汝、星のごとく
評判
汝、星のごとくの評価:
4.20/5点 レビュー 446件。 S ランク
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全66件 21〜40 2/4ページ
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汝、星のごとくの評価:
4.20/5点 レビュー 446件。 S ランク
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一言でいうと、盛りすぎ。
毒親、ヤングケアラー、田舎の閉塞感、不倫、女性差別、成功と挫折、病気、最後に恋愛。
それぞれの登場人物が抱えているものが多すぎて、作品としての焦点がぼやけていると感じた。
序盤のヤングケアラーの描写は良かった。櫂と暁海のすれ違い、最悪のプロポーズのあたりまでは心理描写も優れていて、物語に入り込めた。
ただ、櫂の病気以降の展開はあまりにご都合すぎて携帯小説とさして変わらない。
櫂は都会に出て成功して調子に乗って浮気するというただのダサい男で、暁海になにひとつ汚名返上していない。病気というチートを使って暁海と結ばれただけ。しかもそこで死んでしまって永遠になる。
そして続編まで読むと櫂は暁海を「瀬戸内の海のようだ」と言い、暁海は櫂を花火にたとえ、先生を海にたとえている。
櫂と暁海はちぐはぐで、結局うまくいかなかったふたりなのに、病気と死で無理やり結ばれたように思ってしまう。
櫂は生い立ちがかわいそうで、本人の暁海に対する態度もダメで、最終的に若くして亡くなってしまう。彼の人生はなんだったんだろう。
なぜ彼に挽回の機会を与えなかったのか。本人の力で再起して暁海を取り戻してほしかった。
このあたりが読後感の悪さに繋がっていると思う。というのも、ふたりが幸せになるならそれまでの最悪な大人たちの描写も許せるのだが、このエンドなら最悪な大人たちが大した報いも受けずに子どもが最悪な思いをして終わっているからだ。
もし櫂の母がちゃんとしていたら、もしあそこで暁海の母が瞳子の家に火をつけに行かなかったら、もし暁海の父が不倫をしなかったら、こんな結果にはならなかったのに、とどうしても思ってしまう。
続編は相変わらず盛りすぎていたが、まだこちらの方が言いたいことはわかる。本編はため息をつきたくなるような読後感だったが、続編まで読むといくらか溜飲が下がった。ただ、肝心の櫂が書いた『汝、星のごとく』という小説で晩年の櫂が暁海をどのように描写していたか、それを読んだ暁海がどんなアンサーを出したのかは作中でも言及してほしかった。そこ一番重要なのでは?そもそも彼は暁海のことを瀬戸内の海のようだと言っているのになぜ星とタイトルにつけたのか。彼にとって暁海がどのような存在だったのか、単なる執着や共依存以上のものを見いだせなかった。もっと悪く言えば求めていたのに得られなかった母性を暁海に求めていたようにも見えた。また彼女にとっての櫂も、母親をほっとけなかったときの感情以上のものを見いだせなかった。これは恋愛描写としては微妙すぎる。
それと、この内容ならばプロローグとエピローグの先生が不倫云々は不要というか本筋からブレていると思う。このプロローグ=先生をヒーローに据えるならあまりに櫂の存在が大きすぎ(櫂視点が多すぎる)、櫂をヒーローに据えるなら先生の存在はともかく結の実母とのエピソードは盛りすぎ通り過ぎて蛇足。続編なしのこの本編で冒頭の「月に一度 わたしの夫は恋人に会いにいく」は、正直本筋と全く関係がないといっても過言ではない。
つまるところ、この小説のテーマがわからない。「不自由な境遇のふたりがときに傷つきながらも愛し合っていく」というテーマの恋愛小説と思って読むとガッカリする。実質、「女性は経済的に自立しろ」「身勝手に生きろ」というのが一番強いメッセージなので(それを言うのが父親の不倫相手というのもまた…)。
とにかく不幸モリモリでしんどい話が好きな人に向けた小説。