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街とその不確かな壁
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街とその不確かな壁の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全150件 81~100 5/8ページ
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本は文句なく面白い。 ただ、梱包が最悪。 本の配送に、大きめの紙袋に入れただけ、到着時には、帯の破れ、本自体の痛みがすでに発生した状態で到着。 Amazon史上最も最悪な梱包でした。 | ||||
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時空を超えて異次元にワープします. 長編なので、単行本と電子書籍の併用で、ハイブリッドで楽しんでおります! | ||||
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待ちに待った村上春樹の長編小説です。 面白いです。 | ||||
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特に達成感や充足感もなく、消化不良とも思えない、何かがふと通り過ぎたような読後感でした。 先に「ハードボイルド〜」を読んだのですが、本作の第1部は「世界の終わり」のあらすじを平易な文章でまとめたような形になっています。大きく異なるのは、運命の相手が失われてしまったことが明言されていることでしょうか。しかしその結末はまったく変わらないといってもいいでしょう。 書き直したにも関わらず、同じ結末。ここが要ということなのかもしれません。時間を止めてしまうことを答えの一つとして描いた物語。 一方で、「街を出た影」のその続きが本作では描かれることになりました。 街を出る選択肢と、出ない選択肢。両方が存在し、どちらも自分であるという状態。2つの可能性の向かう先が、第2部以降で提示されています。 私が思うのは、「ハードボイルド〜」での結末は当時はギリギリの選択だったのではないかということです。やがて作家の視野が拡がった先にいたのがある種の障害者であり、やがて主人公は夢読みの立場を彼に譲ります。 街という居場所を本当に必要とするのは、より現実に居場所を持たない者であるということでしょうか。 すでに影によって現実での居場所を新しく作り上げつつあった主人公は、街を去ります。 | ||||
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『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』との相違を確認したくて、両方とも再読してみた。『世界の終わり…』では、喪失するのは「私」自身。それも外部の力によって。あるいは「影」。これが『街…』の設定にも引き継がれる。 それに対して、『街…』で主人公が失うのは「きみ」。理由を告げずに「ぼく」の前から去って行った「きみ」を追いかけて行くのだが、見つけたと思ったのに相手は何も覚えていない。そして「ぼく」(第二部・第三部では「私」)は、彼女と一緒にいることに違和感を感じるようになる。それは、「きみ」が16歳のままで、「私」が45歳という事実が大きいのだろう。年齢を重ねることは、何かを失うことでもある。その象徴が名前のないコーヒーショップの女店主と「私」の関係だ。離婚を経験した女店主。「きみ」を失った穴を埋められない「私」。お互いに惹かれながらも、関係を深めることができない。それぞれの喪失感が引き起こす孤独。そうした感情を描くのが、この作者はとてもうまい。 | ||||
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他人と違う考え方を持ち、壁の内側のような感覚が懐かしくもあった。 村上春樹の作品は大して読んできた方ではないが、騎士団長殺しの後半の畳み掛けにあまり好感を持てず何も残らなかった虚無感が強かったが、 今回のこの作品はしっかりとした作品の芯があり、最期までハラハラとしながら読んだ。 読み終えてからも、えもいえぬ恍惚とした感情に囚われている。 もう一度全てをわかった上で、読み直してみたい作品である。 これは村上春樹にしか書けない、もはや、他の作者には絶対に書けない作品だと思った。 全ての文章表現が美しく、 また、倫理的で分かる人にしか、分かり得ない世界観があり、自分が壁のどちら側に居るのかを常に考えさせられた。 最愛が、最上である10代のくだりにも、涙が出た。 彼の、主人公の生き様もまるで、自分ではない他の自分が乗り移り、感情移入した。 それが、まさに本の本質であり、 我々読者が主人公である彼に憑依できる、 いわば真実である彼が影であり本質である、借り物の姿に過ぎないと言う本題と沿っているように感じた。 海に雨が降るのが美しいと思っていたのは、私だけではなかった。 私だけではなかったのだ。 あの違和感を、村上春樹も思っていた。 そして、この作品を読んで何かしらの目に見えない実態に心を囚われた人は きっと一度はそう思ったんだろう人であると思う。 あなたは美しい。 そしてこの作品のわかる私もまたしなやかで、 ずうっと美しい。 いい時間をありがとう。 大変な名作でした。 | ||||
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返却は面倒なのでしませんが、気分は良くないです。ちなみに、過去にブルーレイボックスをアマゾンで買った時の特典に、長い髪の毛が入っていました。 | ||||
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さまざまな謎が散りばめられいて、ミステリとは違って作者がタネ明かししないので何度も読む必要があるかもしれません。 違和感を感じる文章について、なぜこのような書き方をしているのか、なぜこのような言動をしているのか、を考えると手がかりが見えてくると思うので興味のある方はぜひ。 考える時間も楽しく、意味がわかるとよりこの小説が面白くなると思います。 素晴らしい作品をありがとうございます。 | ||||
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いちいち淡い苦い記憶がよみがえるも、なぜか前向きな気持ちになる。あたかも心の棚卸し、自分自身の思い出の再解釈。繊細な描写に触れ、ときどき手を止め、深く物語に思いを馳せること度々。 | ||||
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著者のどの作品でも心の中の不完全なものを少しだけ補完してくれるような感じがありますが、この作品は書かれた過程で既に永い時間をかけられていて自分自身の想い出にも干渉してくる感じがします。 そしていつもの様に分かり易い結論は描かれませんが読後には不思議な満足感を感じます。 正直な話、このところの作品は若い頃のように惹き込まれて一気に読みたくなる感じが無くなっている様に感じていたのですが、今作は歳をとったからこその良さを感じさせられました。 御馳走様でした! | ||||
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村上春樹の小説はシンプルに言うと,いつも主人公が俗世間から離れて「隠遁所」へと入っていく点が好き。今作も壁に囲まれた街や図書館にある半地下の部屋とかナイスな隠遁所に入ってくれました。あとは蛇足ですが冒頭の17歳と16歳男女の瑞々しい情景も良かったかな。 春樹ファンは気にいると思いますよ。 | ||||
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かれこれ40年近く、多くの村上作品とともに歩み歳をとってきたひとりとして今振り返れば、そんな自分も1Q84の頃までは確かに村上主義者であったように思います。しかし多崎つくる(素晴らしい作品でした)の頃くらいからどうやらそれを通り越し、村上賛成派という感じに変化していったような気がしています… 今回は、若いうちまでは強烈な思い込みとして確かにそこにあったはずの壁(16歳の少女への恋心)のことを、大人になり現実社会の様々な経験(これこそが作中に出てくる疫病なのでしょう)をしていくうちにだんだんと忘れてゆき、心の師のようにも描かれている元図書館長との出逢いや、コーヒーショップの女性と精神的なところで少しずつ繋がっていくところ(ここが実に美しかった!)や、イエローサブマリンの少年(若かりし頃の影の化身なのでしょうか)との奇妙な関係などを通し、そこに確かに存在していた街(作品中実在した16歳の少女の記憶)とともに不確かなものへ成り果てた壁(薄れゆく恋心)は、大人としてはまだまだ成熟途中にある40半ばの男の頭の中でその100%の純朴さを失っていき、ゆっくりあやふやなものへとその姿を変えていくというある意味喪失の物語、あるいは喪失することで得られる成長の物語なのではないでしょうか。 これまでと同じく、この作品でも村上さんは多くを語りますが、最後までは決して語らない。結末はまたしても我々読者の想像に委ねられているわけですが、それで良いのです。それでこそ、です。と、村上賛成派の自分は思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか。 | ||||
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壁に囲まれた街は時間が止まっている、それはひきこもりが自分の世界に捕らわれているような世界のことなのだろうか?我々は勇気をだしてそこから抜け出し、時間を進めなければならないと作者は言ってるのだろうか?いや、現実世界になじめないパーカーを着た少年は時が止まった世界にこれからも住み続けるのだろうか?時が止まった世界は無意識の世界、人間は無意識と意識を折り合いをつけて生きなければならない、無意識の世界だけで生きるとはどういうことなのか? | ||||
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40年以上前に発表したものを 書き直して 71歳で出す彼の力量と その軌跡がすごい 誰もが経験したコロナ禍で 見つめざるを得なかった世界と 人間の死の意味するもの 自己との向き合い方を あらためて一冊の文学書から 投げかけられて さらなる思考を求められる | ||||
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村上さんの物語をたっぷりとエンジョイしました。ファンは必読だと思います。お話が騎士団長から図書館長になって、何だかよく分からない不思議なオジサンが現れて、とても頼りになる女性たち。また一つ、大好きなお話が出来て来た気がします。1Q84もそうなのですが、私は個人的に「続編」があるものという意識をして待っています。この作品にも、きっと「続編があるはず」と思い込んでしまっているのですが…。 | ||||
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文庫化されるまでスルーを決め込んでいたが、話題には抗えず 手に取ってみた。 結論から言うと、安心して読むことができたし期待を裏切らない 内容だった。 そこにはいつもの村上ワールドが展開されていて、その街の住人 になったかのようにその世界を堪能できる。 ここからはネタバレ注意。 ただひとつ釈然としないのは、ラストでテンションが最高潮に 高まった状態でページを繰った時、そこにあった文字は 「あとがき」だった。 なんとも唐突に物語はそこで終わりを迎えていた。 こんなことならページを繰ってもずっと同じページ番号 だったら良かったなと、思わず一人つぶやいてしまった。 そしてあとがきにも書いてあった通り、この作品で氏は やりきったとのことで、これが最後の作品になるかのような 寂しさを拭えなかった。 | ||||
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壁の外と中の世界を交互に描いた文章。情景を目に浮かべながら読むことができて楽しめた。村上春樹の世界観は人によってハマるものとハマらないものがあると思う。作品によって引き込まれるものがある。この一冊はまさに私にとってハマるものであった。じっくりと読むことで秘密と筆者が語っていたことが理解できた。やはりこういう作品は最後まで読まないとしっくりとハマらないのだろうか。一読の価値ありの作品です。 | ||||
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「多崎つくる」のように最初に大きな謎(理由のわからない突然の断絶)が提示されるが、多崎つくると違って、その謎は解明されないまま終わる。単なる好き嫌いの話だけど、僕は多崎つくるのようなシンプルな話のほうが好きです。 でも、実は、今までの中でいちばん違和感なく読めた村上作品でもあります。理由は僕自身がメンタルに不安定になって、ものの見方が変わったからかもしれない。 | ||||
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特にない | ||||
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唯井、村上春樹に触れる 当零細Blogで氏の作品を扱う時は、概ね批判的なものでしたが、今回は好感を持って読み終えることができました。 その理由の第一は、その長さにあります。 全647ページ、長編と謳われていますが、氏のこれまでの長編小説からすれば驚くほど短い部類ではないでしょうか。 それが幸いして、ストーリーがすっきりと展開され、これまでしばしば見られた無用な停滞がなく、見通しの良い仕上がりになっています。 特に全編のテーマの提示部にあたる第一部は、ラノベ調+パラレルワールドで軽快に展開されます(挿絵がレイアウトされていたら、何て夢想してみました)。 ここで、唯井はごく自然に村上ワールドに入ることができました。 第二部は、本来の村上節炸裂ですが、本作中央部に子易さんの半生記とイエローサブマリンの少年の登場を配置して、物語の中弛みや停滞を救ってくれています。 おそらく、ハルキストと称する方々は随喜の涙を流すであろう、次のような表現に、唯井は初めてその良さを感じました。 ちょうど夜が明けて、やがて窓から日が差してくるみたいに(P249) 凍えた鉄釘に劣らず、命をそっくりなくしております(P.288) 驚くほど短い第三部は、実に55ページに過ぎないのですが、それまでの物語りをひっくり返すに堪える素晴らしい結末です(村上作品の結末は何時もこう上手くいったためしがない)。 本作のテーマ タイトルにもある“壁”、街の掟である“影”と切り離されること、図書館にある“半地下”の正方形の部屋、物語の推進役になる主人公が観る“夢”。 どうしても欠かすことのできない村上ワールドの小道具類―――”ブルーベリーマフィン”やクラシック音楽、JAZZの名曲の数々。 主人公が手慣れた手際で拵える手料理と酒・・・。 ※ SEX描写は、何故か封印されています。 17歳の主人公と1歳年下の彼女との会話でから生み出された壁に囲まれた街。 その内側と外側という物理的間隔と、影と本体とが共振して、主人公の実体が解体していく不穏な予感で終わる第二部―――、 ねえ、わかった? わたしたちは二人とも、ただの誰かの影に過ぎないのよ。(P.598) これまでの村上作品では、物語はここまで進むものの結末が拡散してしまい、もやもや感満載のラストとなってしまっていた訳ですが、本作では先に書いたとおり、驚嘆すべき、あるいは見事な結末が用意されていました(!)。 第三部の意味 嵐は、村上作品に対して、珍しくストーリーの先読みをして読み進めました(もちろん、悉く外れたのは言うまでもありません)。 そうした無駄な先読みを見事に、鮮やかに裏切ってくれたのが第三部です。 ここで、読者は第二部の主人公が、実は、第一部で単身街を命がけで脱出した主人公の”影”だったことを知らされます。 大丈夫です。心配はいりません。あなたの影は外の世界で無事に、しっかり生きています。そして、立派にあなたの代わりを務めています。(P.645) 賛否両論のある、A・クリスティーの『アクロイド殺し』のトリックです。 第二部の主人公にたっぷり感情移入している読者にとって、これは衝撃的なラストでしょう。 そして、嵐も作者の語りを追いかけて、先読みを含めて、主人公の行く末を案じていただけに、ショックは大きかった・・・。 そして、この衝撃、ショックこそ村上春樹氏が本作に込めたテーマだったのです(そして、少なくとも、嵐には大成功と賛辞を贈りたいと思います)。 騙された! と憤慨する読者がいたら、それだけ本作が成功作である証拠であり、作者は一人ほくそ笑むことでしょう・・・。 本作の瑕疵 例えば、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』は立派な推理小説と評することも可能です。 しかし、そういうジャンル分けを飛び出して歴史的な名作に成りえたのは、作品に盛り込まれたサブストーリーにあります。 村上春樹氏の本作が傑作と呼ばれるためには、そのサブストーリーに注目しなければなりません。 アンチ・ハルキストを自認する嵐から観ると、本作のサブストーリーは貧弱です。 子易さんの人生訓(55-P496~P.504)はなかなか読ませる内容ですが、他の、例えばコーヒーショップのオーナー兼店長の女性とのやり取りの食い足りなさ、街の成り立ちについての説明(主人公の解釈)の省略など、本作を読みやすくさせた分、刈り込みが過ぎたようでもあります。 唯井にとって楽しく村上ワールドを満喫できましたが、世のハルキスト諸氏はどう評価するでしょうか(なお、本エントリを書くにあたって、本作の書評、レビューは一切読んでいません。掛け値なしの唯井の感想であることを書き添えておきます)。 | ||||
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