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スペース・マシン
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スペース・マシンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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『宇宙戦争』と『タイムマシン』を足した風なオマージュ作品で、19世紀ロンドン。セールスマンの青年エドワードと科学者の秘書アメリアが科学者の発明品のタイムマシンで二つの惑星と世紀をまたいで行くロマンス冒険活劇。終盤でウェルズも登場し、3人でタイムマシンを改造してタイトルの「スぺース・マシン」で火星人の監視塔(トライポッド)に立ち向かう(結末はやはりバクテリアで)。 青春アドベンチャーでやったラジオドラマ版も面白かったでした。 | ||||
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本書は、1978年4月に出版された時に購入して以来、39年眠っていたものですが、やっと読めました。 とにかく、分厚くて、小さい文字がびっしり詰まってる。おそらく、購入当時もその理由で後回しになって、そのままお蔵入りになったと思うけれど、読み始めてみると意外に読み易い。 プリーストを読むのは初めてですが、思っていたのとはかなり違う感じ。 19世紀末のロンドン近郊、主人公のセールスマン、エドワード・ターンブル氏が、タイムマシンを発明した科学者の秘書アメリア・フィッツギボン嬢と知りあうことから始まった物語は、H・G・ウェルズの二大傑作小説を取り込んで、巧みに社会風刺を織り込みながら、二つの惑星、二つの世紀にまたがる大ロマンスを繰り広げます。 中盤のあまりにもご都合主義な描写に、これはいったいどういうことなのかと思っているうちに、物語は大きく急転して、主人公達は終盤の怒涛の展開に巻き込まれていきます。 読み終えて思うのは、中盤の描写は、充分考え抜かれた上で選択されたものだったのだろうということです。あれをまともに描こうとしたら連作長編になってしまう。無理やりにでも1冊にまとめるためにはそうせざるを得ない。そう考えての苦渋の選択なのかも。 有名な小説の裏話を書こう。しかも、まさに、当時書かれたようなスタイルで。そう考えた作者が採用したのは凝りに凝った設定でした。なぜ、あの物語のあの設定はあのようになっていたのか?当時としても突飛な設定に、それなりの背景を考えて、新しく書かれる物語に組みこんでいく。 ウェルズに捧げられた本書は、当時のウェルズならおそらくこのように描いたであろう、また、当時の読者ならば、おそらくこのように理解したであろうということを完璧なまでにスペキュレイトして書かれた小説だったのです。 現代人の作家が、持っている知識を捨てて、当時の水準に合わせて書く、これって結構大変なことではないでしょうか?半分はその趣味というか、執念で書かれたような小説ですが、その努力は娯楽小説としても十分な成果を上げているように思います。 おまけを一つ。1980年に同じく創元から出版されたウェルマンの「シャーロック・ホームズの宇宙戦争」は、出版直後に読んでいたのですが、これがアメリカで出版されたのは「スペース・マシン」が英国で出版された前年、1975年のことです。当時のプリーストが、アメリカで出版されたパロディに対して、本家英国人のプライドをかけて取り組んだのが本書だと考えるのは、あまりにも夢想がすぎるでしょうか? 追記 今回読んだのは初版ですが、巻末の訳者あとがき、参考になる記述もありますが、ネタバレが多かったり、ウェルズの功績について誤解があるようで反感を持ちました。昔から創元ではなじみの訳者さんではあるのですが。 | ||||
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プリーストは非常に高いポテンシャルを持つ作家だと以前から思ってはいたが近年の奇術師以降の諸作品ではSF作家という枠を越えて出世してしまった。 そのプリーストのSF作家としての最高傑作は本作ではないかと思う。ウェルズ作品へのオマージュであると同時に、プリースト世界としか言いようのない上質のブリティッシュSFのタッチを持つ作品世界の広がりと実在感に満たされてアッという間に読み終わってしまう読書時間の心地良さが素晴らしい。 エンターテイメント性が高いが、プリーストの持つ高い完成度も両立されていて、それでいて構えて読みにくいようなことはない。 | ||||
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