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世界をおれのポケットに
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世界をおれのポケットにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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チンピラギャング4人組が若い娘ジニーを加えて現金強奪を企てるサスペンス。全編に渡る緊迫感の中で軽快な会話とスピーディなアクションで最後まで一気に読めた。登場人物も現実感があり各個性がわかりやすく描き分けられていて読みやすい。ただ人物造形が一面的で人間ドラマとしては深みに欠けると思われる。 モデルのような美しさを持つジニーは素人ながらギャング顔負けの度胸と行動力を見せてくれるが、本作の魅力はこのジニーの個性に負うところが大である。事件そのものだけを考えた場合ひねりがなく平凡でありミステリという点では評価できる点はほとんどないと思われる。ジニーの人物像も前半は謎に満ちているが後半で明らかになる心情はあまり納得できるものではなかった。 終盤で登場する少年や警部もドライに描かれておりギャングのジボやキトスンの方が善良である。全体的に救いが無いがこれがこの作者の世界観なのであろうか。 端役として印象に残った他の人物を挙げておく。 グローリー・ドースン:ギャングの副頭目エド・ブレックの恋人。「金や容貌ではなく、ブレックそのものを好いてくれた最初の女」(p106)である。わずか数頁の登場であるがグローリの人物像が見事に表現されている。ブレックがジニーと較べて独白するセリフ「そう、あれこそは女だ!グローリーとは大ちがいだ!あの度胸!スマートな服を着れば、どこのお姫様かと思うよう。グローリーなんか、どこからどう見てもパン助じゃないか」(p108)が哀れである。数頁前にジボのセリフ「でもね、この世の中に愛情ってものが、ほんのちょぴりもないとしたら、あんまり情けないじゃありませんかね」(p102)がコントラストとなっており、このあたりに作者の冷めた虚無的な視線が感じられる。 ハリー・カーター:中古車販売店の店員。新婚夫婦を装ったキトスンとジニーが訪れた店で二人に愛想よく対応する。ジニーを巡って3人のやりとりが生き生きとコミカルに描かれる。キトスンの素直で一本気な性格が見事に表現されている。 | ||||
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