さよなら妖精

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評判

さよなら妖精の評価:

3.95/5点 レビュー 88件。 B ランク

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平均点3.95pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全30件 21〜30 2/2ページ
No.10
(3pt)

米澤作品の大ファンだが、これはあんまり好きじゃない

現代史随一の複雑な民族的事情を抱えた地域から来た妖精のような少女、彼女に対して微妙な思いを抱く高校生たちの群像、そして後日潭。非常に深いテーマを扱った作品。いや、テーマじゃないのかな。単なる味付けだろうか?
この著者の腕は非常に高い。それでも、バルカン半島に生きることの意味は伝わるべくもないわけで、味付けなのかテーマなのかわからないくらい、ちょっともやもやしたものが残る。深刻な気持ちで読み進めると、とってつけたような推理要素が邪魔くさい。妙に推理能力だけ突出した性格というのも、エンターテインメントと割り切って読めた他のシリーズ中なら効果的だったが、沈鬱なこの作品では極力普通の十代らしく描いているせいで奇妙に感じる。
ヒロインについて行きたいと申し出る主人公の気持ちも、あまりに幼稚で空回りしている。もちろん、それは高校生の感傷であるから、幼稚でいいのだ。ただし、きれいに突き放して描くのか、幼稚さに感情移入を求めるのか、どちらか決めかねているために説得力がない状態になっただけのように私には読めた。
変な話だが、作者の技量の高さをこれほど感じた作品は少ない。簡単な言葉で映像が鮮やかに浮かぶし、事件がなくても興味が持続する理知的な文章だ。人物像も見事。しかしこの材料、舞台装置だと、どうしてもより高度な基準で測りたくなり、それだけでは足りないと思ってしまう。
これを果敢な試みと言っていいのか。それで高評価を与えることは、文学としてみることを意味する。だが私の意見では、文学としてみることはテクストを超えて著者の人間そのものを巻き込んだ形で評価することだ。私はこの著者を好きであることは人後に落ちないつもりだが、さすがにそこまではどうかな(笑)。
さよなら妖精 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら妖精 (創元推理文庫)より
4488451039
No.9
(3pt)

米澤作品の大ファンだが、これはあんまり好きじゃない

現代史随一の複雑な民族的事情を抱えた地域から来た妖精のような少女、彼女に対して微妙な思いを抱く高校生たちの群像、そして後日潭。非常に深いテーマを扱った作品。いや、テーマじゃないのかな。単なる味付けだろうか?
この著者の腕は非常に高い。それでも、バルカン半島に生きることの意味は伝わるべくもないわけで、味付けなのかテーマなのかわからないくらい、ちょっともやもやしたものが残る。深刻な気持ちで読み進めると、とってつけたような推理要素が邪魔くさい。妙に推理能力だけ突出した性格というのも、エンターテインメントと割り切って読めた他のシリーズ中なら効果的だったが、沈鬱なこの作品では極力普通の十代らしく描いているせいで奇妙に感じる。
ヒロインについて行きたいと申し出る主人公の気持ちも、あまりに幼稚で空回りしている。もちろん、それは高校生の感傷であるから、幼稚でいいのだ。ただし、きれいに突き放して描くのか、幼稚さに感情移入を求めるのか、どちらか決めかねているために説得力がない状態になっただけのように私には読めた。
変な話だが、作者の技量の高さをこれほど感じた作品は少ない。簡単な言葉で映像が鮮やかに浮かぶし、事件がなくても興味が持続する理知的な文章だ。人物像も見事。しかしこの材料、舞台装置だと、どうしてもより高度な基準で測りたくなり、それだけでは足りないと思ってしまう。
これを果敢な試みと言っていいのか。それで高評価を与えることは、文学としてみることを意味する。だが私の意見では、文学としてみることはテクストを超えて著者の人間そのものを巻き込んだ形で評価することだ。私はこの著者を好きであることは人後に落ちないつもりだが、さすがにそこまではどうかな(笑)。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア) Amazon書評・レビュー: さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037
No.8
(3pt)

なんだか中途半端な感じ

まるで作者自身の過去の体験を書いているような物語です。なんと言うか、ノンフィクション風の小説って感じでしょうか。
そのせいか、純粋にフィクションとして読むとどことなく中途半端な感じが否めません。物語として、より面白くするための脚色をわざと拒否している、そんな「匂い」がします。
リアルで悲惨な世界情勢を下敷きにした作品らしく、結末に至るまで好ましいどんでん返しは起こりません。読者のカタルシスを拒絶することで、主人公たちの切なさや痛みを描き出しているように読めますが、今一つ作者の狙いが絞りきれない感じがします。
あと、作中の伏線が回収されていないような気がするのですが、これは私の読み込み不足でしょうか?ユーゴから来た少女マーヤが、掌中に隠したナイフで投げられたリンゴを切り裂いて見せ、他の登場人物たちから違和感を持たれる場面がありましたが、これは完全にスルーされたまま終わってしまいました。そのほかにも、彼女が護身術に長けていることをうかがわせる描写もありましたが、こうした伏線は全く生かされることはありませんでした。実は、こうした伏線から、「マーヤの訪日には、異文化を研究するという表向きの目的のほかに、隠された真の目的があった」というような物語の展開を予想していたのですが、掠りもせずに裏切られました(苦笑)。
そうしたこともあって、私には、ストーリー全体が消化不良で中途半端に感じられて仕方がありません。
さよなら妖精 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら妖精 (創元推理文庫)より
4488451039
No.7
(3pt)

なんだか中途半端な感じ

まるで作者自身の過去の体験を書いているような物語です。なんと言うか、ノンフィクション風の小説って感じでしょうか。
そのせいか、純粋にフィクションとして読むとどことなく中途半端な感じが否めません。物語として、より面白くするための脚色をわざと拒否している、そんな「匂い」がします。
リアルで悲惨な世界情勢を下敷きにした作品らしく、結末に至るまで好ましいどんでん返しは起こりません。読者のカタルシスを拒絶することで、主人公たちの切なさや痛みを描き出しているように読めますが、今一つ作者の狙いが絞りきれない感じがします。
あと、作中の伏線が回収されていないような気がするのですが、これは私の読み込み不足でしょうか?ユーゴから来た少女マーヤが、掌中に隠したナイフで投げられたリンゴを切り裂いて見せ、他の登場人物たちから違和感を持たれる場面がありましたが、これは完全にスルーされたまま終わってしまいました。そのほかにも、彼女が護身術に長けていることをうかがわせる描写もありましたが、こうした伏線は全く生かされることはありませんでした。実は、こうした伏線から、「マーヤの訪日には、異文化を研究するという表向きの目的のほかに、隠された真の目的があった」というような物語の展開を予想していたのですが、掠りもせずに裏切られました(苦笑)。
そうしたこともあって、私には、ストーリー全体が消化不良で中途半端に感じられて仕方がありません。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア) Amazon書評・レビュー: さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037
No.6
(3pt)

このキザっぷりはどうなんだ?

著者の出世作らしいボーイ・ミーツ・ガール・ミステリー(と中に書いてありました)。

ある雨の日に偶然、主人公は一人の外国人少女と出会う。彼女は行くあてもなく途方に暮れているところで、結局は主人公の口利きもあり同級生の家に住むことになる。それがきっかけで、マーヤというその少女と主人公たちとの不思議な交流が始まり……。

お話どうこうではなく、まず文体がとても気になりました。
この小説は、おそらくは「本格ミステリー」と呼ばれるタイプの小説です。で、文体もほぼそれに準じているように思えます。(僕も詳しくないので曖昧ですが)
この文体がものすごく癖のある文体なのです。
なんと言うか、ある意味でとてもキザな文体、あるいは「賢い」風の文体とでも言えばいいのでしょうか。
正直、慣れていないとかなり違和感を覚えます。

この点、ミステリー好きでないととっつきにくいかもしれません。

ただ、お話自体は小ネタも含めてほどほどに面白く、青春物語としても読めるので、慣れれば楽しめるかもしれません。
マーヤという少女の人物造形が秀逸なので、マーヤを想像するだけでも楽しめる要素はありです。

でも、僕はこの文体が嫌い。
こういうのが好きな人には、西澤保彦さんなんかをお薦めします。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア) Amazon書評・レビュー: さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037
No.5
(3pt)

このキザっぷりはどうなんだ?

著者の出世作らしいボーイ・ミーツ・ガール・ミステリー(と中に書いてありました)。

ある雨の日に偶然、主人公は一人の外国人少女と出会う。彼女は行くあてもなく途方に暮れているところで、結局は主人公の口利きもあり同級生の家に住むことになる。それがきっかけで、マーヤというその少女と主人公たちとの不思議な交流が始まり……。

お話どうこうではなく、まず文体がとても気になりました。
この小説は、おそらくは「本格ミステリー」と呼ばれるタイプの小説です。で、文体もほぼそれに準じているように思えます。(僕も詳しくないので曖昧ですが)
この文体がものすごく癖のある文体なのです。
なんと言うか、ある意味でとてもキザな文体、あるいは「賢い」風の文体とでも言えばいいのでしょうか。
正直、慣れていないとかなり違和感を覚えます。

この点、ミステリー好きでないととっつきにくいかもしれません。

ただ、お話自体は小ネタも含めてほどほどに面白く、青春物語としても読めるので、慣れれば楽しめるかもしれません。
マーヤという少女の人物造形が秀逸なので、マーヤを想像するだけでも楽しめる要素はありです。

でも、僕はこの文体が嫌い。
こういうのが好きな人には、西澤保彦さんなんかをお薦めします。
さよなら妖精 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら妖精 (創元推理文庫)より
4488451039
No.4
(3pt)

よいストーリーなのかもしれないが・・・・

私は、著者の短編「玉野五十鈴の誉れ」(Story Seller (新潮文庫)収録)を読み、その独特な世界と完成度に感心し、「この著者のほかの本を読みたい」と思いました。そして、多くのレビュアーさんが絶賛する(あるいは好意的にレビューする)この作品を手に取りました。 私にとって本書は少し冗長に感じる部分もあり、期待が大きかった分やや期待はずれの要素もありましたが、全体としては、異文化を素直に受け止めようとするマーヤ(ユーゴスラヴィアという独特の状況にある外国から来た少女)も、真摯に考え生きようとする主人公(地方都市に住む男子高校生)も、そのほかの人物も好感がもてる作品です。 また、冒頭の出会いのシーンから全編を通じての雨や湿気を含んだ重い空気感は、なかなか印象的です。 謎解きの要素は少なく、ミステリーとして読む本というよりは、普通の小説として読む本と思います。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア) Amazon書評・レビュー: さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037
No.3
(3pt)

よいストーリーなのかもしれないが・・・・

私は、著者の短編「玉野五十鈴の誉れ」(Story Seller (新潮文庫)収録)を読み、その独特な世界と完成度に感心し、「この著者のほかの本を読みたい」と思いました。そして、多くのレビュアーさんが絶賛する(あるいは好意的にレビューする)この作品を手に取りました。 私にとって本書は少し冗長に感じる部分もあり、期待が大きかった分やや期待はずれの要素もありましたが、全体としては、異文化を素直に受け止めようとするマーヤ(ユーゴスラヴィアという独特の状況にある外国から来た少女)も、真摯に考え生きようとする主人公(地方都市に住む男子高校生)も、そのほかの人物も好感がもてる作品です。 また、冒頭の出会いのシーンから全編を通じての雨や湿気を含んだ重い空気感は、なかなか印象的です。 謎解きの要素は少なく、ミステリーとして読む本というよりは、普通の小説として読む本と思います。
さよなら妖精 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら妖精 (創元推理文庫)より
4488451039
No.2
(3pt)

胸が痛くなる・・・

守屋、大刀洗、白河、文原、そしてマーヤ。最初読み始めたときは、
彼らの他愛もない会話が退屈に思えてしょうがなかった。だが、読み
進めていくうちに、会話の中に隠されているマーヤの思いにしだいに
気づかされていった。どこに帰るかだけは決して言おうとせずに帰国
したマーヤ。そこから守屋たちの謎解きが始まるが、ユーゴスラヴィアは
ひとつの国でないことを思い知らされる。退屈だと思えた会話の中に
ちりばめられたマーヤにつながる手がかり・・・。それを知ったとき、物語の
面白さが見えてきた。マーヤはどこに帰ったのか?そしてマーヤのその後は?
ラストは胸が痛くなった。戦争がいかに悲惨なものか!そして何気ない日常
生活がどんなに貴重なものか!この作品に込められているものは、あまりにも
重い。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア) Amazon書評・レビュー: さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037
No.1
(3pt)

実際の出来事と結びつけた作品

舞台は1991年。
ユーゴスラビアから来た少女と日本の高校生達の交流を描きます。
1991年といえばユーゴスラビア紛争の始まったころ。
少女はこの時期にユーゴへ帰国しますが、
残された高校生達にはユーゴの6つの共和国のうち、
彼女がどこへ帰ったのがわかりません。
そこで、彼女の発言をひとつずつ思い出し
謎解きをはじめるという物語です・・・。
謎解きの部分はどうもピンと来なく、
ミステリーフロンティアのシリーズにしてはミステリー色が弱い。
彼女が高校生達に投げかけてくる些細な謎も
あまり興味深いものではない。
だからそれが解けたときの爽快感も薄んですよねー。
わからないことも多すぎて、
話にまとまりがないような気がしました。
どちらかというと青春小説としての評価が高いようですが、
その視点でも私にはしっくり来なかった。
実際に起きた事件が背景になっているわけですが、
あの事件とうまく結びつかない。
最後には胸を打たれましたが、
私がもっとあの頃のユーゴを知っていれば、
より楽しめたのかもしれません・・・。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア) Amazon書評・レビュー: さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037