SOSの猿
評判
SOSの猿の評価:
3.10/5点 レビュー 112件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全98件 61〜80 4/5ページ
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SOSの猿の評価:
3.10/5点 レビュー 112件。 D ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
2人の話が交互に語られ、たぶんどこかでこの2つの話が交わるのだろうなぁと思いながら読んでいると、はたしてその通りになるが、「フィッシュストーリー」のようにそこが面白い話ではない。
コンビニ、ファミレス、住宅街といった日常描写がもっと描き込まれていて、そこに牛魔王や孫行者がもっと生き生きと、現実に幻覚が割り込んできてせめぎあったらおもしろいのに、その辺りは中途半端というかひかえめである。
でもそれが伊坂幸太郎の持ち味のような気もする。
また主人公を家電量販店店員にしているが、主人公が同じ職業の「俺俺」を読んだ後のせいか、それに比べてリアリティの無さが気になる。イタリア留学の理由もよく分からない。
主人公が繰り返し「げんなりした」という言葉に「げんなり」した。繊細な人は日常でげんなりする事が多いってこと?
さらに脇役たちが話の都合上、配置された小道具のようで、立ち上がってこない。
と、さんざん文句を言っておいて5点なのは、この物語に個人的な記憶を呼び起こされ、感慨深く読んだから。
私も子供の頃、救急車の音に対して母親に主人公と同じこと(多少言い回しが違うが)を言われていたし、私も子供たちに同じ事を言って育てた。たぶん今でも多くの母親が子供に同じことを言ってると思う。
それは単に、救急車というものの役割を幼い子に教える方便なのだが、なるほど、同時に「他人の痛み」というものを幼い子供に教えていたのだ。
しかしいつからか自分の痛みと他人の痛みの間には断崖絶壁の落差が生じ、他人の痛みに鈍感になることで、日々をやり過ごす。
救急車の音に「誰か痛いよ〜って泣いてるのかなぁ?」と心配そうに言う幼子に「早く痛いの治るといいねえ」と見知らぬ人の無事を願っていた母親が、いつの間にやら、運転中の救急車の音に舌打ちしながら車を寄せるようになってしまう(すみません、自分のことです)
しかしこのセンシティブな主人公は大人になっても、他人と自分の痛みの境界線がはっきりしない幼児のように救急車の音を聴くのだ!
他人の痛みに敏感であること、教条的でなく、幼い子に教えるやり方でそれが描かれていることに素直に感動してしまった。