レビュー一覧
あんみつ さんのレビュー一覧
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
十字屋敷では数ヵ月前に竹宮グループ社長であり、水穂の伯母の頼子がバルコニーから飛び降り自殺した。
水穂の来訪は頼子の一人娘で、生まれつき足の不自由な佳織を心配してのことだった。
佳織は水穂の予想に反して着丈だったが、1年半ぶりの十字屋敷は微妙に様相を変えていた。
新たな人間の出入りと浮かび上がる歪み。
そして新たな美術品。
その一つがピエロの人形だった。
ある日悟浄と名乗る人形師が訪ねてきた。
悟浄いわくそのピエロの人形の持ち主は悲劇に見回れるというジンクスがあり、それ故に悲劇のピエロと呼ばれていた。
同じく人形師だった悟浄の父は生涯ピエロの人形を気にかけ、しかるべく処分をと言い遺した。
そのため、悟浄はピエロの人形を買値に上乗せするので譲り受けたいと申し出た。
実際、ピエロの人形は頼子が自殺した日に限って廊下に飾られており、頼子が最期に触れた物だった。
故に気味が悪いと仕舞われているばかりで譲り渡すのに抵抗はないが、一応頼子亡き今竹宮グループ社長であり、佳織の父である宗彦の許可を取って、後日引き渡しということで落ち着いた。
しかし、その晩宗彦が何者かに殺害された。
現場にはまたもやピエロの人形が置かれていた。
いったい誰が犯人なのか。
どのようなトリックが使われたのか。
水穂が思索する一方で、ピエロの人形は読者にだけ見たままの事実を語る。
はたして事件の真相はー・・・
王道の舘ミステリです。
特殊な構造の舘。
不可解な過去の事件。
いわく付の品物。
どこか歪な人間関係。
まさに王道中の王道です。
途中余計な人間関係などで話が横道に逸れることもなく、文章も読みやすいです。
しかも、ただの王道の舘ミステリで終わらせてはいません。
そこにピエロの人形の視点を上手く組み入れています。
水穂の思索がメインですが、ピエロの人形は人と異なり思い入れなどなく、見たままの事実を語ります。
推理の伏線もミスリードも、両者を使って上手く構成しています。
ミステリにも「警察物」や「ハイテク物」など様々なジャンルがありますが、久々に王道ミステリを読みたいという方などにはとてもオススメです。
▼以下、ネタバレ感想