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噺家ものがたり 浅草は今日もにぎやかです



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噺家ものがたり 浅草は今日もにぎやかですの評価: 4.17/5点 レビュー 6件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.17pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(5pt)

笑いあり涙あり

沢山の人に読んで頂きたい本の1つです。思わず笑ってしまったり、時には涙ぐむ場面も多々あり時間も忘れて読んでしまうそんな一冊です。
噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)Amazon書評・レビュー:噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)より
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No.5:
(5pt)

ジャケット買いの本

ジャケット買いで買った本ですが、当たりでした。
本の中の落語がなかなか良いのです。
ちょいとお勧めしたい本になりました。
噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)Amazon書評・レビュー:噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)より
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No.4:
(4pt)

落語を通して描かれる様々な人間模様

落語を通して描かれる様々な人間模様に心が温かくなった。

特に、創風亭破楽のプロとしての矜持やぶれない考え方が好きだった。

常にアンテナを張って常識を疑う。その中から、人間の心の機微を表現する。落語の奥深さは非常に勉強になった。

創作落語も素晴らしくて、刑務所の慰問で披露した「傘」が好きだった。足が不自由なことを謝るアキオに対して、八百屋の親父さんが言った言葉が印象的だった。

主人公の願の成長も楽しめたが、ちょっと熱くなりすぎる場面が逆に胡散臭く感じられてしまった。

人生と落語を例えた破楽師匠の言葉も好きだった。

人生ってのは落語と似ているんです。死に際に、どんなサゲ方をするか。これが肝要なんです。そしてたとえ最後に看取ってくれる者がいなくても、自分が歩んだ道に後悔がなければ、そのサゲは光を放ちます。
噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)Amazon書評・レビュー:噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)より
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No.3:
(4pt)

ふわりと読める「弟子」・「師匠」のありかたを描いた世界

電気製品のレビューとは違い、書籍のレビューはあまり詳細に書いてしまっては読む楽しみがなくなってしまうので、感想も「ふわり」と書きます。
先ずは、標題にも書いたとおり「ふわり」と肩肘をはらずに読める話でした。
最初、雲田 はるこさんの昭和元禄落語心中(1) (KCx)ような世界を想像していたのですが、それとは世界が異なっていました。どちらかというと、落語という世界を通して「弟子」・「師匠」のありかたを描いた1冊なのではないかと勝手に思っています。
とはいえど、「・・・・であるべき」という話ではなく、こうあったら理想だなという姿が登場人物を通して描かれています。
軽い感じで読めますが、ちょっとホロリときてしまう様な展開へもりあげ、そして最後に「下げ」付けられている、コンパクトに起承転結を楽しめた1冊でした。
噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)Amazon書評・レビュー:噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)より
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No.2:
(5pt)

本当にデビュー作なの?

就職活動中の大学生が、タクシーで聴いた落語に感動して弟子入り志願。はじめは相手にされなかったけれど、浅草の下町人情溢れる優しい人々に支えられてようやく前座見習い。この師匠さん、とにかくかっこいい。ただ厳しいたけではなく、弟子を守って街も守る。主人公の願君がピンチに陥ると助けてくれる。こうして落語家志願としての実力を身につけていく。そんな頃、前座見習いから親切にしてくれた兄弟子の猫太郎さんが・・・・。あとは読んでください。とにかく感動します。
噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)Amazon書評・レビュー:噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)より
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No.1:
(2pt)

噺家として生き、噺家として死す。新弟子の目を通じて語られる噺家の人生。テーマは良いが、書くべき部分の整理が不十分。作中作の扱いも……

第24回電撃小説大賞「選考委員奨励賞」受賞作。

「噺家もの」というジャンルはマンガ界ではアニメ化もされた人気作「昭和元禄落語心中」だったり
古い所だと「寄席芸人物語」、マイナーな所だと「風とマンダラ」としばしば取り上げられる所だけど、
ライトノベルやライト文芸じゃまだまだ未開拓な分野かと。

物語は主人公で就職活動中の大学生・千野願が就活の移動中に乗っていたタクシーの車内で耳にした落語、
創風亭破楽師匠の得意とする「千歳飴」に感動して、そのまま就職活動の放棄と大学中退、そして破楽への弟子入りを決める所から始まる。
それまで住んでいたアパートも引き払い、浅草で破楽が経営する寄席小屋に出向いてチケットブースの売り子相手に
弟子入りを訴える願だが、大声出されちゃ芸の邪魔だと追い払われてしまう。

いきなり挫折した願は浅草をフラフラ歩くうちに首都高の高架下に辿り着くが、そこでホームレスたちを相手に
段ボールの上で談笑していたのが自分の探していたカリスマ・破楽師匠だと気付き突撃、弟子入りを志願する。
にべもなく断る破楽に対し「大学も辞めてきました、覚悟は出来ています」と訴える願に対し、
「それなら包丁で自分の小指を切り落とせ。小指なんかなくたって噺家はできる」と答える破楽。
お前を突き動かしているのは性的衝動と同じで相手がヤクザの女だと分かれば萎む、その程度だと追い打ちをかける破楽だったが、
願は考えるよりも先に自分の小指に包丁をあてがい押し切ろうとする。

猫太郎と呼ばれた破楽の弟子らしい噺家が間一髪、包丁を蹴り飛ばした事で事なきを得た願を見て、
「悪くねえな、こいつ」と破楽は自分の茶屋へと願を連れ帰る事に……

ふーん……いきなり弟子入りで「指を切り落としてみろ」と覚悟を示す事を求められる作品だけど、
まさかこの「噺家として生きる覚悟」そのものがテーマになっていたとはちょっと意外。
そしてその「噺家として生きる」というテーマが「噺家として死ぬ」覚悟という部分にまで掘り下げてあるとはねえ。
プロのアスリートであれ、ミュージシャンであれ、小説家であれ一芸の世界に生きる厳しさを描いた作品はちょこちょこ見るが、
その芸の道をを貫いたまま死ぬ覚悟まで描いた作品てのはなかなかお目に掛かれない。

形の上ではあくまで不世出の名人と呼ばれた噺家の新弟子となった青年を描いた物語。
でも主人公が誰なのか、と聞かれるとちょっと答えに困る部分がある。
確かに語り手は新弟子となった願なのだけど、話の展開の中心にいるのが最初から最後まで願なのかと言えばこれがちょっと微妙。

確かに序盤から中盤にかけては願の弟子入りと、破楽師匠の「千歳飴」を聞くまでは落語はおろか人の前で話すという機会さえ
ほとんど無かったという願が芸の稽古を通じて自分の精神的な未熟さや、
ひょっとしたら自分は全く向いていない道を選んだのではという不安に向き合う展開が描かれている。
特に兄弟子の猫太郎から回してもらった水上バスでのアナウンスのバイトで受けを狙ったトークが
まるで受けず、場がどんどんシラケていく場面など読んでいてひどく居た堪れない気持ちになった。

この辺りまでは確かに願が主人公の物語なのだけど、
中盤のメインエピソードとなる足立区の刑務所への慰問で芸を披露し、水上バスでのバイト同様、
さっぱり受けない辛さを味わった上でギリギリまで追い込まれてようやく一皮剥けた場面を境に
話はそれまで未熟な願に水上バスでのアナウンス係という修行も兼ねたバイトを回してくれたり、
何くれとなく世話してくれた兄弟子の猫太郎と、破楽師匠の過去を中心に描く流れへと移っていく。

そしてある日突然姿を消した兄弟子の行方を追う願が、猫太郎の居場所に辿り着いたはいい物の、
猫太郎が噺家として最後に上がる事を望んだ高座を前に兄弟子が抱えていた秘密を突き付けられる事になり、
猫太郎の姿に「噺家として生きる」という本作のテーマが同時に「噺家として死ぬ」事も意味している事を
読者と共ににこの上なくダイレクトな形で突き付けられる場面では絶句させられた。

その直前に破楽師匠が茨城に住む願の母親の元に願を連れて挨拶に向かう場面が挿入されているのだけど、
願が「本気で大学を目指すといって許しを得たのに、今度は本気で噺家を目指すって、お前の本気って何?」という母親相手に
何も言えなくなった場面で破楽が願がそれまで見せてきた覚悟について語ってくれるのだけど、
そんな「噺家になる覚悟」なんてのは猫太郎が見せた「最後の瞬間まで噺家であり続ける覚悟」に比べれば
吹っ飛ぶぐらい小さく思える位に猫太郎が見せた覚悟は強烈であり、テーマをギリギリまで掘り下げていた。

ただし……このメインテーマの掘り下げ以外の部分はどうにも微妙な所が多い。

まず、名人と言われる破楽師匠のトーク、創作落語なのであれこれと自分でネタを考えて
時にはヤクザの事務所に連れ込まれた願を助ける為に振るった弁舌までネタにする辺りは破楽の強烈なキャラが出ていて良いのだけど、
そのネタがイマイチ面白くない。
作中作をどう描くか、というのは難しい問題だし、それ故にボカして直接描写しない作家さんも多いのだが、
直接描写したネタが微妙な上に、その微妙な出来のネタを願が「師匠の芸は素晴らしい」とやたら褒め称えるので
読者としては「は?どこが?」と思い切りシラケるのである。
作中作の直接描写というのはこういう部分が怖いのだけど、本作その点で思いっきりスベっているのである。

そして猫太郎との別れの場面を描いた後での破楽師匠の過去についての大演説。
これがまたシラケる。
数年前に同じメディアワークス文庫で刊行された「ちょっと仕事辞めてくる」もクライマックスでの
職場に乗り込んだ主人公の大演説に辟易させられたが、自分の想いや過去をさも大した事の様に長々演説されても
読者はちっとも感動しないし、むしろどんどん冷めていく。
この辺り、作者自身が自分の書いている物に感動してしまう浮ついた感情が滲み出ていて読んでいて実に辛い。

おまけに後半の猫太郎と破楽師匠の関係を描いた部分なのだけど、破楽師匠が落語協会を脱退した一匹狼という事は
序盤から匂わせてあったのに、その原因となった猫太郎絡みの事件であったり破楽にとっての猫太郎の存在という物が
それまでの展開の中で今一つ掘り下げられていないので、終盤の大演説で破楽師匠が猫太郎への想いを語っても
これが読者に響いてこないのである。

前半は破楽師匠の猫太郎以外の弟子たちに関するエピソード、
具体的にはストリップ女優と神社の息子の結婚に絡む事件がやたらと尺を割いて描かれているのだけど、これ丸々要らない。
こんなグダグダしたエピソードを入れる位なら、願と猫太郎、猫太郎と破楽の関係を徹底的に掘り下げるべきだった。
そういう意味で書くべき部分の整理がまるっきり不十分だと言って良いかと。

テーマ選びや、書こうとしたテーマの掘り下げという部分ではキラリと光る物を感じさせてくれたと思う。
でも作中作みたいな扱いの難しい部分の処理が雑だし、一方的な大演説で読者をシラケさせるような書き方になっているのは
読者を意識しなきゃならないプロ作家としてはまるっきり未熟その物。
そして無駄なエピソードに頁を割いて、本来掘り下げる部分に割く尺が不足している辺りはブラッシュアップが全然足りない。

……が、一番大切な部分に関しては捨てがたい部分があるので徹底したブラッシュアップを経た上でもう一度新作を出して欲しい。
噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)Amazon書評・レビュー:噺家ものがたり ~浅草は今日もにぎやかです~ (メディアワークス文庫)より
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