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深い河
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深い河の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全142件 121~140 7/8ページ
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死を感じるとき、神を信じることが出来るひとがいる。 その神は、どんなものでも受け入れる何かなのかもしれない。 生きている私たちは、諍いをする、それはもう、あらゆることに。それは、愛せず、信頼できないことによるのだろうか。 最後に危篤になる青年は、何を思っただろう。もし、全てを受け入れていくものに安らかに導かれたなら(きっとそうだろう)、この現世に残された、いつのまにか作品に出てくるカメラマンの青年のように生きてしまうかも知れない私たちは、取り残されたような恐ろしさに襲われる。 私たちの中に、深い河を持ちたいと思う。恐ろしさをも、受け入れるために。 | ||||
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ご存知のように、遠藤周作は、キリスト教作家です。 日本人でありながら、キリスト教一家に生まれ、キリスト教作品を書き続けた遠藤周作。 しかし、その遠藤周作が、最後にいきついたのは? なぜ、遠藤周作は最後までキリストを描かなかったのでしょうか? なぜ、遠藤周作はインドに?ガンジスに?キリスト教以外の宗教の話を? なぜ? 『ダ=ヴィンチ=コード』より、深い謎と、宗教問題がここに提示されています。 キリスト教作家遠藤周作が最後にいきついた答えとは・・。 日本が誇るべきキリスト教作家遠藤周作渾身の傑作。 | ||||
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宗教、思想、生命、戦争、愛・・・ とても深く考えさせられる作品でした。 様々な目的を胸にインドへ旅立った人々。 ラストに向けそれぞれの答えを見出す事が出来た、その矢先にあの衝撃的な最後。 遠藤周作の作品を今回初めて読んだ私でも、とても読みやすく面白かったです。 登場人物の観光客のように、初めて触れるインドの文化に私達も目を背けてしまうかもしれない。 だけどそれは最初だけで、読み進めていくうちに この本、そしてインドそのものに深くはまってしまいました。 | ||||
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私が、インドに行くきっかけになった本です。 19の時にこの本に出会い、生も死も、両方だきしめるガンジス河、ヒンドゥー教ではこの河に入ることが一生の目標にもなる聖なる河に、どうしても入ってみたくなった。 実際ウ゛ァラナシには、オレンジの服を着たガンジス河を目指し、遠くの町から歩いて来た人がたくさんいた。 水を飲む人もたくさんいる。本当に、日本にはない、インド人の想いがつまった河だと思い知らされた。 あの、夜明けの礼拝の祈りの声と、薄やみにはえるオレンジの服を見て、この本のことを思っていた。 この本に出会って良かった。 まったく違う、文化、価値観に触れるきっかけとなった忘れられない本だ。 | ||||
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「その一人一人に人生があり、他人には言えぬ秘密があり、そしてそれを重く背中に背負って生きている。ガンジスの河のなかで彼等は浄化せねばならない何かを持っている」・・・・憎しみとエゴイズムしかない世の中においても、「信じるもの」をひたすら追求していった大津と、それを蔑みながらも心の中ではその生き方をどこか望んでいた美津子の「不可解な糸の結びつけ」が特に印象的だった。 | ||||
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何だろう,この本を読み終えた後の無常観は.一体何処にこの物語の救いはあるのだ?かつて著者は沈黙という作品で信者と共に苦しむ神を描いた.この作品ではそのような描写すらない.無力で弱々しい一人の堕ちた神父が登場するだけだ.信仰とは一体何なのだろうか. 全てを飲み込む大いなるガンジスの流れ.その前には全ての物事は無きに等しい・・・ | ||||
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登場人物がインド旅行に、それぞれの訳ありで出発する。その旅行記をまとめた、小説。 一番印象に残ったのは、ガンで死に逝く妻が、夫に、「私、生まれ変わるから。生まれ変わった私を見つけて。」という場面。 自分を忘れられたくない、切ない女心と、それを聞かされた男心。 絶妙な対比と、心理描写。遠藤氏ならではの表現。 その夫は、インドに日本から生まれ変わった記憶を持つ少女がいる事を聞き、インド旅行に参加する。 そんなに早く生まれ変わったんじゃ、世の中が大変なことになる?だろうし、馬鹿馬鹿しいって笑う人もいるだろう。 しかし、小説の中でその男は本当にインドへ向かい、真剣に妻を探す。 インドで登場人物たちは、母なる河、カンジスと向き合い、人生やら、愛やら、色んなものと、向き合う。 私たちは、どこに向かって流れていくのか。 人生って河の流れのようなものかもしれない。 | ||||
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「愛」とか「神様」とかそんなものは嘘っぽくて、遠い存在だと思ってきたけど、少し身近に感じて、涙が出る。そんな作品です。 ガンジス川のほとり。混沌の中にあって、でもそこには偽善はない。と主人公の一人美津子は、言っています。 安易なヒューマニズムばかりのこの世の中で、どうしても空虚感を感じてしまう、美津子の気持ちがよく分かるなぁ。と思いました。 | ||||
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妻の臨終の言葉に導かれてインド訪問を決意した「磯部の場合」では「転生輪廻」を、若い頃の苦い思い出の対象である大津を心の端に求める「美津子の場合」では「心の充足」を、幼少期の心の痛みから妻にさえ苦しみや悲しみを打ち明けらることができない童話作家「沼田の場合」では「人生の孤独」を、第二次世界大戦中の出来事から苦悩の内に死んでいった戦友、塚田を思いやる「木口の場合」では「罪と許し」を、純粋な心の持ち主ゆえいかなる体制にも収まりきれない「大津の場合」では「無償の愛」を説いているが、決して説教くさくなく、それぞれの人生や気持ちが魅力的に描かれている。 私は若い頃は氏の「沈黙」が好きだったが、今は「深い河」の混沌というか歯切れの悪さのほうが性に合う。「人間のやる所業には絶対に正しいと言えることはない。逆にどんな悪行にも救いの種がひそんでいる。(仏教のことばでは善悪不二というそうである。)」という木口の言葉が含む自己に対する謙虚さと他に対する受容が胸に響く。生き方を法律や(宗教の)戒律で厳格に縛りつけることは決して、世の平和、心の平安にはつながらないと思う。 この小説では映画化されているが、小説と映画では大津の死ぬ理由も、何に満足して死んでいったかも異なる。私は小説のほうに軍配を上げたいが、少々、ストイックさを求めすぎるかな。 | ||||
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個人的に仏教に親しんでいるので、 キリスト教色の強いらしい遠藤文学は敬遠していました。 しかし、インドが舞台となっている本作は、 意外とキリスト教に密着した作風ではなく、非常に読みやすかったです。 本筋はまず、「磯辺」「美津子」「沼田」「木口」の場合というように、 それぞれの主人公の視点で、インドへ向かうまでの経緯が描かれます。 そして転生した妻を捜しに、学生時代の知り合いを捜しに…… それぞれの思いを胸に、皆はインドへ到着します。 と、そこに独立して、もう一人の、或いは真の主人公「大津」の場合が挿まれます。 彼は神父を目指していたにも関わらず、「神は人それぞれの中に存在する」 という信念のため、異端視され、結局インドへとたどり着きます。 仏教では「仏は人類、宇宙と同一である」という考えもあり、 キリスト教と仏教的な思想を混在させる意外な視点に、 遠藤さんの幅広い宗教への知識と理解を感じました。 信じている宗教に関係なく、様々な宗教への理解を深められる稀有な傑作です。 | ||||
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インド、特にガンジス河のほとりのバラナシを舞台にした純文学。 妻を亡くしてから初めて愛や妻との縁について考え始めた磯部、本当の自分を誰にも出せず九官鳥等の鳥にだけ本心を話すことのできた沼田、太平洋戦争時にビルマで地獄のような体験をした木口、結局自分は誰のことも愛することなどできないのだと考える美津子、そして美津子の大学の同窓生でキリシタンながらヨーロッパ的な善と悪を峻別する考え方に共感できずにいる大津、それぞれの人生を微妙に絡めつつ、裕福な者から貧しい者まで全ての者を分け隔てなく受けとめる母なる河・ガンジス河が彼らをいざなう。 人生とは愛とは、そして神とは…不思議とそんなことを考えたり語りたくなってしまうバラナシ、そしてガンジス河。 「他の国・民族が持つ信仰とはもちろんのこと、たとえ自分の周りの人々が持つ信仰とは違えども、その人がその人の育った環境や価値観から培った信仰であれば、それは人それぞれであって良い」とこの本に教えてもらった気がする。 インド(特にバラナシ)へ行ったことのある方は共感しながら読めるであろうし、行ったことのない方が読んだらインドへ1度行ってみたいと思うような本であると思う。 ソレデハ… | ||||
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本書の主人公は、絶対に対する信仰は、すべからく懐疑を招き、 ニヒリズムに陥ると洞察したニーチェの存在すら知らぬまま生涯を終えたのだろう・・・ 信仰というロマン(理想)を徹底的に殺すことで、リアル(現実)の厳しさが浮上し、 生の交換不可能性、生の一回性と否応無く向き合わされる設定となっており、遠藤周作氏の作品の中では群を抜く秀作である。 教養と云われた往時を忘れそうになるほど、文学は娯楽化してしまっているが、 必要な人だけに生の糧を与える文学の醍醐味は、本書の結末の如く、救いのなさにこそ存在する厳しいものである。 | ||||
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死後どうなるかの扱いについて、キリスト教は天国に行き、仏教は転生へと進むと単純に考えていましたが、この本を読んでその両者が融合できた感じがしました。 善人の描写は良いのですが、わがままな人間の描写にリアリティを欠くように感じました。その点が満点でない理由です。 この作品から遠藤周作に入っていくのもいいのではないでしょうか。 | ||||
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登場人物が多いせいか、「海と毒薬」「沈黙」などと比べると、 内容の薄い印象がある。 ラストもいまひとつ、しっくりこない。 とはいえ、遠藤周作の思想の集大成とも言える内容で、 著者に興味があるなら、読んでおきたい一冊。 おなじみのガストンも登場します。 | ||||
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インドへのツアー旅行、それぞれの思いを抱えて旅をする人々。 人って、誰しも「救い」を求めていて、それを見出す先は実は何でもいいのではないか、って思いました。 神学生大津の言うように「たまねぎ」でもいいんです。 童話作家の沼田のように鳥でも、モノでも、何でも。 大津の台詞にある、「日本人に合ったキリスト教」っていう考え方が好きです。 仏蘭西の神学校で、違和感を拭い去れない大津。 長い西洋の歴史の中に育まれた思想に、全然バックグラウンドの違う人間がすんなりと入り込める訳がない。 人は自分の国・民族・家族、そして自分自身の人生の中で培った価値観の中でのみ、救いを求め、それを見出せるのだと思います。 この本で、作者に「それでいいんだよ」と言われた気がします。 | ||||
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様々な過去を背負って生きている人。 人生に苛まれ、今もなお答えが導き出せないでいる人々。 みんなその手がかりを求め、インドへと足を、心を踏み込む。 俺はいまその跡を追ってインドに触れようとしている。 俺はこの本の新たな登場人物としてインドに、ガンガーに、確固たる魂を持って踏み入れようとしている。 この本は俺をインドへと導いてやまない。 | ||||
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若い人,年取った人。幾人かの男と女の人生が,つづれ織りのように静かに語られていきます。何年か経って,ふと本棚に見つけ,夕暮れの中でまた読み返す。そんな本です。「死海のほとり」もそうです。 | ||||
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最初の数ページから嗚咽をあげながら読んだ小説は初めてです。(電車の中で読んで来なくて本当に良かった~。)宇多田ヒカル嬢の「ディープリバー」はこの小説から生まれたと聞き、ミーハー気分で読み始めたのですが、その奥深さに読み終えてからもぼーっとしてしまいました。人生の哀しさや人間の孤独なんかがタイトル通り「深い河」のように綿々と綴られているのですが、暗いということはありません。文章には「悲しい話」につきものの偽善者的なところもなく、読書中に流した涙で普段の生活の中で付いてしまった心の垢を洗い流せたという気分になりました。 | ||||
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幾人もの人生が語られている。それぞれが違うものを背負い、違う思いで河を見つめる。劇的な展開があるわけではないが、登場人物の誰かに貴方も共感できると思う | ||||
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普段口にはしないけれど、人それぞれに胸に秘めている思いがある。 それらを垣間見た気がします。 | ||||
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