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【林真理子】
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小説8050の評価:
4.20/5点 レビュー 114件。 B ランク
Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点4.20pt
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。 未読の方はご注意ください
主人公こそ80でも50でもないが・・・
人に勧められて…
確かに主人公こそ80でも50でもないが、「裁判」というやけに時間がかかるプロセスを巧みに利用して、8050問題が内包するありとあらゆる要素を、たったひとつの小説にぎっしり詰め込んでいる。なので直木賞作家の小説でありながら、行間を多分に読むことを強いられるが、そもそも解決策を文章で説明できるほど8050問題が単純ではない証だとも思った。
そういったもどかしさの描写が現実的であるがゆえに、クライマックスには、フィクションとわかっていても胸騒ぎが止まらなかった。あの場面にそっくりな実体験を当事者から聞いていたからというのもある。
各登場人物たちが「わかってない自分たち」をわかっていく過程に、経験者でもある私は共感し、一喜一憂し、涙した。ちなみに、現実世界で「翔太」は一時期、日本の男児に最も多い名前だったのを思い出す。「人間五十を過ぎると、まるで考えは違ってきます。二十歳の翔太が七年間など、短いものに思えてしまう」という言葉は、まさに私を代弁している。
ややネタバレになるが、惜しむらくは、コロナ渦のフィクションのご多分に漏れず、マスクが登場せず、未来で終わる点だ。これだけ歯を題材にしたのだから、せめて令和元年で終わらせてくれれば、いきなりジャンルがSFにならずに済むのに、と思ってしまうのが私の趣向ではある。
いずれにしても、信じて頼れる相手をがむしゃらに探して、行動する自分を支えてもらうことの大切さを改めて痛感した。ドラマ化を狙っているのは見え見えなので期待している。ドラマ版では50の未来も、一瞬、現れてくれたらいい。