きのうの春で、君を待つ
評判
きのうの春で、君を待つの評価:
3.82/5点 レビュー 22件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1〜4 1/1ページ
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きのうの春で、君を待つの評価:
3.82/5点 レビュー 22件。 B ランク
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あまり細かいことは考えずに、フレーバーとしてタイムリープ使ってみました、というのを素直に楽しめる人なら読んでもいいかもです
【以下、ネタバレ要素を含みます】
この作品のロールバックというアイデアは、一つの世界線において矛盾なく空白を埋めていくことによってタイムパラドックスを回避させることができるわけで、そのアイデアはめちゃめちゃよかったし、その制限の中でどのようにオチをつけるのかという点で前半は非常にワクワクしながら読むことができた
実際、途中まではロールバックタイム前後で全く矛盾が生じないように世界の復元力のようなものがかなり厳密に働いており、主人公がどう足掻いても単一世界線になってしまうパターンであるかのようにも描かれていた
(そしてその上で、ロールバックによる過去未来の「予備知識」と矛盾が生じないように如何に目的を達成するかという知略展開を期待して読んでいたのだけれど…)
なのに、最終日になると唐突に「実は単一世界線ではなくてマルチバースOKです」な展開になるので、それまでの4日間において厳密に単一世界線を保っていたのは一体何だったのかと拍子抜けしてしまう…
いやマジでそれまでに描いていた単一世界線ロールバックの世界観は何なんだったんだよ。。
そもそもマルチバース設定であるならば、空白時へのロールバックという設定自体が意味を成さなくなってしまう
なぜならば空白時間へのリープは単一世界線だからこそ前後の整合性を取った上で埋める意味が生じ得るのであって、あらゆる世界線が存在し得るマルチバースを許容するのであれば前後の整合性を取りに埋めにいく必要もなくなるわけで、(メタ的ではあるけれど)空白埋めロールバックというアイデアそのものが不要だからだ
あとは、読んでいてフラストレーションが溜まる点として、主人公がせっかくロールバックという能力を手に入れたのにそれを全く活用できていないことが挙げられる
(主人公視点の時間軸で)未来の情報を過去に伝える術があるのに(それこそスマホのメモ機能でいくらでも過去の自分に情報を伝達できたはずだし、何なら4/1の時点で必要な情報を全てメモしておけば祭りの手伝いで1日無駄にしたりする必要だってなかったはず)、そのギミックを活かさずに常に行き当りばったりの行動しか取っておらず、ロールバックしていくことが単に秘密を徐々に明かしていくストーリーテリング上の都合にしか使われていないのが残念すぎた
唯一まともにロールバックを活用したのが宝くじだけって…
ということで、「空白埋めタイムリープ」アイデアの元祖としては『タイム・リープ あしたはきのう』という超絶名作があるけれど、その本質を捉えずに下手に換骨奪胎してそのフレーバーだけ使ってみましたという感じで微妙だった
まあ元祖作品だと、タイムリープの時間軸移動をフル活用した上で常に最善手を打ち続けて事件を解決してしまうような天才が出てきてしまうわけで、そちらをベースにしてしまうと同じ高校生でもこちらの主人公がおバカに見えてしまうのはしょうがないけれど…
とはいえ、もっと面白くなる余地はいくらでもあるアイデアなのに、ラノベなんだから細かいことはいいだろという雑な構成にしてしまった感があるのが残念