ブレイズメス1990

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ブレイズメス1990の評価:

4.06/5点 レビュー 48件。 B ランク

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Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全95件 41〜60 3/5ページ
No.55
(5pt)

面白い!

面白かったです。
個々の人物像に特徴があってわかりやすく、映画をみてるようにその場面が浮かんできます。
ブレイズメス1990 Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990より
4062163136
No.54
(2pt)

「あらすじ」だけを読んでいるような作品

「ブラックペアン」「チームバチスタの栄光」「ジェネラル・ルージュの伝説」と読んできて、医療現場の仔細や裏話や医師の本音が、作者の見事な筆致で描かれてきたと思っていた。実力ある作者だと思ってきた。しかし、この作品は、同じ人間が書いたとは思えない粗さだった。

一言で言って、「お話」にすべて「詳細」が欠けている。

モナコ、モンテカルロで始まる「旅行者の体験談」的ストーリーには、まだ目をつぶろう。しかし大体、どんな国のどんな仕事であれ、欧州であればなおさらのこと契約に基づいて行われているはずだ。そういう仕事をある日、「じゃあ、俺は日本に帰ります」的に、気が向いたからと言ってその日のうちの飛行機に乗って帰ってきてしまえるほど、世の中、甘くないはずだ。第一、そんなに「世界的に有名な外科医」だったのであれば、先々まで手術スケジュールが入っていたに違いないのに、翌日以降の手術日程は一体どうしたのか? 「自分の財産の半分」を手術費として払う、それも「大金持ちばかりがやってくる」、という設定なのであるから、すでに何億円という金を払って彼に手術してもらう予定になっていた患者たちがいたはずなのに、そういう人たちはいったいどうなったのか?

他にも納得できないことが山積している。たとえば天才医師とされる「天城」の何が一体、天才なのか? 何が素晴らしいのかが十分に描かれていない。「バイパス」の代わりに直接、血管を繋ぐ手術が出来ると言うこと、そしてそれが「すばらしく早い」ということなのだが、それだけでは納得させてもらえない。「他人には出来ない!」「世界で一人!」と何度もそういう台詞が出てくるのであるが、それではなぜ他人に出来ない技を、「彼はできるのか?」が説明されていないのだ。

そして、日本での「公開手術」である。アメリカでは行われているが、日本では行われていない。周囲の反対を押し切って、天城はそれを強行する。しかし、これが一番、詳細と説明に欠ける。まず、どんな場で行われたのか? 手術室の構成がひとつも描かれていない。どうも聴取者が見られる状況で行われたと言うことらしい(だから、「公開」なのであるが)。しかし、いくら何でも一般人がいる場で手術など行なわれないであろう。そんな細菌・雑菌・埃だらけの場所で行うはずがない。何らかの形で、一般人と手術室は仕切ってあったはずだ。じゃあ、「何で?」「どうやって?」と思う。透明のボード(ガラスとか硬化プラスチックとか?)で仕切って、聴衆からは(ガラス等を通して)見えるが中は清浄な状態にするのか・・・?。いろいろ考えながら読んだのであるが、最後までそれには触れられていなかった。手術はまるで、コンサートか何かのようにオープンスペースで行われたような書き方だ。まあ、何かの形で手術スペースを周りから隔離したとしよう。しかしその場合、ライトはどうしたのか?(ガラスかプラスチックの透明ボードの強度が、手術用照明を支えるのに十分であったのか?) 手術機器をどうやって移送して設置したのか? 公開手術に反対だった大学が、そういう機器の供給だけには同意したのか? 設置したスタッフはどこから来たたのか? 公開手術の経験がない日本には、レンタルでそういう場にだけ貸し出す業者があるとは思えない。通常だったら、その辺から躓く。もし強行するのであれば、かなりの試行錯誤が必要なはずだ。

また、「ブラックペアン」で詳しく書かれていた「外科医の手術前の手洗い」の大事さを考えると、医師たちの着替えと手洗いの場はどこに設置したのか・・・? そういった疑問がさまざまに出てくる。

そうした詳細は一切かかれず、「手術が行われました!」「天才医師のXXはすばらしい技術で成功しました!」という「おとぎ話」的ストーリーだ。結局、最初から最後まで「あらすじ」だけ読んでいるような作品だった。
ブレイズメス1990 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990 (講談社文庫)より
4062772477
No.53
(2pt)

「あらすじ」だけを読んでいるような作品

「ブラックペアン」「チームバチスタの栄光」「ジェネラル・ルージュの伝説」と読んできて、医療現場の仔細や裏話や医師の本音が、作者の見事な筆致で描かれてきたと思っていた。実力ある作者だと思ってきた。しかし、この作品は、同じ人間が書いたとは思えない粗さだった。

一言で言って、「お話」にすべて「詳細」が欠けている。

モナコ、モンテカルロで始まる「旅行者の体験談」的ストーリーには、まだ目をつぶろう。しかし大体、どんな国のどんな仕事であれ、欧州であればなおさらのこと契約に基づいて行われているはずだ。そういう仕事をある日、「じゃあ、俺は日本に帰ります」的に、気が向いたからと言ってその日のうちの飛行機に乗って帰ってきてしまえるほど、世の中、甘くないはずだ。第一、そんなに「世界的に有名な外科医」だったのであれば、先々まで手術スケジュールが入っていたに違いないのに、翌日以降の手術日程は一体どうしたのか? 「自分の財産の半分」を手術費として払う、それも「大金持ちばかりがやってくる」、という設定なのであるから、すでに何億円という金を払って彼に手術してもらう予定になっていた患者たちがいたはずなのに、そういう人たちはいったいどうなったのか?

他にも納得できないことが山積している。たとえば天才医師とされる「天城」の何が一体、天才なのか? 何が素晴らしいのかが十分に描かれていない。「バイパス」の代わりに直接、血管を繋ぐ手術が出来ると言うこと、そしてそれが「すばらしく早い」ということなのだが、それだけでは納得させてもらえない。「他人には出来ない!」「世界で一人!」と何度もそういう台詞が出てくるのであるが、それではなぜ他人に出来ない技を、「彼はできるのか?」が説明されていないのだ。

そして、日本での「公開手術」である。アメリカでは行われているが、日本では行われていない。周囲の反対を押し切って、天城はそれを強行する。しかし、これが一番、詳細と説明に欠ける。まず、どんな場で行われたのか? 手術室の構成がひとつも描かれていない。どうも聴取者が見られる状況で行われたと言うことらしい(だから、「公開」なのであるが)。しかし、いくら何でも一般人がいる場で手術など行なわれないであろう。そんな細菌・雑菌・埃だらけの場所で行うはずがない。何らかの形で、一般人と手術室は仕切ってあったはずだ。じゃあ、「何で?」「どうやって?」と思う。透明のボード(ガラスとか硬化プラスチックとか?)で仕切って、聴衆からは(ガラス等を通して)見えるが中は清浄な状態にするのか・・・?。いろいろ考えながら読んだのであるが、最後までそれには触れられていなかった。手術はまるで、コンサートか何かのようにオープンスペースで行われたような書き方だ。まあ、何かの形で手術スペースを周りから隔離したとしよう。しかしその場合、ライトはどうしたのか?(ガラスかプラスチックの透明ボードの強度が、手術用照明を支えるのに十分であったのか?) 手術機器をどうやって移送して設置したのか? 公開手術に反対だった大学が、そういう機器の供給だけには同意したのか? 設置したスタッフはどこから来たたのか? 公開手術の経験がない日本には、レンタルでそういう場にだけ貸し出す業者があるとは思えない。通常だったら、その辺から躓く。もし強行するのであれば、かなりの試行錯誤が必要なはずだ。

また、「ブラックペアン」で詳しく書かれていた「外科医の手術前の手洗い」の大事さを考えると、医師たちの着替えと手洗いの場はどこに設置したのか・・・? そういった疑問がさまざまに出てくる。

そうした詳細は一切かかれず、「手術が行われました!」「天才医師のXXはすばらしい技術で成功しました!」という「おとぎ話」的ストーリーだ。結局、最初から最後まで「あらすじ」だけ読んでいるような作品だった。
ブレイズメス1990 Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990より
4062163136
No.52
(4pt)

ミステリとして宣伝するなよ、講談社

著者の作品は、きまって天才的な外科医が登場する。
本書ではモンテカルロのエトワールという異名をとる天城であり、前作「ブラックペアン1988」では渡海だった。
別シリーズではジェネラル速水やバチスタ桐生だったりする。
そして、他の作品のキャラがチラ見せで登場するのもまた、楽しみのひとつである。

さて、本シリーズは「バチスタ」シリーズの20年前の話であり、高階がまだ講師の時代だが、舞台は同じ東城大病院である。
そしてなにより決定的なことは、どうも著者は本シリーズをミステリにはしないつもりのようだ。
前作、そして本作と、ミステリとしての要素は皆無である。
もっとも、これは著者の細菌の作品に共通することであり、はなからミステリ性を放棄した「ひかりの剣」や「医学のたまご」だけではなく、「モルフェウスの領域」も極北シリーズも、ミステリ性はほとんどない。
田口・白鳥シリーズだけはかろうじてミステリ性を残しているが、どうも著者はミステり性をなくすことで、作品の医療に対するメッセージ性を強めたい思いがあるようだ。

ブルーバックすで著者が「死因不明社会」を刊行してからの作品では、特にミステリ性がそぎ落とされている。
本書もまた、ミステリ性はかけらも見られない。
本シリーズが世良の医師としての成長物語なのであれば、さらに他の作品世界との相同性から、本書の位置づけはどう考えたら良いのだろう。
著者が本作で訴えたいことは、実に良くわかる。
しかし、本作の続編では、あれに関する挫折が描かれるはずなのだ。
すると、本作で天城が述べた理念と理想はいったいどうなってしまうのか。
まさか単純に否定されるだけではあるまい・・・・と妙な期待と不安を抱いてしまうのもしかたのないことではある。

そして彼、「モルフェウス」にもチラ見せがあった彼は、本作にはまったく登場しない。
彼ははたして、続編では登場するのか。
いずれにしても本シリーズは、本作で終わるわけにはいかないから、いつかまた世良、天城、そして彼と再会できることを期待したい。
ブレイズメス1990 Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990より
4062163136
No.51
(4pt)

ミステリとして宣伝するなよ、講談社

著者の作品は、きまって天才的な外科医が登場する。
本書ではモンテカルロのエトワールという異名をとる天城であり、前作「ブラックペアン1988」では渡海だった。
別シリーズではジェネラル速水やバチスタ桐生だったりする。
そして、他の作品のキャラがチラ見せで登場するのもまた、楽しみのひとつである。

さて、本シリーズは「バチスタ」シリーズの20年前の話であり、高階がまだ講師の時代だが、舞台は同じ東城大病院である。
そしてなにより決定的なことは、どうも著者は本シリーズをミステリにはしないつもりのようだ。
前作、そして本作と、ミステリとしての要素は皆無である。
もっとも、これは著者の細菌の作品に共通することであり、はなからミステリ性を放棄した「ひかりの剣」や「医学のたまご」だけではなく、「モルフェウスの領域」も極北シリーズも、ミステリ性はほとんどない。
田口・白鳥シリーズだけはかろうじてミステリ性を残しているが、どうも著者はミステり性をなくすことで、作品の医療に対するメッセージ性を強めたい思いがあるようだ。

ブルーバックすで著者が「死因不明社会」を刊行してからの作品では、特にミステリ性がそぎ落とされている。
本書もまた、ミステリ性はかけらも見られない。
本シリーズが世良の医師としての成長物語なのであれば、さらに他の作品世界との相同性から、本書の位置づけはどう考えたら良いのだろう。
著者が本作で訴えたいことは、実に良くわかる。
しかし、本作の続編では、あれに関する挫折が描かれるはずなのだ。
すると、本作で天城が述べた理念と理想はいったいどうなってしまうのか。
まさか単純に否定されるだけではあるまい・・・・と妙な期待と不安を抱いてしまうのもしかたのないことではある。

そして彼、「モルフェウス」にもチラ見せがあった彼は、本作にはまったく登場しない。
彼ははたして、続編では登場するのか。
いずれにしても本シリーズは、本作で終わるわけにはいかないから、いつかまた世良、天城、そして彼と再会できることを期待したい。
ブレイズメス1990 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990 (講談社文庫)より
4062772477
No.50
(4pt)

時代の分岐点を 書きだそうとしている小説でもある

海堂尊さんによる桜ノ宮を舞台にした小説。
このシリーズは過去編となる。1990年である。

バブル景気の時期であり黄金地球儀の話しなど他作品と絡む内容も踏まえつつ
日本全体の景気が良かったことをを各所で感じられる。

天城が指摘していたように景気の良い時期であるからこそ次の時代に必要なものを
作り準備するべきであるという指摘はその通リである。しかし十分に出来ないまま
今に至っているのだろう。あのときそうしていたらという意味で時代の分岐点を
書きだそうとしている小説でもある。

天城の報酬のとり方は何だか手塚治虫のブラック・ジャックみたいだな。
影響を受けているのだろうか。

公開手術など外科医須磨久善を読んでいると理解が進むものも多い。
人格はともかく天城の手術の技術は須磨久善がモデルであると思われる。

本作には海堂尊の他作品でも登場する人物たちの若かりし頃が出ていて興味ふかい。
高階講師は病院長になった後とイメージがだいぶ違うような気もする。

バチスタの栄光に出てくる桐生も最後の方で出ていておっと思わされた。
ブレイズメス1990 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990 (講談社文庫)より
4062772477
No.49
(4pt)

時代の分岐点を 書きだそうとしている小説でもある

海堂尊さんによる桜ノ宮を舞台にした小説。
このシリーズは過去編となる。1990年である。

バブル景気の時期であり黄金地球儀の話しなど他作品と絡む内容も踏まえつつ
日本全体の景気が良かったことをを各所で感じられる。

天城が指摘していたように景気の良い時期であるからこそ次の時代に必要なものを
作り準備するべきであるという指摘はその通リである。しかし十分に出来ないまま
今に至っているのだろう。あのときそうしていたらという意味で時代の分岐点を
書きだそうとしている小説でもある。

天城の報酬のとり方は何だか手塚治虫のブラック・ジャックみたいだな。
影響を受けているのだろうか。

公開手術など外科医須磨久善を読んでいると理解が進むものも多い。
人格はともかく天城の手術の技術は須磨久善がモデルであると思われる。

本作には海堂尊の他作品でも登場する人物たちの若かりし頃が出ていて興味ふかい。
高階講師は病院長になった後とイメージがだいぶ違うような気もする。

バチスタの栄光に出てくる桐生も最後の方で出ていておっと思わされた。
ブレイズメス1990 Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990より
4062163136
No.48
(4pt)

医療をギャンブルというメスで切ったら本質的な問題にぶち当たった!

医療を語る上で、日本ではまず「命」が大事という倫理感が来るけど、それってどうなのと問いかけてくる本。著者は医者をやっている時にずっと考えているのではないかな。そして、その問題意識を破天荒な天才医師に語らせています。
高度医療をビジネスとして儲かるようにすれば、健康保険組合の破綻なども乗り切れるはず、結果的にはもっとたくさんの人が救えるというのが言いたいことでしょう。
ストーリーとしては、ドロドロした桜宮になる前の、とても爽やかな時代(1990)のお話。スターウォーズでエピソード4・5・6をやった後に1・2・3に戻ったイメージですね。時間が経過した後のエピソードであるバチスタの栄光や螺鈿迷宮・アリアドネの弾丸を読んだ後に読むほうが宜しいかも。
ブレイズメス1990 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990 (講談社文庫)より
4062772477
No.47
(4pt)

医療をギャンブルというメスで切ったら本質的な問題にぶち当たった!

医療を語る上で、日本ではまず「命」が大事という倫理感が来るけど、それってどうなのと問いかけてくる本。著者は医者をやっている時にずっと考えているのではないかな。そして、その問題意識を破天荒な天才医師に語らせています。
高度医療をビジネスとして儲かるようにすれば、健康保険組合の破綻なども乗り切れるはず、結果的にはもっとたくさんの人が救えるというのが言いたいことでしょう。
ストーリーとしては、ドロドロした桜宮になる前の、とても爽やかな時代(1990)のお話。スターウォーズでエピソード4・5・6をやった後に1・2・3に戻ったイメージですね。時間が経過した後のエピソードであるバチスタの栄光や螺鈿迷宮・アリアドネの弾丸を読んだ後に読むほうが宜しいかも。
ブレイズメス1990 Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990より
4062163136
No.46
(4pt)

海堂尊ワールド

「ブッラックペアン1988」の続編。
タイトル通り前作の2年後、1990年の世界です。
主人公は世良雅志ですが、この医者になって間もない男に言い渡された極秘ミッションが、引き起こす騒動がこの物語のメインのストーリーです。
テーマ的には、「医療」と「金」の関係でしょうか。
小説としては、非常にテンポ良く謎めいた部分もあって、なかなか楽しい作品になっています。
ただ、クライマックス部分の処理が、盛り上がりに欠ける部分があってちょっと気になりました。
いずれにしても、この作者の作品はすべての作品がリンクしているので、そうした関連性も楽しめる作品です。
この作品もそうした視点で見ると、「ジェネラル・ルージュの伝説」や「螺旋迷宮」「夢見る黄金地球儀」とも繋がっており、別の意味での楽しみもあります。
ブレイズメス1990 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990 (講談社文庫)より
4062772477
No.45
(4pt)

海堂尊ワールド

「ブッラックペアン1988」の続編。
タイトル通り前作の2年後、1990年の世界です。
主人公は世良雅志ですが、この医者になって間もない男に言い渡された極秘ミッションが、引き起こす騒動がこの物語のメインのストーリーです。
テーマ的には、「医療」と「金」の関係でしょうか。
小説としては、非常にテンポ良く謎めいた部分もあって、なかなか楽しい作品になっています。
ただ、クライマックス部分の処理が、盛り上がりに欠ける部分があってちょっと気になりました。
いずれにしても、この作者の作品はすべての作品がリンクしているので、そうした関連性も楽しめる作品です。
この作品もそうした視点で見ると、「ジェネラル・ルージュの伝説」や「螺旋迷宮」「夢見る黄金地球儀」とも繋がっており、別の意味での楽しみもあります。
ブレイズメス1990 Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990より
4062163136
No.44
(4pt)

天城の饒舌は何を語るのか

この小説を彩るのは「チームバチスタ」などで見られた医療&サスペンスではなく、医師天城雪彦自信に満ちた饒舌。小説のメインディッシュとなるべき手術は終盤に配されているから、それまでずっと彼の饒舌を聞き続けることになる。何故に彼は語り続けるのか。彼が語りたかったことは次第に明らかになる。それは、20年前から見た日本の医療の未来、すなわち医療の現在である。

高齢化故に心臓病患者は多く、心臓外科病院は乱立する。平均術例数が年間100件を下回るという現状には厚労省も危機感を持っているようだが、施設が貧弱だろうと専門医がいなかろうと、増え続ける患者を待ち受けるにはまずは看板を掲げて・・・という心臓病医療の現実。

そんな未来をどこまで予想したのかは知らないが、地方医大に過ぎなかった東城医大の佐伯教授は身分不相応でも世界的第一人者を招聘し、招かれた天城は高度医療に耐えうるハートセンターの立ち上げを目指す。高度医療は経済原理に支えられる、とする天城に金持ち優遇と反発する医師たち。天城の技術とロジックの前に彼らの反発は押し潰されて、この小説は終わる。

東城医大がバチスタ術の第一人者を得たのは、先人たちが未来を真剣に考えていたから、ということなのだろうか。大きな流れの中の一冊なので、この小説単体では不満足感が残るかもしれない。少なくともちゃんと「バチスタ」を読んでからにすればよかった。
ブレイズメス1990 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990 (講談社文庫)より
4062772477
No.43
(4pt)

天城の饒舌は何を語るのか

この小説を彩るのは「チームバチスタ」などで見られた医療&サスペンスではなく、医師天城雪彦自信に満ちた饒舌。小説のメインディッシュとなるべき手術は終盤に配されているから、それまでずっと彼の饒舌を聞き続けることになる。何故に彼は語り続けるのか。彼が語りたかったことは次第に明らかになる。それは、20年前から見た日本の医療の未来、すなわち医療の現在である。

高齢化故に心臓病患者は多く、心臓外科病院は乱立する。平均術例数が年間100件を下回るという現状には厚労省も危機感を持っているようだが、施設が貧弱だろうと専門医がいなかろうと、増え続ける患者を待ち受けるにはまずは看板を掲げて・・・という心臓病医療の現実。

そんな未来をどこまで予想したのかは知らないが、地方医大に過ぎなかった東城医大の佐伯教授は身分不相応でも世界的第一人者を招聘し、招かれた天城は高度医療に耐えうるハートセンターの立ち上げを目指す。高度医療は経済原理に支えられる、とする天城に金持ち優遇と反発する医師たち。天城の技術とロジックの前に彼らの反発は押し潰されて、この小説は終わる。

東城医大がバチスタ術の第一人者を得たのは、先人たちが未来を真剣に考えていたから、ということなのだろうか。大きな流れの中の一冊なので、この小説単体では不満足感が残るかもしれない。少なくともちゃんと「バチスタ」を読んでからにすればよかった。
ブレイズメス1990 Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990より
4062163136
No.42
(3pt)

経過の作品を読みたくなる

本書(海堂尊『ブレイズメス1990』講談社、2010年)は『ブラックペアン1988』の2年後を描く桜宮サーガの一作である。これから始まるというところで終わってしまうため、他の作品と比べると、作品単体としてはスッキリしない印象である。
バブル経済期に現代医療の問題は出ていたという点が著者の問題意識である。そのか一つの解としてスリジエ・ハートセンターを提示するが、バチスタ・シリーズでは主人公サイドの人間である高階権太には到底受け入れられない発想である。しかし、本書の高階は『ブラックペアン1988』以上に青臭く頭が固くて精彩を欠く。そのために考え方の対立する天城雪彦の独壇場になっている。後のバチスタ・シリーズでは高階は病院長になっており、本書で天城が描いた未来図とは反対の結果となったように見える。どうして、そのようになったか、経過の作品を読みたくなる。
本書では金持ち優先の医療という天城の主張を誰も論破できない。しかし、格差社会の進展した日本は本書で想定した以上に深刻な状況である。国民健康保険料の値上げによって健康保険料も納付できず、健康保険証を取り上げられ、基礎医療すら満足に受けられない人々が増えている。貧困という問題意識から医療の問題に切り込むアプローチがあっても面白いと考える。
ブレイズメス1990 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990 (講談社文庫)より
4062772477
No.41
(3pt)

経過の作品を読みたくなる

本書(海堂尊『ブレイズメス1990』講談社、2010年)は『ブラックペアン1988』の2年後を描く桜宮サーガの一作である。これから始まるというところで終わってしまうため、他の作品と比べると、作品単体としてはスッキリしない印象である。
バブル経済期に現代医療の問題は出ていたという点が著者の問題意識である。そのか一つの解としてスリジエ・ハートセンターを提示するが、バチスタ・シリーズでは主人公サイドの人間である高階権太には到底受け入れられない発想である。しかし、本書の高階は『ブラックペアン1988』以上に青臭く頭が固くて精彩を欠く。そのために考え方の対立する天城雪彦の独壇場になっている。後のバチスタ・シリーズでは高階は病院長になっており、本書で天城が描いた未来図とは反対の結果となったように見える。どうして、そのようになったか、経過の作品を読みたくなる。
本書では金持ち優先の医療という天城の主張を誰も論破できない。しかし、格差社会の進展した日本は本書で想定した以上に深刻な状況である。国民健康保険料の値上げによって健康保険料も納付できず、健康保険証を取り上げられ、基礎医療すら満足に受けられない人々が増えている。貧困という問題意識から医療の問題に切り込むアプローチがあっても面白いと考える。
ブレイズメス1990 Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990より
4062163136
No.40
(4pt)

続きが読みたい

なんとなく続編がありそうな終わり方が気になります。
他の方のレビューはなかなか厳しい感じがしましたが、
私は純粋に楽しめました。
これだけだと完結しなさそうなので、★-1。
ブレイズメス1990 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990 (講談社文庫)より
4062772477
No.39
(4pt)

続きが読みたい

なんとなく続編がありそうな終わり方が気になります。
他の方のレビューはなかなか厳しい感じがしましたが、
私は純粋に楽しめました。
これだけだと完結しなさそうなので、★-1。
ブレイズメス1990 Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990より
4062163136
No.38
(5pt)

スピード感溢れる作品

医療とお金の問題に正面から向き合う天城先生の
キャラクターが突き抜けていている。
そのモナコでの生活ぶりや行動が浮世離れていて
久々に濃いキャラクターがきたなという感じです。

公開手術に向けてのスピード感に引きづられ、
読み進むスピードもあがりました。

世良先生は、相変わらずラッキーボーイぶりを発揮し、
個性的な先生達のお気に入りになっています。

ただ、現在に目を向けると、世良先生も天城先生も
佐伯教授も大学にはおらず、この数年間で何が起きたの
だろうと想像が膨らみました。

スリジエ・ハートセンターは結局設立されていませんし、
いろいろ伏線らしきものはちりばめられています。

また2年後の話が楽しみです。
ブレイズメス1990 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990 (講談社文庫)より
4062772477
No.37
(5pt)

スピード感溢れる作品

医療とお金の問題に正面から向き合う天城先生の
キャラクターが突き抜けていている。
そのモナコでの生活ぶりや行動が浮世離れていて
久々に濃いキャラクターがきたなという感じです。

公開手術に向けてのスピード感に引きづられ、
読み進むスピードもあがりました。

世良先生は、相変わらずラッキーボーイぶりを発揮し、
個性的な先生達のお気に入りになっています。

ただ、現在に目を向けると、世良先生も天城先生も
佐伯教授も大学にはおらず、この数年間で何が起きたの
だろうと想像が膨らみました。

スリジエ・ハートセンターは結局設立されていませんし、
いろいろ伏線らしきものはちりばめられています。

また2年後の話が楽しみです。
ブレイズメス1990 Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990より
4062163136
No.36
(2pt)

肩すかし

前作で渡海・高階の両先生から気に入られたラッキーボーイ?世良先生。

今回も幸か不幸か、
日本の医療界に収まりきらない超個性派医師の招聘に成功。だが、そのお目付役、もといお世話役を仰せつかり…
病院内での冷ややかな視線の中、板挟みの立場をどう切り抜けていくのか? という筋書き…

結局、自ら進んで動かないまま流され、傍観者然のまま、話が進んでいく。
「ブラックペアン」のハラハラ・ドキドキ感を期待したが、(個人的には)大きな盛り上がりもなく、結局そのまま、物語が終わってしまった。
最後にもう一波乱あるだろうと思って身構えていたが どんでん返しもなく、肩すかしを食らった感じ。

「ブラックペアン」が面白かっただけに、その続編としては期待はずれ。

蛇足だが、
本作では「医療とお金」「人の命とお金」がテーマになっている。筆者は、国の医療費削減がもたらした(リアルの)現状の、1つの解決策を提示したものだと思う。何となく、作者自身が納得しているような感じで、他作品で見られるような切実な訴えとなっていない。そのため、心に響いてこなかったのではないかと思う。

なお、不見識ながら「ブレイズメス」が何なのか、私には最後まで分からなかった。
ブレイズメス1990 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ブレイズメス1990 (講談社文庫)より
4062772477