臨終トーナメント
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とても面白かったです!ぜひ映像化してほしい | ||||
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SNSで作家の「吉本ばなな」さんが、「本当にいい小説でした」と発言していたので気になり購入しました。 なんと、「僕の殺人計画」の著者でしたか。今回はまったくの別ジャンルでしたが、なるほど…と思うようなミステリに通じる構成も感じました。 ネタバレは避けますが、これはぜひ読んで欲しい1冊です。 泣けます。笑えます。そして読後にはひとつ胸に残るものがあるはずです。 わっははは! 私もあんな風に生きてみたいと思いました。 | ||||
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臨終トーナメント、なんだそれ? 優勝商品は「完璧な死」なんだそれ! 参加者は島にある高級老人ホームの入居者。 実はただの高級老人ホームじゃない。 社会的に成功した人間、さらにその中の100人しか入居出来ない、選ばれた人間達が暮らす老人ホーム。 しかも、参加者はさらにその中から選ばれた8名のみ。 へ〜参加者はさすが職は違えど経歴がすごいなあ〜。え!?1人は著名人でもない、ただの島の出身者?? あ〜こういう1人だけ異端な人が優勝するんだよね〜。いやでもそれは王道展開すぎるか……? いや、全員の完璧な死、気になるな〜。誰が優勝するかな〜。 なんて最初はバトル漫画を読む感覚で読み始めました。 しかし途中から主人公への感情移入で、こちらも頭を悩まされたり、参加者の放つセリフが心に刺さったり。 途中途中で既に危うかったけれど、最後はしっかり泣きました。 主人公はこの高級老人ホームで清掃員として働く30歳男性。彼はパッとしない、何者にもなれない、ただ生きてきた。私はそう思っていると捉えました。 この主人公の特徴、自分に当てはまってると思う人いませんか? 私は当てはまっていました。 なので共感することが多くて、読んでるとき結構しんどかったです。 だからこそ、主人公がトーナメントを経て変わっていく姿を見て、自分もこうしちゃいられないと思えました。 語彙がなく、上手く伝えられないのですが、自分のことをパッとしない、何者にもなれない、ただ生きてきただけ。そう思う人がいたら、この本をおすすめしたいです。 まだ先かもしれないし、すぐかもしれないけれど、本のテーマではなく、読み手の自分にとって完璧な死は何か、完壁な死のために自分はどう生きていくのか、読めば分かるんじゃないでしょうか。 みんなも自分にとって完璧な死を手に入れよう! | ||||
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読了して音速でレビューしに来ました。 涙がまだ止まりません。 ネタバレを避けたいので言葉を選びますが 自分の恩師とある登場人物が被ってしまい 久しぶりに怒られているような懐かしい気持ちになりました。 著者のファンを続け、数年経ちますが 前作とは全く毛色の違う作品で驚きました。 1度じゃなく2度、3度読み返したくなる。 考えさせられたり慰められたり鼓舞されたりするようなシーンがとても多かった。 なにが正解なのか、正解などないのか やがみ、素晴らしい作品をありがとう。 これからもずっとやが担で居るよ。 | ||||
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心の底から本当に面白かった! 唯一無二の読書体験ができました。きっと今後の人生でも度々この本の事を、クォールハウスの住民の事を思い出すと思います 以下ネタバレ 魅力的な登場人物達、臨終トーナメントというとんでもないレクリエーション、その影で蠢く巨大な陰謀……エンタメ要素てんこ盛りで序盤からずっと読み進めるのが楽しかったです。 そして何より佐藤翔を通して自分自身を理解し、『足るを知る』ことを佐藤翔と共に得られた感覚が確かにあります。 また、個人的にはYouTube動画の作品や前作をとても面白かったと感じているからこそ、本当に良い意味で裏切られたという感覚も味わえて最高でした! 佐藤翔の面接シーンから始まり、そこで佐藤翔とはどういう思考の人間なのか、と読み手の脳内がチューニングされたような気がします。そんな卑屈な佐藤翔の視点で見るクォールハウスはとても同じ人間の終の住処とは思えず、そこで暮らす老人達は別世界の住人であり、人の人生を賭けたレクリエーションで歓喜しては贅沢な食事を貪る彼らは少し醜悪にも感じました。 よくよく考えれば彼らは選ばれた功労者であり、人生をかけて成功を掴み自分の力で贅沢な余生を送っているだけなので醜悪でも何でも無いのですが、佐藤翔の鬱屈とした語り口により、どうしても己とクォールハウスの住民、人間の中に確かに存在する格差を強く感じました。 そんな空気感の中でおとめさんの存在は癒しでした。恐らく職員の接遇なども厳しく見られるであろうハウス内でずっと変わらず居続けてくれるおとめさんは、裏切られても『まあおとめさんならそうだよな』という謎の安心感がありました。 (終盤鷹見の例のシーンはとても好きですが3人の中におとめさんが居なくて本当に安心しました……笑) トーナメントはどの試合も読んでてとても楽しかったです!やはり国の功労者だけあってどの人物の主張もとても堅実で、社会人の自分に響く内容が多く引き込まれました。 なにより発言者の人となりが顕著に現れるので更に登場人物が魅力的に感じ、愛着が湧きました。敗者だから主張も弱い、なんて事はなく全員芯のある主張で胸を打たれました。だからこそ桃瀬さんや藤堂さんなど魅力的な方が一回戦で負けるのは勿体なさすぎて色んな試合が見たかった!笑 そんな魅力的なトーナメントでも特に準決勝までの田島さんに関わる試合はどれも暖かさを感じました。負けた桃瀬さんは観客に笑顔を見せながらようやくアイドルを引退する事ができ、原田さんは田島さんと尊重し合い、賞賛し合い、次世代へバトンを渡すような議論をしました。勝ち負けでは負けかもしれませんが、田島先生に人生の花丸を貰うような空気感に胸を打たれ、田島さん原田さんが語り合うシーンは思わず涙が出ました。 この田島さんと原田さんの試合は大好きなので、紙の本を読み終わったあと電子書籍版も購入しSiriに読ませました。田島さんの語り口は本当に歌うように、流れるように軽やかで音声で聴くのもとても魅力的でした。 逆に鷹見さんには圧倒されました。特に緒方さんと鷹見の試合、自由VS金という、普通に考えても金の方が強そうな議題でも緒方さんの人生そのままを語った話は「自由」の重さを感じるものでした。それに対してどんな主張をするのかと思いきや、鷹見はものの見事に「金」でねじ伏せました。そのスピード感、圧倒、この場面だけで鷹見への畏怖を感じ、関わったらいけない人間だと直感しました。それと同時に佐藤の行く末が不安になりました。 鷹見に憧れ、屁負比丘尼となり、最後は地獄の先払いをする羽目になった佐藤。 私はこの作品を読み、佐藤の人生を経て佐藤の目線でトーナメントを見届けて「足るを知る」を理解したように感じます。 作中でも語られているように佐藤は不幸な事故があり人生のどん底に陥ったもののそこから挽回するチャンスはきっと沢山転がっていました。けれど人のせいにし続け、最終的には鷹見に憧れるような、『金が全て』の人間であると、自分自身からも目を背けていました。けれど人間性はきっとずっと変わらず着いてきます。 鷹見VS白石の準決勝で、鷹見にとっての自分の無価値さに涙し、ミリアに指摘されるシーン、「佐藤君は優しいね」と言われ、「僕が優しいわけないじゃないか。心美さんもミリアも、僕という人間を見抜けないだけだ。」と感じる佐藤のシーンがこの作品の中で1番印象に残っています。これを読んだ時にはもう、本当に見抜けてないのは佐藤自身だと感じていたからです。 心美さんとのシーンはその裏打ちのように感じています。石橋に殴られ祖父の死に目に立ち会えなかったあの日から、佐藤の中では価値観が変わり、金の為なら何でもする、上級国民の人生を裏で操り暗躍する、そんな人間になったのだと佐藤は思っていたのではないかと思います。ですが、最終的に地獄の先払いを済ませる場面で自分の憧れた先にある筈のものが、あの日の石橋と変わらない事に気付き、自分と鷹見との違いを理解したのではないでしょうか。 「翔君は、やっぱり優しいね」という心美さんの言葉が、佐藤翔の変わらない人間性を証明したように感じます。 だからこそ、一二三と共に久遠島を出た佐藤は生まれ変わる訳では無く、足るを知った佐藤翔という等身大の人間のまま再チャレンジしていくのだと思いました。 エピローグは本当に涙が止まりませんでした。 田島さんと鷹見、2人とも全く別の思想を持ちながらも、だからこそそれぞれの人生で、自分の人生に満足して『完璧な死』を迎えたのだと思います。 田島さんのかつての教え子、自らこの世を去った生徒への後悔は消えなくても、佐藤と過ごした事できっと救われたような、花丸を付けていい人生だったと思えていたのではないでしょうか。 とても晴れやかで、久遠島の日差しと潮風を感じる素敵な締めくくりでした。 今後の人生で何度も思い返すような素敵な読書体験となりました。 本当に素晴らしい作品をありがとうございます。 刊行イベントで久遠島が五島列島にある設定だと仰ってましたが、五島うどんや、恐らく五島芋という五島の芋焼酎をイメージされているのでは無いかという描写も情緒溢れて素敵でした。田島邸での飾らないありふれた田舎の老人卓の食卓をより鮮明に脳内にイメージ出来ましたし、田島さんと佐藤の事が、そこに流れているであろう空気感が本当に好きでした。 映像で観れる日を夢見ています。 本当に素晴らしい作品、読書体験を味わえます。 | ||||
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