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心が折れた夜のプレイリスト
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心が折れた夜のプレイリストの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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シリーズになって欲しいほど、面白いと思ったのに、続いてないんですよね。 謎の先輩(ドM)と主人公による謎解きにもならない日常。 開いた窓が怖い理由、夜中の海辺のラーメン屋台の謎、そして所属不明の先輩の存在。 先輩の存在はずっと謎ですが、最後に一言だけ共感できる一言を主人公に言います。 その一言にくすっとして、続きが読みたくなりました。 | ||||
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すごく面白かった。序章を読み終わった時、落として上げるやつだな?と思って、不思議系可愛いヒロインにちょっと櫛枝(同作者のヒロイン)っぽさと不穏さを感じつつラブコメ展開にわくわくして読んだら二転三転してわちゃわちゃだった。 「それって要するに恋愛じゃないすか?」という台詞のしてやられた感と先輩の舌打ちが好き。 鏡に映った顔を見てハッとするシーンとか、海の中に入ってヒロインの台詞を思い出すシーンの流れが鮮やかで、映像映えしそうだなあと思った。世にも奇妙な物語でやって欲しい。 | ||||
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一気に読みました。ていうか、読まされました。途中で止められない面白さがあります。 これまでにないタイプの小説でした。 ジャンル分けするなら何になるんだろう? 青春?サスペンス?変態?生物学? いや、分類することは無意味なのです。 敢えて分類するならば、それは「先輩」! 先輩と萬代の話に続きはあるのだろうか? 続編熱望いたします。 | ||||
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予想とは全く違った展開。思わぬ所で少しゾクっとさせるけど、後味悪くない。 完全に引き込まれた。 | ||||
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小説というのは、特に大衆向け娯楽小説というのは何らかのジャンルに、例えば「SF」「ミステリ」「ラブロマンス」といった感じでカテゴライズできるものだと思うのだけど、たまに横断的というか既存のカテゴリでは仕分けができないタイプの作品が現れる……が、読んでる最中にコロコロとジャンルが変わっていくタイプの作品というのは中々お目に掛からない。 そして今回竹宮ゆゆこが発表した作品はまさにストーリーどころか作品のジャンルその物が二転三転して読者に全く先を読ませる事無くジェットコースターの様に前後左右上下に斜めと360度で振り回し続ける、そんな作品であった事を予め申し上げておく。 物語の方は「部屋の窓が開く」という奇妙な現象に襲われた恐怖から自宅アパートを飛び出し、友人である定岡のアパートに身を寄せている大学生・萬代が定岡が所属している理学部生物学科のコンパで奇妙な先輩と出会う場面から始まる。 定岡から失恋の悲しみを拗らせたノイローゼ患者扱いされて不貞腐れていた萬代に「いいなぁ~」と絡んできたのはダサい服装と髪型なのに顔立ちだけはやたらと美形な濃見。鯨飲馬食・傍若無人を絵に書いた様な濃見は自分の度を越えた被虐趣味を隠しもせずに最近続く欲求不満を訴えて萬代を大いに困惑させる。 濃見の相手をさせられている間にベロベロに酔い潰れた萬代は気が付けば定岡にも見捨てられ濃見によって家具が何一つない奇妙な部屋に連れ込まれる。自分の部屋に連れて来たのかと尋ねる萬代に濃見は見知らぬ男から一万円貰ってこの部屋で荷物を受け取るアルバイトを引き受けたのだと平然と答える。余りの胡散臭さにゲンナリする萬代だったが、にわかに部屋の窓が開けられると金髪マッチョな女装男が現れ刃物を片手に襲い掛かってくる…… ……この冒頭だけでも相当に訳が分からん作品である事は伝わると思う。正直、この第一章を読み終えた時点では南野率いる変人集団バーバリアン・スキルが主人公を振り回す前作「いいからしばらく黙ってろ!」みたいな変態さんのカーニバルみたいなコメディ作品なのかな、というジャンルへの見当を付けた……が、本作の恐ろしい所はこの印象が次から次に裏切られ続ける所にある。 第二章に入ると萬代は「アナ雪」という綽名で呼ばれる同じ大学の学生・穴口雪奈との新しい恋に目覚めるのだけど、ちょっと異常なぐらいのラーメンフリークで、しかも常人離れした濃い味大好きな雪奈と良い感じの関係になりながら突如SNSもブロックされる事態に。それまで「脈あり」と思い込まされていた雪奈の突然の拒絶に苦悩する萬代は「渇望」へと転げ落ちていく事に。 本作はどこか「渇望」、あるいは「特定の嗜好への病的依存」がテーマになっている部分があると思う。第一章で萬代を徹底的に振り回した濃見の「被虐趣味」への傾倒も救い難いものがあるのだけど、破滅ギリギリのところで踏み止まる自制を描いているのがミソ。隙あらば暴走しようとする欲求を理性というブレーキで抑えきれなくなった、自分を自分でコントロール出来なくなった恐怖感が萬代を苛む姿を繰り返し描き続ける様からは本作が第一章の「変態カーニバル」というイメージを覆し「依存症」をテーマにした作品へと変貌した事を突き付けられ、その転調の激しさに大いに驚かされた。 「こんな事をしていては死んでしまう」と理解する理性はありながらも欲望がコントロール出来ない苦しみを描いた作品としては中島らものアルコール依存をテーマにした小説「今夜すべてのバーで」などが挙げられるが、中島らもがこの私小説的作品で依存から抜け出せない自分への自己嫌悪を強調したのに対し、本作で竹宮ゆゆこが描くのは紛れもなく「恐怖」である。ブレーキもハンドルも壊れた暴走自動車から逃げ出す事も出来ないまま、いつ崖から落ちるかという恐怖に苛まれ続ける様な怖さを描いた作品と言ったらお分かり頂けるであろうか? 中島らもは「今夜、すべてのバーで」で主人公の口を借りて「飲む人間 は、 どっちかが欠けてるんですよ。自分か、自分が向かい合ってる世界か。そのどちらかか両方かに大きく欠落してるものがあるんだ。それを埋めるパテを選びまちがったのがアル中なんですよ」と語らせていたが、本作の主人公・萬代も第一章・第二章と続け様に失恋に襲われその欠落感から依存症への深い穴へと転げ落ちた人物なのだな、と第二章を読んでいる間、そんな印象を受け続けた。 依存症に、コントロールできない「渇望」に振り回される苦しみから逃れようと真夜中にレンタカーを調達し東京から本州の北の果てにある故郷へと帰ろうとする萬代の狂気じみた行動に表される壮絶な描写には心底唸らされるものがあった。竹宮ゆゆこが主人公をここまで追い込むタイプの作品を書けるとは思っていなかっただけにその強烈さは一際強い。 この「依存症文学」にカテゴライズ出来る第二章だけでも相当に楽しませて頂いたのだけど、ギリギリの所で救ってくれた濃見ともども自分を苛み続けた依存症の正体を見極めようとした果てに読者はこの作品のジャンルがもう一度ひっくり返る様な途方もない体験を突き付けられる。全てを読み終えてから振り返れば萬代と「アナ雪」の奇妙な関係の中に全て丁寧に埋め込まれていた事に気付かされるのだけど、着地点の意外さには心底度肝を抜かれた。 まるで体操選手がフィニッシュで床に着地するのを期待していたら何故か鉄棒の上に立ち上がった姿を見せ付けられたかの様に「そこに着地させちゃうの???」と驚天動地のオチが待っているのである。しかもこのオチ全てを語り尽くすのではなく、あくまで読者に「あれの正体は一体なんだったのか?」と想像させる余地を残しているからこそ余計にジャンルをひっくり返した効果が強化されているのである……変態カーニバルから始まり、依存症の恐怖へと転調した物語がどこへ着地するか……それを実際に読んで確かめて欲しい。 電撃文庫でのデビューから色々とままならない青春を描き続け、一般文芸に進出してからは人生そのもののままならなさを描いてきた竹宮ゆゆこだったけど、ここにきて作風の幅がドカンと広がった印象。ストーリーどころか作品のジャンルその物が二転三転し続けるローラーコースターの様な「振り回される快感」で読者を最初から最後まで圧倒し続ける特濃の一冊。作家と言うのはどれだけキャリアを積んでもまだ化ける余地を残しているのだと痛感させられた次第。 追記 本作を読まれる方は読書後の食事に麺類を選ばれる事だけは避けられた方が宜しいかと…… | ||||
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竹宮ゆゆ子先生の新作心が折れた夜のプレイリスト。主人公は平凡な大学生なんですが、まず変態先輩との絡みがものすごく笑いを誘い、あいかわらずのゆゆこ節です。 ここからはネタバレになるかもしれませんが、今回の作品の表紙の子はヒロインであってヒロインではありません。読んでいくうちにわかるのですが、ちょっと今までの作品とは違う趣向で面白かったです。私は大ファンなので星5にしましたが、主人公に物足りなさを感じる人も多いのではないでしょうか。でもそれを変態先輩が十分に補ってめちゃくちゃ面白くさせてくれます。 | ||||
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