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churen さんのレビュー一覧
churenさんのページへ書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.33pt |
レビュー数3件
全3件 1~3 1/1ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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600ページという長さは、読者を展開に引き込んでくれるような小説であれば、全く気にならないものです。
が、この作品はそれには当て嵌まらないようです。 いかんせん、先が全く気にならない。 原因はおそらく、この作品の焦点が常に「関根彰子の人物像」であるからでしょう。 話が進まない様に感じてしまうのは、実際に話の焦点がほとんど動かないためであると思います。 「美しい」と評されるラストですが、それもまた、この作品が上記の様な書き方をされているためです。 そういう意味では「火車」は成功しているのかもしれません。 ですが、この作品に対する評価はやはり過大と言わざるを得ません。 「火車」が刊行された当時はともかくとして、推理小説としても文学としても高い完成度を誇る作品が数多く出版されている今日。 わざわざこの「火車」を持ち出して、通の面皮で「ミステリ界永遠の最高傑作だ」なんて言うこともないでしょう。 |
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この作者はどの作品においても、登場人物を突き放したような書き方をするのですが、この「ボトルネック」はその点において群を抜いています。
主人公の少年は、最後にどの道を選んだのか。 読了後、あなたはおよそ他の小説では体験できないほどの、後味の悪さを得られるでしょう。 注)上記はすべて褒め言葉です。 この作品は主人公に同情する類のものではないでしょう。 主人公の境遇も、苦悩も、読者のお涙を頂戴するためのものでは無いのです。 突き放されて、突き放されて、読者が最後に感じるであろうあの清々しい後味の悪さこそが、この作品の本質であり、評価される部分ではないでしょうか。 私は米澤作品のなかで、このボトルネックが一番好きです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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青の炎に感激して貴志作品を読み始めた私ですが、この作品は、はずれの無い(むしろ当たりしかないと言える)貴志作品の中でも群を抜いて素晴らしかったです。もっと言うと、私が今まで読んできた小説の中で、この作品を越えるものに出会ったことがありません。
一応くくりとしてはSFに分類されているみたいですが、この作品はSF・ミステリー・ホラー・サスペンスなど、様々な要素の溶け込んだ最高のエンターテイメント小説で、かつ日本小説史に残る傑作と言えるでしょう。 文庫化されているので、書店で見かけたなら即購入することをおすすめします(笑)。 この作品に出会えたことに感謝を。 |
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