ホテル・ピーベリー

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ホテル・ピーベリーの評価:

3.76/5点 レビュー 34件。 D ランク

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平均点3.76pt

Amazonレビュー一覧

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全44件 41〜44 3/3ページ
No.4
(4pt)

ハワイの民宿が舞台のサスペンスミステリー

鮎川賞作家の近藤氏のハワイの日本人夫婦が経営する民宿を舞台にそこに滞在する人間達を描いたミステリー作品。
ミステリーと言っても本格路線ではなく、読んでいるとどこがミステリーなのか分からないまま展開していき、最後にどんでん返しが待っているというプロット型のサスペンスミステリーとなっている。
長編としては短い作品だが、ハワイのけだるい雰囲気と落ちがなかなか見事に融合している。
ホテル・ピーベリー (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: ホテル・ピーベリー (双葉文庫)より
4575517291
No.3
(4pt)

一気読みのサスペンス

暗い傷心をかかえて学校教諭を退職した若い男性主人公が、長期滞在を計画してやってきたハワイのホテルで、思いがけない事件に巻き込まれるサスペンスミステリ。

常夏の島に佇立するホテルは、家庭的な民宿のような明るい空気の背後に、どこか冷えた闇の湿度がただよい、そこには、やはりどこか翳った裏の顔を秘めた登場人物たちが居をともにする。そんな明るい表の空気と秘められた裏の空気の温度差に、ミステリアスな香りを漂わせてみせながら読者の鼻先をどんどん誘い、巧みなツイストで表裏一体となった終幕へとあざやかに着地させる。その間、飽きる暇もなく一気読みさせてくれる作者の軽妙な筆致は見事。

ゴシック様式の豪邸での名探偵の大活躍や、驚天動地の犯罪トリックといった豪奢な晩餐はないが、あか抜けたカフェでいつもより少し贅沢な三時のお茶を楽しんだような気分にさせてくれる作品。ミステリを《論理》よりも《心理》で読みたい方、『わらの女』のカトリーヌ・アルレーや、『シンデレラの罠』のセバスチャン・ジャップリゾ、『悪魔のような女』のボアロー&ナルスジャックなどの、フランスのサスペンスミステリがお好みの方には楽しめる作品ではないかと思う。
ホテル・ピーベリー (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: ホテル・ピーベリー (双葉文庫)より
4575517291
No.2
(4pt)

一気読みのサスペンス

暗い傷心をかかえて学校教諭を退職した若い男性主人公が、長期滞在を計画してやってきたハワイのホテルで、思いがけない事件に巻き込まれるサスペンスミステリ。

誰もがイメージする明るい常夏の観光地ハワイとは、微妙な温度差が感じられる舞台。それはあたかも、満面の笑顔のなかにふと見つけた、冷たく翳った瞳の色のよう…。家庭的な民宿の趣すらある明るい表情の裏に、そんな翳った闇の温度が感じられるホテルに、やはり冷えた裏の顔をそれぞれに秘めているらしい登場人物たちが配されている。

ヒーロー的な探偵役やエキセントリックな殺人犯が登場し、常識を打ち崩すようなシチュエーションやトリックで、派手に読者を驚倒させるようなことはない。ただひたすら、主人公を軸にした登場人物たちの表と裏の繊細な心理のひだをより合わせ、スリリングに読者の興味を牽引し、そして巧みなツイストで表裏一体となった解決へと着地させる。その間、飽きる暇もない一気読みを楽しませてくれる作者のお手並みは見事。

ミステリを《論理》よりも《心理》で読みたい方、『シンデレラの罠』のセバスチャン・ジャップリゾや『悪魔のような女』のボアロー&ナルスジャックなどのフランスのサスペンスミステリがお好きな方、オススメです。
ホテル・ピーベリー Amazon書評・レビュー: ホテル・ピーベリーより
4575237485
No.1
(4pt)

後戻りできない人生訓。

「自分探しの旅」なんて言う表現、こっ恥ずかしい。

わざわざ旅に行かなくとも探せよ。
センチメンタルジャーニー気取っても、格好つけて
自分を慰めているだけだろ・・・。

主人公は自分が招いた心の傷を癒す、いやごまかす
ために、ハワイと言ってもオアフではなく、僻地ハワイ島へ。

リピーター、3か月以上の滞在禁止ホテル。

なんか怪しいスタッフと滞在者。

事件はいきなり起きて、最後にそれなりの動機や背景を
真相として突きつけてくるのだが、拙私が今作のテーマ
として、強く感じたのは、刻一刻流れる時間の中で、
人生というものを読者がどう考えて生きていくべきか、
ということなんだと感じた。

名作「夏への扉」をモチーフに、後戻りできない人生
でありながら、瞬間瞬間に人間が決断したであろう、
正の選択が、負の選択になってしまう脆さ・危うさ
を登場人物に投影していく点が秀逸。

感情ある故の人間の弱さと言ってしまえば、その通り
ではあるが・・・。

クローズドサークルの中で、主人公の葛藤もうまく
表現されていたが、早希のその後、ナナの結論、
そして和美の本心など、そのあたりは、もう少し
丁寧に作り込んで暗示させるところまで書いて
欲しかった。

概して、短く気軽に読めるが、読者によっては、
自分の人生に照らし合わせて、考えさせられる点で、
なかなかの白眉作品であった。

特に、最後の一文が揶揄する未来をいろいろ想像
して面白かった。


ホテル・ピーベリー Amazon書評・レビュー: ホテル・ピーベリーより
4575237485