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叔母との旅



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叔母との旅の評価: 3.00/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

読者の人生の内省を迫る力作

母親の葬儀で初めて叔母に会った甥が一緒に旅行したりして・・・というお話。

ミステリマガジン1991年9月号のグリーンの追悼特集で若島教授が60年代のグリーンのベストに挙げてらっしゃったので読んでみましたが、やはり面白かったです。若島教授によると、主人公が我々読者のメタファーで叔母が小説のメタファーになっているとの事で、それ程前衛的な作品ではないですが、それなりに深い内容の小説らしいです。

どこが面白かったかを考えると、平凡な人生を歩んできた主人公が活気ある叔母に感化されて、自分の人生から目覚める所だと思いました。事務的な仕事しかしてこなかった男が叔母の刺激で、恋愛をしたり、マリファナを吸ったりと地味な一人暮らしだけの人生から脱却して充実した人生を送る様になる所が本書のカタルシスだと思いました。単なる読書やテレビでは体験できない事が現実の実人生にはあるというグリーンのメッセージが読み取れました。

私も基本的に小説とロックだけで日々暮らしておりますが、たまに自分の人生はこれで終わりでいいのかとか内省しますし、実際に脱却したいと思う事もありますが、私の場合はこのままでいいかもとか思いました。他人から見たら悲惨な人生に見えると思いますが・・・。

流石に「ヒューマン・ファクター」等の名作には及びませんが、重要な小説だと思います。グリーンは自分の作品を「ノヴェル」と「エンターテインメント」に分けた事で有名ですが、本書は「ノヴェル」との事で平明で読みやすい作品ですが扱っているテーマは重厚だからでしょうか。

自分の人生をどうするか迷っている人は読んだ方がいい力作。機会があったら是非。
グレアム・グリーン全集〈22〉叔母との旅Amazon書評・レビュー:グレアム・グリーン全集〈22〉叔母との旅より
4152003227

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