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心が折れた夜のプレイリスト



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【この小説が収録されている参考書籍】
心が折れた夜のプレイリスト(新潮文庫)

心が折れた夜のプレイリストの評価: 3.82/5点 レビュー 11件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.82pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(2pt)

ありきたりな内容

買ってまで読む価値は無かったかもしれない。期待しなければ悪くはないかも。
心が折れた夜のプレイリスト(新潮文庫)Amazon書評・レビュー:心が折れた夜のプレイリスト(新潮文庫)より
B08XX7LL2G
No.1:
(2pt)

作者が意図的に仕組んだであろう「わけがわからない」で満たされた「迷作」。

ここまで突拍子もないことが次々と起こる作品はそうそう無いでしょう。主人公・萬代が自分の部屋の窓が勝手に開いてしまうことに対して怖がっているシーンで始まったかと思いきや、「濃見」という男に絡まれたり、謎の男に殺されかけたり、そういった出来事を通して窓が勝手に開く理由が「建て付けが悪くてそうなっていたのを失恋のショックで大袈裟に捉えていた」ということが判明したり、「アナ雪」というニックネームの女子と良い感じになったかと思いきや、一緒にラーメンを食べている席で急に彼女から口移しでラーメンを受け取ったり、それ以降萬代は塩分を異常なほどに摂取したがるようになって次第に錯乱状態になったり・・・と、予想もつかない展開を色々と見せてくれます。

 こういう展開に対して、私は「同作者の『砕け散るところを見せてあげる』のように最後に様々な物事が一つの線で繋がるような展開を見せてくれるのではないか」という「期待」と「まとまりの無い感じで終わってしまうのではないのか」という「不安」を抱きながら読み進めていったのですが、残念ながら「不安」の方が的中してしまったようです。それによって、様々なインパクトある展開が単なる「ハリボテ」と化したような印象を受けてしまいました。先程挙げた「濃見」は作中に何度も登場して萬代を助けてくれる役割を担っているのですが、結局のところ彼が何者なのかはよく分からないままですし、「謎の男」が萬代達を殺そうとした理由も結局謎のまま。萬代やアナ雪の奇行についてはある程度の理由付けはされていますが、唐突にホラーじみた話になったうえに「そうだったかもしれないけれど結局のところ分からない」みたいな風にぼかされているので、消化不良な感じが拭えませんでした。この作者らしいコミカルさを交えた描写でもってかろうじて小説として成り立っているように思えますが、ここまで来ると「コミカル」と言うよりも「その描写力を使って作者が悪ノリしている」印象の方が強く感じられます。

 また、キャラクターの設定の仕方にも「悪ノリ」が見て取れます。まず、「濃見」はいわゆる「ドM」で、そんな自身の性癖を事あるごとに言ったりするので、最初のうちは笑えて読めたものの次第にしつこく感じるようになりました。また、「アナ雪」は「本名を短くしたら偶然某映画の略称と同じになってしまった」という設定なのですが、それに特に意味があるわけでもなく、何だか作者が某映画を不必要にイジっているような印象を受け、あまり良い気分がしませんでした。

 エピローグで萬代が自身に起きた出来事について「わけがわからないことだらけだった」と表現するシーンがあり、おそらく作者は意図的に「わけがわからない」ようにしたのでしょうが、残念ながら私はそれを面白いと感じることができませんでした。作中の色々と細かい描写を興味深く読める点が無いわけでもないので最低評価にはしませんが、まさに作者が悪い意味で暴走しまくった「迷作」と呼べる代物になっているのではないでしょうか。こんな奇抜な手段に頼らなくとも、この作者ならある程度「ベタ」な設定の方が面白い作品を書けると思うのですが。
心が折れた夜のプレイリスト(新潮文庫)Amazon書評・レビュー:心が折れた夜のプレイリスト(新潮文庫)より
B08XX7LL2G

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