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魔王

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評判

魔王の評価:

3.60/5点 レビュー 208件。 C ランク

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平均点3.60pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全198件 161〜180 9/10ページ
No.38
(5pt)

暗闇と光

伊坂さんの作品はどれも読んでいますが、これもとても好きな一冊です。
清潔で、強いのです。もちろん、夢中になって読めるおもしろさです。
ここには、特殊な能力者たちが登場しますが、ある意味では、「だれもが持つ能力」のように、私には感じられます。
だれもが、そんな力を、自覚するか、見ないふりをするか、そして、気づいたときに、どちらの方向に使うのかは、選ぶことができます。
政治性というよりは、「だれもが、世界を選ぶことができる」、そんなメッセージを感じました。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.37
(5pt)

読者は問われているのだ。本書を読む「覚悟」はできているのか、と!

 インパクトあるタイトルの本書『魔王』は、表題「魔王」とそれに続く「呼吸」という2作品から構成されている。扱われている内容はきわめてデンス(濃密)かつディープ(深遠)だ。ファシズムの意味論、大衆迎合主義の問題性、米国や中国との緊張関係、アジアにおける日本の位置、憲法論議など、犬養首相の言葉を借りれば、「読者は本書を読む覚悟ができているのか」と言いたくなる。
 本書の評価は、今後の日本を見据えるうえで決して回避し得ないそうした重要な諸問題に対する、国民(ないしは一個人)としてのそれなりの見識を有していることが前提になっている印象を受けるからである。むろん本書を通じて、自分なりにあらためて問い直すことは可能であろう。
 前半の「魔王」よりも後半の「呼吸」のほうが私は好きだ。それは、清々しい大空とそこを自由に羽を拡げて雄飛する鷹といった自然描写が、乾き切った人間社会との鮮明な対称性をなしているせいかもしれないし、ストーリー展開における「目線」が亡くなった兄の弟の妻に移ったことで、ある種の柔らかさを帯びたことによるのかもしれない。いやそれ以上に、兄の信念・使命が弟に継承=バトンされてゆく緩やかなダイナミズムが巧みに描かれているからではないか。若い頃に両親を同時に失った兄弟間に生じた関係・心情をどう表現すべきか難しいが、永遠に心のなかで生き続けるであろう兄への「敬愛」ともいうべき価値観は尊い。社会現象に対して「諦観」や「無関心」でいることへの危険性を兄は誰よりも憂い、その姿勢は確実に弟に引き継がれてゆく。
 「馬鹿でかい規模の洪水が起きた時、俺はそれでも、水に流されないで、立ち尽くす一本の木になりたいんだよ」(278頁)という弟の主張は、兄の生き様を反映した発言である。犬養の「おまえ達のやっていることは検索で、思索ではない」(263頁)というセリフも私には響くものがあった。本書の含意は実に深い。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.36
(5pt)

魔王とは

これは魔王についての物語です。
では魔王とは誰なのか?
最後の最後で明らかになります。
前編を通じてさわやかでほのぼのとした雰囲気が
最後の一瞬だけ凄絶な血と炎の色に染まります。
これは魔王覚醒の物語です。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.35
(5pt)

あの心は美しかった

私がこの小説を読んでいた頃、建築家の黒川紀章さんが都知事選に立候補されて、世間から「どうしちゃったの?」と白い目で見られていました。実は私自身もその1人でした。しかし、小説を読み終わり、報道番組での黒川さんの姿を見たとき、私は「あっ」と、鳥肌の立つような感覚を覚えました。、ここからは私の勝手な解釈ですが、黒川さんの活動は美しかったと、この場を借りて断言したい。黒川さんが目指したことと、この小説とが、私の中で結び付いたような気がしました。私の勝手な解釈でした。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.34
(4pt)

人間が人間を動かす時

人間が人間を動かす時、それは見えないパワーなのか
           それは人の考えを変えてしまう宗教的なリーダーシップなのか
           それとも金なのか
私はどれも怖いと思った。
兄と弟、日本を動かす政治家。
兄は自分が持っている念力で政治家に立ち向かい、政治家は自分の掲げる公約で世間の支持を熱烈に集め「国」を動かそうとする、
弟は最後に自分にも兄と一緒のパワーがある事を知り、庶民が「国」を動かすには、
「お金」が必要だと考える。
どれもががかなり危険因子的だ。ひとつ間違うとどれも危ない。
政治に興味のない人でも本当にありそうな現実に、いち個人として立ち向かえるのか?などと
思わせる一冊でした。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.33
(4pt)

私見

作者の過去の作品とは作風が異なるため、好みが別れるのも分かる作品です。
個人的に、この作品はSFホラーとしてとらえてます。
結末やメッセージを求める小説ではなく、漠然とした怖さを表現するような。
誰が正しく、何が魔王か?
伊坂さんが書くと禍々しさはなく、透明な灰色といった感じになるのはさすがです。
作品は好きなのですが…上記のような考えなので、単行本の帯が
「なんかちがうなぁ」って思えて好きになれないので
(帯の好き嫌いをいうのは筋違いかもですが)この評価にしました。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.32
(5pt)

新しい伊坂

大学の帰り道にある古本屋で半額以下だったので買ってしまいました。
今までにない伊坂作品で、ある意味衝撃的な1冊でした。
僕たち一般人が知らない、気づかない間に世界はどんどん移り変わっている。
知らない間に憲法は改正され、ファシズムが成立してしまう。
それはとても恐ろしいことだ。
と、伊坂はこの作品でそれを警告している。
はたして現代にめくれているスカートをなおせる人間がどれだけいるんだろう?
必読。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.31
(5pt)

群集心理の怖さ

 物語を通して「群集心理」の怖さを改めて感じました。
 確かに「流行」というものは非常に不思議なものです。
 それを過ぎてしまえばなんて事はないのにその時期は殆どが同じ人を支持したり同じものを持つことをステータスだと考えたりする。
 今回は「政治」を例に挙げていましたが、確かに「流行」に流されてとんでもない方向に行く可能性もあるのだとも感じた。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.30
(5pt)

俺の行く末を決めた

話の内容は一つの物語。
だけど、僕は違かった。第二章「呼吸」での弟の静かだが確かな意思。
あの描写が強烈だった。
自問した。何が俺と違うんだ。俺とこの弟は、特殊な能力を除いて何も違わない。
なら同じことが出来るんじゃないかって。
俺は単純だし、ねじまがった理解の仕方をするからこうなりました。
一人で何かを変えようとする二人の兄弟の意思に衝撃です。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.29
(5pt)

颯爽たる風

この作品の中で強く頭に残る言葉として「諸君はこの颯爽たる諸君の未来圏から吹いて来る透明な清潔な風を感じないのか」という三行からなる文でしょう。これは宮沢賢治の作品の一文なのですがこの一文をテーマというか題材にして魔王は創られています。虚無や無関心が満ちる時代に宮沢賢治の言葉を引っさげあらわれた1人の政治家・犬養。犬養のファシズム化に悪寒を感じある日突然手に入れた力で阻止しようとする安藤・兄。その先にあるものは青空か荒野か。颯爽たる風とは犬養のことではありません。犬養自体はただのきっかけであり、自分で考え、覚悟して、行動することで見えてくる事がそうなのです。しかし、自分はあえて弟の話である呼吸を推します。政治とか、人間関係とか、大自然の中で鳥一匹を探しているとまったく自分には関係ない隔絶されたものに思えてくるのです。これもまたある意味颯爽たる風ではないでしょうか。風なるものは同じが無く人それぞれによって、また、状況によって違ってくるものなのだと考えた2日間でした。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.28
(4pt)

意欲作!この小説を書いた目的はでもなんだったんだろう

面白い作品でした。一つの物語を二人の主人公を通して描いていく。
タッチを変えながら一つの物語としてのテーマ、世界観を持ち続ける。そして展開していく。
ボクにとってこの作品は伊坂さん2作目。裏の読み方は分からなかったのですが、それでもたっぷり楽しめる作品でした。
ただ、気になったのは、この作品を書いた作者の目的。文学的に新しい彼の世界を作り上げること、芸術というと聞こえはいいのですが、なんと言うのか読者に訴えかけてくるものが少なかったように感じました。
政治的、精神的なテーマが多かったこともあり、それが物語のためのただの「小道具」として使われすぎてて、作者の意図は何だったんだろうとすごく気になりました。
感情の描写が希薄だったのかなあ。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.27
(4pt)

「覚悟はできているのか?」

閉塞感の漂う日本社会に訪れるファシズム支配の予兆。情報の洪水の中で自ら考えることを放棄し、雰囲気に流されやすい日本人の国民性。自らの保身や利益の確保を優先し、必要なことが分かってもできない政治家たち。そうした中に、強い決意と覚悟をもった独裁者が現れたら・・・僕たち日本人はなすすべなく飲み込まれてしまうかもしれない。
圧倒的な力をもった独裁者が作る未来。飲み込まれるのか、無駄と知りつつも抵抗し、自らの考えを貫くのか、それとも自らが、決意と力を持った「魔王」として君臨するのか。非常に重いテーマを投げかけてくる。
かといって、村上龍のような、激烈な文体の作品ではない。伊坂作品の軽やかさ、ウィットに富んだ会話の数々、センスのよさが本書でも遺憾なく発揮されている。とにかく伏線が見事。何気なく語られるセリフが要所要所で生きてくる。読んでいてうなることしきり。もちろん恒例の他作品登場人物のfeaturingもあり、ファンサービスも満点だ。
特に今回はタイトルが秀逸。シューベルトの『魔王』のおどろおどろしい旋律が、読書中ずっと頭の中で鳴り響いていた。
僕たち一人一人に、圧倒的な力の前に立つ覚悟を問う作品。おすすめ。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.26
(4pt)

あえて「呼吸」

2章で構成されているうち、後半の「呼吸」の語り手が意外だった。前半の「魔王」は予測ができる内容だと感じた。「呼吸」は伊坂幸太郎の独自の世界が展開されていて著者の思惑通りになったんじゃないかなと思います。でも「呼吸」の語り手があの人とはねー。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.25
(4pt)

ネタバレありかも?

互いにリンクしあいながら構成されていく世界。
それが伊坂作品の大きな魅力の一つだ。
この作品の中でもあの別の作品に登場していた「調査員」が登場している。
それだけで「伊坂ワールド」に親しんできた人には、あの時点で、
兄の行く末が想像される。
こんなふうにこれからもあの「調査員」が出てきたら、
ああ、そうか、と私たち読者は納得するのだ。
そういえば、最近文庫になった「重力ピエロ」の中でも、
泥棒で私立探偵の彼だけでなく、
あのペットショップや額縁を販売している「彼」も登場している。
別の作品で不幸だった誰かも別の作品で幸福に暮らしている姿を見ることができるかもしれない。
そんなふうに想像できる。それは幸せなことだ。
そして、モーツアルトの歌曲「魔王」。
題名にも使われているだけあって、特に前半の「呼吸」では大きな意味を持つ。
子供にしか姿の見えない、そして説明のしようのない恐怖におびえ、
その思いを話しても話しても恐怖の見せる幻影としか理解されない子供の恐怖は、
まさに兄の恐怖と同じものであろう。
そういう点で、作品間のリンクというよりも、題名とのリンクを強く感じた作品であった。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.24
(5pt)

あなたの方からみたらずいぶんさんたんたるけしきでせうが・・・

宮沢賢治の詩が物語とあいまって胸につきささりました。
 生計をたて生活していくという、目の前のことで手いっぱいな毎日を送っているので、政治とか世の中とかそれなりには考えているつもりでもどこか別世界な感じがしていたので、登場する人物たちが身近でした。
 主人公たちのいっぷう変わった制限つきの能力は笑えましたが、それを生かす道にはなるほどって思いました。どこにいようと、どんな状況でも素敵な人と思えるようにいたいですね。
 
 
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.23
(5pt)

めくれているスカートを

どこかの政党に関わるプロパガンダの三文小説かな、あるいは政治をダシにしたSFものかな等と思いきや、読み進めるうちにそれが間違いであることに気付きました。さすが東北大出身らしく、宮沢賢治が持ち出されたりして詩的空間も広がって、深みのある娯楽読み物としても楽しませてもらいました。それにしても今の国民大衆が群衆化(衆愚化あるいはファシズム化)する恐ろしさを扱ったり、憲法を責任をもって自主的に選びなおすように問いかけたりしているところは近未来の日本列島住民の在り方や行方を考える上ではたいへんよく仕上げられています。ぼくはめくれているスカートをなおすことができるだろうか?
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.22
(4pt)

己に恥じない生き方を

この帯の文句を書いた人に脱帽。
これ以上の紹介文はないでしょう。
周囲に流されず、
熱狂の中で己に恥じない行動をとるのは
実はとっても難しいこと。
ファシズムや憲法問題、
現代の政治家や若者を通して描かれる
兄弟の生き方はせつなく、そして清々しいです。
今まで読んだ『グラスホッパー』や『ラッシュライフ』などと
文章のテンポが違ったので驚きました。
構成・文章・発想、とっても面白い。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.21
(4pt)

不思議な面白さ。

これを読んで村上春樹の「羊をめぐる冒険」を思い出した。
羊をめぐる冒険の羊がこの本の魔王という感じ。
魔王というのはいろんな人の心の底にひそむもので、
何か外的要因と連鎖した時に強い存在になるのかもしれない。
羊に見捨てられた人は駄目になってしまうのと同じで、
魔王と外的要因がうまくつり合わなかった時に、その人は見捨てられ
力をなくしてしまうのかもしれない。そんな風に考えた。
政治の話が沢山出てくるけど、それは物語の中のエピソードに
過ぎなくて、あまり難しい気持ちになれずに読める。
終わり方が、含みをもたせる終わり方だったけど色々想像できて
これはこれでよかったのかなって思う。
それでもなんていうかあいまいで唐突な部分が多すぎたので、
面白かったけど★4つ。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.20
(4pt)

伊坂ワールド健在

伊坂作品はファンタジー要素を多分に含むものが多かった気がするから読み始めたときにちょっと攻撃的かな、と感じました。
でも読んでいくうちに伊坂作品独特ののんびりしたというか、どことなく笑わせてくれるというか和やかな雰囲気も生きていて、テーマ自体はすごく現実的な話なのに重くならないのはさすが!と思えました。
会話がいいですよね。
でも喋る案山子のくだりが登場しなかったのはちょっぴり寂しかったな。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.19
(4pt)

絶妙な感性と表現力

政治や宮沢賢治などがフィーチャ−されていますが、あまり堅いことを考えずに
読み始めればよいかと思います。実際に読んだ感触も、特殊能力を持った兄弟に
よるファンタジーといった印象を受けました。
おおまかに二部構成で、前半は兄の章、後半は弟の彼女の視点からの章になります。
作品ごとに良くなっていく(私の好みに合っていく?)伊坂氏の新作を読むのは
楽しみであり、期待通りに毎回新鮮な感動を与えてくれます。
加えて笑えるポイントも豊富。特に「せせらぎ」が伊坂氏らしいですね。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463