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天路の旅人
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天路の旅人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.51pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全90件 81~90 5/5ページ
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先ず、昔TV番組で知った西川一三という人物が、目の前に居て話を聞いている様な感じになった。作家沢木を通してなのだが直に本人に触れられたようだった。次に行ったことの無い大陸の奥の深くとてつもない高い所へ目が開かれた気がした。一気に心を掴まれた本。 | ||||
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作家は沢木耕太郎。私は大学時代に深夜特急に影響されてバックパックで旅にでた。 青臭くて、ホロ苦い青春の思い出。 沢木耕太郎は「大好物」だが、題材が第二次大戦末期の密偵の話。 当時を知る関係者は亡くなり、資料の引用の本かと疑いつつも購入。 杞憂でした。沢木耕太郎はなんと当人『西川一三』さんに取材済み。盛岡まで通い完成まで25年かけた超弩級のノンフィクション。 私は年100冊以上のルポ、ノンフィクションを読むが今年の1冊はこの作品だ。 作品にかけた時間。手間暇、内容まで考えれば税込み2640円は激安。 炬燵ネタ、ネット無料記事では味わえない極上の作品はここにあります。 沢木耕太郎には傑作「キャパの遺言」もある。どれほどの隠し球を持っているのか… | ||||
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日中戦争から第二次世界大戦間の、スパイとして、中国からモンゴル・チベット・インド・ヒマラヤ等をラマ僧として現地の言葉を学び、その地の人民に溶け込み、諜報活動と旅した苦労の記録。私にはむしろ西方見聞録として読ませてもらった。 | ||||
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沢木耕太郎にしか書けけない!読みごたえがあった。 密偵という形の旅の形。 | ||||
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「旅行記」は三つに分類できると思う。 一つめは行ったことがある土地の描写に対して「そう、そう。」と同意したり「それは違うだろう。」とつっこんだりする「復習追体験」もの。 二つめは「時間と金銭に余裕ができればいつかは絶対に行ってみたい。」のであらかじめ知識を仕入れるための「予習願望」もの。 そして最後は「絶対に行けないけれど、とにかく読んでいるだけで興奮が止まらず、紙の上での旅行を楽しませてくれる。」という「空想」もの。 本書はまさにこの三番目の頂点です。今でさえ簡単には行けそうもない土地をほぼ徒歩で旅をつづけた大紀行文学です。しかも戦時下に「密偵」として危険な任務に自ら身を投じて、ありとあらゆる苦難をやり過ごし、もっともっと旅をしたかったのに終戦を迎えてほぼ強制的に帰国せざるを得なかった無念の記録でもありました。 それをご本人から聞き取って熟成させる技巧はこの作者ならではの味わいであり、後半はこの旅に終わりがないことを祈る気持ちがとても強くなってきて、読了と同時におおきな寂寥感が襲ってきました。 | ||||
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チベット、インドにもバックパッカーとして 旅をしたことがありますが、 想像を絶する体験記を読むことができました。 正真正銘の身一つで旅する。 現代ではもう出来なくなった旅の形。 必読です。 | ||||
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40年前に西川一三氏を囲む小さな集まりに出席した時、芙蓉書房本の裏表紙に図々しくもサインをいただきました。チベット文字だったと思います。その頃20代だったわたしは三冊を必死になって読破した直後に偶然、この機会を得ることができたのです。長い年月が過ぎたある日また偶然、西川一三氏の名前を新聞広告で発見した時は懐かしい気持ちと共にご健在なのかとても不安になり早速取り寄せました。沢木耕太郎氏が訪れた懐かしい盛岡の居酒屋さんやホテルを思い浮かべながら読み進みました。背高ノッポのロブサンとの旅の続きが、沢木氏のガイドで私にとって40年ぶりにはじまりました。 20代の印象通りやっぱりロブサンは変わらない魅力的な若者でした。そして長い旅が終わってもロブサンらしく生き抜いたことがわかりました。推測ですが栞紐の色は青海湖の色ですね。 | ||||
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発売日の2022/10/27から読み始めて、途中何冊か別の書籍を読みながら「天路の旅人」(沢木耕太郎 新潮社)を読み終えました。<大部>のノンフィクションですが退屈で読み切ることができなかったわけではなく、読み終えてしまうのが惜しい自分がいて幾章かずつ読み進めたというのが正直な気持ちです。 本書は第二次大戦末期、日本の独りの若者が敵国・中国へ潜入。彼はラマ教の巡礼に扮して我が国の「密偵」として旅を続けます。そして、日本が敗戦を迎えた後もラマ教の僧侶としてエベレスト、カルカッタ、デリーにまで及ぶ八年の旅の日々を継続しますがその「旅」を克明に記した(勿論、そのことを私たちは沢木耕太郎氏ほどに検証することはできませんが)ノンフィクションです。 元本として旅人・西川一三が書いた「秘境西域八年の潜行」という書物が存在しますが、その書物との出会い、何故この書物を再現しようとしたのかに至るプロセスがまずサスペンスに満ちており、また「旅」を終えた旅人との一年にも渡るインタビューを含む沢木耕太郎氏と西川一三氏との交流が「何故、人は旅をするのか?」という原初的な問いかけへと立ち戻らせ、リーダビリティの高い書物へと結晶しています。 平安を生きる(或いは平和ボケを生きる(笑))私から見てその過酷な「旅」そのものについては、じっくりと本書をお読みいただければと思います。 白眉は「チュンビ渓谷が見え、チョモラリの白い峰がそびえ、ヒマラヤ山脈の一部であり、チベットとインドとの国境」へと至る旅人・西川一三の眼差しの中にあります。 また、御詠歌を歌い托鉢を続けながら「そう多くの物を喜捨してもらう必要はない。その日一日食べる物があればいい」西川一三の<人となり>の中に沢木耕太郎の眼差しと共通する旅人の在り方が体現されており、それであるが故に深い感銘を受けることになるのかもしれません。 私事ながら、私の父は太平洋戦争を「海軍」で過ごし、その後或る地方都市の商店主としてその生涯を送りましたが、時折「戦争が懐かしい」と言うことがありました。"噴飯もの"の言葉だと今でも思いながらも、彼はその後の人生を正月の一月一日以外三百六十四日、店を開け続け、結果一家を支え続けることにもなりました。そこに至るプロセスの差は西川一三氏とはとても比較にならない労力だったかもしれませんが、その思いは似たようなものに起因しているのではなかったでしょうか? 「戦争」に青春を取られ、費やした人生の「旅人」はそれが事実として終結した後も、その後の「戦争」を生きたことになるのでしょうか?托鉢を続けるラマ教の僧侶のように。それは彼らの「日の残り」の生き様として胸に迫るものがあります。 「戦争」があろうがなかろうが、私の父の<精神性>の中にも「自由な旅人」としての日々の暮らしがあったとするならば、それは本当に良かったと思えます。 「秘境西域八年の潜行」がその後の「旅」を実感させ、珍しく父親を想う体験へとつながりました。ありがとうございました。 | ||||
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『深夜特急』の「旅を通してのわたし」、『凍』の「挑むことを通してしか得られないもの」、『壇』での「聞き書きを通した深い内面描写」ー。これまでの傑作のエッセンスがすべて集約されたような一冊。描かれた西川氏が戦後過ごした生き方を、その奥底までわかろうとした上で柔らかく肯定しているのが印象的。著者の人間観まで伝わってきたように感じ、久しぶりに心が強く揺り動かされる本を読みました。 | ||||
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ところどころ深夜特急にでてくるようフレーズが出てきた。 深夜特急がたまらなく好きな人は必読の書。 | ||||
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