秋月記

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評判

秋月記の評価:

4.43/5点 レビュー 30件。 B ランク

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平均点4.43pt

Amazonレビュー一覧

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全45件 41〜45 3/3ページ
No.5
(4pt)

毅然と生きる人々の姿が清々しい一冊

葉室麟の小説を読むのは本作が初めてで名前から勝手に女性作家だと思っていたのですが、情緒性を排した淡々とした静謐な文章に「ああ、男性作家のものだな」と思いました。小藩である秋月藩の独立を守るため毅然と福岡藩に対峙する主人公・小四郎の姿も清々しいですが、女中奉公が妾奉公と誤解され、周囲の冷たい視線を浴びながらも「人の役に立ちたい」と冷たい水に手を浸し続けて質の高い葛の生産に成功し、最後は労咳で儚くなるいとの姿に心打たれるものがありました。地味ながらも信念をもって、人を想って毅然と生きることの美しさを感じさせる作品だと思います。
秋月記 Amazon書評・レビュー: 秋月記より
4048739212
No.4
(4pt)

藤沢周平氏を目指してほしい。

著者の作品ははじめて読ませていただいたが、しっかりした時代小説に仕上がっていた。雰囲気は違うが、展開が藤沢周平氏の著作に似ている部分もあったので、ワクワクして読みきった。
 次回作も時代小説をお願いしたいです。しっかり武士の生き様を堪能できました。ありがとうございます。
秋月記 Amazon書評・レビュー: 秋月記より
4048739212
No.3
(5pt)

『自分』を生き抜き、そして楽しむ―熱く生きた人々の鼓動

本書は、黒田如水、山本常朝など

九州になじみの深い人物を題材にした作品を発表し続ける

著者による長編歴史小説。

九州・秋月藩で起きたお家騒動『織部崩れ』を中心的な題材とし、

間小四郎、宮崎織部など事件の当事者たちや

原古処、采蘋、緒方春朔ら同時代を生きた文化人の諸相を描きます。

息づまる白刃の攻防、忍者同士の戦いなど

アクションシーンもふんだんに登場しますが

やはり、本書の大きな魅力は陰影に富んだ人物造形。

『奸臣』織部や、人心を玩ぶ姫野三弥も、

物語が進むにつれて別の一面を見せ、

一心に藩の将来を思い続ける小四郎もまた、

単なる『忠臣』にとどまらない行動をとるようになる―

身分や性別を問わず、清濁を併せ呑む登場人物たちが

葛藤しながらも、『自分』を生き抜く姿は心を強く打ちます。

また、個人的に印象深いのは

すべてが終わった後、小四郎らが交わす会話。

「政事はどのように行っても、すべての者によいということはないようです。

それゆえ後の世の人に喜ばれるものを、何か作っておきたくなる」

という言葉になるほどなぁと感心しつつ、

同時に、これほどの心境で公園やら建造物を立てた政治家が

現在どれほどいるのだろう―と、余計なことも考えてしまいました。

己の信念をひたむきに貫いた生きた男女の姿を

静謐ながらも力強い筆致で記した本作。

著者の作品が好きな方はもちろん、

歴史小説にあまりなじみのない方にも、広く読んでいただきたい作品です。
秋月記 Amazon書評・レビュー: 秋月記より
4048739212
No.2
(4pt)

充分面白いですが・・

葉室麟さんの新作ということで楽しみにしていました。

ロマンチックな題ですが、九州の秋月藩という小藩の武士の物語です。
ある程度、史実に基づいて、その上でストーリーを作っているのだと思いますが、淡々と話は進んでいきます。

最初のうちは、やや登場人物や説明が多くて、早くは読み進めませんが、主人公の幼い頃の出来事や、その後の行動の一貫性には、説得力があり、引き込まれます。

ただ、最後がややしりきれとんぼで終わっているところが気になりましたね。

「銀漢の賦」に描かれた友情や愛などはこの本にはあまり描かれず、その意味で、ちょっと物足りない感じもしました。
秋月記 Amazon書評・レビュー: 秋月記より
4048739212
No.1
(4pt)

純粋で正義感の強い藩士の思い。しかし、それを実現するには。。

葉室さんの本は初めてですが、サッパリとした文調で、お休みせずに読めました。
小藩とはいえ、国を治めるのって難しいんだなあと思いました。きれいごとだけでは事を成せないが、本当の思いは伝わらないし、伝えられない。

印象に残ったせりふを残しておきます。
「金というものは天から雨のように降ってくるものではない。泥の中に埋まっている。金が必要であれば、誰かが手を汚さねばならぬ。どれだけ手が汚れても胸の内まで汚れるわけではない。心は内側より汚れるものです」
「山は山であることに迷わぬ。雲は雲であることを疑わぬ。ひとだけが、おのれであることを迷い、疑う。それゆえ、風景を見ると心が落ち着くのだ。おのれがおのれであることにためらうな。悪人と呼ばれたら、悪人であることを楽しめ。それが、お前の役目なのだ」

故郷を愛する健気な思いに貫かれた作品だと思います。
秋月記 Amazon書評・レビュー: 秋月記より
4048739212