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【久永実木彦】
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雨音の評価:
4.00/5点 レビュー 3件。 - ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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愛する者が恐怖をもたらす
傑作です
大量殺傷事件に巻き込まれてさえも、スミヒコは何かを求めない。スティーブン・キングならば人間を破壊する暴力の恐怖を描くだろうが、ただ礼儀正しく世界と対峙している。
奪わない青年である彼は映画を作ろうとする大学生であり、映画を撮る人は創作者だけれど観察者でもある。ひたすら他者と世界を見つめ語る。それによってひそやかに世界を変えるとしたら作中繰り返し言及される『レディ・イン・ザ・ウォーター』と同様なのだろうか。そんな予測は裏切られて、スミヒコが愛する人間たちは次々と消え去り、恐怖を運んでくる。
ベニにとって分かちがたい強いつながりを持つ人が恐怖を運び、スミヒコにとって最愛の人が恐怖を運んでくる。恐怖は消えない。
暴力よりも愛こそが恐怖を運んでくる。
端麗な語り。絶望と暖かさ。
久永実木彦らしいホラー