高瀬川女船歌
評判
高瀬川女船歌の評価:
4.50/5点 レビュー 2件。 - ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1〜4 1/1ページ
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高瀬川女船歌の評価:
4.50/5点 レビュー 2件。 - ランク
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これはその後も続くことになる「高瀬川」シリーズの第一巻です。舞台が京都ということで私にはイメージもわかず高瀬川という川も知らないのですが、この交通の要所である京都の高瀬川沿いの「旅籠」という場を作品の背景に設定した点に興味が惹かれ手に取ったというところです。
時代は18世紀の後半に取られています。もともと雑誌に連載された7編の作品が収録くされています。作品の展開はこの7編が有機的に関連しており、7篇目の最後で一応の大上段を迎えるというつくりになっているので、最初から読んでいくことが必要でしょう。旅籠に関わるいろいろな職業や役を背負って多数登場する登場人物(お鶴、宗因、平太、お時等)も徐々に紹介されていき、その人物たちの一筋縄ではいかない関わりも徐々に明かされていくというスタイルが取られています。
このそれぞれのストリーの骨格を彩るのが四季の移り変わりであり、それぞれの篇に収められている「ささいで日常的なストーリー」です。けっして大がかりな謎やトリックが提示されるものではなく、かつ本作品には中心となる登場人物もおらず、それぞれの人物が狂言回しとしての役を演ずるだけで、この日常的なストーリーがこの作品の肝のようです。この種の時代小説の常で、どれもたわいもない出来事ですが、それぞれが川沿いの旅籠という独特の場を彩る人物たちの人間関係の中に見事にはめ込められており、それぞれが余韻を残した結語を迎えていきます。「冬の蛍」やその逆説めいたエンディング、そして「鴉桜」は残酷な結末を感じさせないエンディングで印象に残る作品です。