コルトM1851残月

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コルトM1851残月の評価:

4.65/5点 レビュー 20件。 B ランク

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平均点4.65pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全30件 21〜30 2/2ページ
No.10
(4pt)

龍機警察に通じる凄惨だが、爽やかな西部劇風味の時代劇

まず、コルトM1851というチョイスが、「わかっているなぁ」という渋い選択です。
コルト社製のいわゆるパーカッション式リボルバーの完成形と言われる拳銃です。しかも、作中ではその扱いについてかなり紙面を割いて詳細に説明されており、通心をくすぐります。

心情的にはどいつもこいつもクズでなかなか感情移入できない印象はありますが、主人公の「あくまで上り詰めてやろう」という妄執とそれに伴う悲劇はなかなかに日本人が好きな、かつ西部劇風味のヒーローを作り上げることに成功していると思います。

後続作品があるようなので楽しみです。
コルトM1851残月 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: コルトM1851残月 (文春文庫)より
4167905868
No.9
(4pt)

龍機警察に通じる凄惨だが、爽やかな西部劇風味の時代劇

まず、コルトM1851というチョイスが、「わかっているなぁ」という渋い選択です。
コルト社製のいわゆるパーカッション式リボルバーの完成形と言われる拳銃です。しかも、作中ではその扱いについてかなり紙面を割いて詳細に説明されており、通心をくすぐります。

心情的にはどいつもこいつもクズでなかなか感情移入できない印象はありますが、主人公の「あくまで上り詰めてやろう」という妄執とそれに伴う悲劇はなかなかに日本人が好きな、かつ西部劇風味のヒーローを作り上げることに成功していると思います。

後続作品があるようなので楽しみです。
コルトM1851残月 Amazon書評・レビュー: コルトM1851残月より
4062186675
No.8
(5pt)

異物のもたらす面白さ

個人的に面白い話の作り方の一つに、舞台に場違いな異物を放り込むという手法があると思います。
この小説の場合、舞台が江戸時代で、異物がコルトM1851という拳銃です。
主人公はとある経緯で、当時としては最先端の六連発式拳銃を一人だけ入手する事に成功します。
江戸時代ではほぼ無敵のこの武器を使って、主人公が江戸の裏社会で暗躍していきます。
とはいえこの銃にも弱点はあり、パーカッション式リボルバーなので六発撃ち尽くすと再装填に時間がかかるし、弾丸や雷管も貴重品なので節約しながらちまちま使っていく必要があります。
ここら辺の、主人公に与えられた強みと弱みのバランス感覚が上手いと思いました。
物語としても、絶望的な世界で、拳銃一つで運命を切り開こうとするのは非常に滾る。
読んで損はない作品です。
コルトM1851残月 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: コルトM1851残月 (文春文庫)より
4167905868
No.7
(5pt)

斬新さ満載

特に面白いと思ったのは、闇の組織の大幹部である主人公が、一夜にして無残に失脚しながら、表の顔だけはしばらく維持し続けるところ。現代の経済ヤクザでいえば、若頭補佐を解任されながら企業フロントの専務取締役には留任するような状態に置かれるのである。この奇妙な中途半端状態が全体の半分近くに及び、復讐劇に何ともいえないオフビート感をかもし出している。
コルトM1851残月 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: コルトM1851残月 (文春文庫)より
4167905868
No.6
(5pt)

暗くて重厚な世界に浸る極上の読書タイム

前半部と後半部のどちらがより好きか?
と問われたなら迷わず答えられますが、
それは単に好みの問題。

兎に角、頭の先から足のつま先まで
重厚で暗い世界観に
どっぷりつかりながら
楽しく読み終えました。
コルトM1851残月 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: コルトM1851残月 (文春文庫)より
4167905868
No.5
(5pt)

時代小説なのにSFとハードボイルド小説が合わさったようなエンターテイメント

5時間ほどで読めた。
抜荷で稼ぎ裏社会でのし上がっている札差の元で、
会計を任されている主人公が当時では考えられなかった六連式の銃、
コルトを相棒に逆境を乗り切っていく様が時代小説なのにSFとハードボイルド小説が合わさったようなエンターテイメント小説に描かれています。
時間を数えながら弾をこめる描写が想像を掻き立てられました。
210秒よりどうもはやくならねえっていうセリフも粋ですね。
初めはアウトローで人に本性を見せない主人公ですが、
後半になるにつれ自分の過去に苦しみ人間臭さを出すことで好感を持つようになりました。
コルトM1851残月 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: コルトM1851残月 (文春文庫)より
4167905868
No.4
(5pt)

大藪春彦賞受賞の驚愕の時代小説。

これまでの時代小説の概念を覆す全く新しい、大藪春彦賞受賞の驚愕の時代小説。解説で馳星周が時代小説ノワールと呼んでいるが、作品の素晴らしさを表す見事な表現だと思う。

舞台は江戸時代。昼は廻船問屋の番頭、夜は裏金融を牛耳る儀平一味の大幹部、残月の郎次は裏切りの果てに一味に孤独な闘いを挑む。

少しずつ明らかになる郎次の過去と最新式のコルト六連発銃との邂逅。そして、まるで銃に魂を操られるかの如く硝煙と血風の真っ只中に身を投じていく郎次。果たして、結末や如何に…
コルトM1851残月 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: コルトM1851残月 (文春文庫)より
4167905868
No.3
(5pt)

「俺は、憎んだ。奪った者と、奪われた者。」

「両方か。敵と味方のすべてが憎いのか。」
「分かるはずだ、残月、おまえには。」

粋がるチンピラの西部劇風アクションで物語は始まる。
おいおいこいつが主人公かい、と思いつつ物語を読み進む
につれ、郎次の陰影はぐんと深くなり、明け方まで残る月、
残月に化けてゆく。
筆者の文体のリズムがとても心地良い。

回船問屋の抜け荷を取り仕切る郎次が往くのは、瘴気に満ちた
金と色欲の流れ。
その中を、奇妙な縁で入手した Colt M1851を得物に、悲しき
アウトローが流離う。

アウトロー商人物でありながら、江戸を舞台にした西部劇風でもあり、
粋なアウトロー人情物でもある。 

・・・ああそうか、銀魂のギャグなしリアル版とも言える。
快作である。
4.5星。  
コルトM1851残月 Amazon書評・レビュー: コルトM1851残月より
4062186675
No.2
(4pt)

コルト1851残月

月村了衛著「コルト1851残月」タイトルを含め、時代小説に風穴をあけた異色作で、侍でもない、やくざでもない江戸のアウトロー「残月の郎次」が特異な武器で己の道を切り開いていく。面白かった。85点。月村了衛の作品をおっかけたい。
コルトM1851残月 Amazon書評・レビュー: コルトM1851残月より
4062186675
No.1
(5pt)

新境地が拓かれた

主人公はダンディだ。自堕落な生活は見せない。時代小説だ。
本来の引き締まった辛口の文体が、整然とかつ緻密に配置された人物や舞台設定と噛み合って、明晰で見通しの良い物語空間を生み出した。この器は多様で豊かな視点を抱くことができ、どのような人物像も事件も、駆動することができる。著者は飛躍した。

憎悪が、きちんと書き込まれている。憎悪の説明が詳しいという意味ではない。憎悪を支点として見れば人を行動に駆る原理が見えるように、丁寧に作り込まれている。その憎悪が、洗練されている。憎悪の極北の姿だ。
読んで、憎悪について考える。読みながら、自分が持つか他人が持つと自分が知っている憎悪について、点検したくなる。憎悪と人の行動について。答えはない。というより、読み手の数だけ、異なる思想があるだろう。物語は、読み手の中のそれを呼び出し、点検を迫る。だからこの物語は、様々に異なる読者の思想に浸透していける、一般性と真の強さを、獲得している。

著者の新境地が拓かれたと感じる。
コルトM1851残月 Amazon書評・レビュー: コルトM1851残月より
4062186675