老人介護のボランティアをしている仁科理佳は、寝たきりの老婆・幸枝の様子を見てきて欲しいと頼まれる。

その家に関わった者は、行方不明になるか悲惨な死を遂げると言われる「呪われた家」。

僕は人形を作り続ける。42号と名付けられたこの人形の頭部にはまだ髪がなく、唇にも紅は塗られていない。

空港近くのホテル。人々の笑い声は、包丁を持った元ハウスキーパーの青年、香取純一の侵入で悲鳴に変わる。

星野鈴音は十人並以下の容姿。けれど初めて見た瞬間、榊原優一は激しく心を動かされた。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

湘南で整形外科医として働く小鳥田優児は、神の手と噂されるほどの名医だった。

一本のビデオテープを観た四人の少年少女が、同日同時刻に死亡した。

生真面目な女子大生の水沢琴音は、青年実業家・白石周平の秘書のアルバイトを始めた。

お見合いで知った双葉に惹かれる慶太。双葉によって嗜虐性に目覚めた慶太は、出会った日から彼女に陵辱の限りを尽くす。

悦楽の街マカオ。小説家は束の間の自由な時間を楽しんでいた。

幼い息子を海で亡くした監察医の安藤は、謎の死を遂げた友人・高山の解剖を担当し、冠動脈から正体不明の肉腫を発見した。

多岐川瑠璃子は実家住まいの歯科衛生士、33歳。家と職場の往復だけの単調な日々を過ごしている。

中絶の専門医である古河は、柔らかい物腰と甘いマスクで周りから多くの人望を集めていた。

冴えない大学生の南里遼太郎は、合コンで出会った夕紀の眩しいまでの美貌が忘れられなかった。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

香月健太は33歳。

看護師の裕子は、芙季絵という少女の担当を任されてから、奇妙な体験をするようになる。

ある家で、司法試験に落ちた息子が家族5人を次々と惨殺し、自らも首を吊って死んだ。

リングの事件発生からさかのぼること三十年あまり。小劇団・飛翔の新人女優として不思議な美しさを放つひとりの女がいた。

右か、左か。人は無意識のうちに選択を繰り返す。

広大な沼地と河口に面し、わずかに水上に出た土手道で村とつながるだけ。その館は冷たく光りながら堂々とそそり立っていた。

ある雨の降る晩。突然、僕は佐々木千尋を思い出した。

わたしの家は、クラスの子たちとどこか違う。これから母と、死体を埋める。

京子はビストロを経営する美しきギャルソン。

ホラー映画の主演を依頼された劇団員の恵子。

科学者の父親と穏和な母親に育てられた医学生の馨にとって家族は何ものにも替えがたいものだった。

北海道、旭川。平凡な高校生の僕は、レトロなお屋敷に住む美人なお嬢様、櫻子さんと知り合いだ。

ビジネスマンのマシューは妻のジェニファーと軽度の痴呆がある母親エマを連れて日本の企業に赴任してくる。

華やかな夜の街で、金持ちの男女に求められるまま、体を売るヒカル。

モデルとしての将来を嘱望されていた美貌の女子大生・琴音。

その家に入った者は、生きながらえることは決してできない。そしてまた、新たな呪いが生まれる――。

かつて奴隷として買われ、今では奴隷を売買する立場になったサラサ。

大都市の欲望を呑みつくす東京湾。ゴミ、汚物、夢、憎悪…あらゆる残骸が堆積する埋立地。

いくらでも殺せる。彼女が望むなら。

高校1年生の時に隣家に棲む男に拉致監禁された奈緒子。

事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。

頼むから、出て行ってくれ――そう夫に切り出されてから約10年、女ひとりで必死に生きてきた。金のためには春も売った。

真夏のリゾート地で、僕とエリコは二人だけの情事を重ねていた。

「持ち主を死へ誘う人形」。

沙織は絶望のどん底にいた。恋人から手酷く捨てられ、仕事を失い、愛する姪は難病で莫大な治療費が必要だった。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

愛する妻を失った由紀夫は、南の島のヴィラで夜ごと娼婦相手にサド的な欲望を満たす。

昔、昔…。春のある午後、少年は森の中で、日にさらされて色褪せた雑誌が落ちているのを見つけた。

わたしは、とても寒がりだ。拒食症のせいで、脂肪がほぼ無いから。

比奈子の故郷・長野と東京都内で発見された複数の幼児の部分遺体は、神話等になぞらえて遺棄されていた。

柏木はハンサムな若き調香師。彼の調合する香水を求め、店には多くの婦人たちが訪れる。

(クリスマス・イヴに死のう)人里離れた山林に死に場所を求めた「僕」の前に、一台の車が現れた。

朝のラッシュアワーを過ぎた頃、東海道本線、小田原始発・東京行きの『快速アクティー』が、茅ケ崎・平塚間の鉄橋で突如停止した。

多くの美女たちを売買してきた奴隷商人サラサは、妹を解放するため、自らを奴隷として売ることを決意した。

この地獄を抜け出す、悪魔に心を売ってでも――。 歯科医として働くクリスチャン、聖。

僕のもとにある日届き始めた一通の手紙。そこに書かれた指示に従うことで、僕の人生は驚くほど順調だった。

誰もが振り返る美貌と豊かな知性。クライエントへの真撃な姿勢。

新人刑事・藤堂比奈子が里帰り中の長野で幼児の部分遺体が発見される。

腐乱自殺死体の爆発事件を皮切りに、続々と起こる異常な自殺事件。