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殺し屋の営業術



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殺し屋の営業術

殺し屋の営業術の評価: 9.00/10点 レビュー 2件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

殺し屋の営業術の感想

2025年度の江戸川乱歩賞受賞作品。
江戸川乱歩賞はこれを受けてデビューという事が多い為、新人賞というイメージが強いのですが、実際は他でプロとして活躍している方も応募可能です。本作の作者である野宮有もすでに活躍している方で、プロによる受賞作となりました。
ここ数年の乱歩賞で思う事は、かつてのような社会派で重厚な作品というより、ライトで読みやすい作品が増えた印象があります。本作もその流れにあり、すでに実力を持つ作者だけあって、新人賞特有の読みにくさはまったくなく、非常にスラスラと読みやすい読書でした。乱歩賞は読み辛いという負のイメージを払拭しています。作者の過去の作品をいくつか読んでいますが、本作はそれ以上に文章が読みやすくなっており、かつミステリーとして面白い作品でした。

物語は営業のトップセールスマンが営業先で殺し屋の現場に遭遇してしまう――という巻き込まれ型の作品。
殺し屋に殺されないように、生き残るために営業テクニックを駆使する序盤から一気に引き込まれました。相手をその気にさせる思考やセリフの数々は心理テクニックが活用されており、小説でありながら実用書のノウハウ集を読んでいるかのような面白さがあり、読んでいて勉強にもなる感覚でした。
巻き込まれ型作品ゆえ、先が進むごとにどのような展開になるかは読んでからのお楽しみとなりますが、個人的な最大の評価ポイントは小説の終わり方が完璧だったという点。どんでん返しとかそういう意味ではなく、物語の閉じ方がとても巧く「うぁ...すご」っと思わず声がでた読後感でした。

その他のお知らせ事項として、乱歩賞で殺し屋作品だから重い小説を想像されるかもしれませんが、そういう重さはなく、個人的にはライトノベルやメフィスト賞に近い感覚を得ました。スラスラとテンポよく読める一冊です。過去作『嘘と詐欺と異能学園』のような相手を騙すコンゲーム的な要素もあり、シリーズ化も期待できそうな作品です。とても楽しい読書でした。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
T4OQ1KM0
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

殺し屋の営業術の感想

乱歩賞史上最高といってもいいほどの完成度。通常殺し屋は敵役で最期はやられるものだが、これはいわば敵役vs敵役、正義の味方が出てこないダークな世界でのダークな展開。リアリティ云々は言いっこなし、プロの営業マンと殺し屋稼業をミックスさせた完全なフィクションだからこそ最後まで楽しくハラハラできた痛快作なのである。鳥井と鴎木の対決が実に痛快!
勧善懲悪ならぬ勧悪懲悪!?

本好き!
ZQI5NTBU

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