と幽霊、お塚と小平次の関係、といったことへの考察も、得々と語られてはいるが、やはり強引・独善的で説得力を欠く。私は、こういう先生にはカウンセリングを受けたくない。
覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125008892
No.7
(5pt)

ただそこに居るだけの恐怖

山東京伝の怪談話を主なベースとして、小股潜りの又吉、事触れの治平といった「巷説百物語」シリーズのレギュラーの企てた仕掛けの中で、人間の深層心理の闇を抉った怪談風心理小説。
小平次は稀有の幽霊役者である。それは彼が何もせず、唯そこに居るだけの空虚な存在だからである。小平次は何も語らず、何も騙らないので自分の世界を作れない。切ない存在である。彼の妻、お塚は自分で人生の道を踏み外した事を自覚しているため死を望んでいる。そのお塚を慈しみながら、押入れの隙間から覘く事しか出来ない小平次。その小平次を意識しながらも、殊更辛くあたって小平次を苦しめようとするお塚。切ない関係である。
この他、悪党が複数登場し、それらが不思議な因縁で結び付いている様は江戸時代の因果応報の思想が反映されているようである。彼等は、自分等が悪事を犯している事を自覚しているため、「ただそこに居る」小平次に底知れぬ恐怖を抱くのである。妖異譚に頼らず、人が人から受ける恐怖を描く作者の手腕を買いたい。
江戸時代の怪談をベースにしながら、現代にも通じる人間の深層心理を抉った傑作。
覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125008892
No.6
(5pt)

切なくて切なくて

地味な印象を勝手に抱いていたので、なかなか手が延びませんでしたが、読み始めたらさすが京極さん!ぐいぐいと静謐な昏さを湛えた物語に引き込まれていきました。執着の無い生を真の当たりにした執着の在る者達の恐怖の描写も凄いですが、個人的には小平次とお塚の愛憎の描写が切なくて切なくて哀しくて、読後に残る感情にしんと浸りたくなります。
覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125008892
No.5
(5pt)

ぞくり・・・

~幽霊役者小平治、生きた人間なのか、はたまた本当に幽霊なのか?小平治は押し入れの中から、ただ世界を見つめている。本人は何も思わず、感じず、ただそこにある、ただそれだけなのに、周りの人間から忌み嫌われ、罵られ、それでも全く変わらない、その事が周りの人間をどんどん闇に引きずりこんで行く魔力を放ってしまう。妻も友人もそんな小平治を嫌~~い、気味が悪くて仕方ない、しかし離れる事ができず、もがきながら小平治のそばで生きていくしか方法がない。いったい小平治の何がそうさせるのか?本当に恐いものとは、何なのか?読みながら、ぞくり・・・としてしまいました。~
覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125008892
No.4
(5pt)

人生を改めて考えさせられる・・・

それぞれの登場人物がそれぞれに個性的で、かつ知らない間にしがらみを持って生きているのだが、それぞれに懊悩して生きており、これが、常人でこれが非常人だという観念を奪われてしまう内容。そもそも正常と異常の境目なんて、誰が決めるものでもないし、今の自分の生き方でいいんだなと、辛いけどいいんだなと納得させられる内容で、人生に迷ってる人、己に迷っている人には是非読んでいただきたい本である。
覘き小平次 Amazon書評・レビュー: 覘き小平次より
4120033082
No.3
(5pt)

大江戸純愛三幕芝居・・・鏡像の世界

主人公小平次は、薄い男である。鏡の表面のような男である。それに出会ってしまうことで、主要な登場人物達は、おのれの鏡像と直面するはめになる。二重の身体を持たされてしまう。鏡像の世界である。小平次は単に「覗く」のではない。「覘く」のである。「占い」の文字を含む。人間は、自分の過去と現在と未来を、占ってしまう。そこに生じる悲喜劇を、京極は三幕の大江戸妖怪芝居に描き切った。終幕の女が全身で、この鏡をぶち破り、分裂した己れを回復するクライマックスのカタストロフィーは比類がない。純粋な恋愛の劇である。
覘き小平次 Amazon書評・レビュー: 覘き小平次より
4120033082
No.2
(4pt)

タイムスリップ

京極作品の独特の描写、ストーリー展開は十分に楽しめました。ただし、「伊右衛門」がとても好きだったので、期待が大きすぎたかもしれませんが、個人的には、この作品のキャラクターがあまり好きではありませんでした。予備知識がなかったので、このお話、オリジナルが完結した怪談だと知りませんでした。オリジナルを読んでみたいです。怪談とは、いわゆる、あなたの知らない世界の話だけではなく、あなたの知っている、今生きている世界にこそあるんだな。と不思議な感想を持ちました。物語のステージにタイムスリップして、場面場面の木陰、扉の隙間から、自分も覘いているような、そんな感覚にさせられるのは、いつもながらの京極マジックでした。
覘き小平次 Amazon書評・レビュー: 覘き小平次より
4120033082
No.1
(5pt)

京極版恋愛物語怪談風味

 本作は『巷説百物語』の系åˆ-に属する時代ミステリではあるが、『巷説百物語』『続巷説百物語』とは趣の違うものとなっている。どちらかといえば『å-¤ã†ä¼Šå³è¡›é-€ã€ã«è¿'いといえるかもã-れない。 物語の中心となる人物は小平次という役è€...なのだが、ã"の人物の心の奥底ã‚'è'-è€...はまるで古い井戸のように掘り下ã'ていき、さらに、彼が触åª'となってå'¨å›²ã®äººé-"é"の心にã-だいに大きなうねり(嫉妬や恐æ€-など)がç"Ÿã˜ã‚‹ã€‚その過程の描写が、背筋がザワザワとする独特の感覚ã‚'誘発ã-てくれる。そã-て、一見バラバラに見えた人物é"の因果が収束ã-てはじめて、実はã"れはç"·å¥³ã®æ„›ã‚'描いた物語だったのではないかと、そã‚"な風に感じさせられた。京極ファンならずとも読ã‚"で損はない一作であるが、『巷説百物語』『続å·!·è!ª¬ç™¾ç‰©èªžã€ã‚'読ã‚"でからのæ-¹ãŒã‚ˆã‚Šæ¥½ã-めるかもã-れない。 
覘き小平次 Amazon書評・レビュー: 覘き小平次より
4120033082