正欲

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正欲の評価:

3.85/5点 レビュー 459件。 D ランク

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Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全314件 81〜100 5/16ページ
No.234
(5pt)

五十年生きてきたが

素晴らしい小説でした。読み終わった瞬間に思わず感嘆の声を漏らしてしまうほどに。この小説のテーマは、五十年以上生きてきた自分の視野になかったものでした。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.233
(4pt)

面白かった!

内容をあまり把握せず、旅行に持って行って、海辺で読み切りました。

ロケーションも相まってかもしれませんが、面白かったです。
映画も観たくなりました。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.232
(4pt)

キャッチコピー通り、読んだ前と後で考え方が変わります

内容はLGBTQのもっと奥深いところの問題。
この本読んだらLGBTQがいかに傲慢というか薄っぺらいというか「世間」が決めた基準だなぁ…と思える。
「私は、普通じゃない人も理解しようとしているから、どんどん相談して」
みたいな発言は徹底的に偽善なんだと気づかされる。
そもそも「普通」というのは、そちら側にいる人の感性なわけで、別の範疇にいる人は、そこが普通。
結局どこまで行っても分かり合えないのだろう。
.
この小説に出てくる主人公的な人達は、すべて共通の「あるもの」に、性欲を感じる人たちである。(驚くことに男性も女性も)
その人たちは、その「あるもの」があまりに特殊なため、LGBTQどころの話ではない疎外感と絶望を日々感じつつ、
たまには自殺願望も湧いてきつつ苦しんだ生活をしている。
.
なんか変わったやつらだと可哀そうに思って、救おうとか理解しようとするような人も現れるのだが、あまりにもニッチな対象なので、まさかそこまではと想像だに出来ない。だから主人公たちはもどかしいし、あきらめてる。
,
ある時SNSを通じて、今まで個で生きて.きたその人たちが集まる事になる。私はこの先どうなるのだろう…と思って読んでたら、
あっけない終わり方。ただし今の世の中ではこんな終わりかしかありえないだろう…と納得できるが、何かもやもや。
.
とにかく、自分の価値観とか普通は…という考え方を見直すきっかけになる本ではありました。
そういう意味では、「読む前の自分には戻れない」というコピーはまんざら嘘でもないわけだ。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.231
(4pt)

被害者足り得るマイノリティだけに語らせる欺瞞

映画の八重子がスレンダー美人女優で納得いかない。ルッキズムやジェンダー差別に切り込む「正欲」で、肥満コンプレックス八重子に瘦せ型の人を抜擢するのは大いなる欺瞞では?

本編は多様性の美辞麗句で差別していいマイノリティと差別しちゃいけないマイノリティを選別するマジョリティの欺瞞を突いており、考えさせられた。前半の視点人物・八重子の印象が、後半の大也の目を通すと反転するのも面白い。
世間一般とかけ離れた特殊性癖を持ち、明日生きていいと思えず生きてきた夏月の苦悩には胸が痛むものの、個人的には啓喜の主張に共感する所が大きいというか。

特殊性癖者を「世界のバグ」ときっぱり言い切る彼の価値観が独善的なのは確か。かといって泰希に好感が持てるわけでもない。啓喜視点で描写されてるせいかクソ生意気なガキに感じた。彼が心酔してる不登校小学生ユーチューバーはゆたぽんがモデルなんだが、本人の現在や作中で言及された動画の用途を鑑みると、自分も啓喜寄りの考えになってしまうのは否定しがたい。

何も知らない小学生の動画のコメ欄にオカズリクを書き込む人々がおぞましいのは、私自身が腐ってもマジョリティ側だから?
否、そこには一方的な搾取だけがあって対等性が担保されないから。
YouTubeのキッズチャンネルや子育てチャンネルに群がるペドフィリアは、「普通」の人々が微笑ましく観る動画を、別の目的で消費しているのだ。
後半の大也と八重子の対峙は印象深く、大也にやりこめられた八重子の反論が胸に響く。

「正欲」の構成の巧妙な所は、特殊性癖の中でも極端にマイナーな物にフォーカスし、世間的に絶対認められない、読者の大半が生理的嫌悪を催す、小児性愛者の視点だけ排除したこと。
ミスリードによるどんでん返しと無関係ではないにせよ、真性ペドフィリアは水を出すだけで性欲を満たせる、夏生や佳道たちを羨むのでは?

蛇口をひねるだけでは犯罪にならない、何の罪にも問えない。ドン引きする人はいる。だから何?子供に手を出したら捕まる、ことによると眺めてるだけで通報される小児性愛者の生き辛さの方が上では?

夏生や大也は傲慢で鈍感なマジョリティに対し、許しも理解も求めず、ただただ放置してほしいと訴える。
その切実な心情は伝わるものの、「正欲」は「それ自体は罪じゃない(にも関わらず「キモイ」と差別される)、道義的に許されるマイノリティ」のみを扱って、安易な共感や同情を募ろうとしてないだろうか?

なるほど、夏生たちは被害者だ。ある現象に欲情する以外は普通の人間で、法律に反する行いは全くしてない。しかし彼女たち「被害者足り得るマイノリティ」の苦悩が事細かに掘り下げられるほど、対等性の観点から加害者に区分せざる得ないマイノリティを全力でスルーする、創作上の欺瞞が気になってしまった。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.230
(5pt)

多様性の名のもとに繋がり合って異物を排除する風潮への異議申し立て

けっこう凄い本を読んだ、という感想が残りました。
期待以上です。
多様性をキャッチフレーズとして実は繋がり合って異物を排除する風潮への、異議申し立てとして読みました。
ラスト近く、主人公の一人諸橋大也が、多様性運動を口実として繋がりを求める八重子に向かって吐く、本音の言葉が迫力ありました。
「諸橋君も、もう多様性の時代なんだし、ひとりで抱え込むだけじゃなくてもっと」
「俺、ゲイじゃないから」
‥‥
「自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」
「お前らが大好きな”多様性”って、使えばそれっぽくなる魔法の言葉じゃねえんだよ」
「自分にはわからない、想像もできないようなことがこの世界にはいっぱいある。そう思い知らされることばのはずだろ」
「多様性って言いながら一つの方向に俺らを導こうとするなよ。自分は偏った考え方の人とは違って色んな立場の人をバランスよく理解してますみたいな顔してるけど、お前はあくまで”色々理解してます”に偏ったたった一人の人間なんだよ。目に見えるゴミ捨てて奇麗な花飾ってわーい時代のアップデートだって喜んでる極端な一人なんだよ」
‥‥
「お前らみたいな奴らほど、優しいと見せかけて強く線を引く言葉を使う。私は差別しませんとか、マイノリティに理解があるとか、理解がないと判断した人には謝罪しろとかしっかり学べとか時代遅れだとか老害だとか」
‥‥
「お前らが想像すらできないような人間はこの世界にいっぱいいる。理解されることを望んでない人間だっていっぱいいる。俺は自分のこと、気持ち悪いって思う人がいて当然だって思っている」(p.336-338)

 21歳の若者がこんな名言を吐くのが少し不自然だけど、よくぞ書いてくれたものです。
最近の作家も捨てたものではないかも、という気がしてきました。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.229
(5pt)

恐怖と喜び

実写化が決まって映画館でみた予告が気になり小説から先に読んでみようと思いよみはじめました。この本からとても深いものを学ぶことができた気がします。自分のなかの考え方も変わり、この本を一読している人とそうでない人では現実の見え方が異なるのではないかと言っても過言ではないと思う程です。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.228
(5pt)

考えさせられる!~拡がるテーマ性~

性的嗜好というテーマから全く理解できない他者をどのように受け留めるのか?に転じるドラマ性が凄い。
理解できない次元が最早、想像の遥か上をゆく別次元の場合、繋がることなど絶望的な絶対的孤立のみ存在する。それでも、理解し合える同志を求めるという人間の性が、悲しくも可笑しい。結局、ラストでは、次元の違う異者は、正常と称する多数派に到底受け入れられず、理解を求めるという事さえ放棄し孤独の巣に戻ってゆく。性的なテーマを越えて、正常とは、異常とは、多数派とは、少数派とは、相互が理解し合える事があるのか?とテーマ性が拡がってゆく。
物語の切り口が斬新で、最近読んだ本の中では一番面白く楽しめた。
初期の話題作「桐島、部活やめるってよ」の何の拡がりもない切り取り現代青春小説から脱皮し、この不思議なsituationを設定した著者に感心した。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.227
(5pt)

ずっしりとした読後感

だいぶ読みごたえがあった。
自分の知らない世界がたくさんある。

読後感、重かった。重たい内容だった。
でも考え方によっては、だからこそ、人間っておもしろいのかもしれないな、と思った。
誤解が生じている多くのこと、
誤解された、誤解したまま埋もれてしまった多くのことも、ずっしりとのしかかってきた。

解説もすごく良かった。解説に書かれていることがよくわかる。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.226
(5pt)

時代を代表する小説

すごかった。この時代を代表する小説だと思った。
多様性という言葉がメディアで気軽に使われてしまっていることに対する違和感を、この小説が上手く言語化してくれている。多様性ってそんな簡単なことじゃない、もっと自分とは違う異質な存在がいることを認めること、しかしそれは人間の本能とは相容れないものでもある。人は自分と価値観が近く、考えを共有しあえる仲間を作りたがる。さらに固有の言語や方言、さらにはミーム等によって仲間意識を強めることを根元的な欲求として求めてしまう。多様性を受け入れるというのは、ある意味そういった同調意識という人間の本能を理性でねじ伏せるという、精神的な闘争や葛藤を必要とする行為であると感じさせられる。そもそも多様性が簡単に受け入れられるならば、現代のロシア・ウクライナ戦争やパレスチナ問題もないわけで。
結局、この小説の中では解決策が提示されるわけでも、登場人物が幸せに生きる道を獲得できる訳でもない。容易に答えが得られる問題ではないと思うが、それでもそういう問題が存在すると認知させることは必要だと思う。そういう意味でこの小説の存在意義は非常に大きい。多くの人に読んでもらたい。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.225
(4pt)

明日死なないために繋がりを求める

話題になっていたので手にした初めての朝井リョウなのですが、読んだ瞬間なんだこのヤな感じは・・・でも読み進めたくて一気読み。予測しない位置から後頭部を叩かれたような感覚になりつつ、今現実に声を上げている人々は明日、多数派に殺されないために生き残るために結束しているのだから水を差すなよという気持ちにもなりました。

マジョリティでもマイノリティでも逸脱していると見做されれば排除される者は出てくる。多様性から外されてもなお生きる道を見つけるためにたった一人でも同じ痛みを持った人との「繋がり」が救いになるんだろうと夏月と佳道の結びつきが確かなものだとわかるシーンや、地味な八重子が大也と感情をぶつけ合う場面はとても印象に残りました。(不登校経験者なので普通を押し付けてくるパパの寺井やガチ保守田吉は問答無用で嫌いです)

時々イライラしながらも読みたくなる、深く考えてしまいたくなる物語でした。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.224
(5pt)

うすっぺらな多様性

『日本で、男で、五体満足な異性愛者に生まれる。
 これで、社会にはびこる理不尽から、九割は免れることができる』
 (p.317)
この文章は刺さった。
意識していなかったが、自分が特権階級にいることに気付かせてくれた。

子どもはお母さんに育てられるのが一番。
子どもの昼食はお母さんのお弁当がいい。
こういう考えに対して、遅れている、古い考えだと思っていた。

しかし、
ミスコン存続?廃止? 別に存続してもいいんじゃない。
ルッキズムの増長?性的搾取につながる?そこまでナーバスにならなくても。
アニメの女性キャラの入浴シーン?
元々少年マンガ誌に掲載されていたものだから、背景を考えれば問題ないだろう。
こんな感じにも私は考えており、
反対意見に対しては細かいことにうるさいなと思っていた。

これぞ、本書のテーマである“うすっぺらな多様性”だ。
自分の理解できる範囲では理解を示し、
自分の理解できない範囲では拒絶する。
私もそうしていたことに、改めて気付かされる。

本書は特殊性癖を抱えた人に焦点を当てた作品である。
マイノリティの中にも序列があり、
マイノリティの中のマジョリティは
多様性が尊重される風潮の中で理解が進む。
一方、マイノリティの中でもマイノリティは理解されないままであり、
その辛さが丁寧に描かれている。

例えば、特殊性癖を抱える夏月の以下の独白が当てはまる。
『あなたが抱えている苦しみが、他人に明かして共有して
 同情してもらえるようなもので心底羨ましい』(p.242)
『性的対象は、ただそれだけの話ではない。根だ。
 思考の根、哲学の根、人間関係の、世界の見つめ方の根。
 そのことに多数派の人間は気づかない。
 気づかないでいられる幸福にも気づかない。
 他者が登場しない人生は、自分が生きていくためだけに生きていく時間は、
 本当にむなしい』(p.246)

夏月は同じ性癖を持つ高校の同級生・佐々木と再会し、
つながり、2人はより多くの人とつながろうとするが…。

ハッピーエンドで終わらないことは冒頭で示唆され、
その通りハッピーエンドで終わらず、モヤモヤする。
作者の朝井リョウは敢えて、そうしたのだろう。
その方が読者を考えさせるから。
但し、決してバッドエンドではない。
ほのかに希望を感じることができる、ふさわしい終わり方だ。

なお、朝井作品は名言が連発されることが多く、
本にアンダーラインを引きまくることが多いが、
今回もたくさん刺さる箇所があった。

まずは、冒頭の独白。最初読んだ時は気付かなかったが、
途中まで読んで再度冒頭を読むと、書かれている内容の深さに驚く。
『世の中にあふれている情報はほぼすべて、
 小さな河川が合流を繰り返しながら大きな海を成すように、
 この世界全体がいつの間にか設定している大きなゴールへと
 収斂されていく。
 その“大きなゴール”というものを端的に表現すると、
 「明日死なないこと」です』(p.6)

また、終盤の女子大生の八重子と特殊性癖を抱えている大也との
言い合いにおける、八重子の発言は圧巻だ。
「そうやって不幸でいるほうが、楽なんだよ。
 自分が一番かわいそうなんだって嘆くだけでいい。
 向き合うべきものに向き合わないでいられる」(p.449)
「この容姿の私を愛してくれる誰かと生きてみたい
 っていう憧れをとか全部消したい。
 だけど人を好きになっちゃうの」(p.449)
「はじめから選択肢奪われる辛さも、
 選択肢があるのに選べない辛さも、
 どっちも別々の辛さだよ」(p.452)
「ミスコン廃止したところで誰かの頭の中にある
 性的な目線を制御できるわけじゃないってわかっているし、
 別に全部の大学からミスコンをなくそうとしているわけでもない。
 一つの方向に導きたいとかじゃなくて、
 自分を削ってくるものだらけの世の中で
 なんとか前向きに生きていく方法を考えたいだけ」(p.452)

他にも、以下の独白に惹かれた。
『映画やドラマでは若い女性同士の関係を陰湿に描くものも多いが、
 二十歳を超えても尚異物を排除する力が強いのは圧倒的に男子の方だ。
 男は、男であることから降りようとする男を許さない。
 嫌うでもなくハブるでもなく、許さないのだ』(p.322)
『若いってああいうことだよな、と思う。自分の暇を埋めるためには
 思い付きで誰かの感情を引っかき回してみてもいいと思っていること』(p.244)
『正当な不満は、思考を生み、言葉を練り出す。
 出所が正当なのだから、その論理はどこに出ても恥ずかしくないほど
 整ってしまう。だからこそ苛立ちは増大していく』(p.245)

ストーリーも名言も、両方楽しめる名作だ。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.223
(5pt)

正しい性欲なんて言われても

読後、思わずうーんと唸ってしまう。どのようにレビューを書けばいいのだろう。要は「正欲」とは正しい
性欲のこと。最近LGBTQ議論が盛んで、制度的にも、また人の意識的にも(多分)いろいろな
改革がなされつつある。だが、このLGBTQが性的少数者を意味するのであれば、もっともっと
少数のフェチ愛好家(こういう表現でいいのかな)がいるわけで、人間だけを性的欲望の対象とする
とは限らないのだ。この本の関係者もそういった人間だ。彼らは自分たちの「性欲」が理解されず、
「正欲」の人たちとつながることさえできない苦しい人生を送っている。恐らく、LGBTQの人たちも
今やその「正欲」側の人なんだろう。カミングアウトなんてできないごく少数の性的愛好家たち。この
本でも「正欲」のまさに正統派(とでも言おうか)の検事寺井などは、不登校の息子や妻との
意思疎通に苦労する。彼のような人間は、極少数フェチの人間のことなどまったく想像もつかない。
彼はこの本の中ではそういった意味で間違った人間のように役回りを演じさせられるが、世の中の
ほぼすべての人たちがそちら側の人間だ。だから、彼を責める気にはなれない。とはいえ、
そういった少数フェチの人たちが最後に抱える感情は「諦観」でしかないというのも悲しい。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.222
(5pt)

めっちゃ難しい作品

自分が想像できない他者が同じ社会にたくさん存在すると、怖くて仕方がないから排除しようとする人
他者から想像できないような自分を持つから、排除されないように自分を社会から隠しながら存在する人
それぞれがある程度の距離を取りながら社会を形成してきたが、「多様性」という言葉が流行してきたことにより、お互いの距離が近づいた。
この接近がどのような意味を持つのかがこの作品で描かれているのではないかと感じました。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.221
(5pt)

興味深い!

十人十色といいますが、まさにその通りだと思いますね。
センシティブな性癖の多様性について書いた作品。
普段はタブー視して考えが深く及ばない領域に踏み込んで、異常性癖者の気持ちも考察していく。
考えもしなかったが、通常は考えが至らないからこその絶望と苦悩がある。
興味深い内容でした。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.220
(4pt)

答えを出す事が出来ない

物語を読んでみて、ほんの些細な事でもこんな事を考えるのは私だけなのかもしれない。その不安を一人で抱える事ができないから、あらゆる方法でいつも誰かに確かめながら生きていくしかないのだろ思いました。
安心を求め進んできたつもりだったけれど、とても不安定な場所に私はこれからもいるのだなと本を読んで感じました。
本に書かれている事件について、どうすればよかったのか。答えが出ません。ただ、私も、街ですれ違う知らない誰かであっても一人でいないでほしい。
そう強く感じた本でした。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.219
(5pt)

人にお勧めする時、なんて伝えよう

このストーリーをどうこう言う事自体、自分の正欲に酔っている事になるので例え人にこの本をお勧めしたい時ですら、ストーリーについての感想を簡単に人には伝えられないな、と思いました。

ただ、この先生きていくとして
何年後か何十年後、はたまた数ヶ月後でもその時の自分の価値観で受け取り方がまた180度変わりそうです。まだ数年後、自分がまだ生きていたら読み返したいです。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.218
(4pt)

通底するもの

日経新聞の夕刊のイン・ザ・メガチャーチに通底するもの感じます。
ここ数年の世の中の変化、LGBTQとかに対する許容と違和感。
そうだよねっていう感じと、だから嫌だよねって感じと、それぞれの立場、感覚の人が共感できる話なのかなと思います。
でも、これからの世の中の変化に対する希望は感じにくい話なのではとも思います。
皆が受け入れてもらえるかも知れない安心感があるけど、皆を受け入れるのが苦痛であることを思い知らされる感じ。
どんどん思っていること、感じることを言えない、いろいろな人の感性を想像して、誰かにとって気に障ることは何も言えない世界の到来を感じさせる話のように受け止めました。
そうやって生きる方が正しいかもだけど、やっぱ面倒だな。こんな世界。
と、改めて気付かされました。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.217
(4pt)

多様性とは

世の中、多様性を認めようとポジティブな発信が多くて、多様性という言葉が正義みたいな感じだけど、実はそれを強調することで、ますます生きづらくなってしまう人もいる。何事にも、いい面と悪い面がある。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.216
(5pt)

寛容は不寛容に対して不寛容だ

確かに。

矛盾だらけで混乱する。これを読み終わっても、私はまだ正しさに縋りたい。正欲から逃れられない。

人がAをBと考える(感じる)ことを止めることは出来ない。

確かに。

集団の2/3に収まっている人はその時はマジョリティかもしれないけれど、常にそこに居続ける人は、lim n→∞ (2/3)^n=0つまり限りなくマイノリティになっていく。

確かに。

人間は動物でも人間でもある。

確かに。

そこにある事実だけが、ただそこにある。
そんな話。

きっと、誰かを傷つけてしまったかもしれない不安に駆られたとき、またこの作品を思い出す。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635
No.215
(5pt)

問題作であり名作

最初の10ページ前後から、人間関係の窮屈さ、不穏な空気が漂い始め、
その中身は決して気持ちいい物語ではないことを予感させるが、まんまと的中する。
読み進めていくうち、随所に気づまりな人間同士の「繋がり」が見え隠れし、
作者の得意技ともいうべき「意地の悪さ」、すなわち叩けばホコリが飛び散る課題に対し
案の定、じわじわと叩いて叩いて叩き抜いて、問題提起を読者の鼻先に
突き付けてみせるいやらしさがあってよかった。

昨今、頻繁に取り上げられる【多様性】という、一見、前向きに響く言葉に対し、
ここまでほじくり返して水を差してくる着眼点は非常に秀逸。
また、会話文の隙間に差し込んでくる表現力も豊かで、好き嫌いは大きく分かれる作品だろうが、
私はひとりでも多くの人たちに、一度は読んでほしいと強く推奨したい一冊である。

ただし、良薬は口に苦し。人によっては胃痛を招くことも覚悟しておけ。
正欲 Amazon書評・レビュー: 正欲より
4103330635