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ダンテ・クラブ
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ダンテ・クラブの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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南北戦争後間もないという設定、そして初の黒人警官(混血)が捜査にかかわり、探偵役を務めるのはロングフェローを中心とした実在のダンテの翻訳グループ、『神曲』を使った見立て殺人など、面白い要素はたっぷりあったのだが、全体としては、少し残念というしかない。 簡単に書くと、前半はコクはあるがキレがなく、後半はキレはあるがコクがない、と感じた。このバランスの悪さが、充分に楽しめなかった要因だろう。犯人像の造型やその動機も、今一つしっくりこなかった。 ただ、詩人ホームズの迷いや悩みがリアリティを持っているのは大きな魅力。 | ||||
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寒いボストンを舞台に、 アメリカの知識層が どうヨーロッパ文化の最たる代表作「神曲」を受け入れるか、 その顛末が面白いミステリー。 オバマのアメリカを迎えるには こんな時代もあったねと、 歴史&異文化の受容を鑑みる面白さが満載です。 じっくり腰を落ち着けてページを繰るのも冬の楽しみですね。 | ||||
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文句なしに面白かったです。 犯人探しへの推理はやや楽しめないかもしれません。 でもそれをさっぴいても、ダンテの神曲翻訳が与えた当時の知識階級への影響などが織り込まれていて、知的好奇心も非常に満足させられます。登場人物は実際にダンテ翻訳に当たった人物たちだそうです。あとがきによると、もちろん事件はフィクションですが、かなり史実に沿った部分も多いようです。 展開の面白さ、人物像(皆おじさんばかりですが・・・)もとても魅力的です。 アメリカでも「神曲」の受け止め方が、こんなに複雑な背景を持っていたのかと興味深々に読み進めました。 多くの困難を物ともせず、その信念において翻訳版出版を実現しようとする主人公らは、まるで維新時代の志士のようでもあります。 「神曲」を読みたくなりました。 | ||||
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きっと読みやすいのだろう。 浅学な自分には最初、人物の名前が入らなかった。 しかし事件が起こり、こつこつと異様な現象を積み上げて行くあたり、 なかなか面白い。しかもオカルトに投げる事無くちゃんと片付けるので、安心出来る。 美は細部に宿る、なんて引用はちょっと大袈裟にしても、作り込まれた良作。 これから読む人の為に予備知識は与えたくないので書かない。 が、冒頭たるいと思った人でもだんだんリズムがついてくるのでご安心をと そのくらいはいいだろう。 さて少しネタばれになるようでもあるが、本筋とは関係がないので、 個人的に面白かった部分を紹介。それはニクバエ。 害虫駆除の話で必ず顔を出すニクバエが本作ではちょっとした鍵になっている。 怪我人や動物の傷口に卵を産み。ウジが生体組織を食い進むという恐ろしいハエだが。 もちろん実在の昆虫だ。 本作の舞台であるアメリカ北部では家畜に害を及ぼすとして 大量の不妊蠅をつくって放すという方法でほぼ完全に駆除された。 そのニクバエがこんな風に生息域を広げたのだとは!(笑) 作者はニクバエ駆除の歴史を知っていてこれを書いたと思える。 なかなか興味深かったです。 | ||||
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作者はハーヴァード大の英文科を首席で卒業、現在は今でも存在する「ダンテ・クラブ」の一員の由。本書は「ダンテ・クラブ」発足時の懐古談にミステリ風味を加味したものと言える。 舞台は南北戦争直後のボストンとケンブリッジ(アメリカ)。ケンブリッジにはハーヴァード大や現在のMITがある。私は知らなかったが、当時はダンテはそのカトリック的要素から、プロテスタントの国アメリカでは紹介されていなかったようだ。そこで、ハーヴァード大の教授、元教授の詩人達が「ダンテ・クラブ」を結成し、「神曲」の翻訳に取り掛かる。時を同じくして起こる猟奇連続殺人事件。クラブのメンバの一人が、その猟奇事件が「神曲」の地獄篇の劫罰を模している事に気付く。ここで自己撞着が起こる。「我々以外は知らない筈の「神曲」を犯人はどうやって知り得たのか ?」。 登場人物の中では、マサチューセッツ州初の黒人刑事が光る。J.ボール「夜の熱気の中で」と同じ設定で、周囲の偏見の中、聡明な頭脳と地道な捜査で犯人に迫って行く姿は本作に一本筋を通している。南北戦争の光の部分である。そして、クラブの一人は地獄篇の吟味の末、犯人像を推定し、南北戦争の影を見る。この対比は上手いと思った。 当時の文壇論議も面白い。詩人としてのポーを実名で貶す辺りは、ボストンvsニューヨークの対抗意識が当時から強かった事を窺わせる。また、本作が古典ミステリの揶揄である事を示唆している。作者のディッレタントとスノッブリズムが鼻に付く部分もあるが、高踏派ミステリとして文句なく楽しめる秀作。 | ||||
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翻訳ものの分厚いハードカバーの推理ものを、 じっくり読むことがお好きな方は、 本書にご満足いただけるに違いありません。 話が長いし、登場人物は多く、難解な台詞が飛び出します。 ダンテの神曲の解釈が謎解きの中心を占めるので、 ちんぷんかんぷんな部分もあります。 19世紀のアメリカ(ボストン)の風俗や南北戦争直後の時代の空気など、 読んでいて「なるほど」と思わせる記述、描写も多く、 歴史小説の側面もあります。 肝心のストーリーですが、 犯人の性格付け、描写など若干甘い部分もありますが、 最近読んだアレックスクロスシリーズなどと比べると、 練りこまれている印象で、 最後まで面白く読み続けられました。 | ||||
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『神曲』(原題:La Divina Commedia)をモチーフとしたこの作品は、19世紀のボストンを舞台に、実在した米国の誇る詩人や作家達を登場人物として展開されます。読み始めた頃は、そのようなアメリカ文学界に関する知識がなく物語の設定をなかなか理解できなかったが、登場人物達の背景を知った後にはするすると読み進めることができました。 ただ作品中では各々の登場人物達について詳しく説明がされているわけではないので、自分で調べる必要があります。この辺りは米国では古典となった人物ばかりだということなのかも知れませんね。また素晴らしい人物描写で、各々が“生きた人間”として描かれています。 ミステリーとしても、『神曲』の翻訳と同時に繰り返される見立て殺人の謎が様々な伏線をベースに組み上げられており、単なるサスペンスに終わらないレベルの高さを保っていると感じました。 当時の政治状況や人物像を背景としている『神曲』を理解し、さらにそれをミステリーに仕立てるのは並大抵のことではないでしょう。著者のマシュー・パール氏はハーヴァード在学中に『神曲』を研究した内容をこの作品にこめており、イタリア語による原文の解釈の仕方などサブ・ストーリーも面白い。同じ『神曲』研究者として氏はロングフェローと自分を、時を越えて重ね合わせているとも言えるのかも知れませんね。 ちなみに氏の次回作として"The Poe Shadow"という作品が2006年刊行を予定しているとのこと。まだどういったモチーフなのか情報はありませんが、今から気になるところ。 | ||||
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レビューでは「ダ・ヴィンチ・コード」と比較されているが、全く異質の印象を持った。「ダンテクラブ」で登場人物がそれぞれの立場から、それぞれの人生の重みの中で「神曲」に惹かれ、愛でているのを読むと、作者の「神曲」への愛情を感じた。(逆に「ダ・ヴィンチ・コード」を読んでも作者は謎解きの材料として作品を見ているが、芸術として愛していないと思えた。)ミステリーとして弱いといわれていまるが、作者はあくまでミステリー仕立ての文芸作品として書いたのだと思う。では、なぜミステリーにしたかというと、実はこの作品には、アメリカのそして現代社会のさまざまな問題(人種問題や、大儀なき戦争、新大陸と「古きヨーロッパ」、宗教原理主義による文化や教養の軽視。)にも通じる事象を扱っている作品だから、ミステリーにしてより多くの人に読んで欲しかったのだろう。星4つなのは、やはり処女作であるせいか、冒頭の数章が読みづらいことによる。 | ||||
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「ダビンチコード」を読んでこの本にたどりついた。あのハリウッド映画的なスピード感が好きな方にはものたりないでしょうか。登場人物や時代背景などとても興味深い。万人受けはしないでしょう。ここからダンテ関連書籍を読み漁る人って多いと思う。私みたいにねー。 | ||||
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本書はダン・ブラウン著「ダ・ヴィンチ・コード」と比較されるが、スピード感のあるストーリー展開と場面転換という軽快でテンポの良い「ダ・ヴィンチ・コード」に対して、「ダンテ・クラブ」はストーリー展開もゆったりとした感じで、どっしりとした重量感があり十分な歯応えがある。文学や宗教に対する薀蓄に彩られているのは確かに共通点だが、「ダ・ヴィンチ・コード」よりもウンベルト・エーコ著「薔薇の名前」がお好きな人に受け入れられるのではないか。重厚な雰囲気が最後まで弛緩する事無く貫かれているが、鈴木氏の翻訳も読み易く、ダンテの神曲についての知識が無くても、問題無く楽しめる。 | ||||
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「ダヴィンチ・コード」で歴史ミステリーが火がついた感がありますが、プロットの妙はあっちに譲るとしても、キャラクター造形はこっちが上かな。訳文も読みやすくてグッド。 | ||||
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渋くてどっしりした本格派。ダンテの『神曲』に模した連続殺人の犯人を、ダンテの研究者たちが追う、というストーリーです。『神曲』を知らなくても充分おもしろいし、むしろ「ダンテも読んでみようかな」という気になります。登場人物に文学者や出版関係者(ほとんど実在)が多く、キャラクターもたっているし何より知的な感じがたまらないです。本好き文学好きには特におすすめです! | ||||
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