四度目の氷河期

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評判

四度目の氷河期の評価:

4.00/5点 レビュー 33件。 E ランク

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平均点4.00pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全52件 21〜40 2/3ページ
No.32
(5pt)

壮絶かつダイナミック

物語の構成そのものは単純なのですが、展開は壮絶極まりないと言えます。
しかも、後半はその度合いを強めてゆき、主人公とサチの運命は、どうなってしまうのだろう?とハラハラさせられます。

有り得ない事ながら、自らがクロマニョン人とのハーフだと思い込んでいる主人公の少年が、
石器を作ったり、陸上部に入って好成績をおさめたりと、当初は穏やかに物語が進んでゆきます。

屈託の無い性格のサチとの出会いですら、比較的平凡なものでした。
二人の関係は、当初はどうという事のないものです。

しかし、後半から終盤にかけてのこの展開。
主人公の、自分探しの物語ではあるのですが、何とダイナミックなのでしょう。

この物語の特徴は、単純な構成なのにダイナミックだという点です。
一刻も早く、続きを読みたい一心で、寝食を忘れて読み進んでしまいました。

文庫623ページのこの作品。
終盤に向かって、加速度的に壮絶かつダイナミックになってゆきます。

著者の筆力には脱帽です。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.31
(4pt)

男の子が男になるとき

父はどんな人だったのか。姿どころか名も知らない。そんな父を僕は17年と11ヶ月をかけて探し求めた。生まれながらに父のいない僕が大人に成長する姿を描く。そこにはいつも母さんがいた。そして、同級生のサチの存在があった。男の子は母を、あるいは恋する女の子を守りたいと思った瞬間から男になるのかも知れない。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.30
(4pt)

男の子が男になるとき

父はどんな人だったのか。姿どころか名も知らない。そんな父を僕は17年と11ヶ月をかけて探し求めた。生まれながらに父のいない僕が大人に成長する姿を描く。そこにはいつも母さんがいた。そして、同級生のサチの存在があった。男の子は母を、あるいは恋する女の子を守りたいと思った瞬間から男になるのかも知れない。
四度目の氷河期 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期 (新潮文庫)より
4101230358
No.29
(4pt)

つかみとった答え

物語は、もうすぐ18歳をむかえるワタルが
博物館に陳列されている古代人に、「父さん」と呼びかけるところから幕あけます。
そしてワタル自身による、4歳の時からの回想としてつづられていきます。
物語は、ワタルの成長の軌跡をたどっていきます。
田舎の町で育ち、父親がいないことや外見的特徴、幼児期の問題行動から
「特別」扱いではじかれていたワタル。
夢中でうちこんだ陸上競技、友達、恋人。
男性ならきっと、自分の当時の思い出に重ねて読むんじゃないかと思う、
濃縮されたリアルな、一人の少年の成長が描かれています。
そんなワタルは、父親がいないことで、心に大きな穴があると感じています。
そして「死んだ」と聞かされている父親は、実はロシアにあるクロマニヨン人のミイラではないかと考えているのです。
というと奇想天外な子どもの想像のようですが、
ワタルの母親は遺伝子学者で、ミイラが発見された当時、ロシアにいたということが
彼の想像に科学的根拠を与えています。
ワタルの成長と、その青春の物語にひきこまれながらも
いちばん気になっていた「謎」は、彼の父親が本当にこのクロマニヨン人なのか、ということでした。
物語の終盤で、その謎は明らかにされるのですが
その答えを知ったワタルが乗り越え、つかんだ結果が力強い。
常に自分は何者かを問うていた少年が得た答えのさわやかさは、
一歩一歩を地道に歩み続けて彼が得た成果で
その「生きている感じ」が心に残りました。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.28
(4pt)

つかみとった答え

物語は、もうすぐ18歳をむかえるワタルが
博物館に陳列されている古代人に、「父さん」と呼びかけるところから幕あけます。
そしてワタル自身による、4歳の時からの回想としてつづられていきます。
物語は、ワタルの成長の軌跡をたどっていきます。
田舎の町で育ち、父親がいないことや外見的特徴、幼児期の問題行動から
「特別」扱いではじかれていたワタル。
夢中でうちこんだ陸上競技、友達、恋人。
男性ならきっと、自分の当時の思い出に重ねて読むんじゃないかと思う、
濃縮されたリアルな、一人の少年の成長が描かれています。
そんなワタルは、父親がいないことで、心に大きな穴があると感じています。
そして「死んだ」と聞かされている父親は、実はロシアにあるクロマニヨン人のミイラではないかと考えているのです。
というと奇想天外な子どもの想像のようですが、
ワタルの母親は遺伝子学者で、ミイラが発見された当時、ロシアにいたということが
彼の想像に科学的根拠を与えています。
ワタルの成長と、その青春の物語にひきこまれながらも
いちばん気になっていた「謎」は、彼の父親が本当にこのクロマニヨン人なのか、ということでした。
物語の終盤で、その謎は明らかにされるのですが
その答えを知ったワタルが乗り越え、つかんだ結果が力強い。
常に自分は何者かを問うていた少年が得た答えのさわやかさは、
一歩一歩を地道に歩み続けて彼が得た成果で
その「生きている感じ」が心に残りました。
四度目の氷河期 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期 (新潮文庫)より
4101230358
No.27
(5pt)

設定も凄いが、何はともあれ筆力が凄い

単行本版のレビューで、さらに文庫版の帯にすら書かれているように、
大枠は「母子家庭に生まれた子が父を恋う」だけの小説である。
ただそれだけの小説に、クロマニョン的なエッセンスが加えられることで
なんと鮮やかな物語になっていることか!
物語自体はシベリアの雪原のように静かで、
普通の少年が友達を作り、なくし、恋をする、そんなおおむね普通の姿を描いたものである。
それにクロマニョンという意味不明な設定を加えることで、なぜか、
誰もが少しは経験するであろう青春時代特有の心のゆらぎが、
恐ろしく繊細な感触で読み手に伝わってくる。
私にとって、その感触こそが青春小説に最も必要なものである。
終盤の性急さも、それまでの数百ページで渉をいう人間の気質をわかった上で読めば
十分に納得のできるものだと思う。
人を選ぶとは思う。ドラマチックな青春を求めている人には合わないかもしれない。
ただ少なくとも私にとっては、穏やかながらも確かな読後感で胸がいっぱいになる
最高の青春小説でした。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.26
(5pt)

設定も凄いが、何はともあれ筆力が凄い

単行本版のレビューで、さらに文庫版の帯にすら書かれているように、
大枠は「母子家庭に生まれた子が父を恋う」だけの小説である。
ただそれだけの小説に、クロマニョン的なエッセンスが加えられることで
なんと鮮やかな物語になっていることか!
物語自体はシベリアの雪原のように静かで、
普通の少年が友達を作り、なくし、恋をする、そんなおおむね普通の姿を描いたものである。
それにクロマニョンという意味不明な設定を加えることで、なぜか、
誰もが少しは経験するであろう青春時代特有の心のゆらぎが、
恐ろしく繊細な感触で読み手に伝わってくる。
私にとって、その感触こそが青春小説に最も必要なものである。
終盤の性急さも、それまでの数百ページで渉をいう人間の気質をわかった上で読めば
十分に納得のできるものだと思う。
人を選ぶとは思う。ドラマチックな青春を求めている人には合わないかもしれない。
ただ少なくとも私にとっては、穏やかながらも確かな読後感で胸がいっぱいになる
最高の青春小説でした。
四度目の氷河期 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期 (新潮文庫)より
4101230358
No.25
(3pt)

欲を言えば、もっと“萩原節”があってもよかった

荻原浩で、しかもこのタイトルからして、ちょっと前の就職氷河期の頃の、奮闘する女子大生の話かと思ったら、ぜんぜん違っていた。
‘ぼく’こと南山渉(みなみやまわたる)のおおむね4才から高校を卒業する18才手前までの、“自分探し”の物語である。
「ぼくは普通の子どもとは違う。」ワタルは、5才を過ぎて幼稚園に入園してから自覚しはじめる。最初は「おとなしく座っていることができない」程度だったが、成長するにつれて、他の子供に比べて身長が伸び、髪が茶色で、貌のほりが深くなり、足も速くなる。なにより、父親がいない。町では親子でよそ者扱いだ。そして、なんとワタル少年は、「ぼくはクロマニヨン人の子どもだ」と思い込んでしまう。
そこから先は、男子だったら多かれ少なかれ誰もが経験する、小学校から高校までの成長過程の物語が、例によって快調な“萩原節”で語られる。夏休みのトム・ソーヤばりの自然体験、第2次性徴によるカラダの変化、異性への目覚め、陸上競技に打ち込む青春、母の病気、そして“自分探し”の末に訪れる“ほんとうの父親探し”。
私はそのリーダビリティーにのせられて、一気呵成に読み進んでしまった。
本書は、他の萩原作品のような「何かに奮闘する」スタイルのお話ではないし、大きな転回はないが、読んでいて何かしらエネルギーを感じた。やっぱり萩原浩らしい、不思議と心温まる物語だった。欲を言えば、彼らしいユーモアがもっと随所に見られると良かった。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.24
(3pt)

欲を言えば、もっと“萩原節”があってもよかった

荻原浩で、しかもこのタイトルからして、ちょっと前の就職氷河期の頃の、奮闘する女子大生の話かと思ったら、ぜんぜん違っていた。
‘ぼく’こと南山渉(みなみやまわたる)のおおむね4才から高校を卒業する18才手前までの、“自分探し”の物語である。
「ぼくは普通の子どもとは違う。」ワタルは、5才を過ぎて幼稚園に入園してから自覚しはじめる。最初は「おとなしく座っていることができない」程度だったが、成長するにつれて、他の子供に比べて身長が伸び、髪が茶色で、貌のほりが深くなり、足も速くなる。なにより、父親がいない。町では親子でよそ者扱いだ。そして、なんとワタル少年は、「ぼくはクロマニヨン人の子どもだ」と思い込んでしまう。
そこから先は、男子だったら多かれ少なかれ誰もが経験する、小学校から高校までの成長過程の物語が、例によって快調な“萩原節”で語られる。夏休みのトム・ソーヤばりの自然体験、第2次性徴によるカラダの変化、異性への目覚め、陸上競技に打ち込む青春、母の病気、そして“自分探し”の末に訪れる“ほんとうの父親探し”。
私はそのリーダビリティーにのせられて、一気呵成に読み進んでしまった。
本書は、他の萩原作品のような「何かに奮闘する」スタイルのお話ではないし、大きな転回はないが、読んでいて何かしらエネルギーを感じた。やっぱり萩原浩らしい、不思議と心温まる物語だった。欲を言えば、彼らしいユーモアがもっと随所に見られると良かった。
四度目の氷河期 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期 (新潮文庫)より
4101230358
No.23
(5pt)

個人的には星5つ

本書は、荻原浩の著作の中では著名な方ではないし、レビューを読んでも、決して高い
評価をされていないように思える。
確かに、最初の設定がうまく生かされていないように思うし、話の展開も荻原氏の著作
の中では今一つかな。。。と言う気がします。
でも、「自分は普通じゃない」と誰もが悩み、もがき、「普通の人など何処にもいない
のだ」と気づく、当り前の過程が個人的には自分の青春時代と重ね合わせて、とても
微笑ましいと言うか、共感できました。
それとワタルとサチの関係もなんか、とっても良いですよね。。。地味だけど、僕は
好きです、この本。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.22
(5pt)

少年のたった一人のサバイバルゲーム

主人公渉の5歳から18歳までの成長を描いた物語だが、思春期ならではの身体の悩み、恋愛の悩み、部活の悩みなども具体的に描かれていて読みやすかった。個人的に好きだったのは渉が幼稚園や学校で問題を起こしたときに、渉の母親が筋道を立ててきちんと渉に分かるよう説明するシーン。母子家庭だからといって悪いことをしたら叱るというわけではなく、良いこと、悪いことをきちんと理解させる母親に好感が持てた。人に迷惑をかけないこと、約束は守ること、自分の気持ちだけじゃなく人の気持ちも考えること、相手に先に仕掛けられても暴力反対と頭の中で三回唱えることなどなど。なかでも一番共感したのが「友達は数を競うものじゃない。逆かもしれない。百人の友達がいるとか、何十人もの人を好きになったという人は実は本当の友達も真剣に好きになった人もいないんじゃないか。負け惜しみかもしれないけど、大切な人は少ないから大切なんだ」というセリフ。もっともだと思った。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.21
(3pt)

テーマは秀逸。でもエピソードがちと散漫かな。

荻原浩がビルドゥングスロマンに挑むとこうなる,ってことかなぁ。
「ぼくはクロマニヨン人の子どもだ」という仮説に気づいてからの秘密の道具づくり,自分の中に別の生き物が棲んでいるように感じる第二次性徴。情熱を注ぎ込む対象を見つけてからの成長。母親に対する想い。それぞれのエピソードは安心して読めます。
ところが,この物語全体を通してのテーマは何だろう?となるとちょっと首をかしげざるを得ない。本全体が18歳の主人公が振り返った幼少からの回想記になっているからか,エピソードが多すぎ。本来濃密なエピソードたちが散漫に流れるってことは,単に詰め込みすぎなんでしょうか。
それでも,終盤まで読んで,改めて冒頭を見直してみると,作者がこの本を通して語りたかったことは何かをを実感できます。そのへんはさすが荻原作品です。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.20
(3pt)

好みが

普通ではないのはクロマニヨン人の子だから…という発想に
まずついていけるかどうか。
それを
ずっと思い込み続ける主人公についていけるかどうか。
斬新ではあると思います。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.19
(4pt)

ある日突然にやってくる氷河期。

そうなんですね。氷河期って次の日いきなり氷河期に入ってしまうらしいですね。
DAY AFTER TOMORROWという映画で、ある日突然氷河期になっちゃったものだから、んな訳無いじゃん!と突っ込みを入れていた私ですが、あれは本当だったんだ!
地球的歴史から見たら、自分の人生なんてほんの数秒のお話。
くよくよしたって仕方がないさ!って励ましてくれる作品です。
大好きな荻原さんですし、荻原作品には私にとって外れは一度もないので、どんな内容かも全く予備知識なしに読みました。
わりと終始淡々とワタルの一人称で日常が描かれていくので、終盤少し中だるみ気味のとところはありますが、相変わらずの文体のうまさに敬服。うますぎですよ!
登場人物がこれまた魅力的。
そしてラストの白白白白白白白。。。白を百回ぐらいの世界での自分探しの旅の終わりに感動しました。
昔知人にドイツ人の父、日本人の母を持つ男子がいて、彼は小さいときに両親が離婚して母に日本で育てられたので、勿論日本語しかしゃべれませんでした。
でも外見はいかにも白人だったので、よく英語で話しかけられ困るとこぼしていましたし、海外旅行したときも、片言の英語を話すと周りの人にぎょっとされたとも言っていました。彼も自分の外見(かなりかっこいい)で苦労したらしいです。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.18
(5pt)

自分は何者か

私は落ち込んでいたので、この本にとても救われました。
きっと、そこまでの悩みの無い方には唯の本だと思います。
周りと違う事で小さい頃から悩み、多動症かとも言われた自分の内から出てくる落ち着かない感じを抑える方法を自分なりに考えたり、とても健気で、賢い少年でした。
確かにラストシーンは強引だなあと思いましたが、
少年が成長していく姿に、ああ、こうして自分と折り合いを漬けて行けばいいんだなあって。
「父親はクロマニョン人」なんだって言うのも、外見や身体能力の違いでいじめられる、自分でも自分が「変」に見えてしまう。そんな自分に何か納得できる理由を見つけたかったんだと思います。そうして納得する事で自分を強くして。
私には語彙が少なくてとても良さが表現し切れませんが、落ち込まれている方には是非読んでみてもらいたいなあと思います。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.17
(3pt)

タイトルに騙される

タイトルを見て、「僕たちの戦争」や「明日の記憶」っぽい作品を思い浮かべたのですが、
荻原さんの作品?って思いながら読みました。
「さよなら、バースディ」っていう作品を読んだ時も同じように感じたのですが、「四度目の氷河期」、「さよなら、バースディ」は、荻原浩さんファンでも、好き嫌いが分かれる気がします。
私は、このお話は良いなって思ったけれど、主人公に感情移入ができなくて、星3つです。
10代後半から、20代前半の方にお薦めしたい本です。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.16
(4pt)

愛すべきキャラクター・ワタル

「僕の父はクロマニヨン人」、なんて突飛な思い付き!
果たしてどんなハチャメチャな展開かと思いきや、父の存在を知らない少年ワタルの思春期を描いた青春物でした。
「自分はみんなと何かが違う!」と思っていたワタルが成長するにつれ、自分よりすごいやつと出会い、やがて自身の出自を知る。
女手一つで彼を育ててくれた母との別れ、それを支えた恋人サチの存在は、「東京タワー」を髣髴とさせる部分もありましたが、17歳の少年のいたいけな気持ちが涙を誘いました。
あちこちにぶつかり、悩みながらも確実に成長していくワタルを、同じ年頃の息子を持つ母としてははらはらしつつ、でも頼もしく読みました。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.15
(4pt)

これが現代の青春の門筑豊編か

二度目の直木賞の候補になった作品であるが、私には五木寛之の「青春の門筑豊編」を思い出させる作品であった。自分自身の出生の秘密に触れようとする少年、自分はクロマニヨン人であると信じることによって多感な思春期を生きる少年。
「明日の記憶」や「あの日にドライヴ」を読んで荻原さんを好きになった人には何か足らない感じのする作品ではないかと思うが、決して駄作ではない。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.14
(3pt)

欲を言えば、もっと“萩原節”があってもよかった

タイトルからして、ちょっと前の就職氷河期の頃の、奮闘する女子大生の話かと思ったら、ぜんぜん違っていた。
‘ぼく’こと南山渉(みなみやまわたる)のおおむね4才から高校を卒業する18才手前までの、“自分探し”の物語である。
「ぼくは普通の子どもとは違う。」ワタルは、5才を過ぎて幼稚園に入園してから自覚しはじめる。最初は「おとなしく座っていることができない」程度だったが、成長するにつれて、他の子供に比べて身長が伸び、髪が茶色で、貌のほりが深くなり、足も速くなる。なにより、父親がいない。町では親子でよそ者扱いだ。そして、なんとワタル少年は、「ぼくはクロマニヨン人の子どもだ」と思い込んでしまう。
そこから先は、男子だったら多かれ少なかれ誰もが経験する、小学校から高校までの成長過程の物語が、例によって快調な“萩原節”で語られる。夏休みのトム・ソーヤばりの自然体験、第2次性徴によるカラダの変化、異性への目覚め、陸上競技に打ち込む青春、母の病気、そして“自分探し”の末に訪れる“ほんとうの父親探し”。
私はそのリーダビリティーにのせられて、一気呵成に読み進んでしまった。
本書は、他の萩原作品のような「何かに奮闘する」スタイルのお話ではないし、大きな転回はないが、読んでいて何かしらエネルギーを感じた。やっぱり萩原浩らしい、不思議と心温まる物語だった。欲を言えば、彼らしいユーモアがもっと随所に見られると良かった。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033
No.13
(3pt)

題材は面白いんだけど・・・

荻原浩さんには絶対的な信頼を抱いているのですが、
今作はイマイチだったなぁ。
シングルマザーの母のもとで育ったワタルは、
他の子たちよりも異常に成長がはやく、運動能力も人並み外れている。
そしてハーフとしか言いようのない日本人ばなれした風貌・・・。
父のことを何にも聞かされていないワタルが
自分のアイデンティティを求めて生きる姿を描きます。
ワタルが自分の父親をクロマニヨン人だと思いこんでしまうという発想には
はじめはうまく入り込めなかったけど
読み進めていくうちにその発想の斬新さには気づかされました。
片親で他の子とどことなく違うワタルはなかなか友達ができずに孤独な少年時代を過ごす。
母も忙しい仕事に就いており、ほとんどの時間を一人で過ごした少年の孤独は
すさまじいほどだったはずなのに、その悲しさも不幸さもがまったく感じられない。
ひたすらに「自分とは何か」を求め、
クロマニヨン人化していく少年の姿がなんとも言えません。
中学に入って広い視野を持つようになると自分よりすごいヤツはゴロゴロいる。
それに気づいてしまってからの展開があまりに平凡。
せっかくのクロマニヨン人という面白い素材がありながらも
平凡な青春小説になっていったことが非常に残念です。
最後にちょっとした事件があるけれどそれほどのインパクトもなく・・・。
もっとクロマニヨン人という題材とうまく活かしてほしかったです。
四度目の氷河期 Amazon書評・レビュー: 四度目の氷河期より
4104689033