アメリカの夜

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アメリカの夜の評価:

3.59/5点 レビュー 22件。 D ランク

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Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全44件 21〜40 2/3ページ
No.24
(4pt)

著者の原点

本作品は、映画学校を卒業し、美術催事場のアルバイトをしている「哀しい男」の物語である。

主人公 中山唯生は実に屈折している。自分を特別な存在であるという理屈を作り、それに執着していく内省的な人物なのだ。唯生は、春分の日に生まれであることから、「光」=「聖なるもの」の「闇」=「俗なるもの」拮抗に思いを馳せ、そこから特別な存在としての啓示を得る。この内面へ突き進んでいく様が、ひたすら描かれていく。

本作品の語り手は、自分自身であるが、唯生の鬱勃とした裏側を、第三者の目線で冷静にさらす。唯生と著者の心情には、どこか重なるところがあるのだろけれど、唯生の周囲から浮いた感じが、なんとも痛々しい。笑うに笑えない寒々としたものがある。

ストーリーは、中山唯生の内的世界が縷々つづられていくだけだ。唯生が、奇妙奇天烈な格好で映画制作現場に乱入するぐらいで、大きな起伏があるわけではない。けれども、読んでいて飽きることがないから、不思議である。あらためてデビュー作を読むと、著者の精神は、その後の作品にも引き継がれているのがわかる。
アメリカの夜 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アメリカの夜 (講談社文庫)より
406273057X
No.23
(4pt)

著者の原点

本作品は、映画学校を卒業し、美術催事場のアルバイトをしている「哀しい男」の物語である。

主人公 中山唯生は実に屈折している。自分を特別な存在であるという理屈を作り、それに執着していく内省的な人物なのだ。唯生は、春分の日に生まれであることから、「光」=「聖なるもの」の「闇」=「俗なるもの」拮抗に思いを馳せ、そこから特別な存在としての啓示を得る。この内面へ突き進んでいく様が、ひたすら描かれていく。

本作品の語り手は、自分自身であるが、唯生の鬱勃とした裏側を、第三者の目線で冷静にさらす。唯生と著者の心情には、どこか重なるところがあるのだろけれど、唯生の周囲から浮いた感じが、なんとも痛々しい。笑うに笑えない寒々としたものがある。

ストーリーは、中山唯生の内的世界が縷々つづられていくだけだ。唯生が、奇妙奇天烈な格好で映画制作現場に乱入するぐらいで、大きな起伏があるわけではない。けれども、読んでいて飽きることがないから、不思議である。あらためてデビュー作を読むと、著者の精神は、その後の作品にも引き継がれているのがわかる。
アメリカの夜 Amazon書評・レビュー: アメリカの夜より
4062071738
No.22
(3pt)

東京の夜

物語冒頭からいきなりブルースリーの武術論についてだらだらと始める部分は、知らない人にとってはあまりにもどうでもいい内容なのでこの時点でこの作品に縁のない人間は本を投げ出してもかまわないだろう。しかし小生のように「逆に」この媚びてない感じに惹きつけられた人間は、読み進めていくうちにその感覚が正しかったことを確信するはずだ。なぜならこの作者は、すべてを計算済みのうえでこの作品をこのような形にしたのだから。作者は「ドンキホーテ」から「神聖喜劇」、「アメリカの夜」、「ブルースリー」と古今の文学、映画を縦横無尽に引用し、この世界において人間が何者かを仮構し、演じることの不可能性を批評的な「私」の視点と物語的な「唯生」を駆使して書き上げていく。そしてその矛先は作品内の登場人物をはじめ、これを書く「私」とその分身たる「唯生」にまで及ぶ。物語はあくまで「唯生」までも突き放して見ている「私」を軸として進められているはずなのだが、「私」が狂気じみた論理を展開し、それにつれて「唯生」が狂気じみた行動をしていくにつれ、読者は、正しさの拠り所を見失い、知らずにこの狂気に巻き込まれることとなる。狂気と滑稽はしばしば隣り合わせに存在するのだ、ということを強く思い知らされた。主題が人間生活の根源にかかわるものである分、繰り返し読んでも新たな発見に期待できそうだ。
アメリカの夜 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アメリカの夜 (講談社文庫)より
406273057X
No.21
(3pt)

東京の夜

物語冒頭からいきなりブルースリーの武術論についてだらだらと始める部分は、知らない人にとってはあまりにもどうでもいい内容なのでこの時点でこの作品に縁のない人間は本を投げ出してもかまわないだろう。しかし小生のように「逆に」この媚びてない感じに惹きつけられた人間は、読み進めていくうちにその感覚が正しかったことを確信するはずだ。なぜならこの作者は、すべてを計算済みのうえでこの作品をこのような形にしたのだから。作者は「ドンキホーテ」から「神聖喜劇」、「アメリカの夜」、「ブルースリー」と古今の文学、映画を縦横無尽に引用し、この世界において人間が何者かを仮構し、演じることの不可能性を批評的な「私」の視点と物語的な「唯生」を駆使して書き上げていく。そしてその矛先は作品内の登場人物をはじめ、これを書く「私」とその分身たる「唯生」にまで及ぶ。物語はあくまで「唯生」までも突き放して見ている「私」を軸として進められているはずなのだが、「私」が狂気じみた論理を展開し、それにつれて「唯生」が狂気じみた行動をしていくにつれ、読者は、正しさの拠り所を見失い、知らずにこの狂気に巻き込まれることとなる。狂気と滑稽はしばしば隣り合わせに存在するのだ、ということを強く思い知らされた。主題が人間生活の根源にかかわるものである分、繰り返し読んでも新たな発見に期待できそうだ。
アメリカの夜 Amazon書評・レビュー: アメリカの夜より
4062071738
No.20
(4pt)

ついにキタか!!

当時、文芸雑誌で新人賞を受賞したこの作品を読んだ時、ついに同世代で新しい文学を書く作家が登場したか!
と、興奮して読んだ記憶があります。
インパクトは強烈でした。
現在の綿谷りささんや、僕は評価はしない金原ひとみさんよりずっと斬新で、芥川賞は必ず取るだろう、そう確信した作家でした。
しかし、あまりにも時期が遅かった。
なぜ、彼が取れなかったのか?選考委員に問題があったのか?
その理由がわからなかった。
「トライアングルス」は駄作だと思いますし、あまり好きではないですが、現在の「ピストルズ」まで、とにかく、春樹さんの次世代としては、
ノーベル文学賞候補はまずはこの作家しかいないと思います。
アメリカの夜 Amazon書評・レビュー: アメリカの夜より
4062071738
No.19
(4pt)

ついにキタか!!

当時、文芸雑誌で新人賞を受賞したこの作品を読んだ時、ついに同世代で新しい文学を書く作家が登場したか!
と、興奮して読んだ記憶があります。
インパクトは強烈でした。
現在の綿谷りささんや、僕は評価はしない金原ひとみさんよりずっと斬新で、芥川賞は必ず取るだろう、そう確信した作家でした。
しかし、あまりにも時期が遅かった。
なぜ、彼が取れなかったのか?選考委員に問題があったのか?
その理由がわからなかった。
「トライアングルス」は駄作だと思いますし、あまり好きではないですが、現在の「ピストルズ」まで、とにかく、春樹さんの次世代としては、
ノーベル文学賞候補はまずはこの作家しかいないと思います。
アメリカの夜 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アメリカの夜 (講談社文庫)より
406273057X
No.18
(5pt)

ジャッキー・チェンよりブルース・リー

『アメリカの夜』はブルース・リーの引用から始まるが、この頃、ヴィレッジ・ヴァンガードのような雑貨屋ではブルース・リーのポストカードがよく売られていた。
当時のハードコアバンドやスケーターは、なぜか(ポーズとして)カンフーにリスペクトしていたような気がするし、大友克洋の『AKIRA』や、本書のタイトルでもある『アメリカの夜』を撮影したトリュフォーなど、サブカルチャーという雑多な概念でしかくくれない何かが、アイデンティティに対する消費記号として強烈な存在感を持っていた。そういうリアリティを提示している小説は他になかった。
また、本書は一人称形式だが、主人公の虚構性が、語り手によって序盤で暴かれるという格好。
その独白がフィクションの解体につながりながら、逆説的に物語が進行する。
何だか半べそ入ったようなメタフィクションで、批評的に考察される「物語内部」と「現実」における自我の距離感が、ブルース・リーの截拳道における「型」と「実戦」の不可能性をなぞり、次第に文学になっていく。形而上学的テーマを扱いながらも、語り手の素っ気なさは我々の「日常」とほとんど同じ水準。
この振れ幅は半端ではない。
間違いなく時代を代表する作品のひとつ。
アメリカの夜 Amazon書評・レビュー: アメリカの夜より
4062071738
No.17
(5pt)

ジャッキー・チェンよりブルース・リー

『アメリカの夜』はブルース・リーの引用から始まるが、この頃、ヴィレッジ・ヴァンガードのような雑貨屋ではブルース・リーのポストカードがよく売られていた。
当時のハードコアバンドやスケーターは、なぜか(ポーズとして)カンフーにリスペクトしていたような気がするし、大友克洋の『AKIRA』や、本書のタイトルでもある『アメリカの夜』を撮影したトリュフォーなど、サブカルチャーという雑多な概念でしかくくれない何かが、アイデンティティに対する消費記号として強烈な存在感を持っていた。そういうリアリティを提示している小説は他になかった。
また、本書は一人称形式だが、主人公の虚構性が、語り手によって序盤で暴かれるという格好。
その独白がフィクションの解体につながりながら、逆説的に物語が進行する。
何だか半べそ入ったようなメタフィクションで、批評的に考察される「物語内部」と「現実」における自我の距離感が、ブルース・リーの截拳道における「型」と「実戦」の不可能性をなぞり、次第に文学になっていく。形而上学的テーマを扱いながらも、語り手の素っ気なさは我々の「日常」とほとんど同じ水準。
この振れ幅は半端ではない。
間違いなく時代を代表する作品のひとつ。
アメリカの夜 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アメリカの夜 (講談社文庫)より
406273057X
No.16
(4pt)

生意気な話ですが

評論化気取りの読者が読むような作品。
阿部さんはそういった種の作品が多い気がします。
鴇の話より、こっちのほうがおもろい。
芥川賞とればよかったのにね。
アメリカの夜 Amazon書評・レビュー: アメリカの夜より
4062071738
No.15
(4pt)

生意気な話ですが

評論化気取りの読者が読むような作品。
阿部さんはそういった種の作品が多い気がします。
鴇の話より、こっちのほうがおもろい。
芥川賞とればよかったのにね。
アメリカの夜 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アメリカの夜 (講談社文庫)より
406273057X
No.14
(5pt)

おまえはおれか!

主人公が考えている内容だとか、まわりくどい言い回しだとか、語り手と主人公が分裂しているところだとかがまさに私と似通っていて、読みながら「お前は俺か!」とツッコんでしまった。特に感動してしまったところは主人公・唯生がツユミに恋心(のようなもの?)を抱いたときに放った言葉(本書p59〜65)。だがしかし、同じ箇所で同じように感動する人がどれだけいるのだろうか…。
個人的にはかなり好きな作品だが、あまりオススメはできない。よくわからない人にはわからないように書かれてしまっているし、そういう人にはページを捲るのが苦痛ではないかと思う。
アメリカの夜 Amazon書評・レビュー: アメリカの夜より
4062071738
No.13
(5pt)

おまえはおれか!

主人公が考えている内容だとか、まわりくどい言い回しだとか、語り手と主人公が分裂しているところだとかがまさに私と似通っていて、読みながら「お前は俺か!」とツッコんでしまった。特に感動してしまったところは主人公・唯生がツユミに恋心(のようなもの?)を抱いたときに放った言葉(本書p59〜65)。だがしかし、同じ箇所で同じように感動する人がどれだけいるのだろうか…。
個人的にはかなり好きな作品だが、あまりオススメはできない。よくわからない人にはわからないように書かれてしまっているし、そういう人にはページを捲るのが苦痛ではないかと思う。
アメリカの夜 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アメリカの夜 (講談社文庫)より
406273057X
No.12
(4pt)

阿部和重の鮮烈な処女作

『アメリカの夜』は、La Nuit Americaine。
フランソワ・トリュフォーの映画のタイトルでもあります。
なぜ、このタイトルが使われたのか、は最後の最後になって
分かるのですが、その使われるセンスの良さと同時に構成の
妙にうなってしまいました。
ポストバブルを迎えた彷徨えるスピリットに、この小説は
爆弾のように投げ込まれます。
観念的で読みづらいことは確かですが、この小説は観念
そのものを謳っているので、こういった書き方には当然
必然性があるのだろうと思います。
『アメリカの夜』は、どうしたってそのときでなければ
書けなかった必然性をもった観念小説であります。
アメリカの夜 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アメリカの夜 (講談社文庫)より
406273057X
No.11
(4pt)

阿部和重の鮮烈な処女作

『アメリカの夜』は、La Nuit Americaine。
フランソワ・トリュフォーの映画のタイトルでもあります。
なぜ、このタイトルが使われたのか、は最後の最後になって
分かるのですが、その使われるセンスの良さと同時に構成の
妙にうなってしまいました。
ポストバブルを迎えた彷徨えるスピリットに、この小説は
爆弾のように投げ込まれます。
観念的で読みづらいことは確かですが、この小説は観念
そのものを謳っているので、こういった書き方には当然
必然性があるのだろうと思います。
『アメリカの夜』は、どうしたってそのときでなければ
書けなかった必然性をもった観念小説であります。
アメリカの夜 Amazon書評・レビュー: アメリカの夜より
4062071738
No.10
(5pt)

こんな人。知っている

この作者の作品として、3冊目に読んだ本であり、一番最近に読んだモノでもあります。「インディビジュアル・プロジェクション」が最初で5~6年くらい前に読んだのだけど、むしろこのデビュー作の方が私には面白かったです。というのも、この主人公みたいな人本当に知っている気がする。というか「こんな人いたな・・・」と思い出しながら読んでいたので、なんだか知り合いの過去の実録を眺めているようでグッとくるものを感じました。いずれにしても、最高にカッコ悪い主人公っぷりはもう涙がでそうなほど、哀しくも面白いです。やたら読みにくいとの感想が目立ちますが、途中のやたら長い引用文は別にとばして読んでも十分に話は理解できます。誤解のないように言っておきますと、私は一応読みましたけどね。
アメリカの夜 Amazon書評・レビュー: アメリカの夜より
4062071738
No.9
(5pt)

こんな人。知っている

この作者の作品として、3冊目に読んだ本であり、一番最近に読んだモノでもあります。「インディビジュアル・プロジェクション」が最初で5~6年くらい前に読んだのだけど、むしろこのデビュー作の方が私には面白かったです。というのも、この主人公みたいな人本当に知っている気がする。というか「こんな人いたな・・・」と思い出しながら読んでいたので、なんだか知り合いの過去の実録を眺めているようでグッとくるものを感じました。いずれにしても、最高にカッコ悪い主人公っぷりはもう涙がでそうなほど、哀しくも面白いです。やたら読みにくいとの感想が目立ちますが、途中のやたら長い引用文は別にとばして読んでも十分に話は理解できます。誤解のないように言っておきますと、私は一応読みましたけどね。
アメリカの夜 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アメリカの夜 (講談社文庫)より
406273057X
No.8
(4pt)

感動的な青春小説

~映画や小説を巡る物語にまみれて生きている「私」が、自ら語り出そうとするときに遭遇する過酷な失語の状態から、いびつで無軌道な「小説(映画)」が生成する瞬間を描く。意識的かつ真摯な「小説論」であり「教養小説」。といって語り口は不真面目でさえあります。「気狂いピエロ」+ブルース・リーという目眩がするようなアクションシーンで、道化を演じてみ~~せる余裕もかっこいい。映画や小説に浸かった青春を送った人は読んでいて胸に痛いところがあるかも。~
アメリカの夜 Amazon書評・レビュー: アメリカの夜より
4062071738
No.7
(4pt)

感動的な青春小説

~映画や小説を巡る物語にまみれて生きている「私」が、自ら語り出そうとするときに遭遇する過酷な失語の状態から、いびつで無軌道な「小説(映画)」が生成する瞬間を描く。意識的かつ真摯な「小説論」であり「教養小説」。といって語り口は不真面目でさえあります。「気狂いピエロ」+ブルース・リーという目眩がするようなアクションシーンで、道化を演じてみ~~せる余裕もかっこいい。映画や小説に浸かった青春を送った人は読んでいて胸に痛いところがあるかも。~
アメリカの夜 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アメリカの夜 (講談社文庫)より
406273057X
No.6
(2pt)

90年代

名前と著書名くらいしか知らない作家でしたので、実際にとりあえず読んでみました。デビュー作ということなので、これ以後の小説では改善されているのかもしれませんが、ぼくにとっては読むことが楽しくありませんでしたし、何より辛かったです。理由は単純なのです、リズムが悪いんです。それは作家が故意にしていることなのかもしれませんが、いずれにしても全く駄目です。
アメリカの夜 Amazon書評・レビュー: アメリカの夜より
4062071738
No.5
(2pt)

90年代

名前と著書名くらいしか知らない作家でしたので、実際にとりあえず読んでみました。デビュー作ということなので、これ以後の小説では改善されているのかもしれませんが、ぼくにとっては読むことが楽しくありませんでしたし、何より辛かったです。理由は単純なのです、リズムが悪いんです。それは作家が故意にしていることなのかもしれませんが、いずれにしても全く駄目です。
アメリカの夜 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アメリカの夜 (講談社文庫)より
406273057X