ビブリア古書堂の事件手帖 栞子さんと奇妙な客人たち
評判
ビブリア古書堂の事件手帖 栞子さんと奇妙な客人たちの評価:
3.85/5点 レビュー 320件。 B ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全223件 81〜100 5/12ページ
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読了してまず思い浮かべたのは、日本ミステリー史上、屈指のキャラクタ、島田荘司の生み出した御手洗潔と石岡和己だった。この二人と篠川栞子と五浦大輔に共通して感じるのは『優しさ』だ。キャラクタに『優しさ』を感じさせる、というのは、実は大変なことだと思う。その『優しさ』は何処から来ているのか、を考えてみれば、それは深い深い古書への愛情から来ているのが容易に感じられる。この古書への愛情というのが『本物』かどうかは、読み進めばすぐに分かってしまう。中古レコード店、古書店勤務を経て、作家となった三上氏の古書への愛情は、本当に本が好きな人しか書けないものばかりだ。
そしてぼくも登場人物同様に無類の『本好き』だ。だからミステリー好きでは文庫本のレア本として知られているエラリー・クイーンの『フォックス家の殺人』やディビット・ハンドラーの『傷心』、あるいはファンタジーでは確か最初の日本語訳が文庫本で出された今やすっかり有名になってしまったW.W.トールキンの『指輪物語』などを初版で持っている。こういうものを持っているということは『本好き』には、たまらなく嬉しいのだ。この気持ちが理解できる人がこの作品を読むと実に『響く』と思う。
そして栞子さんがとても魅力的だ。
『本好き』ですらすらとそのあらすじだけでなく、印象的な言葉をよどみなく語り、感想を語る。そんな魅力的な女性が本当にいなくなってしまっている気がする。画一化された女性像をマスコミから提示され、それをただ模倣するだけ、そんな女性ばかり増えている気がする。この栞子さんのように真摯に好きなものを追いかけている女性の可愛らしさにこそ、男性は惹かれると思うのだが、どうだろう。
そして、この本では『本好き同士は惹かれ合う』と言っているけれど、それ以上に『語り手』と『聞き手』は惹かれ合うのではないかな、と思うのだ。