レビュー一覧
あんみつ さんのレビュー一覧
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
ある雨の夕方、真理子は家の八畳間で一人レコードをかけ目を閉じた。
目覚めた世界は二十五年後。
一ノ瀬真理子は桜木真理子となり、自分と同じ歳、十七歳の娘がいた。
受験、都会での生活、異性との付き合い、そうしたこれから送るはずだった青春の日々。
恋愛、結婚、出産、育児というこれから送るはずだった幸せな日々。
そうした日々は非情にも、持ち得た記憶も経験もないまま、過ぎ去ったという。
一体どうなってしまったのか。
世界に独りぼっちだ。
しかし、悩み立ち止まっている暇はない。
桜木真理子は高校三年生を受け持つ国語教師だったのだ。
真理子は自尊心を持って「今」を生きる―・・・
とても綺麗な物語です。
真理子の紡ぐ言葉や情景はとても清々しく綺麗です。
時間ミステリといっても、ミステリ要素は薄いです。
確かにミステリな設定ですが、メインは非情な時の悪戯に遭った真理子の生き方だと思います。
前半は昭和四十年代から平成へと跳んだ真理子の戸惑いと今後の指針です。
急な時代の進化はもちろん、十七歳の心に四十二歳の身体という切なさや桜木家での過ごし方など。
後半は桜木真理子が高校教師であることから、舞台が家庭から高校へ移ります。
真理子が送れず、今となっては混ざることもできない、青春あふれる高校生活です。
しかし、真理子はそれを悲しむばかりではありません。
ラストは完全にハッピーエンドとは言えませんが、それでも真理子は強く美しく、そして前向きです。
このラストに至るまでの、要所要所の真理子の心情や生徒たちへ向ける言葉はとても美しいです。
もちろん、この世界観が合わない人はいると思います。
真理子は混乱し醜態をさらすことはあまりありません。
そういった真理子の強さは彼女の綺麗さに繋がりますが、そこがリアリティにかけると思う人もいると思います。
しかし、私は真理子の感性や言葉の美しさが好ましく思います。
個人的にはとても綺麗で素敵な物語だと思います。
▼以下、ネタバレ感想