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お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課
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お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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死んでも救われないって悲しすぎですよね。 そんな元人だったひとを、あれやこれやで問題解決するために奮闘するお話です。 涙あり、笑いあり。お勧めです。 | ||||
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いい歳をしてなんですが、涙で小さい文字が読めなくて困りました。 地縛霊のけなげとも言える強い思いと、それに奇想天外な発想でその思いに答えようとする主人公の活躍に、ニヤリとしながら涙をこらえきれなかった自分ですが、読み終わった後心の中に爽やかな風が吹いているのも感じました。 二作目を読むのが楽しみです。 | ||||
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おもしろい。普通のドタバタで日常感のある非日常の幽霊妖怪ものなんだけどその日常感が役所的な業務という。 昔ラノベを読んでいておっさんになってしまったくらいの人に響きそう。 唯一残念なのはコミカライズ版の絵師があんまり良くなかったこと。 当たりを引いてたらアニメ化くらいしてそうな良作。いや主人公が若くないから厳しいか。 | ||||
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国交省で地縛霊対策というのは、発想として面白そうなので1,2をまとめて購入して読んだものの文章にストーリー展開とあまり関係ない無駄な描写が多くて読んでいると疲れる。 無駄な描写を省いたら1/3くらいのページ数になるのではないかと思われる。 この作者の特徴なのだろうか? 購入するには値しないと思います。 | ||||
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面白かったです。読みやすくてどんどん進めました。 幽霊扱ってますが全然怖い要素無くコメディタッチ?なのもイイ★ 是非続編を書いていただきたいです!むしろシリーズ化も応援します(*^^*) | ||||
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インフラ建設に携わる人間が、とにかく大きな仕事を成し遂げたいと欲望を抱くことは知っている。 しかし己の為の野心だけで過酷な仕事を完遂できるだろうか。 私はそうは思わない。 困っている人を助けたい、周りを豊かにしたい、そんな他者を思い遣る気持ちがなければ次々と現れる難題の前に早々と諦めてしまうだろう。 主人公の朝霧はまさにそんな人間だ。 デフレ時代にふさわしく野望はみみっちく欲望の解消に牛丼屋に向かい女子力は低いかもしれない。 しかし他者の幸せを願い(この作品の場合死者だが)、困難な事案に立ち向かう様はまるで建設マンのようだった。 本書の読了後に青函トンネルや黒部ダムの建設中事故で多数の死者が出ている事実を思い出した。 重機が生まれる前の時代ではインフラ整備は更に過酷だっただろう。 そんな先人の犠牲や想いの元に今の生活がある事実には中々気付くことはできないが、本書を読んでいる間考えることができた。 硬い紹介になりましたが本書はほぼラノベです。テンポよく読めます。展開もスムーズです。おすすめです。 | ||||
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文章がシンプルで読み疲れない本だと思いました。 書き出しの状況設定が長めなのは、キャラクター設定をきちんと考えられている裏返しと感じました。各ストーリーも日本人が持っているであろう心情が表現されていてとても面白く読ませて頂きました。 | ||||
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いわゆるライトノベルではあるものの、結構深いテーマを扱っているのがこの本の魅力です。 人は死んでもその思いは残る。日本の国土はそういう「思い」も含めて、先人から脈々と受け継がれてきたものだ。生きている者だけのものではない。そんなことを気づかされます。 日本人が未だ体験したことのない人口減少社会に突入した今、これからの国土のあり方を方向づける、まさに「国土政策」が必要だと思います。騙されたと思って読んで損はない本です。 | ||||
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内容は先にレビュー上げてる方がバッチリ書かれているで、割愛。 面白いです。こういう課ってホントに必要なんじゃないかしら…と思わせてしまう。国土交通省が交渉しているのは、生きている人間サマだけではないな、と。実際に国土交通省にお勤めの方が「これ、面白い」とおっしゃっていました。本当に交渉は大変なお仕事のようですから。 夕霞の成長ぶりや、辻神課長&火車先輩の今後、他にもいらっしゃるであろう幽冥課の職員の方々、諸事情により現世に留まり続ける地縛霊?の皆様との絡みも見たいと思いますので、是非続編を希望します‼ | ||||
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5年前にガガガ文庫から「猫にはなれないご職業」でデビューした竹林七草。 その後T‐LINEノベルズというレーベルから創刊ラインナップとして一冊書いたものの なんとその一冊をもってレーベルが廃刊という悲しい経験をしてから音沙汰がなかったので不安になっていたのだけど、 なぜか突然集英社文庫から書き下ろしで本作を発表する事に。 壁井ユカコや美奈川護とラノベレーベル出身作家に書く場を与えてくれる集英社文庫の存在は有り難いが、 ダッシュエックスや集英社オレンジといったレーベルの存在意義はどこに…と首を捻りながら拝読。 物語は主人公の朝霧夕霞が荻窪にある印刷会社の新入社員入社式に臨む場面から始まる。 同期入社の若者たちと並んで迎えた社長の挨拶だったが、なんと社長は二度目の不渡りを出しこの会社の倒産が決まった事を宣言。 入社式を放り出して経営幹部と見苦しい責任の擦り付け合いを始める社長の姿を前に夕霞は自分がまたしても無職になった事を悟る。 学生時代の就職活動は全敗でやむなく卒業と同時に非正規雇用の職に就いた夕霞だったが、 何故かどの職場も働き始めた途端に経営状況が悪化して会社都合で冷たい世間に放り出される失業の日々を一年も繰り返していた。 荻窪からアパートのある豊島区要町まで電車代節約のために歩いて帰った夕霞だったが、 自宅近くの公園に辿り着いた所でそれまで我慢していた惨めさが溢れ出してしまい号泣してしまう。 ひとしきり泣いた夕霞がふと公園内の広報版に目を向けるとそこには「職員募集・資格不問」と記された張り紙が。 天の助けと張り紙を見た夕霞を驚かせたのはその募集を掛けているのが天下の国土交通省という事。 まさかと思いつつも張り紙に書いてあった電話番号をコールした夕霞に応えたのは 「国土交通省国土政策局ユウメイ推進課の辻神です」という男の声だった。 資格不問の件を確認しようとした夕霞に辻神と名乗る男は張り紙がまだ見えているのなら十分応募の資格ありだと答える。 善は急げと翌日に採用試験のアポを入れた夕霞は一晩明けて霞が関に向かう事に。 指定された住所をスマホに入力して合同庁舎の中を抜けていく夕霞だったが、方向指示は思わぬ方向を示し続け 辿り着いたのは新橋の裏路地にある蔦の絡まった幽霊でも出そうな汚い雑居ビルであった。 不審に思いながらビルに足を踏み入れた夕霞が目にしたのは一階から八階まで何の表示もない入居プレートの下に 冗談の様に張り付けられた「B1 国土交通省」と書かれたコピー用紙。 からかわれたのか、とゲンナリして帰ろうとする夕霞だったが、目の前には通せんぼをするかの様に一匹の猫が。 やむなく他の出口を探そうと振り返った夕霞に「まさか、帰る気じゃないだろうな」という声が聞こえる。 はっと立ち止まった夕霞の隙を突くように飛び掛かってきた猫はなけなしの生活費が入った夕霞のバッグを咥えて 一目散に階段を駆け上がっていく。 必死で後を追った夕霞は何故か「試験会場」と張り紙がしてあった屋上で放置されたバッグを見付ける。 「もう東京での就職を諦めて地元でニートにでもなるか」と錆の浮いた欄間に寄りかかる夕霞だったが、 「あんまり深く寄りかかると危ないよ」と声を掛けてきたのはコート姿の同年代っぽい女の子。 夕霞より先に屋上にいたという彼女はここが試験会場だと思ってやって来たという夕霞の話に爆笑する。 それじゃアンタは何しにここにいるのよ、と問い返した夕霞に女の子は伝えたい思いがあるから、と返す。 聴けば隣のビルの3Fにいつも目は合うが想いを伝えられない彼がいて、でも自分はここから動けないという。 好きな人を前に足が竦んでいるのだと察した夕霞は「落ちないよう声掛けてくれた命の恩人だし」と 彼女の想いを伝えて、返事を持ち帰る事を約束した上で隣のビルへ。 隣のビルの入り口で守衛に3Fに上がりたい事を伝えた夕霞だったが、守衛の老人は3Fに上げるのは良いが、 そこは10年前からずっと空きテナントになったままだと言い…… 良いね! 大変ハートフルでハートウォーミング、作者らしい「人の死」を絡めた話でありながら、決して陰々滅滅とした話にはせず、 むしろ読むと心がほっこりするタイプのライト文芸っぽい仕上がりになっている。 失業続きの女の子(20代前半なら十分「女の子」だろ?)が国土交通省の臨時職員として雇ってもらい奮闘するという 「お仕事頑張る系女子」が主人公。 物語の方は国土交通省の職員募集に応募した主人公の夕霞が成仏できずに特定の土地に居座っている地縛霊に この世からのご退場をお願いするという「幽冥推進課」に採用試験をクリアして雇われ、 国土交通省の様々な部門から国土開発の妨げとなる地縛霊にご納得の上で成仏して頂くべく悪戦苦闘する姿が描かれている。 基本の構成は採用試験の様子を描いた第一話を含む、三編の連作短編形式。 上に書いた冒頭部分からもお分かり頂けるかもしれないが、基本的に主人公の夕霞はどうしようもなくお人好し。 ビルの屋上で落ちそうになった所を注意して貰ったからと見ず知らずの女の子の恋のメッセンジャーとして やっぱり見ず知らずのビルに入ろうとする辺り、全身から「いいひと」臭が漂っている様な感じの人間として描かれている。 そんな夕霞が任されるのが「どうしてもこの世を去れない想いを抱えている地縛霊の成仏」要するに立ち退きの強制執行。 お人好しな夕霞は当然の事ながら役所の論理と人情の板挟みに。 なので描かれる夕霞の悪戦苦闘も自然と「無理やりご退場頂くのではなく、ご納得の上で成仏して頂く」方向へ持っていく そんな苦労譚となっている。 今回夕霞がこの世からご退場頂くのは 第一話に登場する新橋の雑居ビルの屋上で10年以上動けないまま隣のビルの気になる彼氏への想いを抱く女の子であり、 青梅インターの近くのトンネルで妻子の待つ自宅へ帰るべく車に乗せて貰おうとし続けるサラリーマンであったり、 富山山中のダム開発現場近くに残された古い木製の橋を150年間近く守り続ける年端もいかない女の子だったりする。 顔ぶれを見ても分かる様にこれまた「善男善女」といった感じの人ばかり(幽霊だけど)という事もあって、 夕霞だけでなく、読者にも「彼らをこの世から強制退場させる事は本当に正しい事なのか?」という葛藤を味わせてくれる。 納得の上で成仏してもらうとなれば、当然彼らが抱え込んだ未練を解き明かさなければならないのだけど、 その謎解き以上にきついのは、彼らに納得いただく=この世に留まる必要がなくなったという真実を知らせる事になる点。 つまり「貴方がこの場に留まっている事には何の意味も無いのです」と伝えなければならない、という事。 存在意義の否定であり、リストラをする会社が「もう貴方にお願いする仕事はこの会社に無いんです」と伝えるに等しい。 これが夕霞にとっても読者にとっても下手に血みどろの荒事に及ぶよりも辛かったりする。 そして夕霞が奮闘する理由もそこにあり、様々な会社から「要らない」とされてきた自分だからこそ、 地縛霊たちには納得した上であの世に行って欲しいという想いを抱えて難しい状況に挑み続ける姿が描かれている。 簡単に職を追われ、会社から切り捨てられる理不尽に耐えねばならない、現代日本に暮らす人間としては 非常にリアルで共感しやすい「頑張る理由」ではないだろうか? ただ、気になったのは第二話ラストの部分。 何故か、ここで夕霞が雇われる「幽冥推進課」の課長・辻神とOJT担当の先輩職員・火車の会話が挿入されるのだけど… この会話、ここで入れる必要があったのだろうか? 意味が無いわけでは無いが、夕霞が雇われた理由や辻神や火車が覚悟している宿命みたいなものをここで明かす必要は無いのでは? こういうのはもう少し巻を重ねて読者が作品世界に馴染んだ頃に明かすべきだと思うのだが… ともあれ、全体的には大いに楽しませて貰った。 デビュー作から「うまい作家さんだな」と感心させられていたのだけど、血生臭い要素があった二作目までと異なり 作者のユーモアセンスをたっぷりと混ぜ込んだ上で完全に地に足の着いたライト文芸的世界観の作品だったが、 むしろ作者の良さが存分に引き出されている様に思われた。 消えるには惜しいと思っていた才能だっただけに再び書く場を与えてくれた集英社文庫編集部には大いに感謝したい。 | ||||
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