憧れ写楽
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あらすじ
蔦屋が隠した謎の絵師、写楽の真実とは?多くの傑作を残し、約10ヵ月で姿を消した「東洲斎写楽」。この謎多き絵師にふたたび筆をとらせたい老舗版元の主・鶴屋喜右衛門は、「写楽の正体」だと噂される猿楽師、斎藤十郎兵衛のもとを訪れる。だが、斎藤の口から語られたのは、「東洲斎写楽の名で出た絵のうち、幾枚かは某の絵ではない」「(自分は)本物の写楽には及ばない」という驚愕の事実。さらに斎藤が「描いていない」絵のなかには、写楽の代表作とされる「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」も含まれていた。写楽はふたりいた――。そう知った喜右衛門は、喜多川歌麿とともにもう一人の写楽探しに乗り出す。しかし、写楽を売り出した張本人である蔦屋重三郎が妨害しはじめ……。果たして、本物の写楽の正体とは。そして、蔦屋重三郎と写楽との関係とは。大田南畝、山東京伝、歌川豊国など、この時代の文化人たちも次々と登場! 蔦屋重三郎を主人公とする2025年大河ドラマ「べらぼう」と共通する世界で繰り広げられる時代ミステリです。(「BOOK」データベースより)
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評判
憧れ写楽の評価:
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憧れ写楽の総合評価:
7.00/10点 レビュー 2件。
感想一覧
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ただ伏線があからさまでして、大方の読者は途中で(だいたいは岩井半四郎の証言で、遅くても歌川豊国の証言あたりで)トリック?に気づいてしまうような。版元・鶴屋喜右衛門といい喜多川歌麿といい、真相に繋がる手がかりを充分以上につかみながら、首謀者の蔦屋重三郎自身の口から明かされるまで見破れないままだったのはまことにじれったく、それとも、そんな風に感じるのはこちらが推理小説の読み過ぎでしょうか。鶴喜も歌麿も時代小説の登場人物で、推理小説のキャラクターじゃないからね。
ついでにもう一つ、実説よりも一般的なイメージを優先したのか、ところどころで設定が引っかかるのが残念なところ。鶴屋喜右衛門さん、あなた、写楽と同じ時期に勝川春英の役者大首絵を売り出していましたよね……。
そして、最も引っかかったのは作中の写楽のオリジナルは歌舞伎役者を適度に美化して描いているから魅力的で、跡を引き継いだ斎藤十郎兵衛の作は役者に似せ過ぎたから不評だった……というものですが、後世で写楽が高く評価されたのはそれこそ役者を美化せずに写実的に似顔を描いたという点にあったのでは。江戸の価値観で写楽の評価を位置づけようとしたら後世の評価を否定してしまったわけでして、いったいぜんたい著者さんがどこまで意識して書いたのか、気にかかるところであります。