魔都
評判
魔都の評価:
4.50/5点 レビュー 14件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21〜23 2/2ページ
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魔都の評価:
4.50/5点 レビュー 14件。 C ランク
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ひとまず『魔都』は探偵小説であるということができる。その観点からすれば、たしかに最後の謎解きのあいまいさは見過ごすことのできない瑕疵である。しかし、その探偵小説という枠組みはこの作品の一番外側の表皮にすぎず、むしろ実質は妖しい雰囲気を身に纏った昭和初期の東京を鮮烈に描いた「都市小説」なのだと言い直すことができよう。読者はこの物語を読み進めるあいだ、昭和10年代に同期する。そこには、久世光彦が解説で回顧しているように、関東大震災から太平洋戦争までのわずか20年ぐらいにしか存在しなかった東京の幻影が浮き彫りになる。探偵小説としての不十分さなどもはや気にならず、結末よりもそこにいたる物語の豊かな重層性に魅了されてしまう。その意味では、例えば、メルヴィルの『白鯨』の豊穣さとも相通ずるし、また1日の出来事を描いているという点では、ジョイスの『ユリシーズ』を彷彿させる。英米の頂点に君臨するそれらの作品と対置するのは大げさであろうか。