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東京影同心



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【この小説が収録されている参考書籍】
東京影同心 (100周年書き下ろし)
東京影同心 (講談社文庫)

東京影同心の評価: 3.00/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(1pt)

時代考証が出鱈目

時代小説で直木賞を受賞した作家の作品だけに期待して読んだが、あまりに時代考証間違いが酷くて、どっちらけ。
 主人公は町奉行所同心で、玄関構えが許されない身分なのに、自宅に玄関があるところから物語が始まって「こりゃダメだ」と思ったが、案の定。
「御目見」で「おめみえ」と読む。「御目見得」は間違いだが、平気で「御目見得」と書いているわ、女が三つ指を突くわ。三つ指を突くのは、そもそも吉原の遊女が始めた作法で、極めて不作法な挨拶とされる。両手を「ハ」の字状にして掌をしっかり床に着け、額を床すれすれまで下げるのが最も礼儀正しい作法。
「「月命日」という太平洋戦争以降の造語を出すなど無知の極み。年に一度の、故人の死んだ月日と同じ月日を「祥月命日」と呼び、毎月の亡くなった日を「命日」と呼ぶ。この「命日」と「祥月命日」の混同が起こったことから、「月命日」の言葉が戦後になってできた。
「凄い」は江戸時代は「ぞっとする」「気味が悪い」という意味だが、「素晴らしい」に近い現代の用法で使っているのもNG。「大変」は江戸時代は、現代と違って「すさまじい凶事」の意味で使うが、これも「非常に」という現代の意味で使っている。
「天領」は明治五年の『和英語林集成』の造語で「天皇領」の略。幕府直轄領は「御料」「公領」でないと。
 二音までの女性名には会話では「お」の敬称が必要だが、抜いている。
「他愛」は「自分のことよりもまず他人の幸福を願う」意味で誤用。正しくは「たわいない」でないと。
 その他、時代劇NGワードを列挙していくと、屁理屈・呆然・厄介(坪内逍遙の造語)、揉み消す(永井荷風の造語)、図星(里見弴の造語)、野次馬・別嬪(二葉亭四迷の造語。江戸時代は「別品」の表記)、血祭り(葉山嘉樹の造語)、野心家・度肝(内田魯庵の造語)、丸め込む(久田鬼石の造語)、文句(樋口一葉の造語)、目と鼻の先(久保田万太郎の造語)、口火を切る(横光利一の造語)、甲高い(明治四十四年の谷崎潤一郎の造語)、説教(夏目漱石の造語)、密偵(徳永直の造語)、浮き足立つ(落合直文の造語)、勇み足(相撲の決まり手で昭和三十年の造語)、雲散霧消(明治十六年の馬場辰猪の造語)、交流(大正八年の水守亀之助の造語)、唖然(織田純一郎の造語)、資金(西周の造語)、視線(松原岩五郎の造語)、憮然(福沢諭吉の造語。それまでは「意外な出来事に驚いて茫然とする」「失望してぼんやりする」意味)、一本気(永井荷風の造語)、火中の栗を拾う(フランスの詩人ラ・フォンテーヌの言葉。邦訳は太平洋戦争以降)、一触即発(中島敦の造語)、土壇場(明治四十一年の生田葵山の造語。この時代の「土壇場」は「首斬りの処刑場」という意味)、土塁(犬養毅の造語)、二つ返事(禽語楼小さんの造語)、居心地(国木田独歩の造語)、飛び火(大正四年の薄田泣菫の造語。この時代だと「火の粉が飛び散る」意味か「伝染病が移る」意味しかない)、尻尾を掴む(大正十年の佐々木邦の造語)、口裏合わせ(徳田秋声の造語)、好調(昭和十五年の田中英光の造語)等々、これだけ大量にあった。
東京影同心 (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:東京影同心 (100周年書き下ろし)より
4062167263
No.1:
(2pt)

焦点がぼやけている

既に☆四つと三つで投稿なさっているお二方があらすじなどを述べておられるので、繰り返さない。
読んでみて真っ先に感じたのは消化不良。幕末から明治の混乱期中で、奉行所同心がどのように生きていくのかを書いているのだが、主人公についても、周りの人々・出来事についても焦点がぼけていて面白みを感じない。悪いけど、金出して本を買った当方としては不満が残る。
東京影同心 (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:東京影同心 (100周年書き下ろし)より
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