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陰獣 さんのレビュー一覧
陰獣さんのページへ書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.62pt |
レビュー数8件
全8件 1~8 1/1ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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考えうるなかで最も醜悪な結末を迎えたシリーズ最終作。上記の評点は、シリーズを通しての点数である。主人公とヒロインごとにマルチエンディングが設けられているが、何れもシリーズを通読してきた者であれば、目を蔽いたくなるような帰結へと向かっていく。どこで間違えたのか、どのようにすればこの結末を避けることができたのか。本巻の末章を読んだ読者は、必ずその疑問に向き合うことになるであろう。そして再度このシリーズ全体に向き合い、立ち返り考え直す必要性が希求されるのである。そして思うであろう、「本シリーズは『復讐』の是非について度々論じられていたが、彼ら彼女らが決断した『復讐』とは、果たして正しい行為であったのか」。様々な視点から描かれる登場人物の行為を問題として提起し、それを我々が生きる現実へと反映させることができる、或いはそれを目的としていたようにも思われるが、兎も角、浦賀作品の集大成ともいえるシリーズであったことは間違いない。
ただし、過激な表現、易々とタブーに触れる姿勢など、無辜の万人に勧めることのできる作品ではないが、できるならば若い感性が新鮮なうちに読んでいただきたいシリーズである。早期の復刊を望む。 |
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ここのところ、浦賀和宏の安藤直樹シリーズを一から精読している。
本書はシリーズ作品の中でも一線を画す毒気とタブーとに満ちた内容であり、 あまりの凄惨且つ陰鬱な描写は読んでいて気分が悪くなる程である。 その点において賛否は分かれる内容であることは間違いないが、 安藤直樹シリーズとして読めば、ある種平常運転であるとして割り切れると思う。 また、本書は安藤直樹シリーズと言いつつも、実は安藤直樹の姉・裕子の物語であり、 同じく裕子の物語である『時の鳥籠』がシリーズ内で最も好きな作品である私にとって、 最後まで高揚したまま読み進めることができた。 本書は、カニバリズムとクローズドサークルとを包含したホラーミステリであるが、 その体裁は青春小説の体裁を取っている。 また、本シリーズはミッシングリンクしているため、 以前のシリーズ作品から通読している読者にとっては、 本書に散りばめられた様々な要点に嬉々とすること間違いないだろう。 そして、食人文化についての民俗学的知識が衒学的すぎるほどに盛りだくさんなので、 ある種その方面の研究書のような側面もあり為になった。 |
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テテンポの良い文章と、先の展開が気になるストーリー構成は、流石浦賀和宏というべきか。
ミステリーというよりは、多少の捻りがあるサスペンスものであろう。あまり、ルポライター的なノンフィクションテイストの作品は好きではないのだが、主人公の一人称視点を通して物語が進むため、読書中はさほど違和感なく読み進めることができた。やはり、浦賀和宏作品は、第三者視点よりも一人称視点で展開される方が小気味が良い。 ひとまずこれで終わりという話ではなく、続編もあるため、一作としての評価はこのようなところに落ち着くか。 |
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一巻の頃よりひねりが増えていて、面白くなってきた。
キャラクターも立っていて良いし、伏線(長女のこと)もしっかり張っているため、今後の展開が楽しみである。 また、主人公やヒロインたちが「探偵」として人々のプライバシーを根掘り葉掘りすることに疑念を抱いているという描写がある点は、この小説が単なる形だけのジュブナイルミステリーを目指していないということが理解できて、個人的に満足した。 |
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コロナ禍ということで、前々から気になっていた飛鳥部作品を一気読み。
一冊目は、まずはデビュー作から。 総評としては、図像学(イコノグラフィー)とミステリーを組み合わせた作品ということで、 当時の鮎川哲也賞では審査員満場一致で入選したと聞く。 当時からしてもこの試みは画期的であっただろうし、今読んでみても色あせない魅力を感じる。 また、図像学を抜きにしてもミステリー小説として完成度が高く、物語終盤に至って真相が二転三転するさまは見事。最後の真相には正直驚いた。 (氏の他の作品もいくつか読んでみたが、多重解決とどんでん返しが終盤に盛り込まれた作品が多いようで、氏がミステリーを書く上での一つの手法になっているのかもしれない) また、飛鳥部作品ならではの「退廃した世界」と「薄幸の少女」も健在。後の作品では幻想的な雰囲気やより崩壊した世界感の要素が強まっていくが、デビュー作である本作の段階では、まだその辺りは抑え気味であり、少なくともある程度のミステリーファンにはオススメできそうな作品である。 核となるトリック自体は、ややバカミス寄りではあるものの、近年の本格ものにみられる「単調なストーリー」「書き分けの出来ていない登場人物」といったマイナス点は一切無く、 むしろ個性的なキャラクターと、ミステリーを抜きにしても面白い純文学的な文章が体現されている。名作。 |
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暇な二人の壮大な遊び
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よくまあこんな本を書き上げたものですね…
著者の苦労が伝わりました。 |
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容疑者が多いのですが、分かりにくいということは無いです。本作も一作目に続き、時間と場所が密室を作り出すという内容ですね。
主人公の裏染天馬が一つ一つ謎を解いていくサマはスッキリします。 |
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