千野隆司(ちのたかし)の作品一覧

槍と料理が得意な新見文蔵は播磨林田藩の下級藩士で、お殿様の供として一月前に出府してきた。

辻斬りの現場を目撃してしまった、冬次の女房おまち。唯一の目撃者であるおまちが命を狙われた。

本所住まいの無役の御家人・土橋木兵衛こと「へっぴり木兵衛」は持ち前の絵心と達筆を活かし、看板書きの内職で生計を立てていた。

〜江戸を揺るがす死病は狐の祟り? / 混乱の八百八町で暗躍する極悪人を浅右衛門が裁く!〜 安政五年(一八五八)、開国と同時に異国渡りの病“コロリ”が江戸に蔓延する。

仏具屋出雲屋の番頭らが、大名家へ納品する荷を運搬中、賊に襲われた。

江戸深川の東に暴虐な悪党どもが集まり住みついた、岡っ引きでも手出しが出来ない無法地帯があった。

本所のボロ屋敷に住む無役の御家人・土橋木兵衛は剣術も情にも弱く、他人から「へっぴり木兵衛」と呼ばれている。

鮮やかな緋色の襦袢に“じれった結び”の髪、唇には濡れたような紅…派手な身形で男から銭を巻き上げる無法な娘の集団に「首斬り浅」こと山田浅右衛門吉利は目を瞠った。

江戸深川、永代寺門前の花柳街を仕切る、女郎屋女主人のおらん。町で逆らえる者はいなかったが、敵対する新興勢力が現れた。

産婆のおりきと南町奉行所定廻り同心早瀬惣十郎の養子・末三郎は、ある日、鉄砲洲稲荷で苦しんでいた身重の女を助ける。

斬首刑を受ける者が腰を下ろす場所、土壇場。

江戸城を警護する御鉄砲百人組の頭で、家禄九千五百石の筆頭旗本・横田真行。

春嵐の夜に神田で起こった火事は多数の死傷者を出したが二年後に町は復興した。

霊岸島にある酒問屋の大店“泉州屋”の主・鐘左衛門が妾宅からの帰途、刺客に襲われた。

家禄九千五百万の筆頭旗本・横田真行は、江戸城を警護する御鉄砲百人組の頭だ。

下り酒問屋『丹波屋』のおかみ・お喜和は夫の死後、その美貌を武器に大店を切り盛りしていた。

烈風が吹き抜ける初冬、芝から起きた火事騒ぎに紛れて2人の悪党が押し込み強盗を働いた。

「踏み込んでくれば、店の奉公人や客は皆殺しにするぞ」京橋南鞘町で薬種を商う大店・蓬莱屋が、夕暮れ刻に押しこみに遭い、店の者やお客たちが人質となった。

江戸城を警護する御鉄砲百人組の頭、横田真行は家禄九千五百石の大身旗本。

奉行から別御用を仰せつかった同心・楓山主税助。その御用とは、大身旗本の姫を知行地・下仁田まで護衛するというものだった。

おあきは、浅草御門の近くで、顔見知りの和泉屋の女房・お光が駕篭ごとさらわれ、それを追いかけようとした岡っ引きも下手人の一人に、刺殺されるのを目撃してしまう。

島送りのため牢屋敷を出た唐丸駕篭が何者かに襲われた。

三河以来の直参・横田家は家禄九千五百石で旗本の筆頭。

角次郎と乙蔵は、「菊田川」で、ともに将来を嘱望される板前だったが、ある日、角次郎は永代橋の欄干から落ちて、死んでしまった。

閑静な町並みの、とある隠居所で紙問屋「美濃屋」の遣り手の主人・富右衛門が、全裸死体で発見された。

時は文政年間。江戸文化の爛熟期である。

御留守居役を勤める五千石の旗本・坂東の側室綾乃は、坂東に酷い仕打ちを受けていたが、雪の降るある夜、意を決して家を飛び出した。

“文化三年の大火”の江戸を舞台に描く。

煙管職人の佐之助は、品物を届けた後、かつての恋人で今は老舗足袋問屋の女房おつなと再会した。

妻を犯したならず者・錠吉を殺して出奔した燐之助。

銑次郎は三十四になる一人働きの盗賊である。それはあくまでも裏の稼業。

霊岸島北新堀大川端町の裏通りに小さな間口の豆腐屋が一軒。おやじの善助と女房のお孝。

陸前から江戸に出て剣の修行に励む若き日の千葉周作。天下の中西道場で、どうしても勝てない剣士がいた。

勤皇方に与し、幕末の京を恐怖に陥れた岡田以蔵。居合の達人で市井の試刀家、首打役にも携わる野晒唐十郎。

健気に生きながら逆い難い運命に翻弄される女たちの、宿命的なまでに哀して生き様を江戸の貧しい市井を背景に描く。

江戸庶民の正義感と人情をしっとりと描く。第12回小説推理「新人賞」受賞作。