ソロモンの偽証

評判

ソロモンの偽証の評価:

3.91/5点 レビュー 509件。 S ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.91pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全357件 321〜340 17/18ページ
No.37
(5pt)

登場人物たちのその後をもっと知りたいと思いました。

待ち切れない思いで、出張先の地方小書店にて第三巻目を購入。ホテルの室内で、喫茶店で、夕食時のレストランで、そして移動中の飛行機内などで読み継ぎ、一気に読了しました。素晴らしい魂の救済のドラマでした。

本作の内容そのものはもっと頁数の少ない形で描くことができたのかも知れませんが、丁寧にしかも細密に描写された登場人物たち(特に城東第三中学校の生徒たち)の内面や行動は、イメージ性が高く、あたかも一幕の映画を観ているかのように(脳裡ではなく)眼前に迫ってくるものでした。今はただ、充実した読了感に満足しているところです。

一点だけ、エピローグのところは、主な登場人物たちのその後も描き込んでほしかったなと思いました。(人生の一大経験をした藤野涼子や神原和彦は、将来やはりそれぞれ検事と弁護士になったんじゃないかなとか、倉田まり子と向坂行夫は結婚したのかとか、大出勝氏はどうなったのかなあとか、気になってなりません。それとも、宮部さんは彼らたちのその後を描いた新著を構想中なのかしらん。)

最近面白い本がないなあとお嘆きの方は、本書を是非。
ソロモンの偽証 第III部 法廷 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第III部 法廷より
410375012X
No.36
(5pt)

一気読み

分厚い本ですが一気読みでした。長かった〜
中学生の時って誰でもヤンキーに憧れたり、自分が特別な存在だと思う時期がありますよね。
読者に「自分もこんな時期あったわ〜」とか、「こいつ、中学生の時の俺と似てる」と思わせてくれる登場人物が必ず一人はいるはずです。
自分の場合、大出と竹田が自分が中学の時と重なりました(笑)。

印象的だったのは、裁判が終わった後、涼子視点で見る子供に対する大人の対応。 二人をわが子のように抱きしめる弁護士、中学生にありがとうと深々頭を下げる不良の子供を持つ母親・・・・。子に対する親の愛を感じます。  かと思うといまだに兄と向き合わず、死んだ弟ばかりを愛す両親(特に母親、こいつ本当嫌!)
それぞれの場面を見てなにを思うかは読者次第だと思います。

この小説は事件の真相よりも、自殺した卓也が何を思ったか、どういう人間だったかということのほうが重要な気がします。ラストもぶっちゃけ衝撃度はあまり高くありません。が、多くの登場人物を誰一人見捨てずに愛した作者の魂が伝わった作品でした。星は文句なしに5です!!!
ソロモンの偽証 第III部 法廷 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第III部 法廷より
410375012X
No.35
(5pt)

読み応えは十分

第一部では、人間の悪意、それも誤解に基づく悪意をいくつも見せつけられ、読み応えはあるけれども、楽しくは読めない作品だな、と感じました。しかし、第3部にいたって、第1部で登場人物に抱いた第一印象をおもによい方向に変えつつ読了することができました。
しかし、いくつか気になったキズがあります。1990年が舞台なのに、「パソコンの文字」、「どん引き」、「ウザい」といった表現が出てきて気になってしまいました。当時の人間はこんな表現を使うかなと首をひねってしまいました。
ソロモンの偽証 第III部 法廷 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第III部 法廷より
410375012X
No.34
(4pt)

面白いけどスーパー中学生

面白かった!
ストーリーも文章力もちょっとした漢字やひらがなの使い分けに至るまで色んなところに感心させられた。

でもやっぱ登場人物たちのスーパー中学生ぶりは現実味が無い気もしました。
特に法廷での弁護側、検事側の弁説には迫力と駆け引きなどの表現が凄かった。
怒られるかもしれないがゲームの逆転裁判を思い出しました。

個人的に私からすると致命的で恐ろしい毒の様な2人の登場人物が居たのだけれど、その人物たちのまとめ方が気になった。
不必要だとは思うけどもう少し踏み込んで欲しかった。
ソロモンの偽証 第III部 法廷 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第III部 法廷より
410375012X
No.33
(5pt)

ラスト数頁で号泣したことをお知らせします

実にすばらしいファンタジーでした。

宮部さんの作品は時代物やSFから、本作のように「現代ミステリー」と評されるものまで幅広いですが、
本作は、読み応えのあるすばらしいファンタジーでした。

何を書いてもネタバレにしかならないので、抽象的な書き方になって申し訳ないのですが、登場人物
の誰もが、主人公たちに翻弄される大人たちも含め、みんな、人の心を尊重し大事にしながら、しっかり
現実に立ち向かう立派でやさしく強い人物に描かれていて感動的です。
無責任な教師だと糾弾される原因となった告発状を盗みだした隣室の女性ですら、最後には「私のよ
うな大人にならないでね」という一言を残します。

事件のきっかけになった雪の日に死んでいた同級生も、ウソの告発状を出した女生徒も、粗暴で短絡
的な学校の鼻つまみ者も、その愚かな子分たちも、かれらに暴行されて重傷を負った他校の生徒も・・・
いやらしい功名心に走るジャーナリストすら、みんなに見せ場があり、そして決定的なことは、みんなが
それぞれに救済されています。
誰もがやさしく強く、誰もが理解者を得て、穏やかに日常に戻っていく。

それはリアリティではありません。
決して嫌みや当てこすりで言っているのではありません。実にすばらしい「ファンタジー」でした。
そして、確実にこの「ファンタジー」は、読む者の心を和ませてくれました。

私は長年、宮部さんの読者ですが、『模倣犯』の読後感に、現実に心が折れそうなものを感じて、少し
現代物から遠ざかって時代物に逃げていました。しかし『小暮写眞館』あたりから、明らかに筆致というか
テイストが変わったように思います。
読了後に圧倒的な “多幸感” が襲ってきます。

リアリティでは断じてありません。
宮部さんのこの最新作は、「現代ミステリー」の意匠をまとった最高の「ファンタジー」です。
ソロモンの偽証 第III部 法廷 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第III部 法廷より
410375012X
No.32
(4pt)

仮想世界も現実世界も味わえる長編

1巻から3巻全部を読んだ総合感想としては、一言「小説としての仮想世界に入り込むワクワク感も多いけど、同じだけ現実世界を目の当たりにする嫌気も多い」作品でした。
読み応えがあったのは、もちろんです。こんなに分厚い本が3冊ですから。

中学生男子が死んだことに端を発して、直接および間接的に、そして自主的にまたは強制的にかかわることになった多くの人々のストーリーを彼らの動向を通してすごく緻密に描いてある本でした。

一見エンターテイメント性が強い作品にも見えますし、実際そう決めつければそうなのでしょうが、そこかしこに心にぐさっと刺さる身近な現実が埋め込まれていて、嫌でものめり込まずにいられなくなる作品でした。

作風の好き嫌いは別として、一度は読んでおいて損はない長編だと思います。
なにか自分が忘れてしまったもの、過去のことになってしまっていたものを思い出させてくれる懐かしさもあり、大の大人が童心に返れる作品でもありました。
ソロモンの偽証 第III部 法廷 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第III部 法廷より
410375012X
No.31
(4pt)

おや・・?

第一部に続いて丁寧な書き方は同じなのですが、違和感を感じる部分があります。
第一部で主人公の少年少女たちの心の中にあった「闇」がどこかに行ってしまい、
実に素直な子供たちに変化しています。あまりにも簡単それぞれの抱える闇を
処理しすぎなような・・。
また、多くの親や教師が子供たちの行動を手放しで応援していますが、実社会
においては書かれている方向とは逆にシフトすると想像します。
第二部は少しご都合主義の傾向が強く感じました。とはいえストーリーは
ぐいぐい読ませます。早く第三部を読みたい。発売まで他の小説は読まないことに
しています。この話に集中していたいのでエッセイなどを読んで第三部の発売日
を心待ちにしています。
ソロモンの偽証 第II部 決意 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第II部 決意より
4103750111
No.30
(5pt)

ひとりひとりの「決意」

ある生徒の死をきっかけに、
どこにでもある中学校が事件に巻き込まれていった過程が描かれた第一部。

第二部は、タイトルの通り「決意」の章。

自分たちの通う学校が巻き込まれた事件なのに、
警察も教師も保護者も、誰ひとり真実を教えてくれない。

そんな状況下で、主人公の涼子を中心に生徒は自分たちの力で真相を調べ、
それを学校内裁判で明らかにすることを決意します。

殺人犯として疑われた生徒、
告発者として疑われた生徒、
弁護人を希望しながら、検事として挑むことを決めた生徒、
他校の生徒ながら、弁護人をかってでた生徒、
ひとりひとりが自分なりの理由から「決意」して、
「自分たちの」事件を調べていく。

登場人物を丁寧に描く手腕は健在で、
彼らの「決意」と「成長」を感じながら、
ともにひと夏を過ごすような気持ちで読みました。
700ページが、本当にあっというまです。

ミステリとしては、第一部で描かれた「事実のように思われたもの」が揺らぎ始め、
この事件の真相はどこにあるのか、純粋に気になりました。

いよいよ第三部。
彼らの事件、そして裁判がどのような結末を迎えるのか、
タイトル『ソロモンの偽証』にはどんな意味があるのか、
とても楽しみです。
ソロモンの偽証 第II部 決意 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第II部 決意より
4103750111
No.29
(5pt)

いやはや、うまいなあ

クラスメイトの自殺と思われる事件の発生に端を発した出来事の中で、中学生の少年・少女を
主人公にストーリーは進みます。10代の少年少女の心の中にある「闇」の描き方は秀逸です。
長編三部作3となるのは描写の細かさ故でしょう。ページ数が多いですが一気に読めるおもしろさ
です。1990年代を舞台にしていることで読み手にはよりリアルに感じることができます(私が
同年代ということもありますが)現代を舞台にした場合ケータイ電話が物語の質を邪魔するので
しょうね。
ソロモンの偽証 第I部 事件 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第I部 事件より
4103750103
No.28
(5pt)

前半辛抱、後半爆発

前半、藤野涼子や神原和彦たちが学校内裁判での主張立証に向けて準備を進めるくだりは、伏線張りなどもちろん物語の構築に不可欠な場面であるとはいえややテンポに欠けた。しかしながら、我慢して読み続けた後、12月24日に柏木家にかかってきた電話の発信元番号が判明したシーン(526頁)からは、またまた一気呵成の面白さ。どうして、第III部の発売が10月12日なの。待ちきれませんよ。

「この疑念を晴らさないことには、あたしは大人になれない」(698頁)。
「真実は、これまでの思い込みから離れたところに存在しているのかもしれない。それを突き止めなければならない」(715頁)。

やはり、キー・パーソンは神原和彦であることを予感させた第II巻(例えば、382頁、466頁、528頁、644頁、652頁、708頁や709頁の描写など)ですが、そもそも彼が自分で小林電器店を訪問しないのが怪しいですね。12月24日の夜、ここから柏木家に電話をかけたのは彼自身だったのではないでしょうか・・・
ソロモンの偽証 第II部 決意 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第II部 決意より
4103750111
No.27
(5pt)

事件の波紋に魅かれます

分厚いハードカバーの本が、こんなにもスピーディーに読めたなんて…。
久しぶりに面白い小説を読みました。

クリスマスの朝の一人の男子中学生の死が次から次へと事件を巻き起こします。
中学生の思惑や複雑な家庭事情も事件の背景にみえました。
いじめと自殺問題が中心にある作品だと思いますので、
中学生を持つ家庭環境のむずかしさや保護者の責任を強く感じ、
現実問題とも受け止められる内容でした。
作者が十年の年月を費やした作品だけあって、中身の濃い現代ミステリーだったと思います。
ソロモンの偽証 第I部 事件 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第I部 事件より
4103750103
No.26
(5pt)

いや、凄い、圧巻の741頁。しかもまだ事件は起こったばかり・・・

それぞれの登場人物の内面とその他者への観察をなめるように描写し、また彼らの発言と内面の独白を巧妙につなぎ合わせることで、あたかもその人物が生身を伴って眼前にいるかのような錯覚さえ受けました。様々な事象と事象、微細な点と点が、やはり次第につなぎ合わさって「物語」という怪物がムラムラと立ち上ってくるさまは見事としか云いようがありません。これぞ読書の醍醐味。

宮部さんの現代物作品は、これまでも時々の時代や社会に特徴的な事件などとシンクロすることが多かったように思いますが、2002年に本作の連載が開始されているところ、「いじめ問題」が改めて社会の耳目を集めているこの2012年に本書が刊行されたという点には、(単なる符合ではない)彼女のもって生まれたかのような「時代の巫女」としてのある種の預言者性を感じています。

一点だけ、評者としてリアリティが薄いと感じられたのは、三宅樹里の取り扱いです。経営管理者的な視点からみれば、責任は責任ですからその後のフォローは考えるにしても、彼女を問い詰めて「ゲロ」させていれば、多くの人物が不幸に陥るのを防ぐことができたのは、リスク管理上余りに明らかであるように思われます(645頁や667頁、673頁、677頁参照)。しかし、それでは物語が成り立たないので、校長先生のような方が出てくるのでしょう。(もちろん、教育や人道といった問題もあります。)その意味では、読み手の立場や見解により様々な読みができるであろう点も、本書の優れたテキスト性を例証しているように思います。

さて、次は第II部だ。
ソロモンの偽証 第I部 事件 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第I部 事件より
4103750103
No.25
(5pt)

U部は読まなきゃ後悔する。

'T部を読んだ時に、なんだか時事ネタな気がして俗な感じがしたんだけど、'U部の始まり20ページくらいまで読んで腕が鳥になりました。
徐々に真相に近づいて来るような話の展開に終始ドキドキしながら最後まで読みました。

'V部が楽しみで仕方がないです。やっぱり逆転裁判みたいな展開か!?
こんなストーリーの展開をこんなに上手く表現できるなんて凄すぎるわ。

出てくる中学生たちが美人すぎたり男前すぎたりで三十路すぎの俺にはいささか眩しすぎます。
ソロモンの偽証 第II部 決意 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第II部 決意より
4103750111
No.24
(4pt)

面白いですよ

第I部に比べると、無駄な表現が少なくなり、多少は読みやすくなりました。
ただ伏線の張り方がくどくて、ちょっとネタバレ感がありますが、
まあ、ストーリーの骨子は面白いのでこの先が楽しみです。
ソロモンの偽証 第II部 決意 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第II部 決意より
4103750111
No.23
(5pt)

愛おしい登場人物

一部の内容を忘れないうちに二部を手に取りました。学校で裁判?中学生?リアル感に欠けるところがあるのは正直否めませんでした。おかげでなかなか先に進まなかったのですが、神原和彦の出現で粛々と扉の向こうへ案内されたような感じでした。読み進むうちに彼らが、登場人物として、義務教育を受けなければいけない未成年の中学生であることの意味が理解できました。、家族、学校という縛りのなかで生きていく息苦しさ、どうしようもない自我、あらがえない運。、これらは大人になってもまとわりついて離れないものなんですが、今はこの子たちに寄り添ってあげたいと思えてくるんです。登場人物皆、愛おしく感じられるんです。気づいたら、読み終わっていました。すぐにでも三部を読みたいです。
ソロモンの偽証 第II部 決意 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第II部 決意より
4103750111
No.22
(4pt)

模様は見えてきたけれど。

1作目でめぐらされた登場人物、登場人物の性格設定、物語の場、事件などの縦糸に
ストーリーが展開していくことで横糸がめぐらされてきたのが本作です。
自分たちで真実をつきとめようとする中学生たち、周辺の大人たち。
「学校で行う裁判」という大きなストーリーラインを示したことで
ストーリーの模様が見えてきました。
最終的に見える絵柄を想像しながら2作目を読み進めましたが
まだ先が見えてきません。
時折、凡庸な図柄が見えかかったり、想像していない色合いの図柄を想像させてみたり。
他校から来た弁護人の神原と自殺した柏木の関係とか。
宮部さんが張り巡らしている伏線が3作目でどう結実するのか、しないのか。
どきどきしつつ3作目を待ちます。
せっかちな宮部ファンは3作目まで待って、せーので3冊買って読むのがいいかもしれませんね。
ソロモンの偽証 第II部 決意 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第II部 決意より
4103750111
No.21
(5pt)

砂漠の幽霊はオアシスを見出すことができるのか?

第1部に引き続き、大著にも関わらず読み進める手は止まることなく、睡眠時間を削って読了。

ただ勢いはさておき、雰囲気は第1部と大分異なります
第1部は明るくも軽くもない中身と分量を、微塵の苦もなく読み切らせる宮部みゆきの筆力に感嘆したものの、内容的に「面白い」と言える雰囲気ではありませんでした。が、第2部に関しては言えます。面白かった!
学校内裁判に参加する子ども達の、軽妙で、時々可愛らしささえ感じる遣り取り(或いは心のツッコミ)に、声を出して笑った箇所も多数。君たち、みんなキャラ良すぎ!(笑)
第1部と同じように重苦しく、ある意味硬派な雰囲気を第2部にも予想或いは期待していた人にとっては、肩透かしないし期待外れの感があるかもしれません。
自分も少し心配になったのですが、読み進める内、この作品はそれでいいのだ、と思うようになりました。
この作品の主役は子ども達、そしてこの作品の主眼は、如何にもスキャンダラスでグロテスクな「真実」を晒すことにではなく、子ども達へエールを送ることにあるように思ったからです。

作中で繰り返しほのめかされ、読者にとっては冒頭からその存在が明らかな、弁護人・神原和彦が隠し持つ「真実」。
この「真実」(であり嘘)は、当然学校内裁判のメンバーにとっては裏切りであり、彼に友情を抱く野田健一を傷付けるものであることも想像に難くありません。
けれど野田健一や大出俊次、藤野涼子と共に時間を過ごす彼を見るにつけ、過去に存在するその「真実」が、子ども達と彼本人を傷つけるだけで終わるものではないことを、願わずにいられません。
死んでからわかったって意味がない。それは自己満足にしかならない。神原和彦の言うとおりだ。
この物語を締めくくるであろう『ソロモンの偽証』が、彼らの未来に光をもたらすものでありますように。
藤野検事と野田助手、そして学校内裁判の面々に期待して、第三部を待ちます。
ソロモンの偽証 第II部 決意 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第II部 決意より
4103750111
No.20
(5pt)

早く第'V部が読みたいです

本当は自殺した生徒のパーソナルな事情以外には謎は存在しなかった。
誰かが嘘を書いた告発文で、火の無いところに煙が立った。
煙の影響で一人が死に、一人は大けがを負った。
煙が燻ってきて、さらに放火事件が起きて一人が死んだ。

虚偽と妄想を払しょくするために中学生が立ち上がる話だと思って'第1部を読了しましたが、
'第2部を読み終わってみると、本当に火の無いところに煙が立ったのか、大いなる疑問が沸いてきました。
告発文は本当にウソだったのか?
電器店のオジサンが見た少年とは?
解散した塾とは?
もう、今すぐにでも'第3部を読みたいです。

それにしても、700ページを一気に読ませる作者の才能は素晴らしいです。
3冊で5,670円は安くはありませんが、映画3本くらいの価値は十分にあります。
ソロモンの偽証 第II部 決意 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第II部 決意より
4103750111
No.19
(5pt)

すごい!

誰もが認める稀代のストーリーテラー宮部みゆきが、9年間連載していたものを三ヶ月で読めるとはなんたる贅沢。飛びつかないわけがない。
相変わらず、うまい・すごい・おもしろい。この人が書くと、事件が怖ろしいほど厚みが出る。事件にほんの少ししか関わらない人物にまで人間性を持たせ、それでいて決して無駄にしない。もう名人芸。
そしてやはり宮部氏は文章力がえげつない。使う言葉、句読点の位置、改行のタイミングなど、日本語って難しいけどうまく使うとこんなにも美しいのかと、感心した。私なんて会社に提出する数行の報告書でも苦労するのに、700ページ以上このレベルの文章が続くとは・・・。お見事。
二巻を読み始めた。こちらも最初から目が放せない。ラストはどこに着地するのか、いまから楽しみでしょうがない。宮部みゆき、新たな代表作の誕生。
ソロモンの偽証 第I部 事件 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第I部 事件より
4103750103
No.18
(5pt)

合成の誤謬

合成の誤謬という経済用語がある。個々が部分最適をめざして利益の最大化を目指すと全体としての利益が失われてしまうという話だ。第一部を読む限り、個々が自分の正義を追求することで不幸が生み出されるということを描こうとしているようにしか見えない。それは現実にはあまたあることなのだが、それを推理小説であえて読みたくはない。正義の追求が推理小説の醍醐味であり目的なのだ。
この話が、皆が正しいことをしようとしたが為に不幸が生み出され、それを解決するためには偽証しかなかったという話なら悲しすぎる。ビッグエンターテイナーとしての宮部みゆきを評価してる私はみごとなどんでん返しを期待する。
ソロモンの偽証 第I部 事件 Amazon書評・レビュー: ソロモンの偽証 第I部 事件より
4103750103