1Q84

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1Q84の評価:

3.66/5点 レビュー 983件。 D ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.66pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全716件 541〜560 28/36ページ
No.176
(4pt)

読み始めたら止まらない

名前は知ってたけど、村上春樹先生の作品を読むのは1Q84が初めてです。TVの情報番組で話題になってるのをみて、読んでみようと思いました。はっきり言えば今旬の話題に便乗した形です。
BOOK1を読んだ感想は、早く2を読みたい、でした。青豆と天吾という2人の主人公は、東京でまったく異なる生活を送り、異なる生き方を送っていたが、それぞれが別の事情で関わった事が、1つの事件に繋がっていく。こういう話は好きです。時々、かなり非現実的なシーン(ファンタジーなら現実的と取れる)に、えっ?っと思う事もありましたが、そういう話だと思って読めば楽しめます。
読み始めると続きが気になって、夜遅くまで読んでしまいます。青豆と天吾の話が交互に描かれている事が、余計にその展開が気になって止められません。BOOK2を読み始める所ですが、今後の展開に目が離せません。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.175
(5pt)

無意識の領域がゆっくりとかき混ぜられるよう

うん、やっぱり村上春樹はいいですね。
読んでいると、無意識の領域がゆっくりとかき混ぜられ、、脳髄の奥のほうがトローンとしてくるような感覚があります。
どうやったらこんな文章が書けるようになるんだろう?
BOOK1・BOOK2あわせて1000ページを超える大作ですが、一気に読んでしまいました。
(この3日間、仕事しているときと寝ているとき以外はコレを読んでました。)
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.174
(5pt)

無意識の領域がゆっくりとかき混ぜられるよう

うん、やっぱり村上春樹はいいですね。
読んでいると、無意識の領域がゆっくりとかき混ぜられ、、脳髄の奥のほうがトローンとしてくるような感覚があります。
どうやったらこんな文章が書けるようになるんだろう?
BOOK1・BOOK2あわせて1000ページを超える大作ですが、一気に読んでしまいました。
(この3日間、仕事しているときと寝ているとき以外はコレを読んでました。)
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.173
(4pt)

青豆とは天吾の妄想ではないのか

 文章はいつもながらスタイリッシュで、楽しみ味わいながら読むことができました。2巻を読み終わって、作中の書評にあるように「途方にくれて」「置き去りにされたような気分」になりました。それもまた、文中で述べられているように「作者の意図したこと」なのかもしれません。多くの人が指摘しているように、BOOK3を期待してしましますね。
 ところで、天吾って、男性にとっては理想的なポジションにいますよね。仕事においては自分の得意な技能(数学)を生かして、ほどほどの収入を得ており、しかも責任とかストレスとは無縁で、自分の好きな小説を書いていて、それも才能があって近い将来の成功が約束されたような形で不安はない。自分にセックス以外の何も要求しない年上のセックスフレンドがいて週に一回の向こうから出向いてきて性欲処理をしてくれる。非常な美少女と仲良くなって、よくわからないうちにその美少女が自分の上で腰を振って射精をさせられ、おまけに妊娠しないから心配しなくていいと言う。小学校のときに1回だけ親切にした少女は30才になるまで天吾のことだけを想い続けている。なんだか、登場人物が皆さえない主人公に惚れてしまうという少年少女漫画みたいですね。それに引き比べて、天吾自体が何を行ったかというと、「空気さなぎ」のリライトのみです。徹底的に引きこもりタイプで人とかかわろうとしていません。年上のセックスフレンドが「失われてしまった」ら、さっさとあきらめてしまいます。
 話自体は面白いし、青豆に関わる人達の描写なんかは好きなのですが、イマイチ「良かった」と言い切れないのは、こんな理由です。青豆の存在自体が妄想なんじゃないだろうか、と思ってしまいます。
 おまけ。この本を読んで、「起こらなかった過去」による別の現実、というものを非常にインパクトを持って語ったマンガを思い出しました。清水玲子の「月の子」です。私達が生きているのが、間違った世界なのかも、という気分にさせられます。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.172
(4pt)

BOOK3<10月〜12月>が出ると思います

BOOK1のレビューにも同一内容で書き、一度投稿した文章に書き足しております。この作品はこれで終わりではないと思います。
根拠1:インタビューで村上氏は「いま、とても長い小説を7年ぐらい書いています」ということを言っておられたが、この作品は『ねじまき鳥クロニクル』より短い。
「毎日、午前中に集中して小説を書く」という勤勉な村上氏が、過去にいくつも例のある上下2巻本を「とても長い小説」なんて言うだろうか?
根拠2:その『ねじまき鳥』の時も、2冊が先に出て、批評家もみなこれで完結だと思って勝手なことを言っていた。その後三巻が出て、批評家の面目丸潰れ。
根拠3:BOOK2の最後で天吾は「青豆をみつけよう、(中略)何があろうと、そこがどのような世界であろうと、彼女がたとえ誰であろうと。」と決心するのですよね。天吾が青豆に再会するエピソードがあるはずです、青豆が生者であるか死者であるかはわかりませんが。
以上ですが、今週放送されたNHKクローズアップ現代『村上春樹・物語の力』では「数々の謎に明確な解答を出さず、物語は終わります」と言っていましたが、たとえ推理小説のように明確なものではなくても、「空気さなぎ」や「リトル・ピープル」については何らかの更なる言及があると思います。また「ふかえり」の保護者の戎野先生も、あれっきり出てこないとは考えられません。
というわけで、全4巻ぐらいありそうだと思っていますが、少なくとも『BOOK3<10月〜12月>』は確実にあるでしょう。ただ、そうだとするとBOOK4は<1月〜3月>となり、「1Q85」年に入ってしまうので、断言はできません。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.171
(4pt)

深い・・・(気がする)

以前から村上春樹氏の作品は好きでしたが、今回の物語はある意味でわかりやすすぎる感があり(メタファーがすくない、ダイレクトな表現が多い、ストーリーの謎(の一部分)が説明されている)あれっと思いましたが、Book 1,Book2を通して読んだ感想としては、う〜ん深い・・・と思いました。
当然のことながら、人それぞれ感想や思うところはあるかと思いますが、僕はこの本のテーマ(であろうと思われる)の1つにものすごく共感しました。極めて私見と偏見に満ちていますが、恐らくテーマの1つとしてあげられるのは、我々の現実というものに対するリアリティの稀薄性、そしてそれが生み出す空白、虚無、そして無力感に対するSalvation(救済)ではないかと思います。Book2である主人公は自分がフィクションの世界にいるのか、現実の世界にいるのか、仮説と現実の境界線が希薄になっていきますが、これは恐らく僕達全員に投げかけられている問いであり、ルネ・デカルトの方法的懐疑論やエマニュエル・カントの認識論などをも想起させるような、極めて哲学的(といえなくもない)ストーリー展開となっています。物語後半、男性の主人公が空を見つめてある”異変”を発見するとき、読者は我々の見ている世界がどこまで現実でどこまでがフィクションなのか、どこまでが自分の意識でどこまでが作られた意識なのかなど考えさせられるのではないかと思います。世界はもしかしたら「見世物の世界」であり誰かによって作られた世界であり、「何からなにまで作り物」かも知れないと切実に感じる時、(物語の主人公をふくめ)我々はどこまでも孤独であり、救いがないように思われる。自分という個体が本当に自分であることを証明する術が一切ないように思われる。しかしもう一人の女性の主人公は見世物の世界の中にたったひとつの救済を見つける・・・この女性主人公は、唯一自分の存在を経験的に証明し、彼女自身を救済するために必要なものは宗教ではなく、現金の束ではなく、社会的な成功ではなく、善悪といった2次的な観念ではなく、彼女自身(あるいは我々自身)に内在するある一つの「もの」であるといっているような気がします。他の方も書いていたとおもいますが、Book2の第13章が、少なくともこのテーマに対する答えをだしているのかなと思いました。
昨今の物質主義にどっぷりとつかってしまった日本社会では、金や社会的成功がとても重視されがちですが、僕はBook2第13章で主人公が見つけた大事な「もの」にとても深く共感しました。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.170
(4pt)

何か物足りない

青豆が高速道路から降りていく上巻の導入から、謎めいていてワクワクするような話が続く。天吾の話と互い違いになっているのがもどかしく、どちらかの話に引き込まれたら、またもう一方の話を読まなくてはならず、という構成にちょっといらいらさせられたが、それでも全体に、つぎはどうなるのだろうという興味に引っぱられるようにして最後まで読んだ。
ただ、こちらが勝手に期待してしまっているだけなのだが、何か物足りなく思った。ひっかかりがないというか……。
なので、筋は面白いにもかかわらず、最後までそれほど世界観に入り込めず、青豆や天吾にもそれほど共感はいだけず、ふかえりについても魅力的なキャラクターなのだが、なんとなく最後まではっきりとした像を結ばず……という感じで、途中しばしば「冗漫だなあ……」という感想を持った。作品に、「ねじまき鳥」あたりの異様なパワーみたいなものもなく、読後感としては、読んでも読まなくてもどっちでもよかったな……という気になってしまった。
とはいえ、最後まで面白く読ませる作品ではあったし、期待が大きすぎて文句が多くなってしまっているという感じなので、星4つ。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.169
(5pt)

羊の次に

私は大好きです。
村上春樹では「羊をめぐる冒険」が一番好きで、この10年で、気がつくと何回も読み返していました。
こんな事は他の小説ではあまりありません。「1Q81」は、「羊・・・」の次に好きな作品になりました。
またきっと読み返すでしょう。
とにかく面白い。ぐいぐい読んで、最後は美しく、ジーンとする感じ。映像的。
レビューを見ると、“いつもの村上春樹”、とか、真逆に“好きな暗喩や独特の言い回しが少なく物足りない”など意見が別れるようですね。
私は新鮮に感じました。
手法とか、理屈はよく分かりませんが、ただ好きだと感じました。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.168
(4pt)

BOOK3<10月〜12月>が出ると思います

BOOK2のレビューにも同様の主旨で書き、一度投稿した文章に書き足しております。この作品はこれで終わりではないと思います。
根拠1:インタビューで村上氏は「いま、とても長い小説を7年ぐらい書いています」ということを言っておられたが、この本は『ねじまき鳥クロニクル』より短い。
「毎日、午前中に集中して小説を書く」という勤勉な村上氏が、過去にいくつも例のある上下2巻本を「とても長い小説」なんて言うだろうか?
根拠2:その『ねじまき鳥』の時も、2冊が先に出て、批評家もみなこれで完結だと思って勝手なことを言っていた。その後三巻が出て、批評家の面目丸潰れ。
根拠3:BOOK2の最後で天吾は「青豆をみつけよう、(中略)何があろうと、そこがどのような世界であろうと、彼女がたとえ誰であろうと。」と決心するのですよね。天吾が青豆に再会するエピソードがあるはずです、青豆が生者であるか死者であるかはわかりませんが。
以上ですが、今週放送されたNHKクローズアップ現代『村上春樹・物語の力』では「数々の謎に明確な解答を出さず、物語は終わります」と言っていましたが、たとえ推理小説のように明確なものではなくても、「空気さなぎ」や「リトル・ピープル」については何らかの更なる言及があると思います。また「ふかえり」の保護者の戎野先生も、あれっきり出てこないとは考えられません。
というわけで、全4巻ぐらいありそうだと思っていますが、少なくとも『BOOK3<10月〜12月>』は確実にあるでしょう。ただ、そうだとするとBOOK4は<1月〜3月>となり、「1Q85」年に入ってしまうので、断言はできません。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.167
(4pt)

続きは?

先ほど読み終わりましたが、内容的にも絶対に続きがあるのでは?と思ってしまいました。本のタイトルも上巻下巻ではなく、BOOK 1.BOOK 2となっていますので村上さんBOOK 3.BOOK 4早く出してください!!続きが読みたいです。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.166
(4pt)

わかる、わからない、わからない、わかる、、、

花びらを一枚一枚千切る恋占いのように、青豆と大吾のストーリーが交互に展開されていく。
10歳の純愛は時間が経つに連れ、宗教、性、DV、と悪の部分と否応なくリンクしていく。
その悪を作り出すものは何なのか、それにどう立ち向かっていけばいいのか、あるいはどう向き合っていくのか。。世界のあらゆるものが詰まったノアの箱舟のようなこの本にあなたも乗ってみませんか?
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.165
(5pt)

わかりやすいしおもしろい

 BOOK2まで読みました。最高におもしろかったです。
 キャラの過去にあからさまに共通要素があるし、「空気さなぎ」がマユではなく敢えてサナギだし、テーマがこれまでの作品よりはっきりしていてとてもわかりやすかったです。
 私は海辺のカフカから顕著になった〈心の内と外をシームレスに描く作風〉にもまったく抵抗がないので(むしろそこが好きなので)、おもしろく読めたし、二つの月やリトルピープルその他、青豆と天悟のラストにも納得でした。もちろんそれらは自分なりの解釈だし、隅から隅まで全部ではありませんけど。
 今作で村上春樹さんは、「世界の終わり」や「海辺のカフカ」とは違う〈対比〉を用いて『問い』を発しているのだと思います。『問い』を発する重みは文体からも感じられましたし、読み終えてから帯の言葉を見て「なるほど」と唸ってしまいました。
 二冊でもうすでに完成度の高い素晴らしい作品だと思うので、ちまたで騒がれているBOOK3はありえないと自分は思います。あってほしい、とは思っていますけど。
 ちなみに村上春樹ファン歴5年です。『風の歌を聴け』から『海辺のカフカ』まで大概好きです。なんか村上さんのレビューはそういうのを書く人が多いので念のため…。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.164
(4pt)

いい作品。でもカタルシス1点減点

ストーリー展開に読者が感じるカタルシスや緊張感という点では、ねじまき鳥やハードボイルドの方が上です。ですので筆者の小説にその点を期待しているのならば、文庫を待ってもよいかもしれません。それでも私は最後までぐいぐい読まされました。
これまでの作品に比べ、描いているテーマの数が多く、よく言えば重層的ですが、とっちらかってぼやけていると捉える人もいると思います。
良くも悪くも、ディテールを描き込んであります。私は、物語は一人称で語られるより、ささいな、細かいことを通して語られた方がリアルに感じる質なので、世の中とか、人の心の複雑さが沁みてきました。
作品としての深みは5つ星ですが、エンターテインメント性がやや後退しているので★を一つ減らしました。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.163
(4pt)

ポテンシャル・エネルギーが減ったような。

 ケンブリッジでポーランドの文学者マグダと話しているときに、「なぜ人は、小説が提供する『もう一つの世界』にとつぜん取りこまれ、さらにはその世界に棲みたいとすら思うのか」という話題になったことがあります。彼女の場合、それはジェームス・ジョイスやバージニア・ウルフの場合にやってくるそうです。そして彼女の研究の中核はそのメカニズムを明らかにすることでした。そこで私は提案しました。
 確かにジョイスやウルフの世界に取り込まれる感覚はわかるけれども、それらはイギリス文化の個的な側面を引きずっているので、われわれ日本人にはきちんと嵌まることができない。そこで、ぜひムラカミ・ハルキを読んでもらえないだろうか。彼の作品の場合、こちらが身構える暇もなく突然、彼の描く『もう一つの世界』に落ち込んでしまう。そしてその世界は、日本文化の個的な側面を持つことなく、なにやらたいへん普遍的な世界なんだ、と。マグダは、すぐに私がまず勧めた「ねじまき鳥クロニクル」を読んでくれ、私の意見にふかく同感してくれたのでした(彼女は、いま母国に戻ってその分析をしてくれていることでしょう)。
 じっさい私にとって、村上春樹は20年来、私にエネルギーを与えてくれる『もう一つの世界』の供給者でした。だから7年ぶりに出たこの1Q84を、私は文字通りむさぼるように一気に読みました。そして思いました。彼は、ポテンシャル・エネルギーをずいぶんと失いかけている、と。
 この本は、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』のように、奇数章と偶数章で2つのパラレル・ワールドが交互に展開されます。それぞれの主人公は、しかし「僕」ではなく、パーソナル・トレイナーの青豆という女性と予備校講師の天吾という男性です。ところが、だんだんと登場人物の行動や感情がぎこちないものになっていくのです。
 Book2になると、それは目に見えて明らかになってきて、幻想世界の役者たちが「つくりもの」のにおいを放ち始めます。たとえば「青豆」の終章(23章)で、青豆が最後にする行動はまったく不自然で読者は、感情移入したくてもできません。まるで壊れたばね製の機械がぎこちなく動いているようにさえ思えます。
 最後の章(24章)で天吾が青豆を探しに行こうとするその数行に、わずかなPhilosophie Positiveを見ることができるのが唯一の救いかもしれません(おそらくこの『1Q84』は、『ねじまき鳥クロニクル』同様、ずいぶん経ってからBook3が出るのではないかと推測します)。
 また、村上春樹らしくないTrivialな描写も気になります。たとえば、「ロビーを行き来する男女は、何かしらの呪いで大昔からそこにしばりつけられ、与えられた役割をきりなく繰り返している一群の幽霊のように見えた。… 彼女たちの身につけた小ぶりではあるけれど高価なアクセサリーは、血を求める吸血鳥よろしく、反射のための微かな光を希求している。」(Book2 P143)という文章などは、ありきたりのように思います。
 しかし、ちりばめられている社会的なメッセージは、効果的でした。たとえば「慢性的な無力感は人を蝕み損ないます」(Book1 P238)、「日曜日には子供は、子供たち同士で心ゆくまで遊ぶべきなのだ。人々を脅して集金をしたり、恐ろしい世界の終わりを宣伝してまわったりするべきではないのだ。そんなことは大人たちがやればいい」(Book1 P273)、「醜い電柱が、空中に意地悪く電線を張り巡らせていた」(Book2 P256)、「電柱と、絡み合った醜い電線が見えるだけだ」(Book2 P454)などは、ぼくらにはぐっと来ます。もっとも日本に来たことのないマグダには、醜い電柱・電線によって損なわれてしまった日本の美意識というくだりは理解できないことでしょう。
 圧倒的なattractive forceをもたらすようなエネルギーが減ってしまったこと、一方で社会的なメッセージが増えたこと。この2つは、村上春樹が歳をとったことを意味するのでしょうか。Book 3では、青豆の最後の行動が思いもよらない展開につながり、息を呑むような驚きが待っていることを期待しつつ、その出版をひたすら待ちたいと思います。
 
 
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.162
(5pt)

おくゆかしい小説

大好きな『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に近い作りの小説・・・なんかワンパターンだなあと読み始めは感じました。しかし、どんどん引き込まれていく・・・やっぱ巧いです。どんどんページをめくりたくなります。人の名前がマンガっぽく、軽くてオシャレ!お年を考えるとこの瑞々しさは超人的だと思います。そして軽いのに、オモイ(重い+思い)・・・・・・。今まで村上さんの小説は結構読んでいますが、一番私小説的でした。やはりそろそろ、自分の人生まとめておきたくなったのでしょうか。
青豆と天吾の幼いころの思い出は、心に深く突きさります。確かに投げっぱなしの感はありますが、それが村上ワールド!「ほらほら、いろいろと思い出させてあげるから、自分で結末考えて、自分の小説にしてね」と言われているような感じです。だから、引き込まれるんです。最後の情景、美しくて好きです。キュンとしました。
何も教えてくれない、結論をくれない、考えさせられるけど、それだけ…だから、いいように思うのです。現実世界と対称的な世界を設定することは、かなり宗教的な手法です。納得できる結末を与えたら、作家は教祖になってしまいます。それを村上春樹さんは望んでいないのではないでしょうか。これだけオモイ内容なのに、結論をおしつけない、おくゆかしい感じがいいです。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.161
(4pt)

卵の話

まず、面白かったか面白くなかったか。
本を読んで、読んでいる間じゅう夢中になって、会社で仕事したり勉強したりしている間も本の続きが気になる、という意味で面白い。
文章やストーリーの安心感はさすが村上春樹だし、描かれる世界はまさに村上春樹ワールドが展開されている。頭の中は登場人物の生き生きとした活動と、彼らの内面世界への感情移入で圧倒されてしまう。
本の面白さを、読んだ後にどれだけ無邪気に「あー、面白かった」と思えるか、とすると、この本は全然面白くなかった。分からないことが多すぎるし、分かった部分だって特に愉快なことがあるわけではない。
読んだ後に面白いと思える本だったら、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」のほうがよっぽど面白いだろう。
でも、村上春樹って多かれ少なかれ、もともとそういう作家だったと思う。さわやかな読後感を得ようと思って読む作家ではないのだ。
「ノルウェイの森」も実はそうだったし、「アンダーグラウンド」以降は特に、描かれている主題、登場人物の未来が、まったく手放しで喜べるようになっていないのだ。それはそのまま村上春樹の世の中を見る視点なのだろうし、自分もそれには基本的に賛同する。
この本は、非常に「村上春樹的」だ。研ぎ澄まされているし、無駄を排除している。彼の描きたい世界観が濃密に展開されている。人によってはそれが作為的にすぎるとか、遊びがなくてつまらないという人もいるだろうが、自分としては、まさにこれが村上春樹にしか書けない文章であり(いわゆる「村上春樹風文体-メタファーの多用と違う意味で)、賞賛されるべきだと思うのだ。そこに簡単な解がないのだから、読後感はすっきりしない。それは仕方のないことだ。世の中がすっきりしていないのだから。
好き嫌いの別れる本だと思う。自分にとっては必ず読むべき本だが、この本を全く必要としない人が世の中に多くいるのも分かる。ので、星5つとはしないでおこうと思う。
最後に、これから1Q84を読む人がいたら、ぜひエルサレム賞受賞の際のスピーチを読んでほしいと思う。まさに卵の話だと思うし、そう思いながら読んだ方が、より登場人物に感情移入できるのではないか。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.160
(5pt)

村上ワールドがいい

村上春樹さんの小説を読んで初めて泣きました。いつもは、日常からはみ出たいときに読み、旅行に行っているような気分に浸れるのですが、1Q84は、日常からはみ出ているにもかかわらず、きつい想いばかりしながら読み終えました。
あの「海辺のカフカ」でさえ、少年は、自分を損う父を他者によりハイゼツし家に帰りました。一人の犠牲と母の死はあったものの、どこか、救われました。
今回の展開は最も救いようがない。現実に愛したい「青豆」を失ったからです。
空気さなぎ になったの青豆と天吾との再会が、おばさん趣味からすると、「冬のソナタ」よりせつない。「初恋」をモチーフに使ったのは、村上さんも少しおじさんになったせいでしょうか。
村上ワールド の進化 に感嘆しました。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.159
(4pt)

コミットメントの重要性

『1Q84』が売れている。200万部というのは尋常ではない発売部数である。現在最もノーベル文学賞に近い男・ハルキムラカミの書いた小説は、もはや国民的ブランド商品と化し、猫にも杓子にも読まれているようだ。以前は、「わかってくれる人にだけわかってもらえばいいや」っていう感覚でとんがった小説ばかり書いていたハルキムラカミが、ここにきて作風の方向性を修正しつつあるように思える。良く言えば“わかりやすくなった”悪く言えば“俗っぽくなった”とでも評価すればいいのだろうか。それこそ、10代の少年少女にも理解できる平易な内容にシフトチェンジしつつあるのだ。
(グロさの増した性描写を含め)その方向性の修正は、作家が意図しない細かいところまで突っ込みをいれたがる知的オタク君たちに向けられたアンチテーゼのような気もするし、『海辺のカフカ』以降の小説が(私のような年寄ではなく)30歳くらいまでのヤング層を対象に書かれているせいなのかもしれない。
ほとんど公の場に顔を出すことのなかったハルキムラカミが最近イスラエルで演説をしたりして、積極的に社会と関りあおうする行動様式の変化とも無縁ではあるまい。醜悪な社会と最小限の関係しか持たない主人公をキレイキレイに描いたハルキムラカミの小説群が、いったい何人のフリーターたちに“癒し”と“絶望”を与えたことだろう。
弱者には排除される選択肢しか残っていない(卵が壁にぶつかって割れるしかない)社会において、パラレル・ワールドなどというユートピアは現実には存在しない。社会と積極的に関わっていくことでしか社会は変えられない。つまるところ、作家が語っていた「コミットメントの重要性」とは、そのような意味のことを言っているのではないだろうか。
そうかといって、オウム真理教もどきの新興宗教グルをポアしたり、ゴースト・ライターを買って出たりすることで、簡単に社会を変えられるなどとは(作家自身も思ってはいないし)読者もけっして思ってはいけない。むしろ、作家のメッセージを捻じ曲げて伝えようと画策するリトル・ピープルたちの暗躍(知的オタク君たちのから騒ぎ)に目を光らせるべきだろう。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.158
(4pt)

コミットメントの重要性

『1Q84』が売れている。200万部というのは尋常ではない発売部数である。現在最もノーベル文学賞に近い男・ハルキムラカミの書いた小説は、もはや国民的ブランド商品と化し、猫にも杓子にも読まれているようだ。以前は、「わかってくれる人にだけわかってもらえばいいや」っていう感覚でとんがった小説ばかり書いていたハルキムラカミが、ここにきて作風の方向性を修正しつつあるように思える。良く言えば“わかりやすくなった”悪く言えば“俗っぽくなった”とでも言えばいいのだろうか。それこそ、10代の少年少女にも理解できる平易な内容にシフトチェンジしつつあるのだ。
(グロくなった性描写を含め)その方向性の修正は、作家が意図しない細かいところまで突っ込みをいれたがるフカヨミ君たちに向けられたアンチテーゼのような気もするし、『海辺のカフカ』以降の小説が(私のような年寄ではなく)30歳くらいまでのヤング層を対象に書かれているせいなのかもしれない。
ほとんど公の場に顔を出すことのなかったハルキムラカミが最近イスラエルで演説をしたりして、積極的に社会と関りあおうする行動様式の変化とも無縁ではあるまい。醜悪な社会と最小限の関係しか持たない主人公をキレイキレイに描いたハルキムラカミの小説群が、いったい何人のフリーターたちに“癒し”と“絶望”を与えたことだろう。
弱者には排除される選択肢しか残っていない(卵が壁にぶつかって割れるしかない)社会において、パラレル・ワールドなどというユートピアは現実には存在しない。社会と積極的に関わっていくことでしか社会は変えられない。つまるところ、作家が語っていた「コミットメントの重要性」とは、そのような意味のことを言っているのではないだろうか。
そうかといって、オウム真理教もどきの新興宗教グルをポアしたり、ゴースト・ライターを買って出ることで、簡単に社会を変えられるなどとは(作家自身も思ってはいないし)読者もけっして思ってはいけない。むしろ、作家のメッセージを捻じ曲げて伝えようと画策するリトル・ピープルたちの暗躍(フカヨミ君たちのから騒ぎ)に目を光らせるべきだろう。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.157
(4pt)

うん、普通に・・・

小説として面白かったですよ。
村上春樹の今までの長編と比べるとどうか?という話はおいといて。好みがあると思うので。
ほとんど読んでいますが、何を読んでも、本を読むという行為の満足感を与えてくれる作家だと思います。
最後がハッキリしないのは、村上作品の特徴というべき部分。
賛否両論あると思いますが、私としては結論を求めて読んでいるわけではないので、
すべて明白にならないのは気になりませんでした。
中盤の世界観はさすが!と思いますし、やはり登場人物が魅力的。
ただちょっと性描写が多かったかな〜。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222