天の方舟

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天の方舟の評価:

2.80/5点 レビュー 15件。 C ランク

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平均点2.80pt

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全21件 21〜21 2/2ページ
No.1
(3pt)

経済小説に転向ですか?

『龍の契り』や『鷲の驕り』でデビューした頃の著者は、
間違いなく時代のトップを走っていたと思います。しかし
体調を崩しての長い休養中に、すっかり時代の方が著
者を追い越してしまったようです。(今の著者には、例
えば高野和明『ジュノサイド』のような広大なスケール
は望むべくもないでしょう。)『GMO』にしろ『エクサバ
イト』にしろ、どこか既視感があって清新さが感じられ
ませんでした。
 それでなのでしょうか、本書では目先を変えOEDの
暗部を大手ゼネコンと開発コンサルの男女のコンビの
堕落と破綻を通して書き切ろうとしていて、趣きはあた
かも経済小説のようです。そしてそれらにしばしば見ら
れる経済事象の説明が重点化して、骨太の人間ドラマ
がお留守になる傾きを、本書も免れていないと思いま
す。加えて本書の視点が賄賂漬けになったOEDを糾
すNGOの活動を「人道的」といい、その源泉である国
民の税を「善意の金」と表現する陳腐な倫理観に包ま
れているために、なおさらそのように感じてしまいまし
た。
 もっとも、突然の大惨事から主人公の逮捕に至る経
緯を想像力に満ちた仕掛けを交え稠密に記述した後
半部は、かつての卓抜したストーリーテラーの片鱗を
窺がわせてもくれました。読み終えて、作家というもの
が年齢に合わせて少しずつ自らの足場を移していくこ
との難しさを改めて感じた次第です。
天の方舟 Amazon書評・レビュー: 天の方舟より
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