栄花物語

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栄花物語の評価:

4.23/5点 レビュー 22件。 B ランク

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平均点4.23pt

Amazonレビュー一覧

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全50件 41〜50 3/3ページ
No.10
(5pt)

そして、明日が来る。

江戸後期、田沼意次を軸に、彼に関わる回りの人々の日々が生き生きと描かれています。登場人物の性格、思考がさまざまで、ある時は信二郎に喝采し保之助、新助に同情し、善左衛門に悲しみます。因果な女性も「さもありなん」、「なるほど」、「へえー」と驚くばかりです。平凡な毎日、一人の心の中もこのように多様であると思われます。己は何をしようとしているのか。どう生きているのか。黒い継ぎ裃姿の意次が語りかけるようです。登場人物が幾重にも重なり、物語の展開もあきさせません。作者の世界に入りながら自らの心のうちを旅しているようです。
栄花物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 栄花物語 (新潮文庫)より
4101134219
No.9
(5pt)

素晴らしい感性

山本周五郎と言う人は素晴らしい感性をしていたのだと改めて思わせれました。今では田沼意次といえば革新的な経済基盤を画策した人物であるということはちょっと勉強すれば知っていることです。しかし、この意見が固まる前、すなわち山本周五郎の生きていた時代には、田沼=賄賂政治という感じだった。
 そんな中でこんな素晴らしい物語を創りだしてしまう感性に凄さを感じてしまう。
 歴史的な新注釈もすごいけれど、物語が素晴らしいから、もう文句のつけようがない。田沼×松平×政治の主導権と保之助×信三郎×その子の関係性が対応されて書かれている気がしてならない。
 物語の長さが気にならないほどに引き込まれてしまう周五郎の作品は多いが、この作品もまたその中の一つである。
 歴史的なことよりも、まずは物語自体を楽しんで欲しいと僕は思います。
栄花物語 (1953年) Amazon書評・レビュー: 栄花物語 (1953年)より
B000JBA5IC
No.8
(5pt)

素晴らしい感性

 山本周五郎と言う人は素晴らしい感性をしていたのだと改めて思わせれました。今では田沼意次といえば革新的な経済基盤を画策した人物であるということはちょっと勉強すれば知っていることです。しかし、この意見が固まる前、すなわち山本周五郎の生きていた時代には、田沼=賄賂政治という感じだった。 そんな中でこんな素晴らしい物語を創りだしてしまう感性に凄さを感じてしまう。 歴史的な新注釈もすごいけれど、物語が素晴らしいから、もう文句のつけようがない。田沼×松平×政治の主導権と保之助×信三郎×その子の関係性が対応されて書かれている気がしてならない。 物語の長さが気にならないほどに引き込まれてしまう周五郎の作品は多いが、この作品もまたその中の一つである。 歴史的なことよりも、まずは物語自体を楽しんで欲しいと僕は思います。
栄花物語 Amazon書評・レビュー: 栄花物語より
4103233036
No.7
(5pt)

素晴らしい感性

 山本周五郎と言う人は素晴らしい感性をしていたのだと改めて思わせれました。今では田沼意次といえば革新的な経済基盤を画策した人物であるということはちょっと勉強すれば知っていることです。しかし、この意見が固まる前、すなわち山本周五郎の生きていた時代には、田沼=賄賂政治という感じだった。 そんな中でこんな素晴らしい物語を創りだしてしまう感性に凄さを感じてしまう。 歴史的な新注釈もすごいけれど、物語が素晴らしいから、もう文句のつけようがない。田沼×松平×政治の主導権と保之助×信三郎×その子の関係性が対応されて書かれている気がしてならない。 物語の長さが気にならないほどに引き込まれてしまう周五郎の作品は多いが、この作品もまたその中の一つである。 歴史的なことよりも、まずは物語自体を楽しんで欲しいと僕は思います。
栄花物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 栄花物語 (新潮文庫)より
4101134219
No.6
(4pt)

山本周五郎って、辛さ苦しさを良く知っていて

苦労人で名人、山本周五郎のベストを挙げよと言われれば、「樅の木は残った」あるいは「さぶ」のどちらかと思っています。この、栄華物語は「樅の木、、、」の系統で、田沼意次を題材に取って、田沼の改革に賭ける苦難と情熱を流れの中心に据え、真面目で真実味もある男「保之介」、旗本の息子仲間の親友で、世の中が見えすぎているものの信念はある男「信三郎」、かつての信三郎の恋人で保之介の女房となった自分の欲情に恥じることなく忠実な「その子」、実直に暮らしていくことのみを考えつつも、正義感から運命の悪戯によって、盗賊となり最後は殺される稲葉小僧(田舎小僧)、そして残されたおかみ。結局、正直に一生懸命生きたほとんどの者達が滅びの道を歩むか、辛苦を与えられ、安泰な人生を与えられることは例外ということになる。
 山本周五郎の現実を見る目は正鵠であり辛いが、人を見る目は限りなく優しいまなざしである。名作「樅の木は残った」に比べ荒削りではあるが、見逃せない作品である。
 なお、田沼親子を悪徳政治家とする史観に一石を投じたという解説もあったが、我々の世代では田沼は市場経済化を図ろうとした改革者というイメージがすでにあるので、「ふーん」と時代の差を感じた。池波正太郎の「剣客商売」でも良い人だしね。
栄花物語 (1953年) Amazon書評・レビュー: 栄花物語 (1953年)より
B000JBA5IC
No.5
(4pt)

山本周五郎って、辛さ苦しさを良く知っていて

苦労人で名人、山本周五郎のベストを挙げよと言われれば、「樅の木は残った」あるいは「さぶ」のどちらかと思っています。この、栄華物語は「樅の木、、、」の系統で、田沼意次を題材に取って、田沼の改革に賭ける苦難と情熱を流れの中心に据え、真面目で真実味もある男「保之介」、旗本の息子仲間の親友で、世の中が見えすぎているものの信念はある男「信三郎」、かつての信三郎の恋人で保之介の女房となった自分の欲情に恥じることなく忠実な「その子」、実直に暮らしていくことのみを考えつつも、正義感から運命の悪戯によって、盗賊となり最後は殺される稲葉小僧(田舎小僧)、そして残されたおかみ。結局、正直に一生懸命生きたほとんどの者達が滅びの道を歩むか、辛苦を与えられ、安泰な人生を与えられることは例外ということになる。 山本周五郎の現実を見る目は正鵠であり辛いが、人を見る目は限りなく優しいまなざしである。名作「樅の木は残った」に比べ荒削りではあるが、見逃せない作品である。 なお、田沼親子を悪徳政治家とする史観に一石を投じたという解説もあったが、我々の世代では田沼は市場経済化を図ろうとした改革者というイメージがすでにあるので、「ふーん」と時代の差を感じた。池波正太郎の「剣客商売」でも良い人だしね。
栄花物語 Amazon書評・レビュー: 栄花物語より
4103233036
No.4
(4pt)

山本周五郎って、辛さ苦しさを良く知っていて

苦労人で名人、山本周五郎のベストを挙げよと言われれば、「樅の木は残った」あるいは「さぶ」のどちらかと思っています。この、栄華物語は「樅の木、、、」の系統で、田沼意次を題材に取って、田沼の改革に賭ける苦難と情熱を流れの中心に据え、真面目で真実味もある男「保之介」、旗本の息子仲間の親友で、世の中が見えすぎているものの信念はある男「信三郎」、かつての信三郎の恋人で保之介の女房となった自分の欲情に恥じることなく忠実な「その子」、実直に暮らしていくことのみを考えつつも、正義感から運命の悪戯によって、盗賊となり最後は殺される稲葉小僧(田舎小僧)、そして残されたおかみ。結局、正直に一生懸命生きたほとんどの者達が滅びの道を歩むか、辛苦を与えられ、安泰な人生を与えられることは例外ということになる。 山本周五郎の現実を見る目は正鵠であり辛いが、人を見る目は限りなく優しいまなざしである。名作「樅の木は残った」に比べ荒削りではあるが、見逃せない作品である。 なお、田沼親子を悪徳政治家とする史観に一石を投じたという解説もあったが、我々の世代では田沼は市場経済化を図ろうとした改革者というイメージがすでにあるので、「ふーん」と時代の差を感じた。池波正太郎の「剣客商売」でも良い人だしね。
栄花物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 栄花物語 (新潮文庫)より
4101134219
No.3
(5pt)

非運、障害、困難に不屈の精神像、それでも悲劇はやってくる

素晴らしい作品でした。山本周五郎を読み始めてまだ数ヶ月だけど、次々に恐るべき作品に出くわしてびっくりしてしまう。
書評ではこの栄花物語、賄賂政治家として悪名高い田沼意次親子を革新路線の政治家という視点で再評価し、保守の親玉松平定信らとの戦いを描く、とこうなっている。名作「樅の木は残った」の約1年前に完結したものらしく、本来悪玉とされた人物を別の視点から掘り起こす、という点では共通点も多い。もっとも現代ではむしろ1.定信の「寛政の改革」が結局うまくいかず、むしろ反動的正確で幕府経済の衰退を早めたこと、2.幕末まで経済破綻を招かなかった諸藩のとった改革は意次的経済政策/産業振興策であった事、などから田沼意次という人は充分再評価されていると思う。その因を!なすのが本作かどうか著かではないのだが.....
しかし周五郎作品の凄さは「史観を転換させるおもしろい歴史物」をはるかにしのぎ、むしろ、そういった歴史解釈はひとつの設定でしかなく、主題は社会が破綻しつつある中、いかに生きていくかという群像劇だ。意次も登場人物の一人でしかなく、旗本を捨てて戯作家としての道を模索する信三郎、婿養子・勤め人の立場で運命に翻弄される保之介、犠牲者としての庶民代表といえる田舎小僧新吉などが過酷な運命の中でいかに生きいかに破滅していくか、終わりはかなり悲惨であり、周五郎作品中でも最も冷徹な視線が感じられるものだ。どこかに村上龍「コインロッカーベイビーズ」を思い出させる。
その中で信三郎の愛人であり保之介の妻であるその子の存在感はどうであ!ろう。感覚と欲望にゆだねて決して悪びれない、現代でも悪女として描かれてもしかるべき人物を周五郎は40年以上前に一つの「天使」理想像として描いている。この感覚はただ者ではない。周五郎は時代小説の古典でありながら最高の現代作家である、ワタクシがそう言いきりたい所以がここにある。
栄花物語 (1953年) Amazon書評・レビュー: 栄花物語 (1953年)より
B000JBA5IC
No.2
(5pt)

非運、障害、困難に不屈の精神像、それでも悲劇はやってくる

素晴らしい作品でした。山本周五郎を読み始めてまだ数ヶ月だけど、次々に恐るべき作品に出くわしてびっくりしてしまう。書評ではこの栄花物語、賄賂政治家として悪名高い田沼意次親子を革新路線の政治家という視点で再評価し、保守の親玉松平定信らとの戦いを描く、とこうなっている。名作「樅の木は残った」の約1年前に完結したものらしく、本来悪玉とされた人物を別の視点から掘り起こす、という点では共通点も多い。もっとも現代ではむしろ1.定信の「寛政の改革」が結局うまくいかず、むしろ反動的正確で幕府経済の衰退を早めたこと、2.幕末まで経済破綻を招かなかった諸藩のとった改革は意次的経済政策/産業振興策であった事、などから田沼意次という人は充分再評価されていると思う。その因を!なすのが本作かどうか著かではないのだが.....しかし周五郎作品の凄さは「史観を転換させるおもしろい歴史物」をはるかにしのぎ、むしろ、そういった歴史解釈はひとつの設定でしかなく、主題は社会が破綻しつつある中、いかに生きていくかという群像劇だ。意次も登場人物の一人でしかなく、旗本を捨てて戯作家としての道を模索する信三郎、婿養子・勤め人の立場で運命に翻弄される保之介、犠牲者としての庶民代表といえる田舎小僧新吉などが過酷な運命の中でいかに生きいかに破滅していくか、終わりはかなり悲惨であり、周五郎作品中でも最も冷徹な視線が感じられるものだ。どこかに村上龍「コインロッカーベイビーズ」を思い出させる。その中で信三郎の愛人であり保之介の妻であるその子の存在感はどうであ!ろう。感覚と欲望にゆだねて決して悪びれない、現代でも悪女として描かれてもしかるべき人物を周五郎は40年以上前に一つの「天使」理想像として描いている。この感覚はただ者ではない。周五郎は時代小説の古典でありながら最高の現代作家である、ワタクシがそう言いきりたい所以がここにある。
栄花物語 Amazon書評・レビュー: 栄花物語より
4103233036
No.1
(5pt)

非運、障害、困難に不屈の精神像、それでも悲劇はやってくる

素晴らしい作品でした。山本周五郎を読み始めてまだ数ヶ月だけど、次々に恐るべき作品に出くわしてびっくりしてしまう。書評ではこの栄花物語、賄賂政治家として悪名高い田沼意次親子を革新路線の政治家という視点で再評価し、保守の親玉松平定信らとの戦いを描く、とこうなっている。名作「樅の木は残った」の約1年前に完結したものらしく、本来悪玉とされた人物を別の視点から掘り起こす、という点では共通点も多い。もっとも現代ではむしろ1.定信の「寛政の改革」が結局うまくいかず、むしろ反動的正確で幕府経済の衰退を早めたこと、2.幕末まで経済破綻を招かなかった諸藩のとった改革は意次的経済政策/産業振興策であった事、などから田沼意次という人は充分再評価されていると思う。その因を!なすのが本作かどうか著かではないのだが.....しかし周五郎作品の凄さは「史観を転換させるおもしろい歴史物」をはるかにしのぎ、むしろ、そういった歴史解釈はひとつの設定でしかなく、主題は社会が破綻しつつある中、いかに生きていくかという群像劇だ。意次も登場人物の一人でしかなく、旗本を捨てて戯作家としての道を模索する信三郎、婿養子・勤め人の立場で運命に翻弄される保之介、犠牲者としての庶民代表といえる田舎小僧新吉などが過酷な運命の中でいかに生きいかに破滅していくか、終わりはかなり悲惨であり、周五郎作品中でも最も冷徹な視線が感じられるものだ。どこかに村上龍「コインロッカーベイビーズ」を思い出させる。その中で信三郎の愛人であり保之介の妻であるその子の存在感はどうであ!ろう。感覚と欲望にゆだねて決して悪びれない、現代でも悪女として描かれてもしかるべき人物を周五郎は40年以上前に一つの「天使」理想像として描いている。この感覚はただ者ではない。周五郎は時代小説の古典でありながら最高の現代作家である、ワタクシがそう言いきりたい所以がここにある。
栄花物語 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 栄花物語 (新潮文庫)より
4101134219