致死量未満の殺人

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評判

致死量未満の殺人の評価:

3.00/5点 レビュー 12件。 C ランク

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平均点3.00pt

Amazonレビュー一覧

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未読の方はご注意ください

全27件 21〜27 2/2ページ
No.7
(3pt)

変則閉ざされた雪の山荘もの

名門早川書房の賞でありながら、あまり知名度のないアガサクリスティー賞受賞作。
王道の雪で閉ざされた山荘での殺人ものだが、クローズドサークルものでは異色と言える、最初から犯人が分っており、殺害されるのも分っているというのが本書の特徴。殺害方法も毒殺で一人だけと、どのような方法で毒を仕込んだのかというハウダニットに拘った作品である。
この設定をとっている故に、通常のクローズドサークルものの定番である、犯人は?次の犠牲者は?殺害方法は?というサスペンスを盛り上げる要素が排除されてしまっているので、どうしても間延びした印象を与えるのは否めない。
なぜ、著者がわざわざサスペンス要素を除外してまでもこの地味なハウダニットに拘ったのかはラストで非常に理解できる作りになっているが、そこに行くまでがやや平坦なので全体の読後感としても盛り上がりに欠ける印象なのは惜しい。
ラストのどんでん返しも先行作品があり、取り分けて斬新な落ちでもないのだが、デビュー作としてはよく出来ている方ではないかと思う。
致死量未満の殺人 Amazon書評・レビュー: 致死量未満の殺人より
4152094117
No.6
(2pt)

変形「クローズドサークル」だが……

本格推理では王道である、「閉ざされた雪の山荘」といった、典型的なCC(クローズドサークル)もの
ではあるのだが、かなり変形というか、一風変わった作りになっている。登場人物が少ないので、複雑
過ぎて頭が混乱するということはない。その意味ではシンプルで良いのだが……。
 作者は法学部卒らしいが、法学部の講義で扱われるような難解というかややこしい記述が一部にあ
るのがちょっと鼻につく。その他、持って回った言い方や、不要とも思える修辞もちょっと過剰だろうか。
普通ならひらがなに開くような漢字をルビなしで使っている箇所が多々あり、リーダビリティーを下げて
いる。もしかして、作者の教養レベルの高さを主張したいのだろうか? そんなものはかなぐり捨てた方
が読者のためでもあり、本人のためにもなると思う。
 本格ものにつきものの「どんでん返し」は、あるにはある。いや、それが二重にも三重にもあるという念
の入れようだ。だが、それぞれが決して意表を突くようなものでもないし、インパクトもあまりない。単に
結末の部分が冗長になっているだけだと感じた。早く先を読んでみたいと思わせる推進力もあまりない。
 全体を通して見ると、音楽、薬学、絵画、法律、等々、ペダンチックな知識がちりばめられているが、それ
がかならずしも功を奏していない。
 本格推理好きの読者の中には、「パズラー」を好む人もいるだろう(私はあまり好きではないが)。そう
いう人には向いているかというと、決してそうでもない。そのあたりが「中途半端な本格推理」であり「読
後感の良くないCC」という結果に通じていると思う。
 少なくとも、「お勧めするかしないか?」と問われれば、「お勧めしない」と私なら答える。 さて、この
作者、今後ヒットを放てるのだろうか?
致死量未満の殺人 Amazon書評・レビュー: 致死量未満の殺人より
4152094117
No.5
(3pt)

変則閉ざされた雪の山荘もの

名門早川書房の賞でありながら、あまり知名度のないアガサクリスティー賞受賞作。
王道の雪で閉ざされた山荘での殺人ものだが、クローズドサークルものでは異色と言える、最初から犯人が分っており、殺害されるのも分っているというのが本書の特徴。殺害方法も毒殺で一人だけと、どのような方法で毒を仕込んだのかというハウダニットに拘った作品である。
この設定をとっている故に、通常のクローズドサークルものの定番である、犯人は?次の犠牲者は?殺害方法は?というサスペンスを盛り上げる要素が排除されてしまっているので、どうしても間延びした印象を与えるのは否めない。
なぜ、著者がわざわざサスペンス要素を除外してまでもこの地味なハウダニットに拘ったのかはラストで非常に理解できる作りになっているが、そこに行くまでがやや平坦なので全体の読後感としても盛り上がりに欠ける印象なのは惜しい。
ラストのどんでん返しも先行作品があり、取り分けて斬新な落ちでもないのだが、デビュー作としてはよく出来ている方ではないかと思う。
致死量未満の殺人 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 致死量未満の殺人 (ハヤカワ文庫JA)より
4150312044
No.4
(2pt)

変形「クローズドサークル」だが……

本格推理では王道である、「閉ざされた雪の山荘」といった、典型的なCC(クローズドサークル)もの
ではあるのだが、かなり変形というか、一風変わった作りになっている。登場人物が少ないので、複雑
過ぎて頭が混乱するということはない。その意味ではシンプルで良いのだが。
 作者は法学部卒らしいが、法学部の講義で扱われるような難解というかややこしい記述が一部にあ
るのがちょっと鼻につく。その他、持って回った言い方や、不要とも思える修辞もちょっと過剰だろうか。
普通ならひらがなに開くような漢字をルビなしで使っている箇所が多々あり、リーダビリティーを下げて
いる。もしかして、作者の教養レベルの高さを主張したいのだろうか? そんなものはかなぐり捨てた方
が読者のためでもあり、本人のためにもなると思う。
 本格ものにつきものの「どんでん返し」は、あるにはある。いや、それが二重にも三重にもあるという念
の入れようだ。だが、それぞれが決して意表を突くようなものでもないし、インパクトもあまりない。単に
結末の部分が冗長になっているだけだと感じた。早く先を読んでみたいと思わせる推進力もあまりない。
 全体を通して見ると、音楽、薬学、絵画、法律、等々、ペダンチックな知識がちりばめられているが、それ
がかならずしも功を奏していない。
 本格推理好きの読者の中には、「パズラー」を好む人もいるだろう(私はあまり好きではないが)。そう
いう人には向いているかというと、決してそうでもない。そのあたりが「中途半端な本格推理」であり「読
後感の良くないCC」という結果に通じていると思う。
 少なくとも、「お勧めするかしないか?」と問われれば、「お勧めしない」と私なら答える。 さて、この
作者、今後ヒットを放てるのだろうか?
致死量未満の殺人 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 致死量未満の殺人 (ハヤカワ文庫JA)より
4150312044
No.3
(2pt)

読みごたえはあるのだけど

クリスティ賞受賞に惹かれて購入しました。

ミステリーの構成力はとても重厚で読みごたえは確かにある。

文章については賛否両論でしょう。私は重厚で仰々しすぎるものは頭が痛くなるので、歓迎しません。
小説の読みやすさは、文章の平易さの力も大きい。飾り立てたくなる気持ちも分かりますが、深すぎる考察は大事なところだけにした方が作品が光ると思う。
どうしても持って回った修飾文が書きたければ、それは詩作でお願いしたいです。

つまるところこの作品については、プロットも文章も複雑すぎ。
偶然の重なりすぎる構成、なにもかもを知りすぎている「夫」(どんな人生歩んでるんだ、一介の喫茶店の主人があり得ないだろと言いたくなる)。
紙の上の作品としてはよくできているのですが、その出来過ぎ感があまりにも現実感を薄め、登場人物の悲哀が全く胸に迫ってきません。
プロットありきの登場人物なのです。被害者しかり、犯罪者しかりです。なかでもコンダクターの描写は本当に残念。ネタバレになるので省きますが、コンダクターの道徳的過ちは人間が償いきれないほどのものだし、なによりも悪質すぎる。人をなんだと思っているのでしょうか。吐き気が来ました。

まるで誰かが悪意ある悪い遊びを仕掛けたような読後感の悪いお話でした。
プロットと人物と、両方書けての小説です。
私はお勧めしません。
致死量未満の殺人 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 致死量未満の殺人 (ハヤカワ文庫JA)より
4150312044
No.2
(2pt)

読みごたえはあるのだけど

クリスティ賞受賞に惹かれて購入しました。

ミステリーの構成力はとても重厚で読みごたえは確かにある。

文章については賛否両論でしょう。私は重厚で仰々しすぎるものは頭が痛くなるので、歓迎しません。
小説の読みやすさは、文章の平易さの力も大きい。飾り立てたくなる気持ちも分かりますが、深すぎる考察は大事なところだけにした方が作品が光ると思う。
どうしても持って回った修飾文が書きたければ、それは詩作でお願いしたいです。

つまるところこの作品については、プロットも文章も複雑すぎ。
偶然の重なりすぎる構成、なにもかもを知りすぎている「夫」(どんな人生歩んでるんだ、一介の喫茶店の主人があり得ないだろと言いたくなる)。
紙の上の作品としてはよくできているのですが、その出来過ぎ感があまりにも現実感を薄め、登場人物の悲哀が全く胸に迫ってきません。
プロットありきの登場人物なのです。被害者しかり、犯罪者しかりです。なかでもコンダクターの描写は本当に残念。ネタバレになるので省きますが、コンダクターの道徳的過ちは人間が償いきれないほどのものだし、なによりも悪質すぎる。人をなんだと思っているのでしょうか。吐き気が来ました。

まるで誰かが悪意ある悪い遊びを仕掛けたような読後感の悪いお話でした。
プロットと人物と、両方書けての小説です。
私はお勧めしません。
致死量未満の殺人 Amazon書評・レビュー: 致死量未満の殺人より
4152094117
No.1
(4pt)

「幻影城」の香味を感じさせる正統派本格ミステリ

吹雪に閉ざされた山荘でおきた毒殺事件を描く、近年では珍しいほどストレートな本格ミステリ。
「弥生を殺したのは俺だよ」という告白で始まる本書は、「龍太はいかにして弥生を毒殺したのか」というハウダニットを核にストーリーを展開していく。

ここ数年の本格ミステリの新人を見渡すと、青崎有吾がフーダニット、梓崎優がワイダニットにこだわる作品で注目を浴びるなど、独自の武器を持った作家が多いように感じる。
この点、本書の著者は、ハウダニットを武器に本格ミステリを描いているように思わせる。ただしこれは著者のミスリードであり、毒殺トリックが明かされた後に待ちうける怒涛のどんでん返しへの伏線と言えよう。
やりすぎの感もあるが、最終的に明かされる事件の構図はかなり衝撃的だ。

有栖川有栖は選評で「クリスティー風の本格ミステリ」と述べているが、トリッキーな作風と抒情性ある文体は、むしろ連城三紀彦や泡坂妻夫への傾倒を感じる。
奇しくも本書が発売されたのは、連城三紀彦が没したわずか六日後だ。かつて横溝正史の死と符号するように「占星術殺人事件」で島田荘司が登場したように、本書の著者にも持ち味を活かした活躍を期待したい。
致死量未満の殺人 Amazon書評・レビュー: 致死量未満の殺人より
4152094117