太陽の坐る場所

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評判

太陽の坐る場所の評価:

3.53/5点 レビュー 59件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.53pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全91件 61〜80 4/5ページ
No.31
(1pt)

久しぶりに読んだ大駄作

高校卒業から10年。28サイになった僕達、私達の「キョウコ」を巡る只の内輪揉め小説でした。名前に関するトリックもあからさまにいってズサンすぎだし。ミステリー作家の出してる本なんだからミステリーを望むのが普通だし。一番腹が立つのは、あらすじ書きの「一人また一人と連絡が絶ってゆく」最初はどーなってくの!?と思って色々推理してみましたが、全文読んでガックシトホホ。一番大事なとこを書き忘れて出版されたのかな?そして文庫化?こんなに腹が立つ小説は初めて読みました。ハンカチは涙をふく為ではなく、かみちぎる為に使うものなのか?
太陽の坐る場所 Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所より
416327720X
No.30
(4pt)

扉なんてない

女優として成功した高校の同級生,キョウコ.
彼女をクラス会に参加させようとする元クラスメートたちのそれぞれの思惑を中心に物語は進む.

序盤は傑出した個性の存在と,その周辺にいる人の心のうちが描かれる.
まぶしいような才能に対する賞賛とコンプレックス,そしてその不平等に対する理不尽な怒り.
「スローハイツの神様」でも描かれた青春像をより現実的で,より絶望的な形で表現するのが,
今回のテーマなのかな,と思うほど,ミステリー臭を感じせずに,心理描写に終始している.
このあたりの描写はいつもながら秀逸で,アンビバレントな心のうちが痛い程伝わってくる.

中盤ではもっと卑近的,俗物的な人物の視点で展開していく.
この辺りから,どうやら高校時代に何かあったらしいことがわかり,
少しミステリーらしくなっていく.
最終章の手前で真相が明かされるが,この手法は作者のおなじみのもので,
意外性はあるけどもびっくりするようなものではない.

クラス会に現れたキョウコと,最終章の人物との間に交わされる会話に,
高校時代に起こった事件の顛末が明かされ,
それに対するこだわり,わだかまりが実は意外に小さいだといった趣旨のやり取りが交わされる.
あれほど重大に思えたことが多感な高校時代がなせる業なのか,時が風化させたのか,
拍子抜けするほどあっさりと終息してしまう.
それが「扉なんてない」という一言に表現されている.

テーマ性,心理描写とも悪くない作品ではあるが,
序盤でイマイチ伝わりにくい文章が目に付いたのと,
高校時代へのあまりにも強いこだわりにやや不自然さを感じながら読み進めて,
最後に、そのこだわりは取るに足らないものだという結論に自家撞着な収まりの悪さを感じた.
その点を星一つ減点.
太陽の坐る場所 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所 (文春文庫)より
4167817012
No.29
(4pt)

扉なんてない

女優として成功した高校の同級生,キョウコ.
彼女をクラス会に参加させようとする元クラスメートたちのそれぞれの思惑を中心に物語は進む.

序盤は傑出した個性の存在と,その周辺にいる人の心のうちが描かれる.
まぶしいような才能に対する賞賛とコンプレックス,そしてその不平等に対する理不尽な怒り.
「スローハイツの神様」でも描かれた青春像をより現実的で,より絶望的な形で表現するのが,
今回のテーマなのかな,と思うほど,ミステリー臭を感じせずに,心理描写に終始している.
このあたりの描写はいつもながら秀逸で,アンビバレントな心のうちが痛い程伝わってくる.

中盤ではもっと卑近的,俗物的な人物の視点で展開していく.
この辺りから,どうやら高校時代に何かあったらしいことがわかり,
少しミステリーらしくなっていく.
最終章の手前で真相が明かされるが,この手法は作者のおなじみのもので,
意外性はあるけどもびっくりするようなものではない.

クラス会に現れたキョウコと,最終章の人物との間に交わされる会話に,
高校時代に起こった事件の顛末が明かされ,
それに対するこだわり,わだかまりが実は意外に小さいだといった趣旨のやり取りが交わされる.
あれほど重大に思えたことが多感な高校時代がなせる業なのか,時が風化させたのか,
拍子抜けするほどあっさりと終息してしまう.
それが「扉なんてない」という一言に表現されている.

テーマ性,心理描写とも悪くない作品ではあるが,
序盤でイマイチ伝わりにくい文章が目に付いたのと,
高校時代へのあまりにも強いこだわりにやや不自然さを感じながら読み進めて,
最後に、そのこだわりは取るに足らないものだという結論に自家撞着な収まりの悪さを感じた.
その点を星一つ減点.

太陽の坐る場所 Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所より
416327720X
No.28
(1pt)

他の作品との落差

頭が良くて(実際は自意識過剰で考えすぎなだけだが)人と本心から付き合えない女性はこの作品にも絶賛登場中。

これは作者の自己投影なのでは、と考えてしまう。

トリックが中途半端でこの人の持ち味が出ていない。辻村深月には他に傑作がいくらでもある。
太陽の坐る場所 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所 (文春文庫)より
4167817012
No.27
(1pt)

他の作品との落差

頭が良くて(実際は自意識過剰で考えすぎなだけだが)人と本心から付き合えない女性はこの作品にも絶賛登場中。

これは作者の自己投影なのでは、と考えてしまう。

トリックが中途半端でこの人の持ち味が出ていない。辻村深月には他に傑作がいくらでもある。
太陽の坐る場所 Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所より
416327720X
No.26
(3pt)

10代と20代の自分をつい振り返ってしまいます。

10代と20代。田舎と都会。女性から見た、仕事と家庭(育児)。

さまざまな対比が出てくる中、28歳という、若いとも言えず、かといって人生の酸いも甘いも知り尽くしたような成熟さはまだない年齢の主人公たちが、その対比のどちら側のスタンスを良しとしているのか、そして自身のスタンスでないものをどのように評価し、折り合いをつけ、人生に向き合っているのかが書かれている。

主人公たちとほぼ同年代の自身としては、物語の外側から彼らを見ていたい気持ちを持ちながらも、ついつい物語の中に入ってしまうような感覚を覚えた。その感覚というのは割と強烈で、自身があたかも彼らの学生時代、同じ教室にいたかのような錯覚を起こし、また、同僚として働いているような感覚に陥り、それは読了後も暫く続いた。

著者の得意とするところの、登場人物同士の人間関係のトリックを含み、全体的に、≪高校生時代という思春期の複雑な出来事や気持ちを追体験する≫物語、というところに集約されると思う。物語に浸りたい人にお勧めしたい一冊である。
太陽の坐る場所 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所 (文春文庫)より
4167817012
No.25
(3pt)

10代と20代の自分をつい振り返ってしまいます。

10代と20代。田舎と都会。女性から見た、仕事と家庭(育児)。

さまざまな対比が出てくる中、28歳という、若いとも言えず、かといって人生の酸いも甘いも知り尽くしたような成熟さはまだない年齢の主人公たちが、その対比のどちら側のスタンスを良しとしているのか、そして自身のスタンスでないものをどのように評価し、折り合いをつけ、人生に向き合っているのかが書かれている。

主人公たちとほぼ同年代の自身としては、物語の外側から彼らを見ていたい気持ちを持ちながらも、ついつい物語の中に入ってしまうような感覚を覚えた。その感覚というのは割と強烈で、自身があたかも彼らの学生時代、同じ教室にいたかのような錯覚を起こし、また、同僚として働いているような感覚に陥り、それは読了後も暫く続いた。

著者の得意とするところの、登場人物同士の人間関係のトリックを含み、全体的に、≪高校生時代という思春期の複雑な出来事や気持ちを追体験する≫物語、というところに集約されると思う。物語に浸りたい人にお勧めしたい一冊である。
太陽の坐る場所 Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所より
416327720X
No.24
(4pt)

読むなら2回

他の方が言われている、「名前のトリック」が自分には不要なものに思えた。この著者の作品を読むのは初めてなので、それが作者の特徴というか、技巧のようなものであったとしても、自分にとっては話を分かりにくくしているだけのものだった。誰が誰だか分かってから読んだ2回目のほうが、私は面白く感じたし、一回目に不快感を覚えた登場人物たちにも共感を持てた。
太陽の坐る場所 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所 (文春文庫)より
4167817012
No.23
(4pt)

読むなら2回

他の方が言われている、「名前のトリック」が自分には不要なものに思えた。この著者の作品を読むのは初めてなので、それが作者の特徴というか、技巧のようなものであったとしても、自分にとっては話を分かりにくくしているだけのものだった。誰が誰だか分かってから読んだ2回目のほうが、私は面白く感じたし、一回目に不快感を覚えた登場人物たちにも共感を持てた。
太陽の坐る場所 Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所より
416327720X
No.22
(1pt)

何とか我慢して読んだけれど

正直かなりしんどかった。
妬み確執陰湿醜悪のオンパレードで、読んでいて非常に不愉快。
それも登場人物の一人や二人ならまだしも、どうして皆そろってこうなのか。
構成面も、書いた本人は緻密に計算したつもりかもしれないが、読んでいてイライラする。
文章も稚拙というか独り善がり。
太陽の坐る場所 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所 (文春文庫)より
4167817012
No.21
(1pt)

何とか我慢して読んだけれど

正直かなりしんどかった。
妬み確執陰湿醜悪のオンパレードで、読んでいて非常に不愉快。
それも登場人物の一人や二人ならまだしも、どうして皆そろってこうなのか。
構成面も、書いた本人は緻密に計算したつもりかもしれないが、読んでいてイライラする。
文章も稚拙というか独り善がり。
太陽の坐る場所 Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所より
416327720X
No.20
(2pt)

作者は何を言いたいのか・・・

毎年開かれるクラス会。今まで一度も出席することのなかった「キョウコ」。女優になった
彼女を何とか呼び出そうと、かつてのクラスメートたちは画策する。高校卒業から10年。
28歳になった彼らは、高校時代のほろ苦いできごとを思い出していた・・・。

時には、人を傷つけてしまうようなことを平気でやってしまう残酷さを持つことがある。
学校生活は、決して楽しいことばかりではない。月日がたったとき、つらかったことや
苦しかったことも、懐かしい思い出にすることができるのか?この作品に登場する人たちの
胸に去来するさまざまな思い。「キョウコ」との関わり。大人になった彼らが直面する問題。
それらを作者はていねいに描写しているつもりなのだろうが、理屈っぽくくどさを感じる。
すんなりと入ってこない。それどころか、読めば読むほどイライラが募っていく。話の組み立て
方や展開の仕方がいまいちだ。「トリック」もありふれたもので、それが分かったときも
「なるほど!」とは思わなかった。意外性のないトリックほどつまらないものはない。この
作品の中で作者が言いたかったのは何か?分からない・・・。作者の自己陶酔型の作品と
いった印象だった。
太陽の坐る場所 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所 (文春文庫)より
4167817012
No.19
(2pt)

作者は何を言いたいのか・・・

毎年開かれるクラス会。今まで一度も出席することのなかった「キョウコ」。女優になった
彼女を何とか呼び出そうと、かつてのクラスメートたちは画策する。高校卒業から10年。
28歳になった彼らは、高校時代のほろ苦いできごとを思い出していた・・・。
時には、人を傷つけてしまうようなことを平気でやってしまう残酷さを持つことがある。
学校生活は、決して楽しいことばかりではない。月日がたったとき、つらかったことや
苦しかったことも、懐かしい思い出にすることができるのか?この作品に登場する人たちの
胸に去来するさまざまな思い。「キョウコ」との関わり。大人になった彼らが直面する問題。
それらを作者はていねいに描写しているつもりなのだろうが、理屈っぽくくどさを感じる。
すんなりと入ってこない。それどころか、読めば読むほどイライラが募っていく。話の組み立て
方や展開の仕方がいまいちだ。「トリック」もありふれたもので、それが分かったときも
「なるほど!」とは思わなかった。意外性のないトリックほどつまらないものはない。この
作品の中で作者が言いたかったのは何か?分からない・・・。作者の自己陶酔型の作品と
いった印象だった。
太陽の坐る場所 Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所より
416327720X
No.18
(4pt)

辻村さんのファンにおすすめ

この作品は、5人の視点を通して描かれているのですが、個々の登場人物の描写が大変秀逸です。
元々人物のかき分けが上手な作家さんだなと思っていましたが、作品を経るごとにキャラクターの幅や心理描写に厚みが出ています。
また、伏線の張り方も毎度の事ながら丁寧です。種明かしをしたときに改めて「なるほど!」と驚ける。
辻村さんらしい仕掛けのある作品に仕上がっているのではないでしょうか。

ただ今回の作品に限って言えば、それぞれの心理描写が巧みであるために、かえって登場人物がみな同じに見えてしまうところがある気がします。
語り手のほとんどが女性なのですが、多少の性格の差はあっても、結局気にしていることや価値基準が同じところに行き着いているように思えました。
一人二人ならまだしも、はたして語り手の全員が似たような価値基準というのはどうなのだろう。きわめて個人的な欲を言えば、もっと違う価値観で動いているキャラクターを出してもよかったのかもしれないと思います。
私は女性読者ですが、上記の部分に関して共感のしづらさを覚えました。(という理由で、☆をひとつ減らしました)

『子どもたちは夜と遊ぶ』や『凍りのくじら』にあるような、読後感のさわやかさなどはあまり期待できないかもしれません。
辻村さんのファンで、辻村さんの作品ならどんなものが来ても好き! という人にはおすすめできる本だと思います。
太陽の坐る場所 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所 (文春文庫)より
4167817012
No.17
(4pt)

辻村さんのファンにおすすめ

この作品は、5人の視点を通して描かれているのですが、個々の登場人物の描写が大変秀逸です。
元々人物のかき分けが上手な作家さんだなと思っていましたが、作品を経るごとにキャラクターの幅や心理描写に厚みが出ています。
また、伏線の張り方も毎度の事ながら丁寧です。種明かしをしたときに改めて「なるほど!」と驚ける。
辻村さんらしい仕掛けのある作品に仕上がっているのではないでしょうか。
ただ今回の作品に限って言えば、それぞれの心理描写が巧みであるために、かえって登場人物がみな同じに見えてしまうところがある気がします。
語り手のほとんどが女性なのですが、多少の性格の差はあっても、結局気にしていることや価値基準が同じところに行き着いているように思えました。
一人二人ならまだしも、はたして語り手の全員が似たような価値基準というのはどうなのだろう。きわめて個人的な欲を言えば、もっと違う価値観で動いているキャラクターを出してもよかったのかもしれないと思います。私は女性読者ですが、上記の部分に関して共感のしづらさを覚えました。(という理由で、☆をひとつ減らしました)
『子どもたちは夜と遊ぶ』や『凍りのくじら』にあるような、読後感のさわやかさなどはあまり期待できないかもしれません。
辻村さんのファンで、辻村さんの作品ならどんなものが来ても好き! という人にはおすすめできる本だと思います。
太陽の坐る場所 Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所より
416327720X
No.16
(4pt)

またか【ネタばれ】

登場する女が全員悪意むき出しすぎてひいた。
たしかに悪意を含めた心理描写を売りにしている作品も多いが、これは読んでいてやや不快になった。
なんだか誇張しすぎではないだろうか。
女の裏側はこういうものだ、と決めつけて書いている印象を受けた。
そのためすべての登場人物がみな悪意むき出しで、全員同じような性格をしている感じがした。
こう感じるのは、私が男だからだろうか。
そしてこの作者の作品の、主人公のひとり語りがどうも好きになれない。
意味のわからない比喩が多すぎて、周りくどすぎる。
文章に歪みを感じる。
締めはお得意の「名前」のトリック。
見事だ。伏線はしつこいくらい張っていた。
キョウコ、リンちゃん、倫子、みっちゃん、里見、聡美。
鳥肌が立った。
読みかえしてみると、いかに丁寧に設定を作ったかがよくわかる。
最後はハッピーエンドに落ち着くものよかった。
だが、またこのパターンか、と感じたのも確か。
もっとほかのテイストの作品を期待したい。
太陽の坐る場所 Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所より
416327720X
No.15
(3pt)

驚きは少ない

高校卒業から10年、28歳になった同窓生の話題は女優になったクラスメートの「キョウコ」。卒業後、一度もクラス会に参加することのないキョウコをクラス会に出席させようと企むが、それは高校時代と今をつなぐそれぞれの傷に触れることになるのだった……

 辻村さんの作品は、人がそれぞれに抱えているネガティブな感情を逃げることなく、イタく、それでいて優しく描きます。今作は「傑作ミステリ」なんて帯に振られてしまっていますが、ミステリ色はかなり薄く、5人の同窓生の視点でキョウコへの関わりや感情を軸にそれぞれの生活を描いています。
 ただ、個人的には「スロウハイツの神様」や「凍りのくじら」、「僕のメジャースプーン」のようなカタルシスを感じるどんでん返しが今作ではとても成功しているとは思えないので、ちょっと評価は低め。

 他人にはお薦めしませんが、辻村さんの作品が好きならば……といったところでしょうか。
太陽の坐る場所 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所 (文春文庫)より
4167817012
No.14
(3pt)

驚きは少ない

 高校卒業から10年、28歳になった同窓生の話題は女優になったクラスメートの「キョウコ」。卒業後、一度もクラス会に参加することのないキョウコをクラス会に出席させようと企むが、それは高校時代と今をつなぐそれぞれの傷に触れることになるのだった……
 辻村さんの作品は、人がそれぞれに抱えているネガティブな感情を逃げることなく、イタく、それでいて優しく描きます。今作は「傑作ミステリ」なんて帯に振られてしまっていますが、ミステリ色はかなり薄く、5人の同窓生の視点でキョウコへの関わりや感情を軸にそれぞれの生活を描いています。
 ただ、個人的には「スロウハイツの神様」や「凍りのくじら」、「僕のメジャースプーン」のようなカタルシスを感じるどんでん返しが今作ではとても成功しているとは思えないので、ちょっと評価は低め。
 他人にはお薦めしませんが、辻村さんの作品が好きならば……といったところでしょうか。
太陽の坐る場所 Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所より
416327720X
No.13
(5pt)

キョウコ

キョウコという女とその同級生たちの物語です。
同窓会というキーワードを軸に、彼らが過去と現在を五人が語っていきます。

古事記の天照のエピソードを引き合いに太陽は誰なのか。輝いているのは誰か?という問いかけがあります。劣等感や見栄といったものにも踏み込んで書かれていて、リアルで怖いなと感じました。作者の著作「名前探しの放課後」にもでてきた「地方と都会」の格差やギャップを含めた問題や「名前」という記号に対する考察もあります。この名前というのがポイントにもなっています。ミステリ的な仕掛けです。

この人の作品は青春というか学生時代もしくは十代から二十代前半の時期の主人公が多いので、誰もが過ぎ去った、もしくはこれから通り抜ける経験なので共感できる部分が多いのではないかと。
しかし、この作者の視線はすごい。誰もが知っているのに、誰も書いていない。この青春の、人間の部分を書き出す力は本当にすごい。経験したはずなのに完全に忘れたことを思い出します。

本文の、「どんな些細なことであろうとも私は覚えている」、といった言葉と「どれだけつらくても、戦線恐怖していたとしても通り過ぎてしまえば完全に忘れてしまう」という2つの逆の意味の文章が2つとも本当にその通りだなと。

あと、穿ちすぎかもしれませんが、文芸春秋ということで桜庭一樹さんのように文学賞の射程に入れば、多くの人に読まれる機会が増えて嬉しいなとも思いました。
太陽の坐る場所 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所 (文春文庫)より
4167817012
No.12
(5pt)

キョウコ

キョウコという女とその同級生たちの物語です。
同窓会というキーワードを軸に、彼らが過去と現在を五人が語っていきます。
古事記の天照のエピソードを引き合いに太陽は誰なのか。輝いているのは誰か?という問いかけがあります。劣等感や見栄といったものにも踏み込んで書かれていて、リアルで怖いなと感じました。作者の著作「名前探しの放課後」にもでてきた「地方と都会」の格差やギャップを含めた問題や「名前」という記号に対する考察もあります。この名前というのがポイントにもなっています。ミステリ的な仕掛けです。
この人の作品は青春というか学生時代もしくは十代から二十代前半の時期の主人公が多いので、誰もが過ぎ去った、もしくはこれから通り抜ける経験なので共感できる部分が多いのではないかと。
しかし、この作者の視線はすごい。誰もが知っているのに、誰も書いていない。この青春の、人間の部分を書き出す力は本当にすごい。経験したはずなのに完全に忘れたことを思い出します。
本文の、「どんな些細なことであろうとも私は覚えている」、といった言葉と「どれだけつらくても、戦線恐怖していたとしても通り過ぎてしまえば完全に忘れてしまう」という2つの逆の意味の文章が2つとも本当にその通りだなと。
あと、穿ちすぎかもしれませんが、文芸春秋ということで桜庭一樹さんのように文学賞の射程に入れば、多くの人に読まれる機会が増えて嬉しいなとも思いました。
太陽の坐る場所 Amazon書評・レビュー: 太陽の坐る場所より
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