恋は夜空をわたって

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【この小説が収録されている参考書籍】

恋は夜空をわたって (電撃文庫)

恋は夜空をわたっての評価: 3.73/5点レビュー 11件。 Cランク

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平均点3.73pt

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恋は分からないものですね

あとがきによると、この小説は、STUDIO koemeの『聴くanime』という企画の作品のようです（他に、「名前のないゲーム」や「秒速探偵」などが出される予定のようです）。
　この本は、『ウェブを通じて発表する作品』としてスタートした物語の小説版です。『聴くanime』として、ドラマCDかラジオドラマのような配信は、youtubeやspotifyなどで配信しています。
　今のところ（全八話中、六話まで出ていますね）、小説版と物語の内容自体は同じと思われます。声優がきちんと演技しているので、聞いて楽しめますが。

　動画サイトで、ラジオのように、恋の相談をしたり、応えたりする配信をしていた後輩少女と、その配信に気づいてしまった先輩とのラブコメです。ラブコメといっても、そこまでドタバタしているラブコメではなく、より恋愛重視のラブコメです。
　気づかれたのか、気づかれていないのか、探りを入れあいながらも、徐々に二人の関係は進展していきーー。

【感想】
　青春の二人の不器用な恋愛模様を描いていて、いいですね。登場人物も少なくて、焦点は二人の恋愛に、しっかりと定められていています。メインキャラは、あと一人、妹で、背中を押したり助けたりするキャラですね。
　配信を挟みながらの物語を通じて、初恋の微妙な気持ちと難しさが、ドギマギとギクシャクを混ぜながら、伝わってきますね。
　無表情の少女が、内心では、ドキドキしているというシチュエーションは、個人的に面白いですね。

　悪い点は、探り合いが下手すぎて、少し冷めてしまうところですね。こう変な態度や言動だと、もっと勘違い・すれ違いラブコメでドタバタ感ある方が良さそうですけど。
　あと最後とか中盤は、イマイチかもしれない。わざとらしい音楽要素は、何のためにあるのだろうか、と小説としては疑問です。配信の悩みの共有とか部屋に入れない理由とか、いくつかの意味は分かるのですが。
　でも、一番気になるのは、最後の盛り上がる場面で、物語を無理矢理曲げていっているように感じてしまう点ですね。物語の起伏やキャラの感情の起伏に、おいていかれますね。主人公たちの選択の必然性をあまりにも感じなくてーー。