修羅の都



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    初公開日(参考)2018年02月
    分類

    長編小説

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    修羅の都 (文春文庫 い 100-5)

    2021年01月04日 修羅の都 (文春文庫 い 100-5)

    「武士の世をつくる」。頼朝の悲願を背負い、妻として母として時代の要となった政子。頼朝晩年の謎をも大胆に描く傑作時代長編。(「BOOK」データベースより)




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    No.1:
    (4pt)

    頼朝の孤独と、尼将軍と言われた北条政子の苦しみが胸に迫る作品

    平家を倒して鎌倉幕府を開いた源頼朝が、弟の義経を始めとする一族を滅ぼした結果、北条家に実権を奪われて僅か3代で血が途絶えてしまったのは有名な話だが、本書は平家を滅ぼした後から物語が始まり、頼朝と政子の夫婦を主人公に、頼朝がそのような行動を取った軌跡が著者ならではの解釈で見事に描かれている。

    根本的な原因は頼朝の猜疑心にあり、それが義経を滅ぼし、静御前のお腹にいた子供も、男の子であることが判明次第、冷酷に殺してしまう。それに加えて、頼朝に認知症の症状が現れるところから更なる悲劇が始まるところが著者ならでは解釈で、判断力の衰えた頼朝は、北条義時の策略に乗ってしまい、実直で野心のない他の弟や、将来対抗勢力になりかねない有力御家人を次々と滅ぼしていく。

    妻の政子は、長らく頼朝を愛し支えてきたが、認知症が進み判断力が衰えた夫の行動に苦しみ、鎌倉幕府と北条家の存続との板挟みなっていく。

    親族が殺し合い、家族が分断される様子はまさに修羅の世界で、読んでいて心地よいものではないが、最後の頼朝と政子の会話に少し救われた気がした。
    修羅の都Amazon書評・レビュー:修羅の都より
    4163907750



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