(短編集)

ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2



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    初公開日(参考)2021年12月
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    ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2 (ハヤカワ文庫 SF ラ)

    2021年12月02日 ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2 (ハヤカワ文庫 SF ラ)

    鉄からなんでも生み出す少女、オーリャド・ファニーフィンガーズ。やがて彼女にボーイフレンドができるが……。愛らしくもせつない「ファニーフィンガーズ」、〈ベンガル・タイガー団〉を率いる少女カーナディンが殺人事件で驚くべき推理を披露する「恐るべき子供たち」、笛を吹くと舞い降りてくる奇妙な月で遊んだ日々を想う「昔には帰れない」など、キュートで謎めいた物語全20篇を収めたベスト・オブ・ベスト第二弾。(「BOOK」データベースより)




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    No.3:
    (5pt)

    ラファティの作品はすべてベスト なんだけど

    本書の編者「牧 眞司」さんは「編者あとがき」に書いています。
    「私のようなラファティの魅力に取りつかれた読者にとって、ラファティの作品はすべてベストだ」(532頁)と。

    「すべてベスト」だなんて! すべての本が星五つ、なんていう書評みたいです。

    本書のキーワードは「カワイイ」(529頁)。本書は、カワイイ篇。
    牧さんのいう「可愛い」とは、単に可憐というだけではありません。

    「不思議なチャーム」(530頁)を有する本書のキャラクターたち。
    カワイイ子供たち。
    カワイイばあさん。
    なんだ、なんだ。ばあさんがカワイイ?
    とにかく「私たちの生を絶えず擾乱(じょうらん)/活性化する存在」(531頁)
    がカワイイんです。
    年(時間)はどうでもいいんです。

    牧さんは続けます。
    「私たちの常識では両義的と見なされる要素が、ラファティの世界では最初からひとつなのだ」(532頁)
    ふうん。
    ラファティの世界では、最初からひとつ、つながった「大きな世界」のようです。

    「ラファティの作品は物語としてはそれぞれ独立しているけれど、無限に大きな世界(マルチヴァース)としてつながっていて、ときおり住人たちが行き来をする」(530頁)

    ラファティは「寿限無、寿限無」という作品に、こう書いています。

    「天地創造は空虚をまっぷたつに引き裂く革命だった。ふたつの陣営が形づくられ、深い割れ目の上で、引き裂かれた電光の国が対立した。 (中略) それは受容と拒絶、善と悪、というような寓意で呼ばれている。だが、天地創造の瞬間にあったものは、無数の宇宙を維持するこの両義性なのだ」(514頁)

    ラファティは、なぜか、キャラクターの年齢を具体的に細かく記載しています。

    「四歳の子供」(47頁)
    「九歳のわが子」(182頁)
    「クラリッサは八歳」(184頁)
    「ぼくはまだ三つだぜ。どうしてぼくが責任をとわれなくちゃいけないのさ」(185頁)

     ぼくはまだみっちゅでちゅ。どうちてぼくがセキニンをとわれなくっちゃいけないのでちゅか。

    「背のひょろ長い、九つの少年」(200頁)
    「まだ八つだが、八つ半といってもじゅうぶんにとおる女の子」(200頁)
    「あのう、七つというとしは、おぼこ娘の役にはまだ若すぎるかしら?」(201頁)
    「六つのトム」(203頁)
    「五つのファッティは答えた」(203頁)
    「みんな年はそろって九歳」(358頁)
    「十歳になりたてのほやほや」(358頁)
    「そしてブルーステムばあさんは、本人によれば五十歳だか百歳だが」(358頁)

    女性は年齢を言わないもの。それにしても、五十もサバをよむなんて。
    あきれたばあさんですこと。カワイイにもホドがあります。

    「九つだから、信じるとなればあっけない。ここでわたしに解(げ)せないのは、そのあと十二になって概念的思考ができるようになってからも、まだそいつを信じていたことだ」(374頁)

    「十七歳の成熟した大人にして心理人類学の専攻学生キャサリン・パーマー」(378頁)
    「キャサリンがこんなにも十七歳っぽい、かわいい娘でなかったら」(378頁)
    「一生でいちばん重要な事件は、四歳のとき、ある貝を見つけたことだった」(389頁)

    以下は、作品「みにくい海」からの引用です。
    「十二になる片足の悪い娘がピアノを弾いていた」(445頁)
    「ただ十二の小娘が」(449頁)
    「あたしまだ十二よ」(451頁)
    「オランダの下宿屋では、十二になる娘とチェスをした」(453頁)
    「足の悪い十三の娘」(454頁)
    「十五の年にボニーは船乗りと結婚した」(457頁)
    「誰もが思っていたとおり、ボニーは十六の年にはやもめになっていた」(459頁)
    「誰もが予想したとおり、十七の年にはボニーはまたやもめになっていた」(461頁)

    美しい娘の人生に、十五、十六、十七・・・と繰り返される、みにくい海での死。
    この繰り返しが生むリズムが、音楽的で好きです。
    美しいも、みにくいも、同じこと。一つなんだ、と妙に心に沁みました。
    本書の中で「みにくい海」 が一番気に入りました。ベスト・オブ・ザ・ベスト。
    小説家ラファティの最初期、1957年の作品。
    ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2 (ハヤカワ文庫 SF ラ)Amazon書評・レビュー:ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2 (ハヤカワ文庫 SF ラ)より
    4150123497
    No.2:
    (5pt)

    ったく、途方もなく風変わりな〈銘酒〉の味わいだあな。この唯一無比の面白さに、乾杯じゃ

    『町かどの穴』に続くラファティ短篇選集の第二弾。巻頭に収められてる表題作「ファニーフィンガーズ」が初読みだったんだけど、これがまあ、実に好みの逸品で嬉しくなっちゃった。これ読めただけでも、この文庫本一冊を買ったかいがあったというもの。編者の牧 眞司(まき しんじ)さん、こんな無類に面白いラファティの短篇集を編んでくれて、どうもありがとう!

    ラファティの作品読み出した頃に出会って、「これ、すっげぇイカしてんじゃん。なんて風変わりで独創的で愉快なんだろ」と、わくわくさせてくれた短篇たちの無類の面白さ!そして、浅倉久志さん、伊藤典夫さんの訳文がまあ、センスがあって上手いですしねぇ。読み心地、抜群に良いですよ。

    収録作品全二十篇は、以下の通り。( )内は、原作の初出年です。

     ファニーフィンガーズ(1976)浅倉久志訳
     日の当たるジニー(1967)浅倉久志訳
     素顔のユリーマ(1972)伊藤典夫訳
     何台の馬車が?(1959)牧 眞司訳
     恐るべき子供たち(1971)深町眞理子訳
     超絶の虎(1964)伊藤典夫訳
     七日間の恐怖(1962)浅倉久志訳
     せまい谷(1966)浅倉久志訳
     とどろき平(1971)浅倉久志訳
     レインバード(1961)浅倉久志訳
     うちの町内(1965)浅倉久志訳
     田園の女王(1970)浅倉久志訳
     公明にして正大(1982)浅倉久志訳
     昔には帰れない(1981)伊藤典夫訳
     浜辺にて(1973)浅倉久志訳
     一期一宴(1968)浅倉久志訳
     みにくい海(1961)伊藤典夫訳
     スロー・チューズデー・ナイト(1965)
                   浅倉久志訳
     九百人のお祖母さん(1966)浅倉久志訳
     寿限無、寿限無(1970)浅倉久志訳

    このうち、日本でのラファティ短篇集・初収録作品は、「ファニーフィンガーズ」「何台の馬車が?」「恐るべき子供たち」「田園の女王」「浜辺にて」の五篇。

    巻末の「編者あとがき」も、読んでて楽しかったな。ちなみにこのあとがき、副題つうか追記の文言が、〈とってもカワイイ、しかし謎めいたラファティの登場人物〉となっています。なるほど。表題作の主人公・オーリャド・ファニーフィンガーズにせよ、「七日間の恐怖」のクラリッサ・ウイロビーにせよ、「うちの町内」の〈ふしぎタイプライター娘〉にせよ、彼らの魅力ったら抜群だったもんね!

    個人的な好みで言うと、第1巻の『町かどの穴』よりも三倍方、楽しめました。「こりゃ面白ぇなあ」と膝を叩き、舌鼓(したつづみ)を打ちたくなる短篇が、特に「七日間の恐怖」以降、目白押しでしたもん。
    本短篇集初収録の作品のなかでは、「ファニーフィンガーズ」「恐るべき子供たち」「浜辺にて」が、好みの逸品。先述したオーリャド・ファニーフィンガーズとともに、「浜辺にて」に出てくるオリヴァー・ミューレックスのキャラの変てこぶりに脱帽、最敬礼しちゃいました。

    さて、「あとがき」によれば、2022年1月に、井上 央さん編のラファティ新訳短篇集(タイトルは、『とうもろこし倉の幽霊』)が刊行予定とのことです。楽しみだなあ。
    ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2 (ハヤカワ文庫 SF ラ)Amazon書評・レビュー:ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2 (ハヤカワ文庫 SF ラ)より
    4150123497
    No.1:
    (3pt)

    実に悩ましい

    今回の目玉は、講談社文庫版『世界カーSF傑作選』でしか邦訳が読めなかった「田園の女王」だろうか。
    これだけでも買う価値がある、と言えるかどうか悩ましいところだ。
    表題作「ファニーフィンガーズ」のほか、「何台の馬車が?」「恐るべき子供たち」「浜辺にて」は、雑誌掲載のみだった作品。
    しかしアシモフ編の『新・読者への挑戦 作者は誰だ?』に採録されていた「ほとんど完全犯罪」 は、今回も入らなかった。
    どうにも、中途半端な編集内容に思えて仕方がない。
    ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2 (ハヤカワ文庫 SF ラ)Amazon書評・レビュー:ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2 (ハヤカワ文庫 SF ラ)より
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